ゲスト
(ka0000)
【剣機】人のようなもの
マスター:T谷

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/09/24 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/03 19:00
オープニング
黒い影が地面を舐めると同時、叩きつけるような暴風が、直上から吹き下ろされる。瞬間、馬車を覆う幌が大きくたわみ軋みを上げた。
御者と馬の悲鳴が重なる。
荷台に乗っていたハンター達は、咄嗟に武器を取り意識を研ぎ澄まさせる。
――しかし、続いて訪れた轟音と、大地をひっくり返したかのような地響きと振動が、そんな些細な警戒など無意味なことだと教えてくれた。
次の瞬間、馬車は粉々に砕け、ハンター達ごと吹き飛ばされ石畳を転がっていた。
三半規管を直接ぶん殴られたかのような衝撃に、一行は声も出せない。
辺りには、悲鳴が散らばっていた。そも、ここは帝国でも比較的に大きな街道だ。どんよりと曇った空の下とはいえ、昼間の人通りは中々のものだ。なれば、この衝撃に巻き込まれた人間は少なくない。
数瞬を置き、ハンター達はようやく立ち上がった。そうして顔を上げた先に、妙な物体が石畳を砕いて地面に突き刺さっているのを見た。
それは、鈍色に輝く巨大な立方体。貨物を運ぶ際に用いられる、コンテナと言えば伝わりやすいだろうか。しかし、ひどく大きく、厳重な作りをしている。まるで、高所からの落下を想定しているかのような――
ハンター達は空を見上げる。しかし、頭上には黒く重苦しい雲が広がっているだけだ。
衝撃の前に馬車の上を通った影が、これを落としたのかもしれない。そう考えれば、つい最近、帝国内で異様な化け物が目撃された事件が頭を過る。
だが、深く考える暇もなく、目の前の箱が妙な音を発し始めた。
ゴン、ゴンと、金属を叩く重い音。
しかしそれは、外から叩いているのではない。篭った音は――その内側から響いている。
大気を震わす爆音が、見るものの全身を打つ。離れて野次馬に徹している一般人はもとより、ハンター達ですら、瞬きを忘れて顛末を見守った。
箱の一面が、音の度に、強烈な力によって外側へ盛り上がっていく。
そこは扉だったのだろうが、落下の衝撃で歪んでしまったのか。メキメキと音を立てて、扉らしき面に這う鉄管を無理矢理に引き千切っていく。
ここは外だというのに、逃げることのできない室内に追い詰められているような圧迫感が一同を襲った。
そして遂に、ドン、と一際大きな音が響くと、箱の一面が破裂したように吹き飛んだ。同時に、むせ返るような腐臭が辺りに立ち込める。
低い唸り声と金切り声が同時に聞こえ、箱からそれが姿を現す。
たったの一歩で、地面が小さく震えた。たったの一息で、辺りの腐臭が酷くなる。そしてたったの一声で、周りの一般人は腰を抜かして座り込んでしまった。
巨人、としか言い様がない。見上げるような異様な巨躯の、腐れた人型の化け物だった。手には巨大なチェーンソーを握り、その両肩には金属質の筒が二本、半ば肉に埋もれるように突き刺さっていた。
瞼のない濁った灰色の目がぐるぐると、周囲を見渡す。
その目は、事もあろうに腰を抜かした一般人を視界に収め、止まった。
ニタリと、皮膚が削げ落ち表情筋の明らかになった顔が歪む。嬉しそうに一声上げ、巨大なゾンビは手にしたチェーンソーのエンジンに火を入れた。同時に、ギイと甲高い音を発して、肩の筒がぐるりとその先端を一般人に向ける。
筒が水平になり、初めて気づく。それは幾つもの砲口を持つ、巨大な銃に他ならなかった。
咄嗟にハンター達は戦闘態勢に入る。帝国の中心にほど近いとはいえ、師団の応援を待つ時間もない。なれば、やることは一つだ。
例え身を挺したとしても、人々の命を守ることはハンターの使命であるはずなのだから。
御者と馬の悲鳴が重なる。
荷台に乗っていたハンター達は、咄嗟に武器を取り意識を研ぎ澄まさせる。
――しかし、続いて訪れた轟音と、大地をひっくり返したかのような地響きと振動が、そんな些細な警戒など無意味なことだと教えてくれた。
次の瞬間、馬車は粉々に砕け、ハンター達ごと吹き飛ばされ石畳を転がっていた。
三半規管を直接ぶん殴られたかのような衝撃に、一行は声も出せない。
辺りには、悲鳴が散らばっていた。そも、ここは帝国でも比較的に大きな街道だ。どんよりと曇った空の下とはいえ、昼間の人通りは中々のものだ。なれば、この衝撃に巻き込まれた人間は少なくない。
数瞬を置き、ハンター達はようやく立ち上がった。そうして顔を上げた先に、妙な物体が石畳を砕いて地面に突き刺さっているのを見た。
それは、鈍色に輝く巨大な立方体。貨物を運ぶ際に用いられる、コンテナと言えば伝わりやすいだろうか。しかし、ひどく大きく、厳重な作りをしている。まるで、高所からの落下を想定しているかのような――
ハンター達は空を見上げる。しかし、頭上には黒く重苦しい雲が広がっているだけだ。
衝撃の前に馬車の上を通った影が、これを落としたのかもしれない。そう考えれば、つい最近、帝国内で異様な化け物が目撃された事件が頭を過る。
