ゲスト
(ka0000)
【初心】死神の荒野
マスター:深夜真世

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/11/22 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/12/06 19:00
オープニング
●
少年は大きくもなく、小さくもない村の農家に生まれ健やかに育った。
秋の果実の収穫も一段落付き村全体が人心地ついた時、親に呼ばれた。
曰く、「お前も一人前になった。そろそろええじゃろう」。
にこやかな両親の背後には、一人の娘が隠れて少年を見上げていた。
「お前も知っておろう。隣村の子じゃ」
「この子が大きくなたら、ね?」
娘、はにかんだ。
その後、少年は娘の両親とも会った。とてもにこやかだった。家柄もともに似合いである。
似合いであるが、しかし――。
少年は後日、馬を借りて遠駆けした。
あてはない。
ただ、走る馬と流れる風景。そして肌を撫でる風が心地よかった。
(悪い娘ではない)
少年、思う。
むしろ思い遣りのありそうな眼差しをする、良い娘である、と。
少年。
幼い頃から実家を一生懸命手伝った。肌は日に焼け、体は大きくなった。
それだけではない。
丸顔は成人らしくたくましくなり、面差しに責任が宿るようになった。どこか監視していた父の目が、最近そうではなくなった。何より、掛けられる言葉の数が減った。
もう、青年といってもいいのかもしれない。
あるいは――。
「大人、か……」
つぶやいて、改めて分かった。馬の速度を上げる。
気持ちが少し晴れたが、まだ足りない。
走る道に覚えがある。
「知ってる。親父と来た道だ!」
果たして、そこに価値はあるのか?
「俺は、もっと違うことがやれる!」
家に保護され育ち、この先待ち受けるそのままの人生を振り払うように……。
道を外した!
――道は先人の築いた信頼だ。そこ以外を通る時は細心の注意を払え。
加速し唸るように耳を騒がせる風の音に、いつか聞いた父の言葉が蘇る。
「分かってる。注意すればいいんだろっ!」
ちょっとした冒険。反抗。
構わず走らせる。
やがて、草が少なくなり地肌が覗く不毛の土地に差し掛かる。
――特に荒野は危険だ。馬の脚にも負担が掛かる。
「分かってる!」
風に負けじと叫ぶ。そして馬に拍車を掛ける。
もちろん注意は怠らない。馬のためにも、自分のためにも……。
「はっ!」
異変に気付いたのはこの時だった。
「何だ、あの影は……」
遠くに黒い何かの塊を発見した。
影、と言ったがそうではないのは自覚している。
黒い何かの布だろうか。それが地面で沸き立つようにもぞもぞとうごめいている。
ひょう、と風が吹いた。
黒い影の近くに、枯草の塊がころころと通って行った。
その時。
――がばっ。
「あっ!」
少年、目を見張った。
地に伏したようにうごめいていた黒い布が起き上がると、中からギラリとした巨大な鎌を出し、枯草の塊をすっぱりと両断したのである。ただの黒い布だと思ったものはフード付きの襤褸を纏ったような姿になっている。
ただ、枯草が形を崩して転がることがなくなると、元の布きれに戻った。ご丁寧に死神の鎌は布の下に隠している。
いや、違う。
地面に横たわることなく、わずかに宙に浮いて漂っている。
ここで気付いた。
そんな罠のような黒い影が、周囲に五つ――合計六つほどあったようで、それがすべて浮いて……。
「こっちに……来てる?」
少年、馬首を返し一目散に逃げた。
●
「村に戻って話すと、住民は早速偵察に行きました。少しずつ、村に近寄っているようですね」
「ほへぇ……」
ハンターオフィスで係員の説明に目を丸くする南那初華(kz0135)。
その、他人事みたいな様子に係員がムッとした。
「初華さん、自分がどうしてここに呼ばれているか分かってないでしょう?」
「ほへ? う、うん」
「いまハンターは大規模作戦で大動員をして手薄なんです。この死神型雑魔退治が村から寄せられたんですが、確実に人員を確保するため新人依頼にしたんです。そこで初華さんには、バックアップをお願いしたいんです」
「ま、また?」
ついうっかり聞いてしまった初華。係員、眉の根を寄せる。
「……初華さん、大規模作戦に参加してないですよね? でもって、商人ルートから魔導トラックを動員できますよね? 今回の敵の強さはまったく分からないから、撤退する場合に備えてほしいんですけど」
「強さが分からないって……」
「安心してください。強ければすでに大被害が出ているはずです。待ち構え型ですので討伐失敗してもひとまず大被害が出ることはありません。敵の情報から、ある程度敵については類推が可能です。新人が看破して対応できるかどうかも見ておいて、ダメなら初華さんが倒してもいいですし、撤退してもいいです」
ぴら、と敵の目視情報の書類を見せる係員。そこには、敵の持つ死神の鎌と柄のつなぎ目には大きなキャッツ・アイのような宝玉がはまっていた、フードの中に顔はなかったなどの記述があった。
