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【蒼乱】月砂の憲兵と皇子の親征

マスター:稲田和夫

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
APV

難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
ユニット参加人数
現在5 / 0~6
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/10/06 19:00
リプレイ完成予定
2016/10/20 19:00

オープニング

 南方にある竜の巣にてコボルドと遭遇した帝国軍第一師団憲兵大隊兵長オレーシャは、コボルドが医薬品を必要としていること、歪虚の襲撃で彼らの使っていた地下道が閉ざされたことを受けて、彼らを住処まで護送することを決定した。
 そして、オレーシャとハンターたちはコボルドを護衛して、砂漠の地下にあるコボルドたちの住処である地下遺跡まで辿り着く。
 だが、そこで彼らを待っていたのは破壊し尽くされた遺跡と、聞いていたのより遥かに多い怪我をしたコボルドたちであった。
「どういうことだ。これは」
 流石に茫然とするオレーシャの前に、年老いたコボルド現れた。
「ニンゲン、ユウシャ、キテクレタ。クスリイッパイ。トテモウレシイ。デモ、オソカッタ」
 どうやら、この長老のような立場に居るコボルドは片言の古代語ながら、人語を話せるらしい。しかし、その口から伝えられた内容は衝撃的だった。
「リュウタチ、トツゼンアバレダシテ、スヲコワシニキタ。オソロシイ『キシ』、メイレイシテイタ」
「騎士……例の黙示騎士とかいう歪虚か?」
 突如竜の巣に現れた黙示騎士マクスウェルによって、強欲の竜たちが突然凶暴化したのはすでに報告されている通りである。
 どうやら、この遺跡も凶暴化した強欲の襲撃を受けたらしい。
「兵長。この数では医薬品も足りるかどうかわかりません。どういたしましょう?」
 同行して来た部下の一人が尋ねる。だが、オレーシャは事も無げにこう言い放った。
「コボルド共は取りあえず沿岸部にある帝国軍の拠点まで避難させる。ここにいても歪虚の餌食になるだけだ。ルートは来た道をそのまま戻れば良い。雑魔の掃討は済んでいるからな」


 オレーシャたちが、地下道から地上に帰還した時、時刻はすでに夜半を回っており、空には巨大な月と無数の星が輝いていた。
 陣営地は目と鼻の先であり、ここからでも機導術の照明が確認できる。
「砂漠の夜空とは豪勢なものだな。帝都で見るのとは大違いだ」
 柄にもなくオレーシャはそう呟いたが、その瞬間、複数のコボルドが鼻を鳴らし、次いで群れに動揺が広がった。
「総員戦闘準備」
 しかし、オレーシャがそう命令した瞬間、兵士の一人が慌てたように叫んだ。
「兵長! あれを! 前回のヤツです!」
 地平線の向こうから四足歩行で疾走して来るのは熱砂の鎧竜だった。
 彼もまた、黙示騎士に焚きつけられたのか、あるいは前回の戦闘で右目と武器を失ったせいか、遠目にも怒り狂っている様子が見て取れる。
「人間共! こんどこそ貴様らの建物も人形もバラバラにしてくれるぞ!」
 鎧竜の咆哮が周囲を圧する。
「このタイミングで襲撃だと!?」
 陣営地はすでに目と鼻の先であり、そこにはCAMや魔導アーマーなどハンターたちの機甲兵器も整備されている。
 しかし、覚醒者であるハンターとオレーシャだけなら何とか陣営地まで辿り着くことも出来るかもしれないが、今の彼らは怪我人を含むコボルドの群れを引き連れている状態だ。
「円陣を組め! コボルド共も女子供を中に入れて戦える者は戦闘に参加しろ!」
 咄嗟に命令を下すオレーシャ。
(だが、この状況で犠牲出さずに済ますことが出来るのか……?)
 しかし、オレーシャがそう思案した瞬間突如陣営地の方角から、CAM用のアサルトライフルが、鎧竜に向かって撃ち込まれた。
「ぬぅ!?」
 操縦者の技術が未熟なせいか、弾丸は命中しなかったもののどうやら鎧竜の気を惹くことには成功していた。
 そして、操縦者は銃撃を繰り返しながら機体を徐々に移動させ、鎧竜をオレーシャたちと、陣営地から引き離そうとする。
「あれは、私のドミニオンか? しかし、一体誰が……」
 機械に強いオレーシャはすでに、試験運用という名目で自らの部隊にドミニオンを配備していた。
 だが、幾らCAMの操縦が簡易とはいっても、今のところ彼女の部隊でCAMを動かせるのは彼女しかいない筈であった。
『オレーシャ兵長。急いでコボルドの皆さんを陣営地に送り届けてください』
 そのオレーシャの疑問に答えたのは、CAMに搭載された拡声器から響いた操縦者の声だった。
「その声……まさか」
 普段冷静なオレーシャも流石にこの時ばかりは蒼褪めた。
「カッテ殿下、貴方なのですか!?」
 今現在、ドミニオンに乗って鎧竜を陽動しているのはゾンネンシュトラール帝国の皇帝代理人カッテ・ウランゲル(kz0033)本人であった。


