ゲスト
(ka0000)
その女、犯罪者につき
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/10/07 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/10/16 22:00
オープニング
●
月も細くなった頃の夜半過ぎ。
カーテンなどせずとも小さな窓から差し込む弱弱しい星明かりだけではほぼ真っ暗に等しい。
そんな部屋の扉が音もなく、そっと開かれた瞬間、裂くような光明が部屋を照らした。LEDライトだ。
夜闇に目が慣れた侵入者はその白閃に目を焼かれて、たじろぎつつも素早く背中を壁につけたが、時すでに遅し。そのこめかみに鉄の冷たい筒先が押し付けられていた。
「あら、アミィじゃない」
「姫様ってさ、本当に鋭いよね……」
侵入者は誰でもない、この館に一緒に寝起きするアミィであった。反帝国過激派組織のヴルツァライヒに手を貸していた女だ。頭はキレて、性格もキレている自由奔放を形にしたような人間だ。
ただし頭は相当に良いようで、彼女がクリームヒルト傘下となってからは仲間は増え、自由にできる財産も手に入れ、かなり辺鄙な分野とはいえ最新技術の開発にも成功し、大型冷蔵庫や魔導列車などの開発に漕ぎつけるなど、地方復興を目指すクリームヒルトの願いを一気に形にしていく才媛なのは間違いなかった。
「何しに来たの? 暗殺?」
「違うって。ほら、これからは一段と人員が必要になるから、お姫様の為に働いてくれるファンが必要になるわけよ。そう、姫様の存在をもっと知らしめる! そして誰からも愛される存在になってもらう! その為のイメージアップ作戦を進めておかなければと思ってて……」
クリームヒルトはため息をついて視線をちらりと彼女の手元に向けた。
最近一般向けにも発売されるようになった魔導カメラだ。しかもご丁寧に照明用のライトまで持ってきている。
「こんな夜中に? そんなこと頼んだ覚えはないけれど」
「普通の顔は昼に撮ればいいじゃん。でもね、熱狂的な信者を生み出すためには、そんなノーマルなブロマイド以外にも、レアな食事光景とか、更にはスーパーレアな寝顔なんかも必要なわけよ」
「そういえばお風呂に入っていた時にも視線を感じたわね」
「あれは……ウルトラレア……ってーか、お姫様ってなんでそんなに勘いいワケ?」
「勘が悪くちゃ今頃生きていないからよ」
クリームヒルトは革命で王座を奪われた一族の末梢だ。暴徒と化した人間達の残虐さは彼女は良く知っていたから夜も足音を聞き逃さないし、風呂でも湯につかるなどしたこともない。
と、同時にクリームヒルトはアミィのポシェットから、彼女の言う『レア以上のブロマイド』の数々をひっぱり出して確認した。自分は元より、ベント伯やメルツェーデス、ボラ族の姿や、果てはハンターなどの顔も見られる。
「とりあえず、お仕置きね」
一言そう言うと、クリームヒルトはアミィをふんじばった。
●
「いやはや、これは素晴らしいですな」
次の日、クリームヒルトの元に訪れてきた見慣れぬ男は魔導列車を見上げて、子供のように興奮してはしゃいでいた。
「動力はどうなっているのでしょうか」
「マテリアルです。先頭車両でマテリアルを発動させると同時に、線路であるレールに導通し、車体・線路の両面から貨車を推進。最後尾の車両からマテリアルを回収して再利用します。線路はそのマテリアルの流れを補助するものですから、歪虚に襲われたり天災や時間経過によって多少破損してもそのまま利用できます」
「ほほう!」
男はますます興味深く目を見開いて、魔導列車というものを見つめてはため息をついた。
「さすがはモンドシャッテの系譜ですな。錬金術の振興に努めた第8代オードルフ帝を思い出します」
その言葉にクリームヒルトは眉ひとつ動かすことなく、スカートをつまんで丁寧に礼をした。偉大な先祖の名前を出されることに複雑な思いはあったが、目の前にしている男にそれを表すのは危険な気がした。
「これは地方内務課、いやいや帝国としても協力していきたいところです。クリームヒルト様の事業は完全バックアップして、帝国全土どこに行っても差異の無い豊かさを供給したいものです」
