ゲスト
(ka0000)
Sについての調査依頼
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2016/10/12 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/10/21 22:00
オープニング
● 刑務所にて。
都市同盟の北方。
山岳地帯に居を構える刑務所に、一人の男が訪ねてきた。ゆったりしたローブを着て、ワンドを手にしている。見たまま魔術師だ。
「スペット……ですか。ええ、その名の者は確かに当刑務所におりますが……」
「では、面会させていただけますでしょうか?」
「……あのですね、肉親が面会に来るときでさえ、前以ての申請が入り用なんですよ? こんな急に飛び込みをされて、はいそうですかと受け付けるわけにはいかないのですよ。正規の手続きを踏んでいただきませんと。まずこの書類に必要事項を記入して提出を――」
「お説ごもっともですが、そういうわけにはいかんのです。なにしろ上から、この訪問を正式な記録に残すなと言われておりますのでね」
「上? 上とは誰のことですか」
応対に出てきた職員に男は、魔術師協会成員の証しである記章を見せた。
それを一瞥した職員は椅子から立ち上がり、声を上ずらせる。
「少々お待ちください。所長に事の次第をお伝えして来ますので」
● 刑務所面会室にて。
面会室に入って来たスペットは、彼にとって全く見覚えのない者の顔を、はすかいに眺める。
「なんや俺に用があるて聞いたけど、おたくどちらさんや?」
男は立ち上がり、名刺を差し出す。
「お初にお目にかかります。こういうものでして……」
「ふーん、魔術師協会のタモンはん言うのか」
「はい。どうぞ今後ともお見知りおきを……あ、どうぞおかけください」
促されたスペットは、端の擦り切れた革椅子に腰掛けた。
灰色の囚人服は土埃だらけ。
両方の足首に逃亡防止のための金輪が嵌めてある。魔導具の一種だ――普通にしてる分にはほとんど重さを感じないが、一定のエリア外に出ようとすると、たちどころに荷重が増すという作り。
昔ながらの鉄球つき金鎖よりも場所を取らないし動きの邪魔にもならないということから、各地の刑務所で最近よく使われるようになってきている。
「まあ何にしてもありがたいわ。少なくとも今の間だけは、岩塩掘りから逃げられるさかいな。ほんで、何の話やの」
その質問を待っていましたとばかり魔術師は、写真を取り出して来た。
一枚目は指輪の写真。
「まず確認を取りたいのですが――この指輪を所有していたのは、あなたで間違いないですね?」
「せや。俺のもんや。間違いあらへん。取り上げられたきり返ってきとらん……この写真、どこで撮ったんや? 今どこにあんねん、これ」
畳み掛けてくるスペットを魔術師は、まあまあと宥めた。続けて、警察が彼から取り上げた指輪を勝手に売り払ったことを説明した。
スペットは、毛を逆立てて怒る。
「なんやとおお! 何の権利があって俺のもん勝手に売り払うとんねん!」
「落ち着いてください。まだ続きがありますので――」
魔術師は、指輪がアイテム中古ショップに売り払われたこと、そのせいで奇怪な事件が起きたことを話して聞かせる。
「そのとき撮られた写真がこれです」
写真には二つのものが写っていた。
一つは見た瞬間目を背けたくなるほど醜悪な歪虚。
もう一つは、白いワンピースを着た女。
「私たちがより重要視しているのは、こちらの女性です。ハンターからの報告によりますと、歪虚とも思えない。さりとて人間とも思えない。自分では、マゴイと名乗っていたとか。この人物に、見覚えは――」
質問が終わらないうち、スペットは写真をもぎ取った。瞳孔を針のように縮めて、ぶるぶると身を震わせる。
「ここっ、こいつ、生きとったんかー! おいこらどこや、こいつどこにおったんや! 会わせえ、俺はこいつに言いたいことが山ほどあるんやー!」
● 魔術師協会にて。
「――彼によりますとこの『マゴイ』は、彼を現在あるような姿に変えた魔術師である、とのことです」
「魔術師? 人間だということか?」
「そこはスペットにもはっきりしないようです。とにかくこいつに会わせろと、しつこく言っておりました」
「彼の腕は確かかね?」
「経歴を見るに、確かです。我流ではありますが」
