• 神森
  • 戦闘

【神森】グリーン・グリーン3

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
APV

難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/11/19 07:30
リプレイ完成予定
2016/11/28 07:30

オープニング

「ダメか」
「そりゃダメだろ。何考えてんだお前さんは」
 帝都バルトアンデルス城内。ヴィルヘルミナは執務机で首をひねる。
 オズワルドの手には、出した筈の親書がきれいにそっくりそのまま残っている。つまり、お目当ての人に届かなかったということだ。
 森都で不穏な動きがあり、それらを諌めねばならぬと立ち上がって数日。
 あくまでも帝国皇帝の立場からすれば、これは森都が始めた争い。不可侵条約を破ろうとしているのは向こうという言い分になる。
 だが、何も最初から戦争などしようというつもりは毛頭ない。故にまずは話し合いの場を設ける為に一筆認めたのだが……。
「連中の言い分じゃ“先に仕掛けてきたのは帝国”って話だからな」
「長老会に会って話が出来ればと思ったのだがな……。カミラやロルフが森都を攻撃する理由がない。帝国軍が森都を襲っているというのはデマだ」
「しかし、師団の監視が緩まっているのも事実だろう。なにせ森都側があちこちに攻撃を仕掛けてやがるからな」
 腕組み思案するヴィルヘルミナを見やり、オズワルドは息を吐く。
「ところで確認だが、お前さん記憶戻ってないんだよな?」
「ん? 何だ今更? そもそも私の記憶はどうせもう戻らん」
 あっけらかんと言って、ヴィルヘルミナは新たな書を認める。
 そう。ヴィルヘルミナ・ウランゲルの記憶はきっともう戻らない。
 あの日、あの時、その身に宿った歪虚はきっと記憶とも同化していたのだ。
 マテリアルで浄化し尽くしてしまったのだから、記憶もきれいさっぱり焼却済みというわけだ。
 それに気づき、認め、戻るか戻らないかわからない記憶の事などどうでもいいと出した答え。
 “記憶が戻ったという嘘を突き通せばいい”――。
「オズワルド、この書をもう一度森都へ。私自身が直接赴くと緊張が高まるからな」
「無駄だとは思うがね。手配はしておこう」
 ヴィルヘルミナは記憶を失ったまま、しかし過去と同じ答えに辿り着いた。
 人々を守護することこそ帝国の使命であり、そして自らの運命なのだと。
「さて、では私も森都に向かうとしよう」
「オイ、話が矛盾してるぞ」
「皇帝としてではなく、ただのヴィルヘルミナとして偵察に向かうだけだ。実際に何が起きているのかなど、王座に座っているだけではわからん」
 そう言って颯爽と肩で風を切る姿を見ていると、記憶喪失など本当になかったかのように思える。
 だが、彼女はこの僅かな期間に必死に政務を学び、剣の腕を取り戻そうと鍛錬した。
 見ず知らずの“自分”に課せられた重責の全てを受け入れ、前に進もうとしている。
 戦乱の世界で傷ついたこの国をまとめるには、どうしても誰かが柱となる必要があったのだ。

「ここが奴らのハイムか……」
 しみじみとした様子で腕を組む大男、ブラトン。その視線の先には広大な森林地帯が広がっている。
 私服のヴィルヘルミナに護衛としてついてきた仮面の男、ブラトン。その正体はヴィルヘルミナの父親、先帝ヒルデブラント・ウランゲルである。
 ……という話を、男は暗黒海域の遠征から戻って直ぐに娘にコッソリ打ち明けたのだが、二人の関係性は何も変わっていなかった。
「無駄とわかって訊くのだが、前回はどうやって長老会に話をつけたんだい?」
「記憶にないが、オレのすることだ。恐らく真っ向から押し入って、話を通さないとここから帰らないとでも言ったんじゃないか?」
「なるほど。だいたい私も今同じことを考えていたのだが、この状況では良くないな」
 親子はウンウンと頷き、それからため息を一つ。
 今はただでさえ帝国と森都が剣呑な状態にある。様子を見るのはいいが、勝手に潜入でもしたら揉めるに決まっている。
「貴様ら、何者だ!?」
 そこへ正面から声が響いた。見れば帝国軍の軍服を纏った男が数名歩いてくる。
「通りすがりのハンターだ。君達は帝国軍か?」
「うむ。最近エルフハイム周辺に怪しい輩が現れるというので警備に当たっていたのだ。森都にもしものことがあれば、帝国軍の威信に関わるからな」
「それはそうなんだろうけどよ、あんま森都の周辺をウロつかねぇほうがいいんじゃねーか?」
 帝国兵の言い分は正しい。森都を外敵から守るのも帝国軍の仕事である。
 だがブラトンの言う通り、近辺をうろついていれば、少なくとも今時は森都を刺激してしまう。
「しかしだ! 帝国軍を装った無法者が森都を襲い、帝国に濡れ衣を着せようとしているそうではないか! このような侮辱、許せるものか!」
 隊長らしい中年男が息巻く姿にヴィルヘルミナは思案する。
 なるほど、よく出来ている。帝国が身の潔白を証明するためには森都を守るしかなく、それは物理的な森都の封鎖を意味している。
 当然、帝国は外側に向けて包囲を敷いてエルフハイムを守っているつもりだ。だが、内側から見た場合、受け取り方は真逆となる。
 森の周りをうろつき、出入りを封鎖しようとする帝国軍を見れば、自分たちが襲われていると錯覚するだろう。
「なんも考えてねーなぁこいつら。何師団よ?」
「まいったな。これは、帝国軍はじっとしていたほうがいいんじゃないか?」
 溜め息混じりにヴィルヘルミナが呟いたその直後だ。頭上に大きな影が差したのは。
 それは翼を羽ばたかせ、空中からコンテナを投下する。もう散々見かけたリンドヴルムによる剣機部隊の投下である。
「思いっきり歪虚じゃねーかオイ。隠す気ゼロだろあいつら」
「いや……見ろ。コンテナから出現したゾンビが帝国軍の軍服を着ている」
 リンドヴルムを見つめ、ヴィルヘルミナは肩を落とす。
 森都周辺の警戒にあたっているのは第五師団のグリフォン部隊だ。
 森は広大で、日々の警戒にはどうしてもグリフォンが必要になる。
 細心の注意を払い、森都を刺激しないようにパトロールを行っているが、住人にしてみれば“空を飛んでいるのは帝国軍”なのだ。
 森都の事を帝国が知らないように、森都もまた帝国を理解していない。
 空中から攻撃されたらそれはもう、自動的に帝国軍の仕業というわけだ。
「うまい手だ。誰がどうあがいても誤解ばかりが深まる仕組みになっている」
「つーか歪虚はぶっ潰さないと拙いぜ。このままじゃ連中、森都に入っちまう」
「ああ。君達は部隊を引き上げろ。その後の指示は追って行う」
 きょとんとした帝国軍を残し、ハンターらは駆け出した。
 まだ森都の外周部、森林地帯に歪虚がいる間に片付け、可能ならばそれをエルフに目撃される前に立ち去りたい。
「やれやれ。こんな連中と一緒にされるとは……困ったものだね」
 ヴィルヘルミナは剣を抜き、咆哮するリンドヴルムを睨んだ。

