ゲスト
(ka0000)
誘拐犯を追え
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2016/12/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/12/12 19:00
オープニング
シルクハットを被りジャケットを羽織ったトイプードルが、肩掛け鞄を下げ、雑踏を行く。
鞄の中に入っているのは、クレヨン、スケッチブック、そして単語カード。
「わっしわっし、わしー」
彼こそは、コボルドコボちゃん。ハンターオフィス・ジェオルジ支局のマスコット。のどかな牧場の風景が広がる田舎住まい。でも本日はこの通り、リゼリオにいる。
彼は最近、コボルドにして希有なことに、字を覚えた。
その実験を行った動物学会は、このことに色めき立っている。もっとやれるんじゃないかと大いに期待し、継続して学習させることに決定。そのため定期的に、学会本部があるリゼリオにご招待。
とりあえず目下の目標は、書ける単語を増やすこと。
でも、いかに小さいと言ってもコボルドはコボルド、暴れだしたら素人では対処が難しいので、力の強い同伴が必須。
その任を受けたハンターたちは、コボちゃんがはぐれて行かないよう、鞄の紐を握って誘導。
「コボちゃん、よそ見しちゃ駄目ですよ」
「わしー、わしわしー」
しかしコボちゃん、落ち着かない。
「うーわし……うーわし」
珍しいものがたくさんあるし、人波はすごいし、おいしい匂いも漂ってきた。
我慢が出来なかったので鞄をほっぽり出し、そちらへ走って行く。
「あ、こら! 駄目ですったら!」
制止などなんのその、小柄な体を利用しておいしい匂いへ一直線。
大通りに面した赤のれん。そこに黒々と書かれた文字をコボちゃんは「読んだ」。
(ヤ・キ・ニ・ク・・・トー・ホウ・シキ?)
トー・ホウ・シキは意味が分からないが焼き肉のことは分かる。つまり、焼いた肉だ。
金網の上で肉の焼ける脂っぽい匂いが店内の熱気と交ざり会い、これでもかというくらいに漂ってくる。
ついつい流れ出るよだれ。
道行く人がコボちゃんを見て、興味深そうによってきた。
「あれ、なんだこいつ。立って歩いてるぞ」
「どこのワンちゃん?」
鼻の利くコボちゃんには分かった。彼らが食い物を持っていると。
早速それを寄越すよう書面で談判――何しろ人間というのはコボルド語が聞き分けられないほど耳が悪いから――しようと思ったが、筆記用具を入れた鞄がない。それを持っているだろう連中は、どこではぐれたのか姿が見えない。
仕方ないので被っていたシルクハットを脱ぎ、逆にして、人々にうりうりと突き付ける。
「うーわし、うーわし、わし」
「おお、こいつ芸達者だな」
「うまいうまい」
朗らかに笑い、代わる代わる頭を撫で去って行く人々。
違うそうじゃない。食べものをよこせと言うとるのだ。
不満のあまり顎を突き出すコボちゃん。
その時彼の目に、子供の姿が映った。
年の頃合いは3つか4つくらい。匂いからしてメス。帽子を目深にした大人のメス――風邪でも引いたかマスクをかけている――からホットドッグを渡されてる。
仕方ないあれを分捕ってやろう。
そう思って彼らの後を追う。
行き交うたくさんの足に邪魔されつつ。大路から脇道に入る。
そこにしけた馬車が一台停まっていた。
メスがひゅっ、と短く口笛を鳴らす。
馬車から大きなオスが1匹飛び出し、子供の顔に袋を被せ、中に引きずり込んだ。一瞬の早業。
メスがこちらの存在に気づき、石を投げてきた。
「シッ! シッ!」
コボちゃんはそれを避け、うー、と唸る。
「イヌなんざほっとけ!」
オスの声でメスが馬車に乗り込んだ。
馬が走りだす。
コボちゃんは真っ先に、連れ込まれる際子供が落としていったホットドッグに駆け寄った。
取り上げて口一杯にほお張る。
来た道を戻り、また大通りに出る。幸せな気持ちで。
●
ハンターたちは、はぐれたコボちゃんをやっと見つけた。
「いたいた! あそこ!」
「ああよかった。もう、本当に焦りましたよ」
「おい、どうしたんだそのホットドッグ……まさかどこかの店から勝手に取ってきたんじゃないよな?」
「わしー。わししー。わしわわし……」
喋る途中で『そうだこいつらコボルド語が分からないんだった。やれやれだぜ』的な顔をし、肩掛け鞄からスケッチブックとクレヨンを取り出すコボちゃん。
手にホットドッグを握った小さい棒人間。
それと手を繋ぐ第二の棒人間。
「親子連れに貰ったということらしいですね」
「らしいな。勝手に餌をやられちゃ困るんだけどなー」
穏当な解釈に落ち着くハンターたち。
しかしコボちゃんは、クレヨンを動かす手を止めなかった。
