ゲスト
(ka0000)
【神森】無力と偽力ともう1つの襲撃者
マスター:朝臣あむ

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/11/19 07:30
- リプレイ完成予定
- 2016/11/28 07:30
オープニング
●錬金術師組合・組合長執務室
帝国の地下掃討作戦より数か月。己の研究と錬金術を広める講義にと、日々忙しく過ごしていたリーゼロッテ・クリューガー(kz0037)の元に1枚の書面が届いた。
差出人は「ハイデマリー・アルムホルム」。
魔導機械の義手を持つ組合員の1人で、現在はエルフハイムを目指して帝都を離れている人物だ。
「定期メンテナンスには来られない……ですか」
溜息と共に零される声には落胆とも悲しともとれる音が滲む。
彼女はエルフハイムに向かった浄化の器を追って旅立った。その際に定期メンテナンスには戻ると約束したのだが、やはり無理だったようだ。
「それでもメンテナンスを受けて欲しかったですね……」
ふぅ。と再び溜息を零して外を見る。
「村を襲撃するエルフと、エルフハイム領で目撃された帝国兵……ですか……」
報告書には現在の帝国とエルフハイムの状況も記されていたが、どう考えても現在の皇帝がエルフハイムを襲うように指示をするとは思えない。となればいったい誰が何の目的でそのような事をしているのか。
「まさか……誰かが戦争を起こそうと画策して、とかでしょうか?」
そう考える方が筋だろう。
何者かがエルフハイムと帝国を戦争に導こうとしている。そうする事で利益に繋がるのか。それとも双方の共倒れを狙っているのか。
「ペリド。ペリドはいますか?」
「はい、先生。何でしょうか?」
顔を覗かせたペリドにリーゼロッテは素早く説明を始める。
「これから出かけますので準備をしてください。出来るようでしたらハンターの護衛も頼んでいただけますか?」
「これからですか? でもハンターを雇うってことは遠くに行くってことですよね。外は今危ないですよ?」
「承知しています。ですからハンターの皆さんに守っていただこうかと」
にっこり笑ったリーゼロッテとて状況を理解していない訳ではない。
「向かう先が戦地になっている可能性は十分にあるでしょうが、それでも行かなければいけません。1度でも手を貸したものは、どんな事情があろうとも手を退いてはいけない……それに『彼』ならきっとそうするでしょうし」
含みのある言い方をしたリーゼロッテは速攻で用意した依頼書をペリドに差し出すと、彼女が受け取るのを待った。
「……最近の先生は少し無茶が過ぎるような。いや、前からそうだった気がしないでもないけど……まあ、良いです。僕が戻るまで出発しちゃダメですからね?」
ビシッと指を差して依頼書を受け取った彼女に笑みを深め、リーゼロッテは旅に出る準備を進めた。
●見なければいけない現実
帰郷した浄化の器の後を追ってエルフハイムに向かっていたハイデマリーは、国境付近の村で組合からの一報を受けていた。
――錬金術師組合組合長がそちらへ向かった。待機せよ。
「……何であの人は」
真面目にも程がある。そう言葉を呑み込み自らの腕に視線を落とす。
突然エルフハイムに帰った浄化の器ことホリィに話を聞きたい。そう思ってここまで来たのだ。今更引き返すことも出来ない。
「嫌な予感ばかりしてる……この村を襲ったエルフのこともそう。……いったい、何が起きているの」
幾度となく執行者と闘ったことのある彼女でさえ、今の状況に困惑を覚えている。だからこそ直接ホリィに聞きたい。
彼女が何を考えてエルフハイムに帰ったのか。そしてエルフハイムでは何が起きているのか。
「組合長を待つのも大事だけど、私にはやりたいことがあるの。だから」
「おい。昨日来たエルフがまた来るかもしれないらしいぞ」
不意に聞こえた声に振り返る。
昨日、この村にエルフが襲撃してきた。その残党が何処かにいるというのだろうか。
「なんでも街道沿いで見たやつがいるって……ん?」
「ごめんなさい。それはどの辺りかしら」
聞き出した情報によると、帝都へ向かう街道の途中らしい。という事は、リーゼロッテが向かってくるであろう方向になる。
「っ、私はそんなことしてる場合じゃないのに!」
もう! そう叫んで組合から借りてきた魔導バイクに跨る。そうしてエンジンを起動させると一気に駆け出した。