「討伐した後は村でピザとワインを用意して待っているそうです。村の人や参加者同士で話をしたり楽しむといいでしょう」
一転、にこりと係員は付け加える。
とにかく退治してくれる人、求ム。
少年は大きくもなく、小さくもない村の農家に生まれ健やかに育った。
秋の果実の収穫も一段落付き村全体が人心地ついた時、親に呼ばれた。
曰く、「お前も一人前になった。そろそろええじゃろう」。
にこやかな両親の背後には、一人の娘が隠れて少年を見上げていた。
「お前も知っておろう。隣村の子じゃ」
「この子が大きくなたら、ね?」
娘、はにかんだ。
その後、少年は娘の両親とも会った。とてもにこやかだった。家柄もともに似合いである。
似合いであるが、しかし――。
少年は後日、馬を借りて遠駆けした。
あてはない。
ただ、走る馬と流れる風景。そして肌を撫でる風が心地よかった。
(悪い娘ではない)
少年、思う。
むしろ思い遣りのありそうな眼差しをする、良い娘である、と。
少年。
幼い頃から実家を一生懸命手伝った。肌は日に焼け、体は大きくなった。
それだけではない。
丸顔は成人らしくたくましくなり、面差しに責任が宿るようになった。どこか監視していた父の目が、最近そうではなくなった。何より、掛けられる言葉の数が減った。
もう、青年といってもいいのかもしれない。
あるいは――。
「大人、か……」
つぶやいて、改めて分かった。馬の速度を上げる。
気持ちが少し晴れたが、まだ足りない。
走る道に覚えがある。
「知ってる。親父と来た道だ!」
果たして、そこに価値はあるのか?
「俺は、もっと違うことがやれる!」
家に保護され育ち、この先待ち受けるそのままの人生を振り払うように……。
道を外した!
――道は先人の築いた信頼だ。そこ以外を通る時は細心の注意を払え。
加速し唸るように耳を騒がせる風の音に、いつか聞いた父の言葉が蘇る。
「分かってる。注意すればいいんだろっ!」
ちょっとした冒険。反抗。
構わず走らせる。
やがて、草が少なくなり地肌が覗く不毛の土地に差し掛かる。
――特に荒野は危険だ。馬の脚にも負担が掛かる。
「分かってる!」
風に負けじと叫ぶ。そして馬に拍車を掛ける。
もちろん注意は怠らない。馬のためにも、自分のためにも……。
「はっ!」
異変に気付いたのはこの時だった。
「何だ、あの影は……」
遠くに黒い何かの塊を発見した。
影、と言ったがそうではないのは自覚している。
黒い何かの布だろうか。それが地面で沸き立つようにもぞもぞとうごめいている。
ひょう、と風が吹いた。
黒い影の近くに、枯草の塊がころころと通って行った。
その時。
――がばっ。
「あっ!」
少年、目を見張った。
地に伏したようにうごめいていた黒い布が起き上がると、中からギラリとした巨大な鎌を出し、枯草の塊をすっぱりと両断したのである。ただの黒い布だと思ったものはフード付きの襤褸を纏ったような姿になっている。
ただ、枯草が形を崩して転がることがなくなると、元の布きれに戻った。ご丁寧に死神の鎌は布の下に隠している。
いや、違う。
地面に横たわることなく、わずかに宙に浮いて漂っている。
ここで気付いた。
そんな罠のような黒い影が、周囲に五つ――合計六つほどあったようで、それがすべて浮いて……。
「こっちに……来てる?」
少年、馬首を返し一目散に逃げた。
●
「村に戻って話すと、住民は早速偵察に行きました。少しずつ、村に近寄っているようですね」
「ほへぇ……」
ハンターオフィスで係員の説明に目を丸くする南那初華(kz0135)。
その、他人事みたいな様子に係員がムッとした。
「初華さん、自分がどうしてここに呼ばれているか分かってないでしょう?」
「ほへ? う、うん」
「いまハンターは大規模作戦で大動員をして手薄なんです。この死神型雑魔退治が村から寄せられたんですが、確実に人員を確保するため新人依頼にしたんです。そこで初華さんには、バックアップをお願いしたいんです」
「ま、また?」
ついうっかり聞いてしまった初華。係員、眉の根を寄せる。
「……初華さん、大規模作戦に参加してないですよね? でもって、商人ルートから魔導トラックを動員できますよね? 今回の敵の強さはまったく分からないから、撤退する場合に備えてほしいんですけど」
「強さが分からないって……」
「安心してください。強ければすでに大被害が出ているはずです。待ち構え型ですので討伐失敗してもひとまず大被害が出ることはありません。敵の情報から、ある程度敵については類推が可能です。新人が看破して対応できるかどうかも見ておいて、ダメなら初華さんが倒してもいいですし、撤退してもいいです」
ぴら、と敵の目視情報の書類を見せる係員。そこには、敵の持つ死神の鎌と柄のつなぎ目には大きなキャッツ・アイのような宝玉がはまっていた、フードの中に顔はなかったなどの記述があった。
「討伐した後は村でピザとワインを用意して待っているそうです。村の人や参加者同士で話をしたり楽しむといいでしょう」
一転、にこりと係員は付け加える。
とにかく退治してくれる人、求ム。
