ゲスト
(ka0000)
悪意とたのしいティーパーティー
マスター:T谷

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在7人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/12/04 22:00
- リプレイ完成予定
- 2016/12/18 22:00
オープニング
星の傷跡での遭遇以来初めて、エリザベート(kz0123)の姿が帝国内で目撃された。それも、第二師団の管理する地域でのことだ。ふらふらと浮かぶ赤色と、その下にぶら下がる円錐状の鈍色が、山の向こうに消えていったのを周辺警邏に当たっていた師団員が目撃したらしい。
「ま、あんな崩落程度でくだばるわきゃねえわな」
脳筋の極みであるような第二師団長シュターク・シュタークスン(kz0075)でさえ、難色を隠せない。面倒そうに溜息をついて、机の上に足を投げ出した。
「ふむ。例え潜伏先が分かったとして、向こうの戦力が未だ未知数な以上、迂闊に手は出せぬな」
「……」
第二師団本部師団長執務室。最も大きな机に行儀悪く座るシュターク・シュタークスンの前で、ソファに腰掛けた老人、副団長のハルクス・クラフトもまた難しそうに眉をひそめる。扉横の壁に背を預けるもう一人の副団長、スザナ・エルマンは、いつもの笑みを消してじっと天井を眺めていた。
「んで、どうするよ」
「出せる戦力は、せいぜい五割といったところか。それ以上は、都市の防備が手薄になりすぎるのう」
そもそもこの師団都市カールスラーエ要塞の立地は最前線であり、危険地帯だ。都市を囲む防壁の機能も、技術者不足で十全に発揮できないでいる。いくら脅威とはいえ、積極的に攻めてくるでもない歪虚一体に割ける余力はない。
「目下、其奴の戦力すら不明なのが問題じゃ。ゾンビ、風船ゾンビ、本人の能力もまた然り」
分からないことが多すぎた。
神出鬼没。危なくなればすぐ逃げる。こそこそと攫った人間の数も、こちらがどれだけ把握できているものか。
さらにはあの雪原で見せた、辺りを真っ赤に染め上げる異質な能力。あれがオルクスの結界と同種のものだとしたら、こちら側が数を揃えればそれが逆の効果を生む可能性すらあり得る。
「……んじゃ、聞いてみるか!」
進まない会話に何を思ったか、閃いたとばかりにそう言ってシュタークが手を叩いた。
後日、防水の施された小箱が撒かれた。主に山林、人里から離れた場所にだ。
その中には、一通の手紙が入っている。
「エリザベートの野郎へ」の書き出しから始まる文にあるのは、茶会への誘いと、日時と場所の指定だった。
「そんで、やつが来てみれば罠も何もない、本当にただ駄弁るだけ。困惑するのを尻目に撤退だ」
「う、うむ。まあ団長殿の意向に従うのは吝かでないのじゃが……かかるのか?」
「あのタイプは、悪い想像なんてしやしねえ。面白そうだって理由で、罠にでも頭から突っ込んでくるさ」
唸るハルクスにむけて、シュタークは自信ありげに笑みを浮かべた。
●
一方的に情報を引き出し、なおかつその意図を悟らせず。そのために終始意味の分からない会合を開く――すなわち、エリザベートと共にテーブルを囲んでお茶を飲んでくれ。そんな依頼がハンター達に舞い込んだ。
「やって欲しいことはいくつかある。一つは、敵の戦力、能力などを聞き出すこと。戦略的に重要だと思われる情報だな。もう一つは……エリザベートの写真を撮ってきてくれるとありがたい、手配書用だ」
そして、これが軍主導による作戦の一つだということを悟らせないのも、重要な事柄らしい。そのためこの作戦に、第二師団からの助力は見込めない。あくまで、好奇心に駆られたハンターが独自に接触を図ったと、特に意味のない会なのだと、そういうことにして欲しいということだった。
内容を説明しに来た第二師団員が、ばつの悪そうに頭を下げる。
「……いや完全に丸投げだな、どんな危険があるか分からないっていうのに。だがその、団長直々の命令なら俺に逆らうなんて出来るわけないし……負担を強いるのは分かっているんだが……」
師団員はしきりに言い訳を繰り返した後、そして最後に。
「これがまた重要なんだが」
釘を刺すよう全員の目を見ながら、
「決して、やつを刺激しないようにしてくれ」
そう言った。
●
「ねえ、どれ着てったらいいと思う?」
「……どれも同じだろう」
「は? 全然ちげえし。目ぇ見えてんの?」