たぶんリーゼロッテはペリドと一緒だ。けれどもし複数の襲撃者に襲われたとなればペリド1人では守り切れない。
「――間に合わせる」
ハイデマリーはリーゼロッテの無事を願うとバイクを更に加速させ街道を駆け抜けていった。
一方、目的の村までもう少しと言う所でリーゼロッテの足は止められていた。
「これがエルフの襲撃者……こんな、幼い子供が……」
感情も伺えない幼い体のエルフたち。顔をフードで隠し、常に戦闘態勢を取る彼女たちの狙いはリーゼロッテだ。
その証拠にリーゼロッテを狙った一撃をペリドが受け止め、腕に負傷を追っている。
「何で先生を」
「たぶん、それは」
「先生、危ない!」
突然目の前が暗くなった。
気が付けばぺルドがリーゼロッテを押し倒して覆い被さっている。そして響いた衝撃に息を吞むとハンター達が動き出した。
「っ、いけません! この子たちを攻撃しては……この子たちは――」
「――甘いわ」
不意に1人の子供の頭が弾け飛んだ。
ペリドの肩越しに見えた惨劇にリーゼロッテの声が失われる。
「この子たちは自我もない、ただ闘うために用意された『人形』よ。このまま苦しみを与えるくらいなら一気に倒してあげるのが優しさと言うものよ」
『人形』と自ら呼称にしてハイデマリーの胸が痛む。
彼女は襲撃者とリーゼロッテの間に飛び降りると、彼女を守るように魔導銃を構えた。そして僅かに眉間に皺を寄せて呟く。
「組合長。貴女は自分が狙われている理由がわかっているようね。だったら貴女はエルフハイムの、そして帝国の真実を見るべきだわ。残酷な現状をその目に焼き付けて、その甘い考えを捨てるべきだと思う」
もしかしたら、リーゼロッテにその必要はないのかもしれない。
こんな残酷な現実を知らなくても彼女なら立派に錬金術師組合の組合長をやってのけてくれるだろう。
でも願うならば。自分たちの上に立つのなら錬金術がどう思われているのか。そしてどう使われているのか。彼女には知ってほしい。
「貴女が愛する錬金術はこうして命を奪っているわ。貴女はその現実と向き合うべきよ。そうでなければ、本当に守りたいものさえも失うことになりかねない」
これは偶然に訪れたチャンスだ。
誰かがリーゼロッテに残酷な現実を見せないように動いていたのかもしれない。その誰かの苦労を無下にするのかもしれない。
それでも、自らが狙われても「攻撃するな」と言った彼女には現実を見てもらうべきだ。
「組合長を守るわ。手伝ってちょうだい」
ハイデマリーはそう言うと、告げた言葉を律儀に守り、目を逸らさずに背中を見ているであろうリーゼロッテを振り返らずに飛び出した。
帝国の地下掃討作戦より数か月。己の研究と錬金術を広める講義にと、日々忙しく過ごしていたリーゼロッテ・クリューガー(kz0037)の元に1枚の書面が届いた。
差出人は「ハイデマリー・アルムホルム」。
魔導機械の義手を持つ組合員の1人で、現在はエルフハイムを目指して帝都を離れている人物だ。
「定期メンテナンスには来られない……ですか」
溜息と共に零される声には落胆とも悲しともとれる音が滲む。
彼女はエルフハイムに向かった浄化の器を追って旅立った。その際に定期メンテナンスには戻ると約束したのだが、やはり無理だったようだ。
「それでもメンテナンスを受けて欲しかったですね……」
ふぅ。と再び溜息を零して外を見る。
「村を襲撃するエルフと、エルフハイム領で目撃された帝国兵……ですか……」
報告書には現在の帝国とエルフハイムの状況も記されていたが、どう考えても現在の皇帝がエルフハイムを襲うように指示をするとは思えない。となればいったい誰が何の目的でそのような事をしているのか。
「まさか……誰かが戦争を起こそうと画策して、とかでしょうか?」
そう考える方が筋だろう。
何者かがエルフハイムと帝国を戦争に導こうとしている。そうする事で利益に繋がるのか。それとも双方の共倒れを狙っているのか。
「ペリド。ペリドはいますか?」
「はい、先生。何でしょうか?」
顔を覗かせたペリドにリーゼロッテは素早く説明を始める。
「これから出かけますので準備をしてください。出来るようでしたらハンターの護衛も頼んでいただけますか?」
「これからですか? でもハンターを雇うってことは遠くに行くってことですよね。外は今危ないですよ?」
「承知しています。ですからハンターの皆さんに守っていただこうかと」
