ゲスト
(ka0000)
【女神】上がった船と幻の在処
マスター:奈華里

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- シリーズ(新規)
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,300
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/12/10 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/12/21 19:00
オープニング
●冒険家
「うそでしょ…まさか、実在したの?」
イズがその船と出会ったのは少し前の事だった。
嵐の後に打ち上がった沈没船――その船を調査に行った調査船が戻ってこなくなりハンターと共に向かったのが、ついこないだの事である。そして、彼等が持ち帰った魔導カメラによる船内写真と残されていた滲んだ日誌、そして乗船者が持っていたとされる懐中時計を手掛かりに彼女が行きついた先はその船がある冒険家のものだったのではないかという結論である。
「あの船が二百年以上前の船だとすると暗黒海域に出る様な無謀な人って数える程しかいないもの…」
今でも暗黒海域と言えば歪虚の巣窟と化していて、普通の人間なら近付こうとはしない。
イズでさえ海運業を営んではいるが、父からはあそこには近付くなと教えられ、比較的安全とされている陸地の見える沿岸に船を走らせている事が多い。だが、もしあの海域が使えるようになれば貿易はグンッとやりやすくなる事だろう。辺境や東方への道筋が開ければ今よりぐんと彼女の仕事は明るくなるはずだ。
「とは言え、そんなの夢物語よね…」
ハンターを乗せて進んだとしても途中で歪虚にやられるのが落ち…浪漫はあるものの現実的ではない。
けれど、
(本当にあの船がその冒険家のもので、日誌に書いてある通りだとしたら?)
見つかった日誌の言葉の断片。それを合わせるとあの船の持ち主は何か見つけたのだ。
「危険、暗黒海域、しかしこれさえあれば……渡れるとでもいうの?」
彼女の推測が正しければ冒険家の名はルコ・ポマーロで間違いないだろう。
但し、彼女の知る彼の情報は少し日誌のそれとは異なっている。
「また考えてるんですかい、船長?」
父の代からの乗組員の一人が彼女に尋ねる。
「だって気になるじゃない。あの、大法螺吹きで有名なルコ・ポマーロの船かもしれないのよ。ただの作り話だと思っていたのに、本当にあったとなるともしかしたら」
「もしかしたら、何なんです?」
イズの続きの言葉を促すように彼が問う。だが、彼女はその後を続けられない。
(私、何を期待しているのかしら…でも、やっぱり)
ルコ・ポマーロとは――船乗りに伝わる彼の話はこうだ。
昔々あるところに一人の青年がいました。彼は海に憧れて、せっせとお金を稼ぎました。
そして、数十年かけて貯めた金で船を買います。それはそれは大きな船…彼はその船に自分の名をつけました。
それからの旅は彼にとって危険の連続です。
ですが、信頼のおける水夫達の協力により彼はあちこちを巡り、新たな発見を沢山します。
見た事のない魚や生き物に遭遇したり、行った土地で商人のまねごとをしてみたり。
その時々で必要最低限の金を稼いでは航海を続けて…最愛の妻も見つけ、順風満帆に思えたその時です。
彼は何を思ったかあの海域に手を出してしまったのです。
禁断の場所へと…妻は止めましたが、彼は聞きません。
「大丈夫、秘策はあるから」
彼はそう言い残して、船を頑丈に改築して船の名を妻の名前に直すと旅立ちます。
それから十数年後、もう死んだのではと思われていた頃彼は帰ってきました。
船はありません。水夫もたった数名のみ。ですが彼らは言うのです。
「渡れた…あの海域を渡れたんだ。これできっと新たな道が開ける」と。
けれど、船なしに帰ってきた彼らを到底信じる事が出来る筈はありません。
あの海域に踏み込んで気を病んでしまったのだと、馬鹿な事をした報いだと彼らを非難します。
その声に耐えられなくなったのか、彼はその後姿を消しました。最後にこう残して――。
「信じないならそれでいい。しかし、私は確かに渡った。証拠もあった。けれど奪われてしまったのだ」
と…。
そんな彼の言葉は戯言とされて、昔は馬鹿な事するなという教訓譚として語られていたが、今ではもうそれを語る者も少ない。
「あなたはどう思うの? あの船、乗組員の遺体がなかったでしょ…変だと思わない」
話を現実に戻して、イズが問う。
「それは…歪虚にやられたんでは?」
そういう彼に、腑に落ちない彼女。
(もし物語が本当なら奪われた…つまりは海賊とかかしら?)
