ゲスト
(ka0000)
心狂いし異形の復讐
マスター:鳴海惣流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/11/17 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/11/26 07:30
オープニング
●とある町の近く
人けのない場所に、鴉の顔に角を生やした頭部を持つ異形が降り立った。獣のような足も含めれば明らかに人間ではない。
それもそのはず、異形はリアンと名乗る歪虚であった。
「やれやれ。遊び過ぎていらない傷を負ってしまいました」
そうは言うものの、ハンターとの戦闘で受けたダメージはすでに大半が自然治癒している。
「貴方もダメージを負ったみたいですね。大丈夫ですか?」
視線を上げた先には、オークに似た巨大な怪物が立っていた。
怪物はリアンに構わず、真っ直ぐに前を見据えている。
「おや。人間の町に恨みでもあるのですか? 面白い。なら思う存分に暴れなさい。せっかくです。野にいるコボルドを探して、適当に町へ放り込むとしましょう。登場人物が一人では劇としての面白みに欠けますからね。貴方もそう思うでしょう?」
やはり怪物は答えない。巨体を揺らし、地鳴りのごとき足音を響かせ歩く。
「堕落者となったにもかかわらず、言語や己を見失うほどの怒りに飲まれたまま。フフ。実に面白い対象です。私の演出する舞台に相応しい」
同行するのではなく、リアンは木の上に立つ。
「元は人間だった者が復讐心を抱えて堕落者となり、恨みを持つ人間を襲う。そしてその元人間の堕落者を人間が退治する。これほど面白い見世物はありません。まさしく喜劇。ああ……自分の演出家としての才能が怖くなりますね」
酔いしれるように言ったあと、リアンはこの場から飛び去る。堕落者が向かう町に、大きな混乱をもたらすために。
●少女の怒り
「どうして譲ってあげなかったんですか!」
声を張り上げたのは十代半ば程度の少女。睨まれた老齢の男性が嫌味な笑みを浮かべる。隣には客らしき裕福そうな男がいる。
「当たり前だろ。誰だって高く値をつけてくれた方に売るさ」
少女はカレン。老齢の男性はロウエンといった。
ダンダという男に憧れて、カレンは商人を志した。
しかし久しぶりにあったダンダは、以前とは変わり果てた金がすべての商人になっていた。
説得に失敗したカレンは、自分が世の為人の為に働いている姿を見せて、いつかダンダに元の心優しき商人に戻ってもらおうと決意していた。
「だからといって、常備するためだけに求めた人に売るなんて……!」
「うん?」
裕福そうな男が何かに気づいたように声を上げた。
「聞き覚えのある話だと思ったら、私に薬草を売ってくれと頼んだみずぼらしい男のことか。あれは災難だったよ。高級なズボンに土をつけられてしまってね。まあ、代わりにそいつの持ってたお金を慰謝料として貰ったから、護衛に袋叩きにさせる程度で許してやったがね」
「貴方が……! なんて酷い……」
カレンは唇をかみしめる。
商人として経験を積む途中、近くの村でダンダの名前を耳にした。頼んで教えてもらった内容は衝撃的だった。
娘の命を救うために薬草を求めたダンダに対し、カレンの前にいる老齢の男性は常識外の価格をつけたのだ。
その後、薬草を買った裕福な男に譲ってほしいと頼むも、結末は最悪以外の何でもなかった。
「酷いのはその男の方だろう。このポエロ様に不愉快な思いをさせたのだからね」
「貴方はもう口を開かないでください! ロウエンさん! 以前にダンダさんに助けられたのでしょう? 恩には恩で報いるべきではないですか!」
結果としてダンダは薬草を手に入れられずに娘を失い、裕福な男に売り払ったロウエンは現在の豪邸を建てるに至った。
「甘いことを言う娘だな。そんなことだと、お前もあの商人みたいに落ちぶれてしまうぞ」
あまりな言い分にカレンは頭に血を上らせ、激情のままに叫ぶ。
「ダンダさんを悪く言わないでください! あの人が変わってしまったのは全部、貴方のせいじゃないですか!」
「人に罪をなすりつけるな。自業自得だろ。より得をする選択肢を選んで何が悪いんだ。さあ、帰った帰った」
ロウエンの雇う護衛に背中を押され、強引にカレンは屋敷から追い出される。
その時だった。
二人の頭上だけ夜になったみたいに暗さを増す。見上げた先にあったのは大きな足の裏。慌てて転がるカレンの背後、大きな物音と共に強烈な振動が発生した。