にっこり笑ったリーゼロッテとて状況を理解していない訳ではない。
「向かう先が戦地になっている可能性は十分にあるでしょうが、それでも行かなければいけません。1度でも手を貸したものは、どんな事情があろうとも手を退いてはいけない……それに『彼』ならきっとそうするでしょうし」
含みのある言い方をしたリーゼロッテは速攻で用意した依頼書をペリドに差し出すと、彼女が受け取るのを待った。
「……最近の先生は少し無茶が過ぎるような。いや、前からそうだった気がしないでもないけど……まあ、良いです。僕が戻るまで出発しちゃダメですからね?」
ビシッと指を差して依頼書を受け取った彼女に笑みを深め、リーゼロッテは旅に出る準備を進めた。
●見なければいけない現実
帰郷した浄化の器の後を追ってエルフハイムに向かっていたハイデマリーは、国境付近の村で組合からの一報を受けていた。
――錬金術師組合組合長がそちらへ向かった。待機せよ。
「……何であの人は」
真面目にも程がある。そう言葉を呑み込み自らの腕に視線を落とす。
突然エルフハイムに帰った浄化の器ことホリィに話を聞きたい。そう思ってここまで来たのだ。今更引き返すことも出来ない。
「嫌な予感ばかりしてる……この村を襲ったエルフのこともそう。……いったい、何が起きているの」
幾度となく執行者と闘ったことのある彼女でさえ、今の状況に困惑を覚えている。だからこそ直接ホリィに聞きたい。
彼女が何を考えてエルフハイムに帰ったのか。そしてエルフハイムでは何が起きているのか。
「組合長を待つのも大事だけど、私にはやりたいことがあるの。だから」
「おい。昨日来たエルフがまた来るかもしれないらしいぞ」
不意に聞こえた声に振り返る。
昨日、この村にエルフが襲撃してきた。その残党が何処かにいるというのだろうか。
「なんでも街道沿いで見たやつがいるって……ん?」
「ごめんなさい。それはどの辺りかしら」
聞き出した情報によると、帝都へ向かう街道の途中らしい。という事は、リーゼロッテが向かってくるであろう方向になる。
「っ、私はそんなことしてる場合じゃないのに!」
もう! そう叫んで組合から借りてきた魔導バイクに跨る。そうしてエンジンを起動させると一気に駆け出した。
たぶんリーゼロッテはペリドと一緒だ。けれどもし複数の襲撃者に襲われたとなればペリド1人では守り切れない。
「――間に合わせる」
ハイデマリーはリーゼロッテの無事を願うとバイクを更に加速させ街道を駆け抜けていった。
一方、目的の村までもう少しと言う所でリーゼロッテの足は止められていた。
「これがエルフの襲撃者……こんな、幼い子供が……」
感情も伺えない幼い体のエルフたち。顔をフードで隠し、常に戦闘態勢を取る彼女たちの狙いはリーゼロッテだ。
その証拠にリーゼロッテを狙った一撃をペリドが受け止め、腕に負傷を追っている。
「何で先生を」
「たぶん、それは」
「先生、危ない!」
突然目の前が暗くなった。
気が付けばぺルドがリーゼロッテを押し倒して覆い被さっている。そして響いた衝撃に息を吞むとハンター達が動き出した。
「っ、いけません! この子たちを攻撃しては……この子たちは――」
「――甘いわ」
不意に1人の子供の頭が弾け飛んだ。
ペリドの肩越しに見えた惨劇にリーゼロッテの声が失われる。
「この子たちは自我もない、ただ闘うために用意された『人形』よ。このまま苦しみを与えるくらいなら一気に倒してあげるのが優しさと言うものよ」
『人形』と自ら呼称にしてハイデマリーの胸が痛む。
彼女は襲撃者とリーゼロッテの間に飛び降りると、彼女を守るように魔導銃を構えた。そして僅かに眉間に皺を寄せて呟く。
「組合長。貴女は自分が狙われている理由がわかっているようね。だったら貴女はエルフハイムの、そして帝国の真実を見るべきだわ。残酷な現状をその目に焼き付けて、その甘い考えを捨てるべきだと思う」
もしかしたら、リーゼロッテにその必要はないのかもしれない。
こんな残酷な現実を知らなくても彼女なら立派に錬金術師組合の組合長をやってのけてくれるだろう。
でも願うならば。自分たちの上に立つのなら錬金術がどう思われているのか。そしてどう使われているのか。彼女には知ってほしい。
「貴女が愛する錬金術はこうして命を奪っているわ。貴女はその現実と向き合うべきよ。そうでなければ、本当に守りたいものさえも失うことになりかねない」