イズが立ち上がる。そして、彼女はある場所へと歩を進めて…。
●情報源
「ねえ、何か聞いてない。海賊なんでしょ」
彼女がやってきたのは以前彼女の能力をかいストーカーを繰り返していた海賊・シルバーバレットの収容されている所謂刑務所の面会室だった。彼女は彼に海賊ならではの情報網でそれらしい事を聞いてはいないかを尋ねる。
「嬢ちゃんが来てくれんのは嬉しいけどなぁ。他の男の話とはつまらんなぁ」
「教えてくれたら、そうね。何か差し入れしてあげてもいいわよ?」
残念がる海賊のキャプテンに彼女は交渉する。
「ほう、して何を?」
「そうねぇ…煙草とか欲しくない?」
その答えにキャプテンは上機嫌だ。差し入れ目的というよりも彼女が来た事に好感を持っているらしい。
「まあいいさ。教えてやろう…ここだけの話、そいつの話は俺もよーく知っている」
勿体ぶった様子が彼が言う。
「いいか、よく聞け…そいつは本物だァ…ポマーロの海図。海賊にゃ有名な話だが、あれだけじゃあ意味がねぇ」
「意味がない? どういう事?」
彼女が彼との距離を詰め問う。
「さあな。持ってるっていう海賊は知ってるぜ。けど、奴らがあの海域に踏み込んでいないってんなら何か理由があるに決まってんだろ。何たってあそこは歪虚の巣窟だしな」
「そうね…だったらその海賊の名を教えて」
強い意志を秘めた眼で彼女が言う。
「ハハッ、そう言うと思ったぜ。流石に俺が見込んだ女だ。奴らの名は『デス・オルカ』…最近は成りを潜めているようだが、少し前の代では結構海を荒らしてたらしい。今はどこぞの街で裏酒場をやってるだの、海から離れられずに漁師を隠れ蓑にしてるだのって話だぜ?」
キャプテンはそう言って楽し気に笑う。
(ポマーロの海図……それが本当なら)
イズの心に好奇心という名の火が灯る。
「止めても無駄だとは思うが、気をつけろよ…嬢ちゃん。奴らはアンタ同様海を味方につけてるって話だ」
(海を、味方に?)
意味深な言葉に首を傾げる。だが、彼女はこの件から手を引くつもりはないようだった。
「うそでしょ…まさか、実在したの?」
イズがその船と出会ったのは少し前の事だった。
嵐の後に打ち上がった沈没船――その船を調査に行った調査船が戻ってこなくなりハンターと共に向かったのが、ついこないだの事である。そして、彼等が持ち帰った魔導カメラによる船内写真と残されていた滲んだ日誌、そして乗船者が持っていたとされる懐中時計を手掛かりに彼女が行きついた先はその船がある冒険家のものだったのではないかという結論である。
「あの船が二百年以上前の船だとすると暗黒海域に出る様な無謀な人って数える程しかいないもの…」
今でも暗黒海域と言えば歪虚の巣窟と化していて、普通の人間なら近付こうとはしない。
イズでさえ海運業を営んではいるが、父からはあそこには近付くなと教えられ、比較的安全とされている陸地の見える沿岸に船を走らせている事が多い。だが、もしあの海域が使えるようになれば貿易はグンッとやりやすくなる事だろう。辺境や東方への道筋が開ければ今よりぐんと彼女の仕事は明るくなるはずだ。
「とは言え、そんなの夢物語よね…」
ハンターを乗せて進んだとしても途中で歪虚にやられるのが落ち…浪漫はあるものの現実的ではない。
けれど、
(本当にあの船がその冒険家のもので、日誌に書いてある通りだとしたら?)