地面に腕をつき、音のした方をカレンが見る。巨大な足によって、ロウエンの屋敷が瞬く間に半壊していた。
「ひ、ひいいっ」
泣き顔を晒しながら、這いつくばるようにして瓦礫からロウエンとポエロが逃れる。それを見下ろす異形。話に聞くオークみたいな外見だった。
だが奇妙な点がある。明らかに人間とは違う生物なのに、その異形は下半身に商人が好みそうな白いズボンをはいていた。
「な、何なの、あれ!?」
恐怖と驚愕で腰を抜かすカレン。けれど異形は彼女には目もくれない。
壊れた屋敷から木の柱を持ち、武器代わりにして振り回す。その真下にいるのは、泣きべそをかいているロウエンとポエロだった。
彼らご自慢の護衛は、異形が現れたあの一瞬ですでに全滅してしまっていた。
「た、助けてくれぇ」
「か、金ならやる。早く私を助けないか!」
許せない相手ではあるが、必死に勇気を奮い立たせ、カレンはロウエンを助けようとする。
しかし、それを妨害するかのように町のあちこちに、まるで空から降ってでもきたように凶悪なコボルドが姿を現した。
渦巻く悲鳴。壊される家の音。絶望のオーケストラが響く町中で、カレンは懸命にロウエンとポエロ、そして住民を助けようとする。
●傍観者
適当に連れてきたコボルドを町中に放り投げたあと、高い木の天辺に座ってリアンは人間の町の混乱を傍観する。
「人間が逃げ惑う様はいつ見ても愉快ですね。さて、今回の舞台の終幕はいかようになるでしょうか」
ニタリと邪悪な笑みを見せる歪虚は、町に近づく数人の存在に気づく。
「おや。あれは私に傷をつけてくれた連中と同じハンターと呼ばれる人間どもですか。フフフ。さてさて、元は人間の堕落者を相手に、どのように対応するでしょうか。しばしここで観劇といきましょう。せいぜい私を楽しませてください」
高所からリアンが見下ろす中、偶然に訪れたハンターたちが喧騒の町に足を踏み入れる。
人けのない場所に、鴉の顔に角を生やした頭部を持つ異形が降り立った。獣のような足も含めれば明らかに人間ではない。
それもそのはず、異形はリアンと名乗る歪虚であった。
「やれやれ。遊び過ぎていらない傷を負ってしまいました」
そうは言うものの、ハンターとの戦闘で受けたダメージはすでに大半が自然治癒している。
「貴方もダメージを負ったみたいですね。大丈夫ですか?」
視線を上げた先には、オークに似た巨大な怪物が立っていた。
怪物はリアンに構わず、真っ直ぐに前を見据えている。
「おや。人間の町に恨みでもあるのですか? 面白い。なら思う存分に暴れなさい。せっかくです。野にいるコボルドを探して、適当に町へ放り込むとしましょう。登場人物が一人では劇としての面白みに欠けますからね。貴方もそう思うでしょう?」
やはり怪物は答えない。巨体を揺らし、地鳴りのごとき足音を響かせ歩く。
「堕落者となったにもかかわらず、言語や己を見失うほどの怒りに飲まれたまま。フフ。実に面白い対象です。私の演出する舞台に相応しい」
同行するのではなく、リアンは木の上に立つ。
「元は人間だった者が復讐心を抱えて堕落者となり、恨みを持つ人間を襲う。そしてその元人間の堕落者を人間が退治する。これほど面白い見世物はありません。まさしく喜劇。ああ……自分の演出家としての才能が怖くなりますね」
酔いしれるように言ったあと、リアンはこの場から飛び去る。堕落者が向かう町に、大きな混乱をもたらすために。
●少女の怒り
「どうして譲ってあげなかったんですか!」
声を張り上げたのは十代半ば程度の少女。睨まれた老齢の男性が嫌味な笑みを浮かべる。隣には客らしき裕福そうな男がいる。
「当たり前だろ。誰だって高く値をつけてくれた方に売るさ」
少女はカレン。老齢の男性はロウエンといった。
ダンダという男に憧れて、カレンは商人を志した。
しかし久しぶりにあったダンダは、以前とは変わり果てた金がすべての商人になっていた。
説得に失敗したカレンは、自分が世の為人の為に働いている姿を見せて、いつかダンダに元の心優しき商人に戻ってもらおうと決意していた。
「だからといって、常備するためだけに求めた人に売るなんて……!」
「うん?」
裕福そうな男が何かに気づいたように声を上げた。
