ゲスト
(ka0000)
貫破せよ、看破せよ。
マスター:DoLLer

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在4 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/10/27 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/11/05 09:00
オープニング
「魔導列車、始動します!」
派手な蒸気が車体の左右から吹き出ると同時に、車体に刻まれた魔導紋が光の筋を帯びる。
下手な家よりも大きな巨体は、ゆる、と動き出すと同時に線路も光が生まれ、車体は光の筋を歩むようであった。
「アミィ。今日の試験は?」
「鉱山の荷物を載せて、運びきる効率の計算ね。ついでに鉱山の崩落部分を取り除けば、歪虚ちゃんの巣とご対面できるわけじゃない? 歪虚の巣窟の掃除は10年以上の刑罰免除なのよ。ゾンビ1体1年!! うまくいきゃあ、あそこで50年は稼げるのよ。姫様だって、あそこの歪虚とは浅からぬ因縁なんでしょ? 尻尾掴むチャンスかもよ」
クリームヒルトの言葉に、アミィは自分に付けられた帝国謹製の囚人用首輪を撫でながら笑った。
いったいどこでそんな情報を得たのか。クリームヒルトは苦笑いしつつ、確かにそれは有用ね、と返した。
「ファルバウティ。死骸を集める歪虚。そしていくつものゾンビを生み出す……」
村が一つ消えた。
クリームヒルトはきり、と歯噛みした。
「お、珍しい。姫様が怒ってる」
「ヴルツァライヒの仕業……だと思っていたけど、さらに後ろにそういう歪虚がいるだなんて思わなかったわ」
本当に自分の浅慮が恨めしくなる。と言うと、アミィはまたくすくすと笑った。
「もうすぐそれもお仕舞い。このアミィ様が歪虚の計画なんざ丸裸にして……」
その瞬間、二人の視界がぶれた。
いや、地面が大きく揺れたのだ。何が起こったのか顔を見合わせる二人の顔に、影がすぅっと差し込んだ。
「な、なに……あれ」
影の原因たる二人の視線の先には、山があった。鉱山となっていた山の一部が、メリメリとはがれ、まるで巨人のように立ち上がっているではないか。
「ハ ハ ハ。返シ テ モラウ ゾ」
腹の底から響くような声だった。
それが山が喋ったものだと気づくのにそう時間はかからなかった。
「返してってことは、ファルバウティご本人みたいよ」
「あれが、ファルバウティ」
直接出会ったことは一度もなかった。クリームヒルトはぽつりとつぶやくのをまたファルバウティは嘲った。
「ヒャ ヒャ。お礼ジャ。テメェラモ ぞんびノ 仲間 ニ シテヤルゾ。トイッテモ みんち ニシカ ナランケドナァ」
「ふふ」
口元が微笑んだのはクリームヒルトであった。
列車は徐々に加速していく。線路によって導かれる列車では移動もそれほど自由ではない。逃げも隠れもできない状況であるばかりか、山を削り取ったような巨人の姿であるファルバウティに足でも踏み入れられるようなことがあれば、一般人のクリームヒルトは無事では済まない。
「人間というものをなめないで欲しいわね!」
クリームヒルトが手を振りかざした次の瞬間、列車の中央、貨車から姿を現したのは大砲であった。
「元々鉱山の崩落部を吹き飛ばす計画だったから準備してたのがこんなところで役に立つなんて! うふふ、あれ倒したら100年は免除されるかも!!」
拳をゆるりと振り上げる岩塊のファルバウティ。
小岩がバラバラと列車と降り注ぐ中、列車に搭載された大砲が勢いよく火を吹き、拳を粉砕した。
●
「なんだこれは!!」
同じくガルカヌンクの鉱山部入り口。目の前の岩壁が突如動き出したのを呆然と見ていたのは線路活動を請け負っていたボラ族であった。
