• 冒険

【女神】打ち上がった沈没船

マスター:奈華里

このシナリオは2日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
6日
プレイング締切
2016/10/24 19:00
リプレイ完成予定
2016/11/04 19:00

オープニング

●才能
「もう、こう毎日雨が続いちゃ仕事にならないわね」
 机には書きかけの海図――これは彼女の手によるものだ。
 彼女は父から受け継いだ船を使い、現在小さな船で運搬業を営んでいる。
「まあ、この天候じゃあ仕方ありませんよ」
 そんな彼女のもとにやってきたのは父の代から仲良くして貰っている一人の乗組員だった。彼女よりは随分年上であるが、他界した父に代わって彼女の補佐をかって出てくれている頼もしい仲間である。
 窓の外では今日も激しい雨が降り注ぎ、ガタガタと窓枠を揺らしている。
「私の見立てだと明日のお昼くらいまでだとは思うけどね。頼まれてる荷物の納期、まだあったわよね?」
 天気が悪くて動けないが、それでも納期はやってくる。
 その辺も考慮して交渉していたつもりであるが、自然が相手では完璧にとはいかないものだ。
 それに彼女の仕事場は海であり、危険が多い。ヴォイドとの遭遇も常に頭に入れての仕事となる。
「後二日ですね。けどまあ、船長の腕があれば大丈夫ですよ。あっしはそう思います」
 信頼しているのだろう。不安な顔一つ見せずに彼が言う。
「フフッ、嬉しい事を言ってくれるわね♪」
 彼女もその言葉に柔らかな笑顔を返して、彼の持ってきたホットワインを口に含む。
 彼女の名はイズ――若干二十二歳の若き女船長。

●船
「さあ、目的の港まで急ぐわよ」
『オッー!!』
 翌日、彼女の読み通り雨を降らせていた雲は消え、昼を過ぎると青空が広がり波も穏やかに海面を揺らす。それを逸早く悟って、彼女は船を走らせる。そんな彼女の船には何故だか自然といい風が吹き、時にイルカがやってきたりもするものだから、彼女を知らぬ者はさぞ驚く事だろう。同業者でさえ彼女のその神がかかった才能には一目置き、彼等は彼女の事を【海の女神】と呼び、彼女が動き出すのを待って続く者も多い。
「あの子の風読みはピカイチだからなっ」
 漁師もそう言って、船を出すタイミングを計る。
 それ程までに天候、とりわけ風を読むのに彼女は長けていた。
 というのも幼い頃から父の船に同行していたのだから無理もない。
 そんな余談はともかく、彼女の航海は今日も順調だった。
 慣れ親しんだ海で最速となりそうなルートに舵を切って、頼まれている荷物を目的地の港へと運ぶ。
 そんな折だった。
「ん、なんだあれは…?」
 甲板に出ていた一人が対岸手前に見える何かを見つけ、双眼鏡を覗く。
 するとそこにあるのは彼等の船よりも何倍も大きい船で…船底をこちらに向けて、ぷかりと浮かび上がっている。
「難破でもしたのか? だったとしたら急がないと!!」
 そう思い彼は慌ててイズの許へ。
 それを聞き彼女も進路をその船に取り、近付き見えてきたのは海水に侵食され、藻の生えた船体。
 どうやら、その船は最近のものではないらしい。
「原型は留めているけど、この型…かなり昔の、かしら?」
 百年、いや二百年――もしかするともっと前かもしれない。ずんぐりとしたフォルムが今ある船とは少し違う。
 その船は一部大破しているようで、そこを塒にしていた魚達がいたのか剥き出しの側面に打ち上げられ息絶えている。
「どうします、船長?」
 船を見上げ乗組員の一人が問う。
「そうねえ…気になるけど、とりあえず納品優先。港に報告しておきましょう」
 イズはそう言うも視線は外せなかった。何かを感じて、小さくなるその船をずっと見つめてしまう。
「船長、どうかしましたか?」
 余りにもずっと見つめる彼女に再び乗組員が問う。
「いえ、なんでもないの、気にしないで」
 彼女とこの船の出会いが後に彼女の未来に大きく関わる事になるとは、この時彼女は思いもよらなかった。

