ゲスト
(ka0000)
仮装のかわりに戦闘服?
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/10/09 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/10/18 07:30
オープニング
ようやく暑さも和らいで、とたんに木葉が鮮やかに色づきはじめたころ。
美味しい作物もたっぷり市場に出回って、食事もおやつも華やぎが増すころ。
そんな、心がうきうきと踊るような秋に、ひとり、そわそわしているお嬢様がいた。
彼女の名前はダイヤ・モンド。グラズヘイム王国の宝石商モンド氏の一人娘である。幼いころは体が弱く、屋敷の外にも満足に出られずに育ったため世の中に慣れていないが、もともとの気質はおてんばそのもの。病弱が改善されてからはそのおてんばぶりを如何なく発揮して周囲をトラブルに巻き込んでいた。
そんなダイヤがそわそわと落ち着きなく、広い自室をうろうろ歩き回っているとなれば、周囲にとってはあまり喜ばしい事態とは言えない。特に。
「お嬢様。さっきからどうしたんです」
冷ややかな目でそう尋ねる使用人・クロスにとっては。
「まさかまた、お屋敷を抜け出すことなどをお考えではありませんよね?」
ダイヤはぎくりと肩をこわばらせた。また、という言葉通り、ダイヤには前科がある。
「あ・り・ま・せ・ん・よ・ね?」
ぎこちない動きで目をそらそうとするダイヤの顔を覗き込むようにして、クロスは再度尋ねた。いや、これは尋ねているというよりも「抜け出すなよ」という念押しだ。ダイヤは勢いよくこくこくとうなずいた。このクロスの強制力に逆らえるわけがない。ダイヤだって学習するのだ。
(そう、逆らわない方がいいのよね)
悟ってしまえば不思議と気が楽になるもので、ダイヤは自然と背筋が伸びるのを感じた。目を逸らすのをやめて、しっかりとクロスと向き合うと、突然姿勢を正したダイヤをいぶかるようにクロスが眉をひそめた。
「なんです? お嬢様」
「あのね、クロス。私、抜け出す、とか、逃げ出す、というのはもうやめることにしたわ」
「はあ。それは非常に助かります。無駄に探し回ることをしなくてよくなるわけですから」
「無駄!?」
褒めてもらえるとは思っていないが、よくもまあこうも暴言ばかりで返答できるものだとダイヤは憤りつつ、ひとまずそれは黙っておく。
「……まあ、いいわ……。それでね。私、これからは逃げたりせずにきちんと主張をしていこうと思うの」
「はあ……。それはそれで面倒な……。で、今回は何を主張なさりたいんです?」
「めんどっ……、まったく……。ええとね。私、自分の将来のことを考えたの。それでね。ハンターを目指そうと思うのよ」
「……は?」
クロスが、それはもう低い声でそう言った。
「また何をすっとぼけたこと言ってるんだこのお嬢様は、と言いたいところですが心の中に留めるとして」
「全然留められてないわよ、ダダ漏れよクロス」
「それは失礼いたしました」
「口先だけの謝罪ね! 言っておきますけどね、私別にすっとぼけたこと言ったつもりはないわよ! ちゃんと、正面から、お父さまにお願いするつもりでいるんだから!」
ダイヤはつん、と横を向く。
「最初は、お屋敷を抜け出してハンターオフィスに行っちゃおうかと思ってたけど、どうせクロスに連れ戻されるのが関の山だし、きちんと理解を得ることにしたわ。お父さまは、私の心からの願いだったら聞き入れてくださるはずだもの」
珍しく筋の通ったことを言い、ダイヤは部屋のドアへと足を向けた。これまた珍しく、クロスが慌ててダイヤを呼び止める。
「お嬢様、どちらへ?」
「どちらへ、ってお父さまのところよ。さっそくお話に行くの」
「もう少し、良く考えた方がよろしいのではないですか? お嬢様はハンターのことをあまりご存じでないのですし」
「あら、そんなことないわ。ハンターのお友だちもたくさんできたし」
ダイヤはまさしくそのハンターの「お友だちたち」に憧れているわけである。