「ハ ハ ハ。返シ テ モラウ ゾ」
「歪虚よ。この空気は……レーヴァ!」
岩の塊は人間のような形をとって立ち上がったのを見て、彼らもすぐさま戦闘態勢に入った。その中で誰よりも早くその正体に気付いたのは女、レイアは憎々し気な瞳をそちらに向けた。
名乗らずとも荒れ狂う負のマテリアルでわかる。それが前族長を貶め、我々から安住の地を奪った歪虚の親玉であることを。
「仇か」
族長のイグもその言葉にすっと目を細めると、みるみる内に体が羽毛に覆われ、大梟の姿に変じていく。
だが、そんな彼らを止めたのはうら若い美少年ロッカの一言であった。
「師匠!? なにしてんだよ、こんなとこで!!」
「ア゛ ァ ン? オォ ろっか カ」
そのやりとりがいかなる衝撃をもたらしたか。ボラ族の面々は凍り付いたようにロッカを見た。
「ここはオレの仕事場なの。勝手な事すんな!」
「ソリャア スマンノ。ヒヘヘ 小サイカラ 見エナンダワイ」
その言葉にロッカは冷たい顔で「ブッ殺す」と呟いた。
「おい、ロッカ……師匠って」
「ファルバウティはオレの鍛冶の師匠だよ。封印を司る元精霊様さ。マテリアルを込める魔剣の生成法を教えてくれたんだ」
吐き捨てるようにロッカはそう言うと、普段使い慣れている魔導機械を投げ捨てると、おもむろに短剣を引き抜いた。途端に血生臭い匂いが充満する。
ボラ族の皆はそれを見慣れていた。仇敵と言っても過言ではない血の魔剣。
「レーヴァ……!」
「こいつでないと憑依した師匠はたたっきれない。憑依したものをぶっ壊しても本体は傷つけられないからね」
「ちょ、ちょっと待て。じゃあ……」
「話は後だよ。あんな岩に殺されたいの、ゾール」
冷たい眼光を寄せたロッカにゾールは一瞬押し黙った。普段は愛嬌たっぷりのロッカがこんな顔をするのは初めてだった。
イグが静かに問いかける。
「……ファルバウティは師匠であっても、倒す決意はあるのだな?」
「あったりまえじゃない。倒す為の魔剣なんだから」
その一言にイグは振り返り腕を振り上げた。
「鉱山を掘り出すために呼んだハンターにも応援をしてもらう。これは我々の敵討ちだけではない。未来の為の戦いだ!! 歪虚を倒し、クリームヒルトを守るぞっ」
「ヴォラー!!!」
ボラ族の勇ましい掛け声が一斉に上がった。
派手な蒸気が車体の左右から吹き出ると同時に、車体に刻まれた魔導紋が光の筋を帯びる。
下手な家よりも大きな巨体は、ゆる、と動き出すと同時に線路も光が生まれ、車体は光の筋を歩むようであった。
「アミィ。今日の試験は?」
「鉱山の荷物を載せて、運びきる効率の計算ね。ついでに鉱山の崩落部分を取り除けば、歪虚ちゃんの巣とご対面できるわけじゃない? 歪虚の巣窟の掃除は10年以上の刑罰免除なのよ。ゾンビ1体1年!! うまくいきゃあ、あそこで50年は稼げるのよ。姫様だって、あそこの歪虚とは浅からぬ因縁なんでしょ? 尻尾掴むチャンスかもよ」
クリームヒルトの言葉に、アミィは自分に付けられた帝国謹製の囚人用首輪を撫でながら笑った。
いったいどこでそんな情報を得たのか。クリームヒルトは苦笑いしつつ、確かにそれは有用ね、と返した。
「ファルバウティ。死骸を集める歪虚。そしていくつものゾンビを生み出す……」
村が一つ消えた。
クリームヒルトはきり、と歯噛みした。
「お、珍しい。姫様が怒ってる」
「ヴルツァライヒの仕業……だと思っていたけど、さらに後ろにそういう歪虚がいるだなんて思わなかったわ」
本当に自分の浅慮が恨めしくなる。と言うと、アミィはまたくすくすと笑った。
「もうすぐそれもお仕舞い。このアミィ様が歪虚の計画なんざ丸裸にして……」
その瞬間、二人の視界がぶれた。
