ゲスト
(ka0000)
水無しの川のほとりで
マスター:尾仲ヒエル

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/09/30 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/10/14 22:00
オープニング
「鈴の音……?」
「どうされました?」
「いいえ。気のせいみたいです」
差し出された青年の手を取って、長い黒髪の少年が馬車を降りる。
彼らの目の前に建つ古びた建物は、教団が支援している孤児院だ。
「急にすみません。宜しければ皆さんで食べてください」
「まあ。ササノハさま自ら、ありがとうございます。子供たちも喜びます」
果物を受け取った孤児院の院長は、皺だらけの顔に笑顔を浮かべる。
「それにしても今日はお客様が多いこと。つい先程までシモンさまがいらしていたのですよ」
「シモンが?」
ササノハが首を傾げる。
孫を亡くして以来、教団幹部のシモンは、子供のいるところには近づかないはずだった。
「ええ。なんでも、教団が新しい孤児院を作ったそうで、そちらに新しく来た子たちをそちらに連れて行かれました。あの子たちが良い環境に行けて本当に良かった」
「新しい孤児院? そんなもの聞いたことありません……」
孤児院から出たササノハが、厳しい面持ちで眼下を覗く。
山の中腹にある孤児院から、山道を下っていく教団の馬車が見えた。
「……シモンを追います」
短い沈黙の後、顔を上げたササノハの声には決意が込められていた。
「分かりました。それなら馬車は置いていきましょう。馬で山肌を降りれば追いつけるかもしれません」
ひらりと馬に飛び乗ったゴウが手を差し出す。
「いいのですか。これから僕がすることは、もしかしたら」
シモンの独断でなければ、朱花の教団全体に敵対することになるかもしれない。そうササノハの目が語る。
「構いません。私が敬愛するのはササノハさま御1人ですから」
さらりと答えたゴウがササノハを馬上に引き上げる。
「……ありがとう。僕たちだけでは対処できないかもしれません。途中でハンターの皆さんに協力を求めましょう」
朽ちかけた小屋。
新しく出来た孤児院だとは到底思えない建物の前で、フードをかぶった2人組が荷車を引いている。
「シモン……!」
「……おや。ササノハさま。どうされました?」
フードを下ろしたシモンが不思議そうに問い返す。
「その荷台にあるものを見せてください」
荷台には布がかけられ、中を窺うことはできない。
何か言おうとしたシモンが、苦しげに咳き込む。
と、荷台にかけられていた布が動き、中から金髪の少年が顔を出した。
「ササノハさま、助けて!」
なんとか自力で外したのだろう。
必死な少年の口元には、猿ぐつわが垂れ下がっていた。
「ミーシャ!」
顔見知りらしいササノハが名前を叫ぶ。
「おやおや。トワがびっくりしてしまうじゃないですか。……静かにさせなさい」
そうシモンに命じられたもう1人の人物は、首を横に振って数歩後ずさった。
「い、いやだ。いくらポゴに会うためだからって、もうこんなことに協力できない」
フードを取り去った男は、眼帯をしていない方の眼で逃げ道を探すように辺りを見回す。
「やれやれ。仕方ないですね」
シモンがため息をつくと同時に、地面から黒い蔓のようなものがニュウと伸びて、少年の口に絡みついた。
更にもう1本の蔓が暴れる少年の体を抑え込む。
少年が暴れた拍子に荷台の布が払いのけられ、もう1人、少年によく似た少女が猿ぐつわをされ横たわっているのが見えた。
「シモン……」
そんなシモンを見知らぬ人間を見るような目で見つめたまま、ササノハは言葉を失っている。
そこには、ここに来るまでの途中でササノハがハンターたちに語った、かつて聖導士として活躍し、ササノハの教育係だったという老人の姿はもうない。
その時、シモンの傍から眼帯の男が逃げ出した。
黒い蔓が捕まえようとするように伸びるが、あと一歩のところで届かない。
どうやら黒い蔓には届く範囲があるようだった。
「――ここは昔、川だったそうです」
乾いた地面を見つめ、シモンが呟いた。
「8年前のことです。孫のトワにせがまれて、近くの川に行きました。すると突然、上流から凄まじい勢いで水が流れてきて……あっという間の出来事でした。流されたトワを必死に探しましたが、見つかった時には、もう」
シモンが顔を覆う。
「何度夢に見て、何度繰り返しても、間に合わないんですよ。『おじいちゃん、おじいちゃん』と呼ぶ声が止まないんです」
老人の足元の地面に、ぽつりぽつりと青い花が開き始める。
「ササノハさまに会えて少しだけ楽になりました。そして、モルガナさまに出会えた。私と契約し、約束してくださったんです。この子たちを連れて行けば、もう一度あの元気な悪戯っ子のトワに会えると。ですから……邪魔はさせません」
