• 調査

魔法公害のミシニア 其の参

マスター:天田洋介

シナリオ形態
シリーズ(続編)
難易度
やや難しい
参加費
1,300
参加人数
現在5人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2016/10/06 07:30
リプレイ完成予定
2016/10/15 07:30

オープニング

 その町『ミシニア』はグラズヘイム王国南部の伯爵地【ニュー・ウォルター】に存在する。
 ミシニアは鍛冶を主体とした工場の町だが、機導術への感心は薄かった。
 そもそも王国全体が他国に比べて機導術の導入が遅れ気味である。思案したタオリ町長は各地から指導者を呼んで機導術の工房を立ち上げた。
 一朝一夕にはいかないが、生活を大きく変える冷蔵庫等の日用品や畑を耕す農耕魔導機械を独自生産。一歩一歩技術力を高めていった。
 機導術の魔導機械にメンテナンスが不可欠である。少しずつ機導師等の職人によるアフターケアを充実させる。
 町に新たな道を拓いたタオリ町長だが、喝采ばかりを浴びたわけではない。彼の強引なやり方を非難する声があったのも事実だ。
 そのタオリ町長が半年ほど前に亡くなった。深夜の大通りにて、心臓にナイフを突き立てられて殺されたのである。
 官憲によって捜査は行われたものの、未解決のまま終了してしまう。その後、新女性町長としてノリアが就いた頃からミシニアの雰囲気が変わった。
 煙害が酷くなり、さらに雑魔が出没する騒ぎが起こる。
 煙については元々が鍛冶の町なので程度の問題だとしても、誰もが気にしていたのが雑魔の出没だ。工場に未処理の鉱物マテリアルの残滓が溜まっていて、魔法公害が発生しているのではないかと誰もが心配した。
 やがてスライムに襲われて、ついに人死がででしまう。それでもノリア町長は工房に問題なしと、町の人々からでていた調査の要望を頑なに拒んだ。

 二人の目撃者が前町長タオリの殺害を目撃していた。
 その後、裁縫店を営んでいた女性ミッシルは身の危険を察して失踪する。もう一人の男性リストンは官憲に掴まって郊外の牢獄に囚われた。
 事態を重く捉えたミシニアの有志達はハンターに協力を求める。酒場を訪ねたハンター一行に有志代表の青年ガナイが情報を提供した。
 一行は目撃者双方と接触。ミッシルとリストンの身柄を安全なハンターズソサエティー支部に送り届ける。二人によって前町長タオリの殺害状況が詳しく語られた。
「聞こえてきたの。ここまでよくやってくれたと。女の声で、これから先はもう用済みだってタオリ町長に話しかけていたのよ」
 ミッシルはタオリにナイフを突き刺した犯人の言葉を覚えている。
「俺が居た場所は遠くて、会話は断片的にしか聞こえなかったんだ。でもミッシルさんがいっていたことは正しいと思うよ。……あの犯人の声に聞き覚えがある。ノリア町長とそっくりだ」
 リストンは犯人の声質をはっきりと覚えていた。
 殺人犯はフードを深く被っていて、顔の特徴については二人ともわからない。
「そうだ。もう一つ。死ぬ寸前のタオリ町長がいっていたの。機導術の魔導機械に仕掛けたとか」
「俺にも聞こえていたが、最後の部分が小さすぎてよくわからなかったよ」
 ミッシルとリストンの証言はこれですべて。殺害された前町長タオリは、いくつかの機導術工房の経営者に圧力をかけていた。いうなれば賄賂の要求である。

 タオリ町長が殺害されたのにも関わらず、ミシニアの町では新たな圧力が続いている。
 ガガリニカ工房経営者の妻が青年ガナイと有志達に助けを求めた。現町長ノリアらしき人物から夫が脅迫を受けたと。
 ガナイ達は再びハンターズソサエティー支部に協力を求める。来訪したハンター一行はガリニカ工房の関係者を守るため、そして裏で手を引く卑怯者を暴くために動いた。
 スライム出没の謎を解き、そして実行犯確保に至る。しかし背後でにやける真犯人の捕縛までには至らなかった。ノリア町長が怪しいものの、状況証拠は別にして物的証拠がなかったからだ。
 経緯は領主アーリアへと伝わる。それによってノリア町長は官憲を自分の手足のように使う横暴な振る舞いはできなくなった。
 また彼女の悪評がミシニアの町を駆け抜ける。利益供与を受けている輩を除いて、誰もがノリア町長に疑いの目を注ぐようになった。