「あれ、続きがあるみたいですよ」
「ん? どれどれ」
多分馬車なんじゃないかなーという箱。
それに乗った第三の棒人間。
第三の棒人間、小さい棒人間の頭に何か被せ馬車の中へ入れる。
第二の棒人間馬車に乗る。
馬(マッチ棒を刺した箱に見える)に引かれて走っていく馬車。
地面に転がるホットドッグ。
それを拾うコボちゃん(なぜか自画像だけは棒でない)。
ハンターたちは顔を見合わせた。
それぞれ解釈の差はあれど共通しているのは「なにかおかしくないか」というもやもや感。
折も折、雑踏に紛れた会話が聞こえてきた。
「すいません、あの、この位の背丈の女の子を見かけませんでしたか? うちの子なんですけど……」
「いやー、見てないねえ。どうしたんだい」
「ええ、買い物に連れてきていたんですけどね、急に姿が見えなくなって……」
鞄の中に入っているのは、クレヨン、スケッチブック、そして単語カード。
「わっしわっし、わしー」
彼こそは、コボルドコボちゃん。ハンターオフィス・ジェオルジ支局のマスコット。のどかな牧場の風景が広がる田舎住まい。でも本日はこの通り、リゼリオにいる。
彼は最近、コボルドにして希有なことに、字を覚えた。
その実験を行った動物学会は、このことに色めき立っている。もっとやれるんじゃないかと大いに期待し、継続して学習させることに決定。そのため定期的に、学会本部があるリゼリオにご招待。
とりあえず目下の目標は、書ける単語を増やすこと。
でも、いかに小さいと言ってもコボルドはコボルド、暴れだしたら素人では対処が難しいので、力の強い同伴が必須。
その任を受けたハンターたちは、コボちゃんがはぐれて行かないよう、鞄の紐を握って誘導。
「コボちゃん、よそ見しちゃ駄目ですよ」
「わしー、わしわしー」
しかしコボちゃん、落ち着かない。
「うーわし……うーわし」
珍しいものがたくさんあるし、人波はすごいし、おいしい匂いも漂ってきた。
我慢が出来なかったので鞄をほっぽり出し、そちらへ走って行く。
「あ、こら! 駄目ですったら!」
制止などなんのその、小柄な体を利用しておいしい匂いへ一直線。
大通りに面した赤のれん。そこに黒々と書かれた文字をコボちゃんは「読んだ」。
(ヤ・キ・ニ・ク・・・トー・ホウ・シキ?)
トー・ホウ・シキは意味が分からないが焼き肉のことは分かる。つまり、焼いた肉だ。
金網の上で肉の焼ける脂っぽい匂いが店内の熱気と交ざり会い、これでもかというくらいに漂ってくる。
ついつい流れ出るよだれ。
道行く人がコボちゃんを見て、興味深そうによってきた。
「あれ、なんだこいつ。立って歩いてるぞ」
「どこのワンちゃん?」
鼻の利くコボちゃんには分かった。彼らが食い物を持っていると。
早速それを寄越すよう書面で談判――何しろ人間というのはコボルド語が聞き分けられないほど耳が悪いから――しようと思ったが、筆記用具を入れた鞄がない。それを持っているだろう連中は、どこではぐれたのか姿が見えない。
仕方ないので被っていたシルクハットを脱ぎ、逆にして、人々にうりうりと突き付ける。
「うーわし、うーわし、わし」
「おお、こいつ芸達者だな」
「うまいうまい」
朗らかに笑い、代わる代わる頭を撫で去って行く人々。
違うそうじゃない。食べものをよこせと言うとるのだ。
不満のあまり顎を突き出すコボちゃん。
その時彼の目に、子供の姿が映った。
年の頃合いは3つか4つくらい。匂いからしてメス。帽子を目深にした大人のメス――風邪でも引いたかマスクをかけている――からホットドッグを渡されてる。
仕方ないあれを分捕ってやろう。
そう思って彼らの後を追う。
行き交うたくさんの足に邪魔されつつ。大路から脇道に入る。
そこにしけた馬車が一台停まっていた。
メスがひゅっ、と短く口笛を鳴らす。
馬車から大きなオスが1匹飛び出し、子供の顔に袋を被せ、中に引きずり込んだ。一瞬の早業。
メスがこちらの存在に気づき、石を投げてきた。
「シッ! シッ!」
コボちゃんはそれを避け、うー、と唸る。
「イヌなんざほっとけ!」
オスの声でメスが馬車に乗り込んだ。
馬が走りだす。
コボちゃんは真っ先に、連れ込まれる際子供が落としていったホットドッグに駆け寄った。
取り上げて口一杯にほお張る。
来た道を戻り、また大通りに出る。幸せな気持ちで。
●
ハンターたちは、はぐれたコボちゃんをやっと見つけた。
「いたいた! あそこ!」
「ああよかった。もう、本当に焦りましたよ」
「おい、どうしたんだそのホットドッグ……まさかどこかの店から勝手に取ってきたんじゃないよな?」
「わしー。わししー。わしわわし……」
喋る途中で『そうだこいつらコボルド語が分からないんだった。やれやれだぜ』的な顔をし、肩掛け鞄からスケッチブックとクレヨンを取り出すコボちゃん。