シモンが咳き込みながら顔を上げた時、青い花の間から同じ色の蝶の群れが飛び立った。
青い蝶たちは、シモンを取り巻くように群れをなして飛びかい始める。
「まあ。綺麗に咲いたわねえ」
オペラグラスを片手に、赤い屋根に腰掛けたモルガナが呟いた。
「花言葉はそうね……後悔ってとこかしら?」
隣に座った銀髪の少年に微笑みかけたモルガナは、再びオペラグラスを目に当てた。
「どうされました?」
「いいえ。気のせいみたいです」
差し出された青年の手を取って、長い黒髪の少年が馬車を降りる。
彼らの目の前に建つ古びた建物は、教団が支援している孤児院だ。
「急にすみません。宜しければ皆さんで食べてください」
「まあ。ササノハさま自ら、ありがとうございます。子供たちも喜びます」
果物を受け取った孤児院の院長は、皺だらけの顔に笑顔を浮かべる。
「それにしても今日はお客様が多いこと。つい先程までシモンさまがいらしていたのですよ」
「シモンが?」
ササノハが首を傾げる。
孫を亡くして以来、教団幹部のシモンは、子供のいるところには近づかないはずだった。
「ええ。なんでも、教団が新しい孤児院を作ったそうで、そちらに新しく来た子たちをそちらに連れて行かれました。あの子たちが良い環境に行けて本当に良かった」
「新しい孤児院? そんなもの聞いたことありません……」
孤児院から出たササノハが、厳しい面持ちで眼下を覗く。
山の中腹にある孤児院から、山道を下っていく教団の馬車が見えた。
「……シモンを追います」
短い沈黙の後、顔を上げたササノハの声には決意が込められていた。
「分かりました。それなら馬車は置いていきましょう。馬で山肌を降りれば追いつけるかもしれません」
ひらりと馬に飛び乗ったゴウが手を差し出す。
「いいのですか。これから僕がすることは、もしかしたら」
シモンの独断でなければ、朱花の教団全体に敵対することになるかもしれない。そうササノハの目が語る。
「構いません。私が敬愛するのはササノハさま御1人ですから」
さらりと答えたゴウがササノハを馬上に引き上げる。
「……ありがとう。僕たちだけでは対処できないかもしれません。途中でハンターの皆さんに協力を求めましょう」
朽ちかけた小屋。
新しく出来た孤児院だとは到底思えない建物の前で、フードをかぶった2人組が荷車を引いている。
「シモン……!」
「……おや。ササノハさま。どうされました?」
フードを下ろしたシモンが不思議そうに問い返す。
「その荷台にあるものを見せてください」
荷台には布がかけられ、中を窺うことはできない。
何か言おうとしたシモンが、苦しげに咳き込む。
と、荷台にかけられていた布が動き、中から金髪の少年が顔を出した。
「ササノハさま、助けて!」
なんとか自力で外したのだろう。
必死な少年の口元には、猿ぐつわが垂れ下がっていた。
「ミーシャ!」
顔見知りらしいササノハが名前を叫ぶ。
「おやおや。トワがびっくりしてしまうじゃないですか。……静かにさせなさい」
そうシモンに命じられたもう1人の人物は、首を横に振って数歩後ずさった。
「い、いやだ。いくらポゴに会うためだからって、もうこんなことに協力できない」
フードを取り去った男は、眼帯をしていない方の眼で逃げ道を探すように辺りを見回す。
「やれやれ。仕方ないですね」
シモンがため息をつくと同時に、地面から黒い蔓のようなものがニュウと伸びて、少年の口に絡みついた。
更にもう1本の蔓が暴れる少年の体を抑え込む。
少年が暴れた拍子に荷台の布が払いのけられ、もう1人、少年によく似た少女が猿ぐつわをされ横たわっているのが見えた。
「シモン……」
そんなシモンを見知らぬ人間を見るような目で見つめたまま、ササノハは言葉を失っている。
そこには、ここに来るまでの途中でササノハがハンターたちに語った、かつて聖導士として活躍し、ササノハの教育係だったという老人の姿はもうない。
その時、シモンの傍から眼帯の男が逃げ出した。
黒い蔓が捕まえようとするように伸びるが、あと一歩のところで届かない。
どうやら黒い蔓には届く範囲があるようだった。
「――ここは昔、川だったそうです」
乾いた地面を見つめ、シモンが呟いた。
「8年前のことです。孫のトワにせがまれて、近くの川に行きました。すると突然、上流から凄まじい勢いで水が流れてきて……あっという間の出来事でした。流されたトワを必死に探しましたが、見つかった時には、もう」
シモンが顔を覆う。
「何度夢に見て、何度繰り返しても、間に合わないんですよ。『おじいちゃん、おじいちゃん』と呼ぶ声が止まないんです」
老人の足元の地面に、ぽつりぽつりと青い花が開き始める。
「ササノハさまに会えて少しだけ楽になりました。そして、モルガナさまに出会えた。私と契約し、約束してくださったんです。この子たちを連れて行けば、もう一度あの元気な悪戯っ子のトワに会えると。ですから……邪魔はさせません」