 どんよりとした曇り空のミシニア町。
「どうすればノリアを失脚させられるのだろうか……」
 いつもの酒場でガナイと有志達は相談を繰り返す。交わされる内容はどうすればノリア町長を糾弾できるかだ。
 今は世間に悪事がばれたために大人しくしているだけというのが大方の意見である。腹黒いノリア町長のことだ。ほとぼりが冷めたのなら、引っ込めていた歯牙を露わにすることだろう。より巧妙に悪事を働くことは、誰にでも容易に想像がついた。
「あの女狐のことだ。どこかに奪った金を蓄財しているはず」
「しかし普通、金に名前を書く奴はいないぞ」
「いや、わからんぞ。例えば賄賂の取引の際に渡されたバックに元の持ち主がわかるような、何かが仕込まれているとか。脅迫されて仕方なく金を支払ったとしてもだ。俺なら何かを残しておくね」
「あり得ない話ではないな」
「最初は確認したり、処分していたとしてもだ。うまくいくのが当たり前になると、危機感が薄れるのが人だよ。ノリアとて例外ではないだろう」
「ノリアを直接尋問できない以上、とにかく脅迫で得た賄賂がどこに隠されているのか、探す必要があるな」
 話し合いはまとまった。そしてハンターズソサエティー支部に三度目の協力を要請。有能なハンター達に再びの協力を願う。
 探しだして欲しいのはノリア町長が脅迫で集めた賄賂だ。近場か、または遠方かはわからないが、いずれにしても何処かに隠してあるはず。何らかの方法でノリアの懐を窮状させられたのなら、脅迫した金に手を付けるに違いない。監視して足取りを追えばおそらく隠し場所へと辿り着けるだろう。
 ガナイはそのような依頼文の記述を受付嬢に要望するのだった。

解説

 女性町長ノリアが機導術工房を脅迫していた事実を暴いてもらえるでしょうか。そのこめには物的証拠が必要となります。

 ノリアは町一番のラーリア工房の実質的オーナーです。これまで秘密にしてきましたが、前回のハンター達の活躍で暴かれました。今では町民のほとんどが知っています。
 ライバルとなる目障りな工房を理不尽な理由で脅迫して金品を要求。従わない場合はスライム等で騒ぎを起こして潰し、その後は機材や人材をラーリア工房に吸収してきました。

 これまでの悪事で蓄財したお金等を抑えるのが一番でしょう。OPにあるようにノリアの懐を何らかの方法で窮状させられたのなら後は簡単です。注意深く追跡すれば辿り着けます。
 窃盗はいけませんが一時的にノリアの財産を隠したりする程度ならば不問です。領主から許可を得ているとお考えください。方法は相談で決めてもらえると幸いです。

※PL情報
 賄賂にはガナイと有志達が想像したように、脅迫された側が残した何らかの印が残っています。行方不明になったその者の置き手紙と合わせて確実な証拠となり得ます。
 ノリア側が用意した用心棒等との戦闘はあり得ます。(場合によってはなし)

 常識的な必要経費は町の有志達持ちです。

 質問があればハンターオフィス職員のフミナ・エミエール(kz0131)が卓で答えます。質問締め切りは出発の一日前までです。

マスターより

 短期新シリーズです。今回で最後の予定。
 希望があれば後日談的シナリオを用意します。(四名以上の希望があればリリースさせてもらいます。よろしければプレイングに『希望』と書いてください)

関連NPC

  • 本部ハンターオフィス職員
    フミナ・エミエール(kz0131
    人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/10/14 04:05

参加者一覧

  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • 誇り高きアルティフェクス
    ツィーウッド・フェールアイゼン(ka2773
    エルフ|35才|男性|機導師
  • 凛とした薔薇
    エマ・ハミルトン(ka4835
    エルフ|20才|女性|猟撃士
  • 瑠璃の慧眼
    シルヴィア・オーウェン(ka6372
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
エマ・ハミルトン(ka4835
エルフ|20才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/10/15 13:20:10
アイコン ▼質問卓
メイム(ka2290
エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/10/03 20:40:54
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/10/02 03:42:48