「そうか。なら、調査に協力させてはどうか。例の指輪の件については、分からないことが多すぎる」
「しかし、彼は服役中の身です。どうやって刑務所から出すのですか」
「社会奉仕活動をさせるという名目をつければいいのではないかね。まあ、とにもかくにもまずは、そのスペットなる者が信用出来る人間かどうか、見極める必要があるが」
● ハンターオフィスにて。
魔術師協会から依頼が来た。
内容は、以下。
内容:『産廃場に発生した蜘蛛型歪虚の除去』。
この任務には、社会奉仕活動の一環として刑務所から派遣されてきた魔術師・スペットが同行いたします。
ハンター諸氏におかれましては、歪虚を退治することはもちろんのこと、彼の実力の程と素行についての報告書を作成、魔術師協会に提出してください。
なおそういった調査をしていることについては、スペット本人に悟られないようにしてください。
都市同盟の北方。
山岳地帯に居を構える刑務所に、一人の男が訪ねてきた。ゆったりしたローブを着て、ワンドを手にしている。見たまま魔術師だ。
「スペット……ですか。ええ、その名の者は確かに当刑務所におりますが……」
「では、面会させていただけますでしょうか?」
「……あのですね、肉親が面会に来るときでさえ、前以ての申請が入り用なんですよ? こんな急に飛び込みをされて、はいそうですかと受け付けるわけにはいかないのですよ。正規の手続きを踏んでいただきませんと。まずこの書類に必要事項を記入して提出を――」
「お説ごもっともですが、そういうわけにはいかんのです。なにしろ上から、この訪問を正式な記録に残すなと言われておりますのでね」
「上? 上とは誰のことですか」
応対に出てきた職員に男は、魔術師協会成員の証しである記章を見せた。
それを一瞥した職員は椅子から立ち上がり、声を上ずらせる。
「少々お待ちください。所長に事の次第をお伝えして来ますので」
● 刑務所面会室にて。
面会室に入って来たスペットは、彼にとって全く見覚えのない者の顔を、はすかいに眺める。
「なんや俺に用があるて聞いたけど、おたくどちらさんや?」
男は立ち上がり、名刺を差し出す。
「お初にお目にかかります。こういうものでして……」
「ふーん、魔術師協会のタモンはん言うのか」
「はい。どうぞ今後ともお見知りおきを……あ、どうぞおかけください」
促されたスペットは、端の擦り切れた革椅子に腰掛けた。
灰色の囚人服は土埃だらけ。
両方の足首に逃亡防止のための金輪が嵌めてある。魔導具の一種だ――普通にしてる分にはほとんど重さを感じないが、一定のエリア外に出ようとすると、たちどころに荷重が増すという作り。
昔ながらの鉄球つき金鎖よりも場所を取らないし動きの邪魔にもならないということから、各地の刑務所で最近よく使われるようになってきている。
「まあ何にしてもありがたいわ。少なくとも今の間だけは、岩塩掘りから逃げられるさかいな。ほんで、何の話やの」
その質問を待っていましたとばかり魔術師は、写真を取り出して来た。
一枚目は指輪の写真。
「まず確認を取りたいのですが――この指輪を所有していたのは、あなたで間違いないですね?」
「せや。俺のもんや。間違いあらへん。取り上げられたきり返ってきとらん……この写真、どこで撮ったんや? 今どこにあんねん、これ」
畳み掛けてくるスペットを魔術師は、まあまあと宥めた。続けて、警察が彼から取り上げた指輪を勝手に売り払ったことを説明した。
スペットは、毛を逆立てて怒る。
「なんやとおお! 何の権利があって俺のもん勝手に売り払うとんねん!」
「落ち着いてください。まだ続きがありますので――」
魔術師は、指輪がアイテム中古ショップに売り払われたこと、そのせいで奇怪な事件が起きたことを話して聞かせる。
「そのとき撮られた写真がこれです」
写真には二つのものが写っていた。
一つは見た瞬間目を背けたくなるほど醜悪な歪虚。
もう一つは、白いワンピースを着た女。
「私たちがより重要視しているのは、こちらの女性です。ハンターからの報告によりますと、歪虚とも思えない。さりとて人間とも思えない。自分では、マゴイと名乗っていたとか。この人物に、見覚えは――」
質問が終わらないうち、スペットは写真をもぎ取った。瞳孔を針のように縮めて、ぶるぶると身を震わせる。
「ここっ、こいつ、生きとったんかー! おいこらどこや、こいつどこにおったんや! 会わせえ、俺はこいつに言いたいことが山ほどあるんやー!」