「しかし、お嬢様がハンターの皆さまとかかわることになっている出来事はすべて、安全なものばかりだったではありませんか。ハンターという職業の危険な部分については何もご存じないはずですよ」
「それは、まあ、そうだけど……」
暴言を交えることなく説明するクロスの話はもっともで、ダイヤも足を止めて考え出した。
「でも、危険な体験をしてみてから決める、というのは何かおかしい気がするわ」
「では、疑似体験をなさっては如何です?」
「疑似体験?」
「そうです。ハンターの皆様を招いて、ハンターのお仕事がどういうものか、ゲーム形式で教えていただいては?」
「ゲーム形式……」
ダイヤの顔が次第に明るくなり、クロスの案に前向きになってきたのがわかった。
「ハンター役と、モンスター役を決めて、模擬討伐をしたらいいのよね!」
「ええ、よろしいんじゃありませんか? そろそろハロウィンも近いですし、ちょうどいいでしょう」
「そうね!」
すっかり乗り気になったダイヤは、早速衣装の相談をしようと、仲良しのメイドたちを呼び集めはじめた。普段なら反対するに違いないこうしたイベントを、クロスの方から提案してくることの不自然さも特に感じていないようだった。クロスはこっそり、胸をなでおろす。ダイヤのハンター志望を、モンド氏ならばあっさり許可してしまう可能性が高いからだ。
「そうなったらどうせ、私もお付きで行かなければならなくなるんでしょうから……、そんな面倒なことはごめんです」
「クロス? 何か言ったー?」
「いいえ、何も」
クロスの考えをかけらも知ることなく、ダイヤは無邪気に笑っていた。
美味しい作物もたっぷり市場に出回って、食事もおやつも華やぎが増すころ。
そんな、心がうきうきと踊るような秋に、ひとり、そわそわしているお嬢様がいた。
彼女の名前はダイヤ・モンド。グラズヘイム王国の宝石商モンド氏の一人娘である。幼いころは体が弱く、屋敷の外にも満足に出られずに育ったため世の中に慣れていないが、もともとの気質はおてんばそのもの。病弱が改善されてからはそのおてんばぶりを如何なく発揮して周囲をトラブルに巻き込んでいた。
そんなダイヤがそわそわと落ち着きなく、広い自室をうろうろ歩き回っているとなれば、周囲にとってはあまり喜ばしい事態とは言えない。特に。
「お嬢様。さっきからどうしたんです」
冷ややかな目でそう尋ねる使用人・クロスにとっては。
「まさかまた、お屋敷を抜け出すことなどをお考えではありませんよね?」
ダイヤはぎくりと肩をこわばらせた。また、という言葉通り、ダイヤには前科がある。
「あ・り・ま・せ・ん・よ・ね?」
ぎこちない動きで目をそらそうとするダイヤの顔を覗き込むようにして、クロスは再度尋ねた。いや、これは尋ねているというよりも「抜け出すなよ」という念押しだ。ダイヤは勢いよくこくこくとうなずいた。このクロスの強制力に逆らえるわけがない。ダイヤだって学習するのだ。
(そう、逆らわない方がいいのよね)
悟ってしまえば不思議と気が楽になるもので、ダイヤは自然と背筋が伸びるのを感じた。目を逸らすのをやめて、しっかりとクロスと向き合うと、突然姿勢を正したダイヤをいぶかるようにクロスが眉をひそめた。
「なんです? お嬢様」
「あのね、クロス。私、抜け出す、とか、逃げ出す、というのはもうやめることにしたわ」
「はあ。それは非常に助かります。無駄に探し回ることをしなくてよくなるわけですから」
「無駄!?」
褒めてもらえるとは思っていないが、よくもまあこうも暴言ばかりで返答できるものだとダイヤは憤りつつ、ひとまずそれは黙っておく。
「……まあ、いいわ……。それでね。私、これからは逃げたりせずにきちんと主張をしていこうと思うの」
「はあ……。それはそれで面倒な……。で、今回は何を主張なさりたいんです?」
「めんどっ……、まったく……。ええとね。私、自分の将来のことを考えたの。それでね。ハンターを目指そうと思うのよ」
「……は?」
クロスが、それはもう低い声でそう言った。
「また何をすっとぼけたこと言ってるんだこのお嬢様は、と言いたいところですが心の中に留めるとして」
「全然留められてないわよ、ダダ漏れよクロス」