手にホットドッグを握った小さい棒人間。
それと手を繋ぐ第二の棒人間。
「親子連れに貰ったということらしいですね」
「らしいな。勝手に餌をやられちゃ困るんだけどなー」
穏当な解釈に落ち着くハンターたち。
しかしコボちゃんは、クレヨンを動かす手を止めなかった。
「あれ、続きがあるみたいですよ」
「ん? どれどれ」
多分馬車なんじゃないかなーという箱。
それに乗った第三の棒人間。
第三の棒人間、小さい棒人間の頭に何か被せ馬車の中へ入れる。
第二の棒人間馬車に乗る。
馬(マッチ棒を刺した箱に見える)に引かれて走っていく馬車。
地面に転がるホットドッグ。
それを拾うコボちゃん(なぜか自画像だけは棒でない)。
ハンターたちは顔を見合わせた。
それぞれ解釈の差はあれど共通しているのは「なにかおかしくないか」というもやもや感。
折も折、雑踏に紛れた会話が聞こえてきた。
「すいません、あの、この位の背丈の女の子を見かけませんでしたか? うちの子なんですけど……」
「いやー、見てないねえ。どうしたんだい」
「ええ、買い物に連れてきていたんですけどね、急に姿が見えなくなって……」
解説
補足説明
これは誘拐事件解決を目的とするシナリオです。
女の子を誘拐したのは女一人、男一人の複数犯。彼らは誘拐した子供を、そのまま売買ブローカーに引き渡す所存。家族への連絡など一切してくることはありません。
騒ぐと煩いので、子供は薬で眠らせています。万一起きてきても騒げないよう拘束し、猿轡をかけています。子供側から脱出のためのアクションを取ることは出来ません。
犯人たちはブローカーのもとへ行くまでに、馬車を何度か乗り換えます。捜査撹乱のためです。その際子供はトランクに詰め荷物として運びます。彼らは素人ではありません。万一の際は証拠隠滅のため子供を殺害することも視野に入れて行動しています。
コボちゃんは犯人たちの姿を見ており、匂いも覚えています。事件解決のために、彼の存在をフル活用してください。
注意*コボちゃんは食べ物の名詞こそ書けますが、動詞、形容詞についてはまだものに出来ていません。
「何がどうしてどうなった」についての説明はOPにありますように、絵によって行います。
彼が字を覚えた経緯については『コボルドの手習い』をご参照ください。
登場NPC:コボルドコボちゃん:コボルドにして字が書ける。オシャンティ。
これは誘拐事件解決を目的とするシナリオです。
女の子を誘拐したのは女一人、男一人の複数犯。彼らは誘拐した子供を、そのまま売買ブローカーに引き渡す所存。家族への連絡など一切してくることはありません。
騒ぐと煩いので、子供は薬で眠らせています。万一起きてきても騒げないよう拘束し、猿轡をかけています。子供側から脱出のためのアクションを取ることは出来ません。
犯人たちはブローカーのもとへ行くまでに、馬車を何度か乗り換えます。捜査撹乱のためです。その際子供はトランクに詰め荷物として運びます。彼らは素人ではありません。万一の際は証拠隠滅のため子供を殺害することも視野に入れて行動しています。
コボちゃんは犯人たちの姿を見ており、匂いも覚えています。事件解決のために、彼の存在をフル活用してください。
注意*コボちゃんは食べ物の名詞こそ書けますが、動詞、形容詞についてはまだものに出来ていません。
「何がどうしてどうなった」についての説明はOPにありますように、絵によって行います。
彼が字を覚えた経緯については『コボルドの手習い』をご参照ください。
登場NPC:コボルドコボちゃん:コボルドにして字が書ける。オシャンティ。
マスターより
KINUTAです。
子供の誘拐なら、誘い出し役は女である方がいい。子供にも周囲に怪しまれる確率が減って成功率が高い・・・と悪い人が言っております。
子供の誘拐なら、誘い出し役は女である方がいい。子供にも周囲に怪しまれる確率が減って成功率が高い・・・と悪い人が言っております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/12/09 02:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/30 22:02:59 |
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相談卓 門垣 源一郎(ka6320) 人間(リアルブルー)|30才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/12/03 16:21:07 |