「聞き覚えのある話だと思ったら、私に薬草を売ってくれと頼んだみずぼらしい男のことか。あれは災難だったよ。高級なズボンに土をつけられてしまってね。まあ、代わりにそいつの持ってたお金を慰謝料として貰ったから、護衛に袋叩きにさせる程度で許してやったがね」
「貴方が……! なんて酷い……」
カレンは唇をかみしめる。
商人として経験を積む途中、近くの村でダンダの名前を耳にした。頼んで教えてもらった内容は衝撃的だった。
娘の命を救うために薬草を求めたダンダに対し、カレンの前にいる老齢の男性は常識外の価格をつけたのだ。
その後、薬草を買った裕福な男に譲ってほしいと頼むも、結末は最悪以外の何でもなかった。
「酷いのはその男の方だろう。このポエロ様に不愉快な思いをさせたのだからね」
「貴方はもう口を開かないでください! ロウエンさん! 以前にダンダさんに助けられたのでしょう? 恩には恩で報いるべきではないですか!」
結果としてダンダは薬草を手に入れられずに娘を失い、裕福な男に売り払ったロウエンは現在の豪邸を建てるに至った。
「甘いことを言う娘だな。そんなことだと、お前もあの商人みたいに落ちぶれてしまうぞ」
あまりな言い分にカレンは頭に血を上らせ、激情のままに叫ぶ。
「ダンダさんを悪く言わないでください! あの人が変わってしまったのは全部、貴方のせいじゃないですか!」
「人に罪をなすりつけるな。自業自得だろ。より得をする選択肢を選んで何が悪いんだ。さあ、帰った帰った」
ロウエンの雇う護衛に背中を押され、強引にカレンは屋敷から追い出される。
その時だった。
二人の頭上だけ夜になったみたいに暗さを増す。見上げた先にあったのは大きな足の裏。慌てて転がるカレンの背後、大きな物音と共に強烈な振動が発生した。
地面に腕をつき、音のした方をカレンが見る。巨大な足によって、ロウエンの屋敷が瞬く間に半壊していた。
「ひ、ひいいっ」
泣き顔を晒しながら、這いつくばるようにして瓦礫からロウエンとポエロが逃れる。それを見下ろす異形。話に聞くオークみたいな外見だった。
だが奇妙な点がある。明らかに人間とは違う生物なのに、その異形は下半身に商人が好みそうな白いズボンをはいていた。
「な、何なの、あれ!?」
恐怖と驚愕で腰を抜かすカレン。けれど異形は彼女には目もくれない。
壊れた屋敷から木の柱を持ち、武器代わりにして振り回す。その真下にいるのは、泣きべそをかいているロウエンとポエロだった。
彼らご自慢の護衛は、異形が現れたあの一瞬ですでに全滅してしまっていた。
「た、助けてくれぇ」
「か、金ならやる。早く私を助けないか!」
許せない相手ではあるが、必死に勇気を奮い立たせ、カレンはロウエンを助けようとする。
しかし、それを妨害するかのように町のあちこちに、まるで空から降ってでもきたように凶悪なコボルドが姿を現した。
渦巻く悲鳴。壊される家の音。絶望のオーケストラが響く町中で、カレンは懸命にロウエンとポエロ、そして住民を助けようとする。
●傍観者
適当に連れてきたコボルドを町中に放り投げたあと、高い木の天辺に座ってリアンは人間の町の混乱を傍観する。
「人間が逃げ惑う様はいつ見ても愉快ですね。さて、今回の舞台の終幕はいかようになるでしょうか」
ニタリと邪悪な笑みを見せる歪虚は、町に近づく数人の存在に気づく。
「おや。あれは私に傷をつけてくれた連中と同じハンターと呼ばれる人間どもですか。フフフ。さてさて、元は人間の堕落者を相手に、どのように対応するでしょうか。しばしここで観劇といきましょう。せいぜい私を楽しませてください」
高所からリアンが見下ろす中、偶然に訪れたハンターたちが喧騒の町に足を踏み入れる。
解説
●目的
敵の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じ。map外の移動は不可。
ABCDEFGHI 1マス=2sq(移動や射程に影響あり
a□□□□ハ□□□□ □=村
b□■■□カ□□□□ ■=民家(通行不可
c□□□□□□■■□
dハ□□□□□□□ハ 1=堕落者
e□□□ウ□ポ□□□ 2=コボルドLV15
f2□□□1□□□2 ポ=ポエロ
g□□□□□□□□□ ウ=ロウエン
h□2□□□□□□□ カ=カレン
i□□□□□□□2□ ハ=ハンター初期位置(選択可能
●map情報
民家に逃げ遅れた住民はおらず、もぬけの殻です。
●味方情報
カレン=非覚醒者で商人。戦う力はない。装備は革鎧に小剣。生命力は40。
●敵情報
■堕落者