「それは失礼いたしました」
「口先だけの謝罪ね! 言っておきますけどね、私別にすっとぼけたこと言ったつもりはないわよ! ちゃんと、正面から、お父さまにお願いするつもりでいるんだから!」
ダイヤはつん、と横を向く。
「最初は、お屋敷を抜け出してハンターオフィスに行っちゃおうかと思ってたけど、どうせクロスに連れ戻されるのが関の山だし、きちんと理解を得ることにしたわ。お父さまは、私の心からの願いだったら聞き入れてくださるはずだもの」
珍しく筋の通ったことを言い、ダイヤは部屋のドアへと足を向けた。これまた珍しく、クロスが慌ててダイヤを呼び止める。
「お嬢様、どちらへ?」
「どちらへ、ってお父さまのところよ。さっそくお話に行くの」
「もう少し、良く考えた方がよろしいのではないですか? お嬢様はハンターのことをあまりご存じでないのですし」
「あら、そんなことないわ。ハンターのお友だちもたくさんできたし」
ダイヤはまさしくそのハンターの「お友だちたち」に憧れているわけである。
「しかし、お嬢様がハンターの皆さまとかかわることになっている出来事はすべて、安全なものばかりだったではありませんか。ハンターという職業の危険な部分については何もご存じないはずですよ」
「それは、まあ、そうだけど……」
暴言を交えることなく説明するクロスの話はもっともで、ダイヤも足を止めて考え出した。
「でも、危険な体験をしてみてから決める、というのは何かおかしい気がするわ」
「では、疑似体験をなさっては如何です?」
「疑似体験?」
「そうです。ハンターの皆様を招いて、ハンターのお仕事がどういうものか、ゲーム形式で教えていただいては?」
「ゲーム形式……」
ダイヤの顔が次第に明るくなり、クロスの案に前向きになってきたのがわかった。
「ハンター役と、モンスター役を決めて、模擬討伐をしたらいいのよね!」
「ええ、よろしいんじゃありませんか? そろそろハロウィンも近いですし、ちょうどいいでしょう」
「そうね!」
すっかり乗り気になったダイヤは、早速衣装の相談をしようと、仲良しのメイドたちを呼び集めはじめた。普段なら反対するに違いないこうしたイベントを、クロスの方から提案してくることの不自然さも特に感じていないようだった。クロスはこっそり、胸をなでおろす。ダイヤのハンター志望を、モンド氏ならばあっさり許可してしまう可能性が高いからだ。
「そうなったらどうせ、私もお付きで行かなければならなくなるんでしょうから……、そんな面倒なことはごめんです」
「クロス? 何か言ったー?」
「いいえ、何も」
クロスの考えをかけらも知ることなく、ダイヤは無邪気に笑っていた。
解説
■成功条件
ダイヤお嬢様とハンターごっこをして差し上げる。
■ダイヤお嬢様とクロス
ダイヤ・モンド
王国屈指の宝石商・モンド家の一人娘。栗色の髪の元気な笑顔の少女。十五歳。幼いころは病気がちでお屋敷にこもっていた為、世間と友人づきあいをあまり知らないで育った(今は元気)
ありふれたことが嫌いで、何でも面白くしたいと思っている。
クロス
ダイヤの従者。黒髪の青年。十七歳。お仕えする身でありながら、ダイヤに遠慮のない口をきく。いつも冷静。
ふたりが登場する関連シナリオは何本かございますが、ご存じなくてもまったく問題ありません。
■ゲーム内容(クロス考案)
ハンター役とモンスター役に分かれ、モンド家の芝生広場で戦闘ごっこをする。
ただし、刃物、実弾などの武器の使用は不可。
モンド家で用意した、
・ゴム製のナイフ(刃渡り10センチ)
・おもちゃのマジックハンド
・スポンジボール(10個セット)
の中から使用アイテムを選ぶことができる。(使用しなくてもいい)
ハンター役は青いバンダナを、モンスター役は赤いバンダナを、身体のどこかに付けなければならない。そのバンダナを奪われたり、破られたりしたら「戦闘不能状態」になったものとみなす。
制限時間一時間のうちに、「生き残っている」者の数が多い方が勝ち。
買ったチームは特大のかぼちゃパフェ(モンド家パティシエ特製)がふるまわれる。