「それはどうも。帝国が本腰を入れて地方再建をしてくださるなら誰にとっても喜ばしい事でしょう」
そんな言葉に男はニコニコとしていたが、やがて気落ちした顔をした。
「ですがね、あれはいけない」
「あれ、とは?」
「アミィですよ。貴女様が匿っていらっしゃり、そして責任をもって面倒をみてくださっているのは承知しております。
ですが、あれは帝国とエトファリカの国交を破断させようと画策し、また詐欺や強盗致傷、さらには歪虚と情報をやりとりしているという噂もあります。いくらクリームヒルト様が面倒を見ているといいましてもね。ちゃーんと責任はとってもらうべきです」
…… ……。
クリームヒルトはしばらく押し黙った。
アミィはここまでをこぎ着けてきたクリームヒルトの懐刀として活躍してくれた。それに首輪をつけられるということは自分の活動にも問題はでかねない。しかしこれを断れば魔導列車は地方全土を走らせることは難しくなるかもしれない。
目を閉じて、クリームヒルトはゆっくりとアミィの姿を思い浮かべた。
魔導カメラで盗撮しようとしている姿。
それを若者に売りつけようとしている姿。
興奮した若者に歪んだ願望を植え付ける姿。
民の為に頑張るんでしょ、と無茶ぶりする姿。
「わかりました。しかし、時間は少々いただきたいと思います。アミィは天才ですので、すぐに捕まえられるとも思いません。ハンターに依頼しようと思います」
「いいですよ。くれぐれも逃したり、死なせることのありませんように。私たちが望むのは正しく罪を償ってもらうことですから」
月も細くなった頃の夜半過ぎ。
カーテンなどせずとも小さな窓から差し込む弱弱しい星明かりだけではほぼ真っ暗に等しい。
そんな部屋の扉が音もなく、そっと開かれた瞬間、裂くような光明が部屋を照らした。LEDライトだ。
夜闇に目が慣れた侵入者はその白閃に目を焼かれて、たじろぎつつも素早く背中を壁につけたが、時すでに遅し。そのこめかみに鉄の冷たい筒先が押し付けられていた。
「あら、アミィじゃない」
「姫様ってさ、本当に鋭いよね……」
侵入者は誰でもない、この館に一緒に寝起きするアミィであった。反帝国過激派組織のヴルツァライヒに手を貸していた女だ。頭はキレて、性格もキレている自由奔放を形にしたような人間だ。
ただし頭は相当に良いようで、彼女がクリームヒルト傘下となってからは仲間は増え、自由にできる財産も手に入れ、かなり辺鄙な分野とはいえ最新技術の開発にも成功し、大型冷蔵庫や魔導列車などの開発に漕ぎつけるなど、地方復興を目指すクリームヒルトの願いを一気に形にしていく才媛なのは間違いなかった。
「何しに来たの? 暗殺?」
「違うって。ほら、これからは一段と人員が必要になるから、お姫様の為に働いてくれるファンが必要になるわけよ。そう、姫様の存在をもっと知らしめる! そして誰からも愛される存在になってもらう! その為のイメージアップ作戦を進めておかなければと思ってて……」
クリームヒルトはため息をついて視線をちらりと彼女の手元に向けた。
最近一般向けにも発売されるようになった魔導カメラだ。しかもご丁寧に照明用のライトまで持ってきている。
「こんな夜中に? そんなこと頼んだ覚えはないけれど」
「普通の顔は昼に撮ればいいじゃん。でもね、熱狂的な信者を生み出すためには、そんなノーマルなブロマイド以外にも、レアな食事光景とか、更にはスーパーレアな寝顔なんかも必要なわけよ」
「そういえばお風呂に入っていた時にも視線を感じたわね」
「あれは……ウルトラレア……ってーか、お姫様ってなんでそんなに勘いいワケ?」
「勘が悪くちゃ今頃生きていないからよ」
クリームヒルトは革命で王座を奪われた一族の末梢だ。暴徒と化した人間達の残虐さは彼女は良く知っていたから夜も足音を聞き逃さないし、風呂でも湯につかるなどしたこともない。
と、同時にクリームヒルトはアミィのポシェットから、彼女の言う『レア以上のブロマイド』の数々をひっぱり出して確認した。自分は元より、ベント伯やメルツェーデス、ボラ族の姿や、果てはハンターなどの顔も見られる。
「とりあえず、お仕置きね」
一言そう言うと、クリームヒルトはアミィをふんじばった。
●