見つかった日誌の言葉の断片。それを合わせるとあの船の持ち主は何か見つけたのだ。
「危険、暗黒海域、しかしこれさえあれば……渡れるとでもいうの?」
彼女の推測が正しければ冒険家の名はルコ・ポマーロで間違いないだろう。
但し、彼女の知る彼の情報は少し日誌のそれとは異なっている。
「また考えてるんですかい、船長?」
父の代からの乗組員の一人が彼女に尋ねる。
「だって気になるじゃない。あの、大法螺吹きで有名なルコ・ポマーロの船かもしれないのよ。ただの作り話だと思っていたのに、本当にあったとなるともしかしたら」
「もしかしたら、何なんです?」
イズの続きの言葉を促すように彼が問う。だが、彼女はその後を続けられない。
(私、何を期待しているのかしら…でも、やっぱり)
ルコ・ポマーロとは――船乗りに伝わる彼の話はこうだ。
昔々あるところに一人の青年がいました。彼は海に憧れて、せっせとお金を稼ぎました。
そして、数十年かけて貯めた金で船を買います。それはそれは大きな船…彼はその船に自分の名をつけました。
それからの旅は彼にとって危険の連続です。
ですが、信頼のおける水夫達の協力により彼はあちこちを巡り、新たな発見を沢山します。
見た事のない魚や生き物に遭遇したり、行った土地で商人のまねごとをしてみたり。
その時々で必要最低限の金を稼いでは航海を続けて…最愛の妻も見つけ、順風満帆に思えたその時です。
彼は何を思ったかあの海域に手を出してしまったのです。
禁断の場所へと…妻は止めましたが、彼は聞きません。
「大丈夫、秘策はあるから」
彼はそう言い残して、船を頑丈に改築して船の名を妻の名前に直すと旅立ちます。
それから十数年後、もう死んだのではと思われていた頃彼は帰ってきました。
船はありません。水夫もたった数名のみ。ですが彼らは言うのです。
「渡れた…あの海域を渡れたんだ。これできっと新たな道が開ける」と。
けれど、船なしに帰ってきた彼らを到底信じる事が出来る筈はありません。
あの海域に踏み込んで気を病んでしまったのだと、馬鹿な事をした報いだと彼らを非難します。
その声に耐えられなくなったのか、彼はその後姿を消しました。最後にこう残して――。
「信じないならそれでいい。しかし、私は確かに渡った。証拠もあった。けれど奪われてしまったのだ」
と…。
そんな彼の言葉は戯言とされて、昔は馬鹿な事するなという教訓譚として語られていたが、今ではもうそれを語る者も少ない。
「あなたはどう思うの? あの船、乗組員の遺体がなかったでしょ…変だと思わない」
話を現実に戻して、イズが問う。
「それは…歪虚にやられたんでは?」
そういう彼に、腑に落ちない彼女。
(もし物語が本当なら奪われた…つまりは海賊とかかしら?)
イズが立ち上がる。そして、彼女はある場所へと歩を進めて…。
●情報源
「ねえ、何か聞いてない。海賊なんでしょ」
彼女がやってきたのは以前彼女の能力をかいストーカーを繰り返していた海賊・シルバーバレットの収容されている所謂刑務所の面会室だった。彼女は彼に海賊ならではの情報網でそれらしい事を聞いてはいないかを尋ねる。
「嬢ちゃんが来てくれんのは嬉しいけどなぁ。他の男の話とはつまらんなぁ」
「教えてくれたら、そうね。何か差し入れしてあげてもいいわよ?」
残念がる海賊のキャプテンに彼女は交渉する。
「ほう、して何を?」
「そうねぇ…煙草とか欲しくない?」
その答えにキャプテンは上機嫌だ。差し入れ目的というよりも彼女が来た事に好感を持っているらしい。
「まあいいさ。教えてやろう…ここだけの話、そいつの話は俺もよーく知っている」
勿体ぶった様子が彼が言う。
「いいか、よく聞け…そいつは本物だァ…ポマーロの海図。海賊にゃ有名な話だが、あれだけじゃあ意味がねぇ」
「意味がない? どういう事?」
彼女が彼との距離を詰め問う。
「さあな。持ってるっていう海賊は知ってるぜ。けど、奴らがあの海域に踏み込んでいないってんなら何か理由があるに決まってんだろ。何たってあそこは歪虚の巣窟だしな」
「そうね…だったらその海賊の名を教えて」
強い意志を秘めた眼で彼女が言う。
「ハハッ、そう言うと思ったぜ。流石に俺が見込んだ女だ。奴らの名は『デス・オルカ』…最近は成りを潜めているようだが、少し前の代では結構海を荒らしてたらしい。今はどこぞの街で裏酒場をやってるだの、海から離れられずに漁師を隠れ蓑にしてるだのって話だぜ?」
キャプテンはそう言って楽し気に笑う。
(ポマーロの海図……それが本当なら)
イズの心に好奇心という名の火が灯る。
「止めても無駄だとは思うが、気をつけろよ…嬢ちゃん。奴らはアンタ同様海を味方につけてるって話だ」
(海を、味方に?)