これは偶然に訪れたチャンスだ。
誰かがリーゼロッテに残酷な現実を見せないように動いていたのかもしれない。その誰かの苦労を無下にするのかもしれない。
それでも、自らが狙われても「攻撃するな」と言った彼女には現実を見てもらうべきだ。
「組合長を守るわ。手伝ってちょうだい」
ハイデマリーはそう言うと、告げた言葉を律儀に守り、目を逸らさずに背中を見ているであろうリーゼロッテを振り返らずに飛び出した。
解説
●目的
襲撃者「器」の撃破
●概要
今回みなさんには、私リーゼロッテの護衛をお願いします。
周囲を森に囲まれた街道で突然襲われた訳ですが、なにやら彼女たちは私に攻撃を仕掛けているようです。
何故私なのか……それは何となくわかりますが、今はその話は置いておきますね。
襲撃者の人数は4人です。
彼女たちは素早い身のこなしと攻撃でみなさんを翻弄する事でしょう。
先に同行していたペリドや、合流したハイデマリーも戦闘に加わりますのでぜひ戦力に加えてあげてください。
――彼女たちに安息を……。どうかお願いします。
●敵情報
『器』……6体
外套を纏った小柄な少女。
気配から察するに覚醒者で戦闘センスは抜群。
相手を倒す事のみに集中しており、目的はリーゼロッテ。
●友軍情報
『ハイデマリー』
機導師。魔導銃を装備。
今回の騒動で色々と思う所があって行動していた矢先の騒動。
『ペリド』
機導師。自称「リーゼロッテの一番弟子」。
鉤爪の形をした魔導機械(接近型)を装備。
若干負傷中。
『リーゼロッテ』
錬金術師組合組合長。
一般人な上に、体についている肉の殆どが脂肪のため体力がない。
非戦闘員。
※質問にはリーゼロッテがお答えします。
尚、出発時間24時間前を過ぎるとお答えできない場合があります。
襲撃者「器」の撃破
●概要
今回みなさんには、私リーゼロッテの護衛をお願いします。
周囲を森に囲まれた街道で突然襲われた訳ですが、なにやら彼女たちは私に攻撃を仕掛けているようです。
何故私なのか……それは何となくわかりますが、今はその話は置いておきますね。
襲撃者の人数は4人です。
彼女たちは素早い身のこなしと攻撃でみなさんを翻弄する事でしょう。
先に同行していたペリドや、合流したハイデマリーも戦闘に加わりますのでぜひ戦力に加えてあげてください。
――彼女たちに安息を……。どうかお願いします。
●敵情報
『器』……6体
外套を纏った小柄な少女。
気配から察するに覚醒者で戦闘センスは抜群。
相手を倒す事のみに集中しており、目的はリーゼロッテ。
●友軍情報
『ハイデマリー』
機導師。魔導銃を装備。
今回の騒動で色々と思う所があって行動していた矢先の騒動。
『ペリド』
機導師。自称「リーゼロッテの一番弟子」。
鉤爪の形をした魔導機械(接近型)を装備。
若干負傷中。
『リーゼロッテ』
錬金術師組合組合長。
一般人な上に、体についている肉の殆どが脂肪のため体力がない。
非戦闘員。
※質問にはリーゼロッテがお答えします。
尚、出発時間24時間前を過ぎるとお答えできない場合があります。
マスターより
こんにちは、朝臣あむです。
はたして誰が予想したでしょう。このタイミングでの【神森】シナリオ2本目をお届けいたします。
今回はリーゼロッテが関連しておりまして、ここが始発のシナリオとなります。
よろしければお手をお貸しください。
では皆様のご参加とプレイングを心よりお待ちしております!
はたして誰が予想したでしょう。このタイミングでの【神森】シナリオ2本目をお届けいたします。
今回はリーゼロッテが関連しておりまして、ここが始発のシナリオとなります。
よろしければお手をお貸しください。
では皆様のご参加とプレイングを心よりお待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/11/27 19:31
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/11/13 17:43:40 |
|
![]() |
作戦相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/11/19 03:28:22 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/15 08:48:28 |