● 魔術師協会にて。
「――彼によりますとこの『マゴイ』は、彼を現在あるような姿に変えた魔術師である、とのことです」
「魔術師? 人間だということか?」
「そこはスペットにもはっきりしないようです。とにかくこいつに会わせろと、しつこく言っておりました」
「彼の腕は確かかね?」
「経歴を見るに、確かです。我流ではありますが」
「そうか。なら、調査に協力させてはどうか。例の指輪の件については、分からないことが多すぎる」
「しかし、彼は服役中の身です。どうやって刑務所から出すのですか」
「社会奉仕活動をさせるという名目をつければいいのではないかね。まあ、とにもかくにもまずは、そのスペットなる者が信用出来る人間かどうか、見極める必要があるが」
● ハンターオフィスにて。
魔術師協会から依頼が来た。
内容は、以下。
内容:『産廃場に発生した蜘蛛型歪虚の除去』。
この任務には、社会奉仕活動の一環として刑務所から派遣されてきた魔術師・スペットが同行いたします。
ハンター諸氏におかれましては、歪虚を退治することはもちろんのこと、彼の実力の程と素行についての報告書を作成、魔術師協会に提出してください。
なおそういった調査をしていることについては、スペット本人に悟られないようにしてください。
解説
補足説明
これはリプレイ「呼ばれて飛び出て」に続く話です。
単純な歪虚退治。と見せかけてスペットの実力の程を探り、魔術師協会へ報告することを目的とする依頼。
スペットがこれまでに登場したシナリオは、「悪い奴らはよくつるむ」→「腐ってやがる……」→「帰ってきた死者」→「悪い奴らはよく逃げる」→「公園を開放せよ!」→「バブるバブれバブれば」です。
能力は十分ありますので、使えそうなところはがんがん使ってださい。
登場歪虚
形:蜘蛛
大きさ:2メートル
数:4匹。
移動速度:最高速度時速20キロ。最大跳躍距離4メートル。
武器:牙。
備考:ハエトリグモ型なので、網を張ったりはしません。
舞台
名称:産廃場(現在閉鎖されている)
大きさ:直径おおむね100メートルの円形。
形状:元来深さ30メートルはある穴だったが、ゴミで満杯になってしまい、地上との落差がなくなっている。これ以上何も捨てられないので、閉鎖された。全体の表面にはゴミ隠しのため、ざっと土が被せてある。
あちこち隙間や陥没などがあり、足場は悪い。
登場NPC
スペット:首から上が猫の魔術師。現在服役中。岩塩鉱で岩塩を掘る日々。
これはリプレイ「呼ばれて飛び出て」に続く話です。
単純な歪虚退治。と見せかけてスペットの実力の程を探り、魔術師協会へ報告することを目的とする依頼。
スペットがこれまでに登場したシナリオは、「悪い奴らはよくつるむ」→「腐ってやがる……」→「帰ってきた死者」→「悪い奴らはよく逃げる」→「公園を開放せよ!」→「バブるバブれバブれば」です。
能力は十分ありますので、使えそうなところはがんがん使ってださい。
登場歪虚
形:蜘蛛
大きさ:2メートル
数:4匹。
移動速度:最高速度時速20キロ。最大跳躍距離4メートル。
武器:牙。
備考:ハエトリグモ型なので、網を張ったりはしません。
舞台
名称:産廃場(現在閉鎖されている)
大きさ:直径おおむね100メートルの円形。
形状:元来深さ30メートルはある穴だったが、ゴミで満杯になってしまい、地上との落差がなくなっている。これ以上何も捨てられないので、閉鎖された。全体の表面にはゴミ隠しのため、ざっと土が被せてある。
あちこち隙間や陥没などがあり、足場は悪い。
登場NPC
スペット:首から上が猫の魔術師。現在服役中。岩塩鉱で岩塩を掘る日々。
マスターより
KINUTAです。
スペット、囚人からのジョブチェンジは可能か否か。
スペット、囚人からのジョブチェンジは可能か否か。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/10/18 00:59
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/09 01:51:30 |
|
![]() |
相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/10/12 10:19:55 |