解説

●目的
敵戦力の迅速な殲滅。


●概要
エルフハイム外周の森林地帯に出現した歪虚を殲滅する。
現在、森都と帝国の関係性は悪化の一途を辿っている。
何者かが双方の悪意を演出し、仲違いを狙っているのは目に見えているが、対策が困難な状況だ。
帝国皇帝ヴィルヘルミナ・ウランゲルは、長老会と話し合いの席を儲けようと打診するも、返答はなし。
皇帝としてではなく、変装してハンターと共に森都に向かった所、剣機型歪虚と遭遇した。
歪虚はどうやら帝国軍を装っており、それとは関係なくとも放置すれば森都を襲うだろう。
森都の警備隊が出現する前に、敵集団を迅速に殲滅。速やかにエルフハイムより離脱せよ。


●敵戦力
『リンドヴルム型』
言わずと知れた腐竜剣機。サイズ2。一体出現。
尾の剣と胴体部のガトリングで攻撃する。
一応、グリフォンに似せようとした努力が見て取れるカラーリング。

『プラッツェン型』
大型の狼のような剣機。サイズ2。一体出現。
鋼鉄化された爪と牙で闘う。
体表に打ち付けられた鎧に、帝国の紋章を掲げた布を纏っている

『ゾンビ(帝国兵)』
サイズ1のゾンビ兵。六体出現。
本当に元帝国兵なのか定かではないが、わりときれいめな帝国軍の軍服を纏っている。
魔導銃と片手剣で武装している。


●友軍戦力
『ヴィルヘルミナ』
帝国皇帝。お忍びなのでどっちかって言うとルミナちゃん。
片手剣と魔導銃で武装している。

『ブラトン』
元帝国皇帝。素性を隠さないといけないので仮面をつけている。
絶火剣シャイターンと呼ばれる機械剣で武装している。

マスターより

お世話になっております、神宮寺です。

というわけで、どうやら歪虚も一応関わっているようです、という。
誰からどう見ても敵は歪虚なのですが、人間の事を知らない森都の人々には帝国の手先に見えるようです。
一度も森の外に出たこともない人々にとっては、外の世界の事は全て不確かなのでしょう。
ちなみに警備隊が来るまでモタモタしていると、歪虚と無差別に攻撃されます。
タイトル変わってますが、文字数収まってませんでした。アホですいません!
なお、質問にはヴィルヘルミナがお答え致します。

それではよろしくお願い致します。

関連NPC

  • 帝国皇帝
    ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021
    人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/11/23 23:50

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 皇帝を口説いた男
    ラン・ヴィンダールヴ(ka0109
    人間(紅)|20才|男性|霊闘士
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 猫の守り神
    カナタ・ハテナ(ka2130
    人間(蒼)|12才|女性|聖導士
  • 【Ⅲ】命と愛の重みを知る
    フェリア(ka2870
    人間(紅)|21才|女性|魔術師

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン ルミナちゃんへの質問卓
神楽(ka2032
人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/11/17 22:35:30
アイコン 偽帝国軍(歪虚)殲滅相談卓
神楽(ka2032
人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/11/19 02:32:39
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/11/15 19:51:33