いや、地面が大きく揺れたのだ。何が起こったのか顔を見合わせる二人の顔に、影がすぅっと差し込んだ。
「な、なに……あれ」
影の原因たる二人の視線の先には、山があった。鉱山となっていた山の一部が、メリメリとはがれ、まるで巨人のように立ち上がっているではないか。
「ハ ハ ハ。返シ テ モラウ ゾ」
腹の底から響くような声だった。
それが山が喋ったものだと気づくのにそう時間はかからなかった。
「返してってことは、ファルバウティご本人みたいよ」
「あれが、ファルバウティ」
直接出会ったことは一度もなかった。クリームヒルトはぽつりとつぶやくのをまたファルバウティは嘲った。
「ヒャ ヒャ。お礼ジャ。テメェラモ ぞんびノ 仲間 ニ シテヤルゾ。トイッテモ みんち ニシカ ナランケドナァ」
「ふふ」
口元が微笑んだのはクリームヒルトであった。
列車は徐々に加速していく。線路によって導かれる列車では移動もそれほど自由ではない。逃げも隠れもできない状況であるばかりか、山を削り取ったような巨人の姿であるファルバウティに足でも踏み入れられるようなことがあれば、一般人のクリームヒルトは無事では済まない。
「人間というものをなめないで欲しいわね!」
クリームヒルトが手を振りかざした次の瞬間、列車の中央、貨車から姿を現したのは大砲であった。
「元々鉱山の崩落部を吹き飛ばす計画だったから準備してたのがこんなところで役に立つなんて! うふふ、あれ倒したら100年は免除されるかも!!」
拳をゆるりと振り上げる岩塊のファルバウティ。
小岩がバラバラと列車と降り注ぐ中、列車に搭載された大砲が勢いよく火を吹き、拳を粉砕した。
●
「なんだこれは!!」
同じくガルカヌンクの鉱山部入り口。目の前の岩壁が突如動き出したのを呆然と見ていたのは線路活動を請け負っていたボラ族であった。
「ハ ハ ハ。返シ テ モラウ ゾ」
「歪虚よ。この空気は……レーヴァ!」
岩の塊は人間のような形をとって立ち上がったのを見て、彼らもすぐさま戦闘態勢に入った。その中で誰よりも早くその正体に気付いたのは女、レイアは憎々し気な瞳をそちらに向けた。
名乗らずとも荒れ狂う負のマテリアルでわかる。それが前族長を貶め、我々から安住の地を奪った歪虚の親玉であることを。
「仇か」
族長のイグもその言葉にすっと目を細めると、みるみる内に体が羽毛に覆われ、大梟の姿に変じていく。
だが、そんな彼らを止めたのはうら若い美少年ロッカの一言であった。
「師匠!? なにしてんだよ、こんなとこで!!」
「ア゛ ァ ン? オォ ろっか カ」
そのやりとりがいかなる衝撃をもたらしたか。ボラ族の面々は凍り付いたようにロッカを見た。
「ここはオレの仕事場なの。勝手な事すんな!」
「ソリャア スマンノ。ヒヘヘ 小サイカラ 見エナンダワイ」
その言葉にロッカは冷たい顔で「ブッ殺す」と呟いた。
「おい、ロッカ……師匠って」
「ファルバウティはオレの鍛冶の師匠だよ。封印を司る元精霊様さ。マテリアルを込める魔剣の生成法を教えてくれたんだ」
吐き捨てるようにロッカはそう言うと、普段使い慣れている魔導機械を投げ捨てると、おもむろに短剣を引き抜いた。途端に血生臭い匂いが充満する。
ボラ族の皆はそれを見慣れていた。仇敵と言っても過言ではない血の魔剣。
「レーヴァ……!」
「こいつでないと憑依した師匠はたたっきれない。憑依したものをぶっ壊しても本体は傷つけられないからね」
「ちょ、ちょっと待て。じゃあ……」
「話は後だよ。あんな岩に殺されたいの、ゾール」
冷たい眼光を寄せたロッカにゾールは一瞬押し黙った。普段は愛嬌たっぷりのロッカがこんな顔をするのは初めてだった。
イグが静かに問いかける。