意味深な言葉に首を傾げる。だが、彼女はこの件から手を引くつもりはないようだった。
解説
内容
海賊『デス・オルカ』に接触し、海図の在処を突き止める事
沈没船の所有者は冒険家のルコ・ポマーロだという事が推測されていますが
イズの知る限り彼は物語の人物であり、その内容も些か信じがたいモノばかり
しかし船が出てきた以上実在していたと考えられ、元海賊から話を聞けば彼の海図についての情報が
もしこれが本当だとすると大きな発見となります
現在彼の海図を所有しいるといわれる海賊を探し出し、海図の有無を確かめてきて下さい
・判っている事
シルバーバレットの船長の話を信じるならば、
ポマーロは実在し彼の描いた海図が「デス・オルカ」という海賊が所有しているとのこと
彼等は現在あまり動きはなく、何処かの街の裏酒場か港町に潜伏しているのではないかと噂されている
●注意
本依頼はショートという形態を利用している為、
文字数の制限も考慮し、あくまで『在処を突き止める事』までとします
つまりメイン行動は『聞き込み、調査、潜入』にあたります
どのような点に注意して探すか、潜入する際はどういう方法を取るかなどに絞って行動して下さい
この依頼がうまくいけば、次回「海図の奪取」系依頼がリリースされる事になるかと思います
海賊『デス・オルカ』に接触し、海図の在処を突き止める事
沈没船の所有者は冒険家のルコ・ポマーロだという事が推測されていますが
イズの知る限り彼は物語の人物であり、その内容も些か信じがたいモノばかり
しかし船が出てきた以上実在していたと考えられ、元海賊から話を聞けば彼の海図についての情報が
もしこれが本当だとすると大きな発見となります
現在彼の海図を所有しいるといわれる海賊を探し出し、海図の有無を確かめてきて下さい
・判っている事
シルバーバレットの船長の話を信じるならば、
ポマーロは実在し彼の描いた海図が「デス・オルカ」という海賊が所有しているとのこと
彼等は現在あまり動きはなく、何処かの街の裏酒場か港町に潜伏しているのではないかと噂されている
●注意
本依頼はショートという形態を利用している為、
文字数の制限も考慮し、あくまで『在処を突き止める事』までとします
つまりメイン行動は『聞き込み、調査、潜入』にあたります
どのような点に注意して探すか、潜入する際はどういう方法を取るかなどに絞って行動して下さい
この依頼がうまくいけば、次回「海図の奪取」系依頼がリリースされる事になるかと思います
マスターより
スパイ工作というのは如何でしょうか、奈華里です。
大変心苦しいのですがここのみ、内容も途中で切れて繋がる感じになりますので
シリーズ設定をかけさせていただきました
少し割増しでゴメンナサイ その分、リプレイ内容でお返しできたらと
描写自体は調査三割、潜入七割辺りを想定しておりますが凄いのがきたら変わるかも
潜入工作にロマンを感じる方もそうでない方も御参加お待ちしています(^-^)
大変心苦しいのですがここのみ、内容も途中で切れて繋がる感じになりますので
シリーズ設定をかけさせていただきました
少し割増しでゴメンナサイ その分、リプレイ内容でお返しできたらと
描写自体は調査三割、潜入七割辺りを想定しておりますが凄いのがきたら変わるかも
潜入工作にロマンを感じる方もそうでない方も御参加お待ちしています(^-^)
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/12/22 00:57
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談スレッド ジャック・エルギン(ka1522) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/12/10 12:40:21 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/06 20:33:53 |