ゲスト
(ka0000)
火山火口付近調査依頼
マスター:T谷

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/11/26 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/12/05 19:00
オープニング
ベキベキ、バリバリ、ジャリジャリと、喉の奥から異音が響く。
それは、とても望んでいるものではない。目指す場所からほど遠く、またかと私は肩を落とす。
『いつまで、そんなものに拘っているのだ』
横柄に、居丈高に、その声は頭に響く。おまけに人を辟易させる嘲笑付きだ。
だが、言い返そうにも肝心の言葉はやはり、形にならない。
『下らん感傷だ。そんなものが何になる』
何とでも言え。せめてもの抵抗に、脳内で吐き捨てる。
『未だ人にあるつもりか』
当たり前だ。人を憎み、滅ぼすことなど、人であっても出来ることだ。
私は人であることを、やめるつもりはない
『ふん、まあ良い。貴様が我の望みを叶える限り、貴様の趣向に口出しはせん』
それきり、声は聞こえなくなった。
再び練習を始める。
思い出し、頭の中で出来る限り精細に浮かべ、割り、削り、磨き、組み立て。出来る限りの工夫を凝らす。
既に試行回数は千を超える。そろそろ、少しでも成果が出てくれるといいのだが――
「――……ァ……」
そのとき、無数に響く雑音の中で、ほんの一つが確かに響いた。
●
第二師団都市カールスラーエ要塞。その程近くに、標高およそ二千メートルの名もなき火山が聳えている。
良質な温泉の湧き出るその山に、マテリアル鉱石の大きな鉱脈が眠っていると発覚したのは最近のことだ。ハンター達の協力を得なければならない過酷な環境ではあったが、それでも鉱脈は確かに存在することが確認され、都市のエネルギー問題は俄に解決の一途を辿っていた。
だが、それから数ヶ月。ドワーフによれば掘り尽くすのに一週間も要らない程度の鉱脈は……しかしほんの少しも、採掘することが出来ていなかった。
――ほんの数分目を離した間に、入り口が塞がっていた。
火山でドワーフと共に採掘の準備に携わっていた師団員の報告は、簡素なものだった。
足場の組み立て、トロッコレールの敷設、作業員の休憩小屋設置と準備を終え、さあ始めるぞというときの話だ。何の前触れもなく洞窟は消え、そこにあったのはただの山肌。閉じ込められた数人の団員とドワーフがどうなったのか、考えるまでもないだろう。
掘り返そうという努力は、全て徒労に終わった。
ただの崩落ではない。――岩盤の下から、急に分厚い結晶の層が顔を出したのだ。それはツルハシを跳ね返し、爆薬や覚醒者の力でもってしても破壊に非常な手間を要するものだった。
ハンター達の遭遇した溶岩の兵士。これが偶然発生した歪虚なのか、それとも何かの目的によるものか。
疑問は尽きぬまま、師団は警戒を厳にした。
「……それで、温泉が突然熱湯に変わったと」
「はい。浴場の扉を開けたお客様二名が、中に充満していた高温の蒸気に当てられて大火傷を」
要塞近くに建てられた、知る人ぞ知る観光スポットである温泉施設。そこの管理者が、ほとほと困惑した表情で第二師団受付に現れた。
「幸い、大事には至らなかったのですが……このままではとても営業を続けることができないので……」
第二師団にとっても、観光収入の低減は看過できるものではない。早速と、調査隊が組まれることになった。
湯を機械で沸かしている訳ではない以上、原因は限られる。地殻変動か何かで、地下水と地熱の元との関係が変化したか。若しくは、何者かの介入があったのか。
となれば、調べられる場所も多くはない。
そして推測を裏付けるように火山からの噴煙が確認されたとあれば、疑う余地はなかった。
第二師団は、報告にあった溶岩兵、発見されていない未知の歪虚の存在も考慮して、ハンター達の助力を得ることに決める。
火山内部へと続く洞窟は消えてしまい、また別の入り口も発見されていない。残るは火口への直接的なアプローチのみ。どんな危険が待っているか分からない以上、応用力に長けるハンターの存在は不可欠だ。
それは、とても望んでいるものではない。目指す場所からほど遠く、またかと私は肩を落とす。
『いつまで、そんなものに拘っているのだ』
横柄に、居丈高に、その声は頭に響く。おまけに人を辟易させる嘲笑付きだ。
だが、言い返そうにも肝心の言葉はやはり、形にならない。
『下らん感傷だ。そんなものが何になる』
何とでも言え。せめてもの抵抗に、脳内で吐き捨てる。
『未だ人にあるつもりか』
当たり前だ。人を憎み、滅ぼすことなど、人であっても出来ることだ。
私は人であることを、やめるつもりはない
『ふん、まあ良い。貴様が我の望みを叶える限り、貴様の趣向に口出しはせん』
それきり、声は聞こえなくなった。
再び練習を始める。
思い出し、頭の中で出来る限り精細に浮かべ、割り、削り、磨き、組み立て。出来る限りの工夫を凝らす。
既に試行回数は千を超える。そろそろ、少しでも成果が出てくれるといいのだが――
「――……ァ……」
そのとき、無数に響く雑音の中で、ほんの一つが確かに響いた。
●
第二師団都市カールスラーエ要塞。その程近くに、標高およそ二千メートルの名もなき火山が聳えている。