解説
荒野に待ち構えている死神型雑魔6体を退治してください。
死神型歪虚(以下、死神)は、黒いフード付きの外套を纏い大きな死神の鎌を手にしています。
通常時は黒い外套が荒野に落ちている状態で、不自然に沸き立つような動きをしています。この不自然な動きで、生物の注意を引いているようです。
いったん、生物や動く物が近くまで来るとフード付きマントを纏った人物のような形状になり、服の下に隠していた死神の鎌を出して構えます。フードの中は空洞のようです。死神の鎌は非常に豪華で、かま部分と柄をつなぐところに、大きな猫目石のような、瞳にも見える宝玉が飾られているそうです。
敵の動きは不明ですが、人が歩く程度の高さになるよう宙を浮き、すすーっと移動する様子から遅かったり速かったりと幻惑してきそうです。鎌の一撃も素早いです。ただし、攻撃は通常の鎌の動きをするのは間違いなさそうです。
討伐できそうになかったら、NPCの南那初華が魔導トラック「オート三輪」を現場に付けてますのでこれで逃げます。というか、現場にもこれに乗っていくことになるでしょう。自前の馬やバイクがある場合は装備して利用しても問題ありません。
敵とは問題なく遭遇できます。
討伐後、村では感謝の印としてピザを焼いてくれています。
【激辛トマトソース】
【通常トマトソース】
【ホワイトソース】
から好みを伝えておいてください。
また、
【赤ワイン】→苦みあり
【白ワイン】→飲みやすい
【葡萄ジュース】→ノンアルコール
から好きな飲み物もチョイスを。
少年や許嫁の娘と話をすることもできます。
死神型歪虚(以下、死神)は、黒いフード付きの外套を纏い大きな死神の鎌を手にしています。
通常時は黒い外套が荒野に落ちている状態で、不自然に沸き立つような動きをしています。この不自然な動きで、生物の注意を引いているようです。
いったん、生物や動く物が近くまで来るとフード付きマントを纏った人物のような形状になり、服の下に隠していた死神の鎌を出して構えます。フードの中は空洞のようです。死神の鎌は非常に豪華で、かま部分と柄をつなぐところに、大きな猫目石のような、瞳にも見える宝玉が飾られているそうです。
敵の動きは不明ですが、人が歩く程度の高さになるよう宙を浮き、すすーっと移動する様子から遅かったり速かったりと幻惑してきそうです。鎌の一撃も素早いです。ただし、攻撃は通常の鎌の動きをするのは間違いなさそうです。
討伐できそうになかったら、NPCの南那初華が魔導トラック「オート三輪」を現場に付けてますのでこれで逃げます。というか、現場にもこれに乗っていくことになるでしょう。自前の馬やバイクがある場合は装備して利用しても問題ありません。
敵とは問題なく遭遇できます。
討伐後、村では感謝の印としてピザを焼いてくれています。
【激辛トマトソース】
【通常トマトソース】
【ホワイトソース】
から好みを伝えておいてください。
また、
【赤ワイン】→苦みあり
【白ワイン】→飲みやすい
【葡萄ジュース】→ノンアルコール
から好きな飲み物もチョイスを。
少年や許嫁の娘と話をすることもできます。
マスターより
ふらっと、深夜です。。
新たに登録したり、依頼にあまり参加していないキャラクターに向くシナリオです。
敵は特殊ですので、プレイング内容により効果的な攻撃かどうかが分かれます。その分、強いか弱いかはなかなか判断できない状態です。その武器でその状態だったらそういった戦法を取るよね~、な感じになると思います。
ぜひ、類推戦闘を楽しんでください。
後は、食事と交流も楽しんじゃってください。余り食べない方とか、猫舌だから焼きたてはダメとか。
こちらの世界では飲酒はだいたい15歳からOKのようです。
では、よろしくお願いします。
新たに登録したり、依頼にあまり参加していないキャラクターに向くシナリオです。
敵は特殊ですので、プレイング内容により効果的な攻撃かどうかが分かれます。その分、強いか弱いかはなかなか判断できない状態です。その武器でその状態だったらそういった戦法を取るよね~、な感じになると思います。
ぜひ、類推戦闘を楽しんでください。
後は、食事と交流も楽しんじゃってください。余り食べない方とか、猫舌だから焼きたてはダメとか。
こちらの世界では飲酒はだいたい15歳からOKのようです。
では、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/12/06 00:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/18 20:06:56 |
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依頼相談卓 レム・フィバート(ka6552) 人間(クリムゾンウェスト)|17才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/11/22 18:43:59 |