「……ファルバウティは師匠であっても、倒す決意はあるのだな?」
「あったりまえじゃない。倒す為の魔剣なんだから」
その一言にイグは振り返り腕を振り上げた。
「鉱山を掘り出すために呼んだハンターにも応援をしてもらう。これは我々の敵討ちだけではない。未来の為の戦いだ!! 歪虚を倒し、クリームヒルトを守るぞっ」
「ヴォラー!!!」
ボラ族の勇ましい掛け声が一斉に上がった。
解説
●目的
ファルバウティの撃破
●敵NPC
ファルバウティ
巨大な岩で構成された巨人のような姿をしています。サイズは4
主に踏み潰しなどで攻撃してきます。
回避力は皆無。防御力は高い。
なお、ファルバウティ本体は様々なものに憑依する能力を有しており、岩塊を破壊しても彼にダメージを与えられる保証はありません。
●味方NPC
魔導列車
クリームヒルトとアミィが搭乗しています。
大砲で攻撃できます。威力は約200。2ラウンドに1回。
なお、列車は線路の上しか走ることしかできず、前進と後退ができます。
ファルバウティに線路を破壊された場所は移動できなくなります。
この魔導列車が破壊されると依頼失敗です。
ボラ族
イグ(霊闘士)・ゾール(聖導士)・レイア(魔術師)・ロッカ(機導士)の4人
ファルバウティの足元にいます。ある程度自由に行動します。
●質疑応答
クリームヒルト・アミィ・イグ・ゾール・レイア・ロッカに質疑を投げかけることは可能です。
ファルバウティの撃破
●敵NPC
ファルバウティ
巨大な岩で構成された巨人のような姿をしています。サイズは4
主に踏み潰しなどで攻撃してきます。
回避力は皆無。防御力は高い。
なお、ファルバウティ本体は様々なものに憑依する能力を有しており、岩塊を破壊しても彼にダメージを与えられる保証はありません。
●味方NPC
魔導列車
クリームヒルトとアミィが搭乗しています。
大砲で攻撃できます。威力は約200。2ラウンドに1回。
なお、列車は線路の上しか走ることしかできず、前進と後退ができます。
ファルバウティに線路を破壊された場所は移動できなくなります。
この魔導列車が破壊されると依頼失敗です。
ボラ族
イグ(霊闘士)・ゾール(聖導士)・レイア(魔術師)・ロッカ(機導士)の4人
ファルバウティの足元にいます。ある程度自由に行動します。
●質疑応答
クリームヒルト・アミィ・イグ・ゾール・レイア・ロッカに質疑を投げかけることは可能です。
マスターより
今回はDoLLerでは初めてユニット同行可シナリオとしております。
ユニットだけでなくとも、岩肌のファルバウティに飛びかかって一撃を加えるのもいいなとか思いますので、なくても全然大丈夫です。
ユニットだけでなくとも、岩肌のファルバウティに飛びかかって一撃を加えるのもいいなとか思いますので、なくても全然大丈夫です。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/10/30 22:09
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
破壊せよ(相談卓) アーシュラ・クリオール(ka0226) 人間(リアルブルー)|22才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/10/27 02:49:23 |
|
![]() |
質問卓 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2016/10/27 01:59:15 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/10/25 08:29:19 |