「いやはや、これは素晴らしいですな」
次の日、クリームヒルトの元に訪れてきた見慣れぬ男は魔導列車を見上げて、子供のように興奮してはしゃいでいた。
「動力はどうなっているのでしょうか」
「マテリアルです。先頭車両でマテリアルを発動させると同時に、線路であるレールに導通し、車体・線路の両面から貨車を推進。最後尾の車両からマテリアルを回収して再利用します。線路はそのマテリアルの流れを補助するものですから、歪虚に襲われたり天災や時間経過によって多少破損してもそのまま利用できます」
「ほほう!」
男はますます興味深く目を見開いて、魔導列車というものを見つめてはため息をついた。
「さすがはモンドシャッテの系譜ですな。錬金術の振興に努めた第8代オードルフ帝を思い出します」
その言葉にクリームヒルトは眉ひとつ動かすことなく、スカートをつまんで丁寧に礼をした。偉大な先祖の名前を出されることに複雑な思いはあったが、目の前にしている男にそれを表すのは危険な気がした。
「これは地方内務課、いやいや帝国としても協力していきたいところです。クリームヒルト様の事業は完全バックアップして、帝国全土どこに行っても差異の無い豊かさを供給したいものです」
「それはどうも。帝国が本腰を入れて地方再建をしてくださるなら誰にとっても喜ばしい事でしょう」
そんな言葉に男はニコニコとしていたが、やがて気落ちした顔をした。
「ですがね、あれはいけない」
「あれ、とは?」
「アミィですよ。貴女様が匿っていらっしゃり、そして責任をもって面倒をみてくださっているのは承知しております。
ですが、あれは帝国とエトファリカの国交を破断させようと画策し、また詐欺や強盗致傷、さらには歪虚と情報をやりとりしているという噂もあります。いくらクリームヒルト様が面倒を見ているといいましてもね。ちゃーんと責任はとってもらうべきです」
…… ……。
クリームヒルトはしばらく押し黙った。
アミィはここまでをこぎ着けてきたクリームヒルトの懐刀として活躍してくれた。それに首輪をつけられるということは自分の活動にも問題はでかねない。しかしこれを断れば魔導列車は地方全土を走らせることは難しくなるかもしれない。
目を閉じて、クリームヒルトはゆっくりとアミィの姿を思い浮かべた。
魔導カメラで盗撮しようとしている姿。
それを若者に売りつけようとしている姿。
興奮した若者に歪んだ願望を植え付ける姿。
民の為に頑張るんでしょ、と無茶ぶりする姿。
「わかりました。しかし、時間は少々いただきたいと思います。アミィは天才ですので、すぐに捕まえられるとも思いません。ハンターに依頼しようと思います」
「いいですよ。くれぐれも逃したり、死なせることのありませんように。私たちが望むのは正しく罪を償ってもらうことですから」
解説
クリームヒルトの参謀として働くアミィは、以前より帝国内で多数の罪を犯しているお尋ね者です。
彼女を捕まえ、司法課に突き出すことが今回の目的です。殺してはいけません。
●場所
ガルカヌンクという鉱山街です。岩をくりぬいてつくったような家が多く、半分遺跡のような外観をしています。
●期間
3日くらいで片してください。
時間経過と共にアミィも自然と警戒していきます。
●アミィ
覚醒者。クラスは不明。20代の女。
悪戯の延長で犯罪をしているような人間。頭と口はよく回り、人間をきりきり舞いさせるのが得意らしい。ついたあだ名は『人形使い』。
クリームヒルトとハンターの説得でヴルツァライヒの活動を止め、クリームヒルトの活動に協力をしている。
今のところ、この捕縛計画は気づいていないが、帝国の役人が来たのは知っている。
パルムを使い、よく情報収集などに利用しているらしい。名前はアーシェ。若干ハニワ顔。
最近盗撮が趣味らしい。皆さんが想像するような写真ももしかすると持っているかもしれない。
●クリームヒルト
元帝国のお姫様。一般人。
地方の人が税金だの過疎化だので苦労しているので、それを助けたいと思い活動している。
その他、帝国の富豪ベント伯、その娘で帝国役人のメルツェーデス、元帝国錬魔院の研究者レギン、辺境から移民してきたボラ族、などが同地で彼女に協力しています。
●男