巨体でオークに似た異形。一度存在が確認されている。その際に元人間と判明。
堕落者である点や、元が誰だったかまでは判明していない。
生命力と防御力がかなり高い。高火力でも一撃で倒すのはまず無理。
攻撃力と命中力も高いが装備はなく、単純に殴る蹴るの肉体攻撃を行う。強力な範囲攻撃もありそう。
近くにあるものは何でも投げる。高威力。
上げる雄叫びは強烈。抵抗できなければ回避力を奪われそう。
他には目もくれず、何かの仇のようにひたすらロウエンとポエロを狙う。
■コボルドLV15
装備のないコボルド。LVが高いため、基本能力は通常のコボルドよりかなり高い。
堕落者ほどではないが、生命力も高く、よほど威力に優れた攻撃でなければ一撃で仕留めるのは難しい。
装備はなく、無手。遠距離では投石を行う。
狙いは近くの人間。敵の強さも判別できないので手あたり次第に攻撃する。
●ロウエン
生命力40。装備はなし。
持っていた薬草を自身の利益になる方へ売り、ダンダの娘を見捨てた。
●ポエロ
生命力45。装備はなし。
薬草を売ってほしいというダンダに高値をふっかけて追い払う。
その際にダンダの持っていた金銭を、迷惑料と称して奪う。
敵の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じ。map外の移動は不可。
ABCDEFGHI 1マス=2sq(移動や射程に影響あり
a□□□□ハ□□□□ □=村
b□■■□カ□□□□ ■=民家(通行不可
c□□□□□□■■□
dハ□□□□□□□ハ 1=堕落者
e□□□ウ□ポ□□□ 2=コボルドLV15
f2□□□1□□□2 ポ=ポエロ
g□□□□□□□□□ ウ=ロウエン
h□2□□□□□□□ カ=カレン
i□□□□□□□2□ ハ=ハンター初期位置(選択可能
●map情報
民家に逃げ遅れた住民はおらず、もぬけの殻です。
●味方情報
カレン=非覚醒者で商人。戦う力はない。装備は革鎧に小剣。生命力は40。
●敵情報
■堕落者
巨体でオークに似た異形。一度存在が確認されている。その際に元人間と判明。
堕落者である点や、元が誰だったかまでは判明していない。
生命力と防御力がかなり高い。高火力でも一撃で倒すのはまず無理。
攻撃力と命中力も高いが装備はなく、単純に殴る蹴るの肉体攻撃を行う。強力な範囲攻撃もありそう。
近くにあるものは何でも投げる。高威力。
上げる雄叫びは強烈。抵抗できなければ回避力を奪われそう。
他には目もくれず、何かの仇のようにひたすらロウエンとポエロを狙う。
■コボルドLV15
装備のないコボルド。LVが高いため、基本能力は通常のコボルドよりかなり高い。
堕落者ほどではないが、生命力も高く、よほど威力に優れた攻撃でなければ一撃で仕留めるのは難しい。
装備はなく、無手。遠距離では投石を行う。
狙いは近くの人間。敵の強さも判別できないので手あたり次第に攻撃する。
●ロウエン
生命力40。装備はなし。
持っていた薬草を自身の利益になる方へ売り、ダンダの娘を見捨てた。
●ポエロ
生命力45。装備はなし。
薬草を売ってほしいというダンダに高値をふっかけて追い払う。
その際にダンダの持っていた金銭を、迷惑料と称して奪う。
マスターより
お世話になっております、鳴海惣流です。
今回の依頼で、異形の正体も大体判明したかと思われます。
ロウエンが小悪党。ポエロが悪党みたいな感じでしょうか。この二人を助けるのも見捨てるのも皆様の自由となります。
皆様の参加をお待ちしています。
今回の依頼で、異形の正体も大体判明したかと思われます。
ロウエンが小悪党。ポエロが悪党みたいな感じでしょうか。この二人を助けるのも見捨てるのも皆様の自由となります。
皆様の参加をお待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/11/21 18:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/14 22:39:59 |
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相談卓 リン・フュラー(ka5869) エルフ|14才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2016/11/17 03:16:03 |