だが、深く考える暇もなく、目の前の箱が妙な音を発し始めた。
ゴン、ゴンと、金属を叩く重い音。
しかしそれは、外から叩いているのではない。篭った音は――その内側から響いている。
大気を震わす爆音が、見るものの全身を打つ。離れて野次馬に徹している一般人はもとより、ハンター達ですら、瞬きを忘れて顛末を見守った。
箱の一面が、音の度に、強烈な力によって外側へ盛り上がっていく。
そこは扉だったのだろうが、落下の衝撃で歪んでしまったのか。メキメキと音を立てて、扉らしき面に這う鉄管を無理矢理に引き千切っていく。
ここは外だというのに、逃げることのできない室内に追い詰められているような圧迫感が一同を襲った。
そして遂に、ドン、と一際大きな音が響くと、箱の一面が破裂したように吹き飛んだ。同時に、むせ返るような腐臭が辺りに立ち込める。
低い唸り声と金切り声が同時に聞こえ、箱からそれが姿を現す。
たったの一歩で、地面が小さく震えた。たったの一息で、辺りの腐臭が酷くなる。そしてたったの一声で、周りの一般人は腰を抜かして座り込んでしまった。
巨人、としか言い様がない。見上げるような異様な巨躯の、腐れた人型の化け物だった。手には巨大なチェーンソーを握り、その両肩には金属質の筒が二本、半ば肉に埋もれるように突き刺さっていた。
瞼のない濁った灰色の目がぐるぐると、周囲を見渡す。
その目は、事もあろうに腰を抜かした一般人を視界に収め、止まった。
ニタリと、皮膚が削げ落ち表情筋の明らかになった顔が歪む。嬉しそうに一声上げ、巨大なゾンビは手にしたチェーンソーのエンジンに火を入れた。同時に、ギイと甲高い音を発して、肩の筒がぐるりとその先端を一般人に向ける。
筒が水平になり、初めて気づく。それは幾つもの砲口を持つ、巨大な銃に他ならなかった。
咄嗟にハンター達は戦闘態勢に入る。帝国の中心にほど近いとはいえ、師団の応援を待つ時間もない。なれば、やることは一つだ。
例え身を挺したとしても、人々の命を守ることはハンターの使命であるはずなのだから。
解説
●目的
周囲で腰を抜かした人々の救出、及びこの場からの脱出。撃破は優先されません。
人々の人数は十人ほど。ほぼ全員が腰を抜かしている一般人です。馬車を引いていた馬はとっくに逃げ出して見当たりません。
●敵
身長が四メートルを超える、巨人型のゾンビ。無理やり筋肉だけを肥大化させたように、皮膚のいたるところが引きちぎれ中身が丸見えになっています。基本的に動きは鈍重で、反応も鈍いです。ただし、直線的な動きは巨体のリーチも相まって決して侮れるものではありません。
巨大なチェーンソーの全長は二メートル近く、攻撃の速度は遅いですが範囲はとても広いです。両肩にはガトリング砲が積まれ、しかしそれは巨人の意志とは関係ないかのように、別の生き物のように動きハンター達を狙ってきます。命中率は高くないですが、弾丸が無尽蔵ではないかと疑うほどに連続した射撃が可能です。
また、筋繊維の間から、常時血液の代わりに毒が湧き出ているようです。臭いもきついです。
●場所
遮蔽物といえば散在する細い木立だけ、という開けた街道です。
●補足
馬車の積み荷は、日用雑貨や保存食など。
また、しばらくすると強い雨が降るかもしれません。
周囲で腰を抜かした人々の救出、及びこの場からの脱出。撃破は優先されません。
人々の人数は十人ほど。ほぼ全員が腰を抜かしている一般人です。馬車を引いていた馬はとっくに逃げ出して見当たりません。
●敵
身長が四メートルを超える、巨人型のゾンビ。無理やり筋肉だけを肥大化させたように、皮膚のいたるところが引きちぎれ中身が丸見えになっています。基本的に動きは鈍重で、反応も鈍いです。ただし、直線的な動きは巨体のリーチも相まって決して侮れるものではありません。
巨大なチェーンソーの全長は二メートル近く、攻撃の速度は遅いですが範囲はとても広いです。両肩にはガトリング砲が積まれ、しかしそれは巨人の意志とは関係ないかのように、別の生き物のように動きハンター達を狙ってきます。命中率は高くないですが、弾丸が無尽蔵ではないかと疑うほどに連続した射撃が可能です。
また、筋繊維の間から、常時血液の代わりに毒が湧き出ているようです。臭いもきついです。
●場所
遮蔽物といえば散在する細い木立だけ、という開けた街道です。
●補足
馬車の積み荷は、日用雑貨や保存食など。
また、しばらくすると強い雨が降るかもしれません。
マスターより
剣機連動便乗組なT谷です。
逃げたっていいじゃない、にんげんだもの。でもたまには立ち向かうのもいいんじゃないでしょうか。
逃げたっていいじゃない、にんげんだもの。でもたまには立ち向かうのもいいんじゃないでしょうか。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/02 07:44
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/09/24 01:18:03 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/09/20 19:53:40 |