帝国地方内務課の課長。ディートリヒという人物です。40代後半。一般人。
司法課の引き渡しが来てほしい場合は、彼から手配がなされます。
●質疑応答
クリームヒルトが専用卓にて応答いたします。(必要に応じて卓立てをお願いいたします)
アミィ宛てに話しかけてもらっても対応いたしますが、それらによって警戒される可能性もありますのでご注意ください。
アミィ以外の対応では、アミィの警戒感が増大することはありません。
彼女を捕まえ、司法課に突き出すことが今回の目的です。殺してはいけません。
●場所
ガルカヌンクという鉱山街です。岩をくりぬいてつくったような家が多く、半分遺跡のような外観をしています。
●期間
3日くらいで片してください。
時間経過と共にアミィも自然と警戒していきます。
●アミィ
覚醒者。クラスは不明。20代の女。
悪戯の延長で犯罪をしているような人間。頭と口はよく回り、人間をきりきり舞いさせるのが得意らしい。ついたあだ名は『人形使い』。
クリームヒルトとハンターの説得でヴルツァライヒの活動を止め、クリームヒルトの活動に協力をしている。
今のところ、この捕縛計画は気づいていないが、帝国の役人が来たのは知っている。
パルムを使い、よく情報収集などに利用しているらしい。名前はアーシェ。若干ハニワ顔。
最近盗撮が趣味らしい。皆さんが想像するような写真ももしかすると持っているかもしれない。
●クリームヒルト
元帝国のお姫様。一般人。
地方の人が税金だの過疎化だので苦労しているので、それを助けたいと思い活動している。
その他、帝国の富豪ベント伯、その娘で帝国役人のメルツェーデス、元帝国錬魔院の研究者レギン、辺境から移民してきたボラ族、などが同地で彼女に協力しています。
●男
帝国地方内務課の課長。ディートリヒという人物です。40代後半。一般人。
司法課の引き渡しが来てほしい場合は、彼から手配がなされます。
●質疑応答
クリームヒルトが専用卓にて応答いたします。(必要に応じて卓立てをお願いいたします)
アミィ宛てに話しかけてもらっても対応いたしますが、それらによって警戒される可能性もありますのでご注意ください。
アミィ以外の対応では、アミィの警戒感が増大することはありません。
マスターより
今までのクリームヒルトの活動では、アミィはボケ役ばかりしていましたが、手筈を整えて来たのはアミィの力による部分が大きかったのです。完全な裏方さんです。
そんな彼女を気取らせずにお縄にするのは割と大変かと思います。皆様の手練手管をおみせくださいね!
なお、盗撮によってポートレートという形で皆様の写真はあっても、一部に問題があるので接収してもアイテムとして配布はできません。話のネタ程度にお使いください。
そんな彼女を気取らせずにお縄にするのは割と大変かと思います。皆様の手練手管をおみせくださいね!
なお、盗撮によってポートレートという形で皆様の写真はあっても、一部に問題があるので接収してもアイテムとして配布はできません。話のネタ程度にお使いください。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/10/12 23:05
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
アミィへの質問卓 神楽(ka2032) 人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/10/06 23:34:55 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/03 09:05:14 |
|
![]() |
質問卓 無限 馨(ka0544) 人間(リアルブルー)|22才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/10/06 13:40:33 |
|
![]() |
作戦相談所 ヒース・R・ウォーカー(ka0145) 人間(リアルブルー)|23才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/10/07 19:58:58 |