「皇子、説明を願えますか!?」
 陣営地に急ぎながらオレーシャが通信機に向かって声を張り上げる。
『コボルドについては、帝国軍の別の部隊とすでに協力関係が築かれ、共に転位門の設置を行ったそうです。彼らを援助することは竜の巣のゲートを調査するに当たって有益である、と帝国は判断しました』
「それは解りました。しかし、私が聞きたいのはそういうことではないのですが!」
『僕が何故ここに居るかと言えば、例の黙示騎士の出現で強欲の攻勢が激化したことを受けて、帝国がより大きな戦力をここに投入することを決定したからです。迅速な物資の輸送と円滑な部隊の配置のために、僕が直接指示を出します』
 カッテと同じレベルでその任を果たすことのできる能力を持った、彼の姉であるゾンネンシュトラール帝国皇帝ヴィルヘルミナの記憶は、未だ回復してはいなかった。
「それも解ります! 私が申し上げたいことは――!」
『何故僕がこんなことしているかといえば……この陣営地にCAMを動かせる人間が他に居なかったからです』
 堂々と言い切ってから、カッテは悪戯っぽい口調で付け加えた。
『数か月前、CAMの効率的な運用のためにその仕組みや操縦法も知っておきたい、といった僕に動かし方を教えてくれたのはオレーシャでしたよね?』
「……」
 走りながら頭を抱えたオレーシャだったが、ようやく気を取り直し不敵に笑った。
「……殿下がそれに乗っているということは、私のデュミナスが完成したという事ですね?」
『ご明察です。オレーシャはそっちを使ってください』
「この戦闘が終わったら、オズワルド師団長に伝えておきましょう。所詮、蛙の子は蛙ですね、と」
『……もしかして、バカにしてます?』
 一瞬の沈黙の後、やや拗ねた様な声で通信が返って来た。

「フン、ようやく数が揃ったか!」
 その愚直さ故にカッテのドミニオンに集中していた鎧竜だったが、陣営地から人間の援軍が現れたのを見てようやくそちらにも注意を向けた。
「だが、愚弄されたのは我慢ならん! 出でよ!」
 鎧竜の咆哮と共に、砂の中から新たな歪虚が姿を現す。大きさは鎧竜と同等だが、こちらは直立するリザードマンのような姿だ。ただし、その両手は土竜のような形状に変形しており鋭い爪が光っている。
「貴様は奴らの陣地を破壊しろ! 俺様はまず、あの目障りな人形を捻り潰す!」
 そう叫んで、鎧竜はカッテの乗るドミニオンを睨みつけた。

解説

★目的
鎧竜の撃破及びカッテの搭乗するドミニオンと陣営地の護衛

★敵戦力
・熱砂の鎧竜×1
『【蒼乱】熱砂の憲兵と来訪者たち』に登場したアンキロサウルス型の強欲。
強固な装甲を誇り、単純な正面からの攻撃は通用しにくい。
前回の戦闘でフレイルを失逸した他、右目を潰されている。
先端に強固な瘤のついた長い尻尾が最大の武器。四足歩行形態をとることも可能であり、巨体を生かした体当りにも注意が必要。
サイズ3

・潜砂する土竜×1
鎧竜が従えて来た歪虚。腕が土竜(もぐら)のようになった直立歩行するリザードマンタイプの強欲。
見た目通り、高速で地中を移動することが出来る。また、鎧竜とは対照的に装甲は薄くパワーには欠けるもののこのサイズの敵としては素早い動きを得意とする。
サイズ3

★味方NPC
・カッテ・ウランゲル
特に改造はされておらず、アサルトライフルのみを装備した魔導型ドミニオンに搭乗している。『操縦』自体はそつなくこなしているものの、戦闘の経験は無いため戦力というよりは護衛対象と看做した方がリスクは少ないだろう。
なお、質疑応答可能。

・オレーシャ
帝国軍第一師団憲兵大隊所属…の筈が何故か前線で機甲兵器の整備を任されているドワーフ。
CAM用のスレッジハンマーを装備する他、憲兵大隊の装飾など幾つかカスタマイズを施した専用のデュミナスに搭乗。CAMの扱いには慣れている。

★コボルドたち
カッテが囮になっている隙に仮設陣地へと避難を完了している。
無論、この依頼では避難したコボルドたちや帝国兵、物資への被害にも留意すること。

★状況
時間帯は夜間。周囲には幾つか岩山がある他は平坦な砂漠となっている。
なお、戦闘開始時点での位置関係は以下の通り。

         カッテ●

     鎧竜●              
                土竜●     □集積基地
                     (PC及びオレーシャ)

マスターより

お世話になっております。
鎧竜編の続きをお届けします……と思ったら久し振りにカッテまで出て来てしまいました。
しかもCAMに乗って囮になっています。やっぱり血は争えないんでしょうか。
とりあえず、彼は覚醒者ではないしそこまでCAMに慣れている訳でもないのでしっかり守ってあげてください。
なお、ハンターたちはコボルドたちの住処から戻ったばかりという状況ですが、疲労による生命やスキルの減少などの要素はありませんので、そこはプレイングに居れなくて大丈夫です。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。

関連NPC

  • 帝国皇子
    カッテ・ウランゲル(kz0033
    人間(クリムゾンウェスト)|10才|男性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/10/18 22:53

参加者一覧

  • 【ⅩⅧ】また"あした"へ
    十色・T・ エニア(ka0370
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • 理由のその先へ
    レホス・エテルノ・リベルター(ka0498
    人間(蒼)|18才|女性|機導師
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • SUPERBIA
    フォークス(ka0570
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • 志の黒
    音桐 奏(ka2951
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 皇子への質問所
音桐 奏(ka2951
人間(リアルブルー)|26才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/10/04 22:31:18
アイコン 【相談卓】VENGEANCE
フォークス(ka0570
人間(リアルブルー)|25才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/10/05 23:00:18
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/10/01 22:06:45