鏡の前で楽しげに、ドレスを体に当てるエリザベート。数着のドレスその全てが真っ赤以外の何物でもなく、虫眼鏡でもなければ違いなど分からないのではと、青黒い全身鎧に身を包む青年オウレルは小さく溜息を吐くのだった。
「ま、あんな崩落程度でくだばるわきゃねえわな」
脳筋の極みであるような第二師団長シュターク・シュタークスン(kz0075)でさえ、難色を隠せない。面倒そうに溜息をついて、机の上に足を投げ出した。
「ふむ。例え潜伏先が分かったとして、向こうの戦力が未だ未知数な以上、迂闊に手は出せぬな」
「……」
第二師団本部師団長執務室。最も大きな机に行儀悪く座るシュターク・シュタークスンの前で、ソファに腰掛けた老人、副団長のハルクス・クラフトもまた難しそうに眉をひそめる。扉横の壁に背を預けるもう一人の副団長、スザナ・エルマンは、いつもの笑みを消してじっと天井を眺めていた。
「んで、どうするよ」
「出せる戦力は、せいぜい五割といったところか。それ以上は、都市の防備が手薄になりすぎるのう」
そもそもこの師団都市カールスラーエ要塞の立地は最前線であり、危険地帯だ。都市を囲む防壁の機能も、技術者不足で十全に発揮できないでいる。いくら脅威とはいえ、積極的に攻めてくるでもない歪虚一体に割ける余力はない。
「目下、其奴の戦力すら不明なのが問題じゃ。ゾンビ、風船ゾンビ、本人の能力もまた然り」
分からないことが多すぎた。
神出鬼没。危なくなればすぐ逃げる。こそこそと攫った人間の数も、こちらがどれだけ把握できているものか。
さらにはあの雪原で見せた、辺りを真っ赤に染め上げる異質な能力。あれがオルクスの結界と同種のものだとしたら、こちら側が数を揃えればそれが逆の効果を生む可能性すらあり得る。
「……んじゃ、聞いてみるか!」
進まない会話に何を思ったか、閃いたとばかりにそう言ってシュタークが手を叩いた。
後日、防水の施された小箱が撒かれた。主に山林、人里から離れた場所にだ。
その中には、一通の手紙が入っている。
「エリザベートの野郎へ」の書き出しから始まる文にあるのは、茶会への誘いと、日時と場所の指定だった。
「そんで、やつが来てみれば罠も何もない、本当にただ駄弁るだけ。困惑するのを尻目に撤退だ」
「う、うむ。まあ団長殿の意向に従うのは吝かでないのじゃが……かかるのか?」
「あのタイプは、悪い想像なんてしやしねえ。面白そうだって理由で、罠にでも頭から突っ込んでくるさ」
唸るハルクスにむけて、シュタークは自信ありげに笑みを浮かべた。
●
一方的に情報を引き出し、なおかつその意図を悟らせず。そのために終始意味の分からない会合を開く――すなわち、エリザベートと共にテーブルを囲んでお茶を飲んでくれ。そんな依頼がハンター達に舞い込んだ。
「やって欲しいことはいくつかある。一つは、敵の戦力、能力などを聞き出すこと。戦略的に重要だと思われる情報だな。もう一つは……エリザベートの写真を撮ってきてくれるとありがたい、手配書用だ」
そして、これが軍主導による作戦の一つだということを悟らせないのも、重要な事柄らしい。そのためこの作戦に、第二師団からの助力は見込めない。あくまで、好奇心に駆られたハンターが独自に接触を図ったと、特に意味のない会なのだと、そういうことにして欲しいということだった。
内容を説明しに来た第二師団員が、ばつの悪そうに頭を下げる。
「……いや完全に丸投げだな、どんな危険があるか分からないっていうのに。だがその、団長直々の命令なら俺に逆らうなんて出来るわけないし……負担を強いるのは分かっているんだが……」
師団員はしきりに言い訳を繰り返した後、そして最後に。
「これがまた重要なんだが」
釘を刺すよう全員の目を見ながら、
「決して、やつを刺激しないようにしてくれ」
そう言った。
●
「ねえ、どれ着てったらいいと思う?」
「……どれも同じだろう」
「は? 全然ちげえし。目ぇ見えてんの?」
鏡の前で楽しげに、ドレスを体に当てるエリザベート。数着のドレスその全てが真っ赤以外の何物でもなく、虫眼鏡でもなければ違いなど分からないのではと、青黒い全身鎧に身を包む青年オウレルは小さく溜息を吐くのだった。
解説
・概要
エリザベートと楽しくお茶会をせよ。
なお、彼女を刺激することなく平和に帰ってくることが最優先となる。
・目的
できる限りの情報をエリザベートから引き出してください。
彼女に関する情報なら何でも構いません。少しでも情報を引き出すことが出来、かつ何事もなく帰還することさえ出来ればそれだけで大成功となります。
・敵?