●責任
「はあ?! 見に行った船が帰ってこない?」
 荷物を無事届け終えて、現状を聞きに戻って来てみればあの船を調査に行った船が戻ってこないらしい。
「まさかヴォイドが乗ってたとか? そんな気配なかったけど…」
 いなかったとは言い切れない。彼女達が確認したのは外観だけだ。大型の船であったなら、内部には何かいてもおかしくない。
「とりあえずハンターに調査依頼を移行したから行きたいならそっちに同行してくれや」
 港の管理部の者にそう言われて、彼女はそのままハンターオフィスへ。
 そして、新しく追加されそうになっていたその依頼に同行できないか交渉する。
「いきなりそう言われましても…」
「お願いよ。あの船は私が見つけたのよっ!」
 窓口から乗り出して彼女が言う。
「船長、危なそうだし任せてしまえば…」
「嫌よ。私達が見つけた船のせいで人がいなくなったの。ちゃんと責任とらなきゃ! と、そうよ。あの場所は陸からは少し離れてるわよね? だったら、船が必要でしょ? そこを引き受けるわ!」
 ずずいっと迫っての交渉に流石の窓口も圧倒されて、そこまで言うならとOKサインが出る。
「但し、あなた非覚醒者ですよね? ハンターの邪魔にならないようにお願いしますよ」
 勝気な性格を読み取って窓口が念を押す。
「判ってるわ。忠告どうも」
 イズはそう言うと早速皆にその事を告げに戻るのだった。

解説

内容
イズと共に打ち上がった沈没船を調査し、
いなくなってしまった調査船についても行方を明らかにする事

とある海に打ち上がった沈没船
その船を調査に行った船が戻ってこない
報告したイズは責任を感じて、次は彼女自らもその船に向かいたいと言い出しました
そんな彼女と共にハンターの皆さんは沈没船と調査船の両方を探索してきて下さい

●各船情報
沈没船
打ち上げられた沈没船は大型のキャラック船と思われる
長い間海の底にあったと見えるが、一部大破した形跡が残されており
それが自然によるものか何らかの力によるものなのかは判らない
なお、完全に陸に上がってはおらず、一部未だ浸水中
どうやら海底の起伏の多い部分の岩場に引っかかっているようである

イズの船
運搬船であり、砲台なしの小型船
但し、多少の小回りは利くので砲撃の回避には向いている
イメージとしては小型のスループ船を参照下さい

●付近の状態
比較的波は穏やかであるが、潮の満ち干で多少沈没船の浸水度が変化すると思われる
海底は起伏の多い岩場になっているようで少し注意が必要
陸地からは幾分離れている

●人物紹介
・イズ(22)
親から譲り受けた船を使い、人から荷物まで海路での運搬を受け負う女船長
海の近くに住んでいた事もあり、天候の変化に驚くほど敏感で
風をよめると噂されるようになってからは『海の女神』という通り名がついてはいるが、
実際は今までのデータと経験がそれを可能にしているだけと本人談
海図を描く勉強も始めており、航海の傍らで独自の海図を制作中

マスターより

同盟らしいかと言えばどうなのでしょうか? でもやる奈華里です。
お名前出していいのか判らないのですが、
あるMS様方にお声をかけて頂いたので、ならばやるしかなかろうと。
そんなこんなで第一話ともいうべきシナリオになります。
ショート連作で続く予定ですが、イチゲンさんでも大歓迎です。
沈没船に興味のある方の御参加お待ちしています(^-^)

調査探索という事で『冒険』のカテゴリーにしておきました。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/11/03 01:12

参加者一覧

  • 赤髪の勇士
    エヴァンス・カルヴィ(ka0639
    人間(紅)|29才|男性|闘狩人
  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 交渉人
    J・D(ka3351
    エルフ|26才|男性|猟撃士
  • 刃の先に見る理想
    ブレナー ローゼンベック(ka4184
    人間(蒼)|14才|男性|闘狩人
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 金色のもふもふ
    パトリシア=K=ポラリス(ka5996
    人間(蒼)|19才|女性|符術師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/10/24 08:57:55
アイコン 海の女神さまと(相談卓)
パトリシア=K=ポラリス(ka5996
人間(リアルブルー)|19才|女性|符術師(カードマスター)
最終発言
2016/10/24 18:13:33