シモンが咳き込みながら顔を上げた時、青い花の間から同じ色の蝶の群れが飛び立った。
青い蝶たちは、シモンを取り巻くように群れをなして飛びかい始める。
「まあ。綺麗に咲いたわねえ」
オペラグラスを片手に、赤い屋根に腰掛けたモルガナが呟いた。
「花言葉はそうね……後悔ってとこかしら?」
隣に座った銀髪の少年に微笑みかけたモルガナは、再びオペラグラスを目に当てた。
解説
■目的
・シモンの討伐
・シモンが人質にしている2人の子供の保護
■時刻と場所
晴れた昼間。町外れの小屋の前に広がる空き地。小屋は物置小屋程度のもので、人が隠れている気配はない。
■シモン
朱花の教団幹部の老人。モルガナと契約した契約者。
元ハンター(聖導士)。
現在、2人の子供を載せた荷車の傍に立ち、人質として拘束している。
■シモンの攻撃
・黒い蔓(つる)
触手のようにも見える黒い蔓で対象を拘束する。
ダメージはないものの、最大3ターンの間、蔓を攻撃して外さない限り移動ができなくなる。
眼帯の男が逃げた様子から、射程距離は周囲10スクエア。
・棘のある蔓
棘の生えた黒い蔓による攻撃。
・吸血
蝶の群れが血を集める。
吸血は何らかの傷を負った生き物から行われる。
・再生
蝶が集めた血で自身の体力を回復する。
□人質になった2人の子供
孤児院から連れ去られた幼い少年と少女。
少女は荷車の荷台で縛られており、少年はシモンの黒い蔦(棘のない方)で拘束されている。
□ササノハ
朱花の教団、教主の少年。
安全の確保できる距離からシモンの説得を試みる。
お付きのゴウ(元傭兵)がガード中。
□眼帯の男
以前ササノハを誘拐しようとした元ハンター。ポゴという人物を探している様子。
今のところ戦闘に加わる様子はないが、ハンターたちの対応によっては共闘する可能性も。
□モルガナ
喪服の女。シモンと契約し、力を与えたらしい。
今回の戦闘には不参加で、遠くから観戦中。
・シモンの討伐
・シモンが人質にしている2人の子供の保護
■時刻と場所
晴れた昼間。町外れの小屋の前に広がる空き地。小屋は物置小屋程度のもので、人が隠れている気配はない。
■シモン
朱花の教団幹部の老人。モルガナと契約した契約者。
元ハンター(聖導士)。
現在、2人の子供を載せた荷車の傍に立ち、人質として拘束している。
■シモンの攻撃
・黒い蔓(つる)
触手のようにも見える黒い蔓で対象を拘束する。
ダメージはないものの、最大3ターンの間、蔓を攻撃して外さない限り移動ができなくなる。
眼帯の男が逃げた様子から、射程距離は周囲10スクエア。
・棘のある蔓
棘の生えた黒い蔓による攻撃。
・吸血
蝶の群れが血を集める。
吸血は何らかの傷を負った生き物から行われる。
・再生
蝶が集めた血で自身の体力を回復する。
□人質になった2人の子供
孤児院から連れ去られた幼い少年と少女。
少女は荷車の荷台で縛られており、少年はシモンの黒い蔦(棘のない方)で拘束されている。
□ササノハ
朱花の教団、教主の少年。
安全の確保できる距離からシモンの説得を試みる。
お付きのゴウ(元傭兵)がガード中。
□眼帯の男
以前ササノハを誘拐しようとした元ハンター。ポゴという人物を探している様子。
今のところ戦闘に加わる様子はないが、ハンターたちの対応によっては共闘する可能性も。
□モルガナ
喪服の女。シモンと契約し、力を与えたらしい。
今回の戦闘には不参加で、遠くから観戦中。
マスターより
シモンに上手く声を掛けると、教団のゾンビ作成に関する情報を引き出せる可能性があります。
声を掛ける場合、基本的に攻撃や防御と同時に話し掛けているとし、攻撃・防御へのマイナス判定にはなりませんので御安心ください。
(リプレイでそれっぽい描写がある場合は、ダイスがおいたをした結果です)
御参加お待ちしております。
声を掛ける場合、基本的に攻撃や防御と同時に話し掛けているとし、攻撃・防御へのマイナス判定にはなりませんので御安心ください。
(リプレイでそれっぽい描写がある場合は、ダイスがおいたをした結果です)
御参加お待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/10/12 06:31
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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花言葉とか信じない(相談スレ) ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/09/29 23:40:47 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/09/26 21:19:30 |