なお、ダイヤはハンター役を希望。
均等になるように組み分けをしてもらい、もしも数が揃わない場合は少ない方にクロスが入る。
■芝生広場
サッカーグラウンドほどの広さ。見通しが良く、障害物はない。
各チーム、40センチ四方の木箱(ワイン出荷箱である)を5個ずつ自由に配置して良い。ただし、木箱に色分けはないため、相手が配置した木箱についても自由に使用して良い。
ダイヤお嬢様とハンターごっこをして差し上げる。
■ダイヤお嬢様とクロス
ダイヤ・モンド
王国屈指の宝石商・モンド家の一人娘。栗色の髪の元気な笑顔の少女。十五歳。幼いころは病気がちでお屋敷にこもっていた為、世間と友人づきあいをあまり知らないで育った(今は元気)
ありふれたことが嫌いで、何でも面白くしたいと思っている。
クロス
ダイヤの従者。黒髪の青年。十七歳。お仕えする身でありながら、ダイヤに遠慮のない口をきく。いつも冷静。
ふたりが登場する関連シナリオは何本かございますが、ご存じなくてもまったく問題ありません。
■ゲーム内容(クロス考案)
ハンター役とモンスター役に分かれ、モンド家の芝生広場で戦闘ごっこをする。
ただし、刃物、実弾などの武器の使用は不可。
モンド家で用意した、
・ゴム製のナイフ(刃渡り10センチ)
・おもちゃのマジックハンド
・スポンジボール(10個セット)
の中から使用アイテムを選ぶことができる。(使用しなくてもいい)
ハンター役は青いバンダナを、モンスター役は赤いバンダナを、身体のどこかに付けなければならない。そのバンダナを奪われたり、破られたりしたら「戦闘不能状態」になったものとみなす。
制限時間一時間のうちに、「生き残っている」者の数が多い方が勝ち。
買ったチームは特大のかぼちゃパフェ(モンド家パティシエ特製)がふるまわれる。
なお、ダイヤはハンター役を希望。
均等になるように組み分けをしてもらい、もしも数が揃わない場合は少ない方にクロスが入る。
■芝生広場
サッカーグラウンドほどの広さ。見通しが良く、障害物はない。
各チーム、40センチ四方の木箱(ワイン出荷箱である)を5個ずつ自由に配置して良い。ただし、木箱に色分けはないため、相手が配置した木箱についても自由に使用して良い。
マスターより
結果、華麗に言いくるめられたダイヤちゃんでございます。
が、それはそれで楽しく遊べるでしょうからいいのではないかと!(笑)
武器は不可ですが、ハロウィン、とOP中でも言っていたように、仮装してくるのはOKです!パフェを食べることを本気で狙うならばゲームには不利かもしれませんが、どちらを選ぶかは自由!
ゲームのルールも全然難しくないですし、どう盛り上げるかという点も考えつつ楽しく遊んでいただければと思います!
解説にもございますが、過去の関連シナリオはご存じなくてもぜーんぜん問題ありませんので是非お気軽にご参加ください!
が、それはそれで楽しく遊べるでしょうからいいのではないかと!(笑)
武器は不可ですが、ハロウィン、とOP中でも言っていたように、仮装してくるのはOKです!パフェを食べることを本気で狙うならばゲームには不利かもしれませんが、どちらを選ぶかは自由!
ゲームのルールも全然難しくないですし、どう盛り上げるかという点も考えつつ楽しく遊んでいただければと思います!
解説にもございますが、過去の関連シナリオはご存じなくてもぜーんぜん問題ありませんので是非お気軽にご参加ください!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/10/17 06:13
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/08 12:08:43 |
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相談卓 大伴 鈴太郎(ka6016) 人間(リアルブルー)|22才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/10/09 07:29:25 |