「エリザベート」
主目的となる歪虚です。
非常に攻撃的ではありますが、その感性は一応人間に近く、今回の催しも面白そうだと純粋に楽しむために現れます。初めの段階では彼女に敵意はありません。
何もなければ、気分良く帰ってくれるでしょう。
「オウレル」
エリザベートは「暗くて空気がシラけるから」という理由で、彼を離れた木の陰に留まらせています。
なお、話しかけても大した反応はしてくれません。
「執事ゾンビ」「メイドゾンビ」
各四体ずつ計八体の、執事服とメイド服を纏ったゾンビです。そのうち一体ずつが人語を話し、意思疎通が可能です。
彼らは給仕を行い、ハンターの命令でもちゃんと聞いてエリザベート側の用意した飲み物や食べ物を振る舞ってくれます。
臭いを抑える処置を施された個体であり、飲食に影響するほどの腐臭を放っていません。
・場所
山間に開けた窪地です。この時期にしては寒くもなく、快適な場所となっています。
ここに第二師団の用意した市販の丸テーブル、人数分の椅子、一般的な紅茶やお菓子などが用意されます。ハルクスの指示で、全体的にメルヘンな雰囲気です。
・補足
写真を撮るための道具は貸与されます。
飲食類の持ち込みは可能です。
エリザベートには、地雷となる話題が存在しています。これをいくつか踏んでしまった場合、彼女を怒らせてしまうでしょう。
エリザベートと楽しくお茶会をせよ。
なお、彼女を刺激することなく平和に帰ってくることが最優先となる。
・目的
できる限りの情報をエリザベートから引き出してください。
彼女に関する情報なら何でも構いません。少しでも情報を引き出すことが出来、かつ何事もなく帰還することさえ出来ればそれだけで大成功となります。
・敵?
「エリザベート」
主目的となる歪虚です。
非常に攻撃的ではありますが、その感性は一応人間に近く、今回の催しも面白そうだと純粋に楽しむために現れます。初めの段階では彼女に敵意はありません。
何もなければ、気分良く帰ってくれるでしょう。
「オウレル」
エリザベートは「暗くて空気がシラけるから」という理由で、彼を離れた木の陰に留まらせています。
なお、話しかけても大した反応はしてくれません。
「執事ゾンビ」「メイドゾンビ」
各四体ずつ計八体の、執事服とメイド服を纏ったゾンビです。そのうち一体ずつが人語を話し、意思疎通が可能です。
彼らは給仕を行い、ハンターの命令でもちゃんと聞いてエリザベート側の用意した飲み物や食べ物を振る舞ってくれます。
臭いを抑える処置を施された個体であり、飲食に影響するほどの腐臭を放っていません。
・場所
山間に開けた窪地です。この時期にしては寒くもなく、快適な場所となっています。
ここに第二師団の用意した市販の丸テーブル、人数分の椅子、一般的な紅茶やお菓子などが用意されます。ハルクスの指示で、全体的にメルヘンな雰囲気です。
・補足
写真を撮るための道具は貸与されます。
飲食類の持ち込みは可能です。
エリザベートには、地雷となる話題が存在しています。これをいくつか踏んでしまった場合、彼女を怒らせてしまうでしょう。
マスターより
久しぶりのエリザベートに戦闘じゃないものを出してみましたT谷です。
基本的には単なるお茶会ですので、楽しみましょう。エリザベートをボコボコにする機会はまた今度用意します
あちらの用意したものに毒などは入っていませんので、ご安心を。
基本的には単なるお茶会ですので、楽しみましょう。エリザベートをボコボコにする機会はまた今度用意します
あちらの用意したものに毒などは入っていませんので、ご安心を。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/12/17 16:08
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 エルバッハ・リオン(ka2434) エルフ|12才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/12/04 10:04:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/04 00:39:56 |