良質な温泉の湧き出るその山に、マテリアル鉱石の大きな鉱脈が眠っていると発覚したのは最近のことだ。ハンター達の協力を得なければならない過酷な環境ではあったが、それでも鉱脈は確かに存在することが確認され、都市のエネルギー問題は俄に解決の一途を辿っていた。
だが、それから数ヶ月。ドワーフによれば掘り尽くすのに一週間も要らない程度の鉱脈は……しかしほんの少しも、採掘することが出来ていなかった。
――ほんの数分目を離した間に、入り口が塞がっていた。
火山でドワーフと共に採掘の準備に携わっていた師団員の報告は、簡素なものだった。
足場の組み立て、トロッコレールの敷設、作業員の休憩小屋設置と準備を終え、さあ始めるぞというときの話だ。何の前触れもなく洞窟は消え、そこにあったのはただの山肌。閉じ込められた数人の団員とドワーフがどうなったのか、考えるまでもないだろう。
掘り返そうという努力は、全て徒労に終わった。
ただの崩落ではない。――岩盤の下から、急に分厚い結晶の層が顔を出したのだ。それはツルハシを跳ね返し、爆薬や覚醒者の力でもってしても破壊に非常な手間を要するものだった。
ハンター達の遭遇した溶岩の兵士。これが偶然発生した歪虚なのか、それとも何かの目的によるものか。
疑問は尽きぬまま、師団は警戒を厳にした。
「……それで、温泉が突然熱湯に変わったと」
「はい。浴場の扉を開けたお客様二名が、中に充満していた高温の蒸気に当てられて大火傷を」
要塞近くに建てられた、知る人ぞ知る観光スポットである温泉施設。そこの管理者が、ほとほと困惑した表情で第二師団受付に現れた。
「幸い、大事には至らなかったのですが……このままではとても営業を続けることができないので……」
第二師団にとっても、観光収入の低減は看過できるものではない。早速と、調査隊が組まれることになった。
湯を機械で沸かしている訳ではない以上、原因は限られる。地殻変動か何かで、地下水と地熱の元との関係が変化したか。若しくは、何者かの介入があったのか。
となれば、調べられる場所も多くはない。
そして推測を裏付けるように火山からの噴煙が確認されたとあれば、疑う余地はなかった。
第二師団は、報告にあった溶岩兵、発見されていない未知の歪虚の存在も考慮して、ハンター達の助力を得ることに決める。
火山内部へと続く洞窟は消えてしまい、また別の入り口も発見されていない。残るは火口への直接的なアプローチのみ。どんな危険が待っているか分からない以上、応用力に長けるハンターの存在は不可欠だ。
解説
・概要
火山火口へ向かい、異変について調査せよ。
あくまで調査が目的であり、敵性存在の殲滅は含まれていない。
また、達成度は判明した事柄によって決まる。
・存在の可能性が考えられる敵
「溶岩兵」
体を、流動する溶岩で構成された人型の歪虚です。
以前の報告で発見されたのは一体だけでしたが、その発生源、生態などについて全く判明していません。
場合によっては先の一体で全ての可能性すらありますが、逆に更なる脅威が潜んでいることも考えられます。
・場所
標高二千メートル程度の高所にぽっかりと開いた火口周辺です。草木はなく、乾いた岩地が広がっています。
火口の半径は三百メートル。その他については要調査となっています。
・師団員
調査の記録を取るために三名の第二師団師団員(非覚醒者)が同行します。三人共が熊のようなガタイを持つ偉丈夫ですが、彼らは危険に遭遇した場合、直ちに撤退するよう命令が下されています。
そのため、戦力には数えられません。
火山火口へ向かい、異変について調査せよ。
あくまで調査が目的であり、敵性存在の殲滅は含まれていない。
また、達成度は判明した事柄によって決まる。
・存在の可能性が考えられる敵
「溶岩兵」
体を、流動する溶岩で構成された人型の歪虚です。
以前の報告で発見されたのは一体だけでしたが、その発生源、生態などについて全く判明していません。
場合によっては先の一体で全ての可能性すらありますが、逆に更なる脅威が潜んでいることも考えられます。
・場所
標高二千メートル程度の高所にぽっかりと開いた火口周辺です。草木はなく、乾いた岩地が広がっています。
火口の半径は三百メートル。その他については要調査となっています。
・師団員
調査の記録を取るために三名の第二師団師団員(非覚醒者)が同行します。三人共が熊のようなガタイを持つ偉丈夫ですが、彼らは危険に遭遇した場合、直ちに撤退するよう命令が下されています。
そのため、戦力には数えられません。
マスターより
ずいぶんとお久しぶりになりますT谷です。
目的は調査となっていますが、戦闘もあると思います。気をつけましょう。
目的は調査となっていますが、戦闘もあると思います。気をつけましょう。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/12/05 02:04
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談スレッド マリィア・バルデス(ka5848) 人間(リアルブルー)|24才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/11/26 02:35:08 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/22 22:44:37 |