※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

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　クリムゾンウェスト中が少し浮足立ったような空気に包まれていた。
　季節は冬、もうすぐ聖輝節。それに向けてあちこちで飾り付けが行われ、華やかなムードがこの世界を覆っていた。
　それは場所は関係ない。王国、帝国、同盟、そして冒険都市リゼリオ。どこでも同じである。
「サインください！」
　そんな中、リゼリオの一角で黒山の人だかりができていた。人の輪は二重三重になり、その中心にあるものは外から見えなくなっている。
　なぜなら、その中心に居たのは決して大きくは無い女性だったからだ。
「あ……それじゃあ、順番にお願いしますね」
　輪の中心に居たのはクリスティーヌ・カルディナーレ(kz0095)、「ヴァリオスの歌姫」と称される同盟を、いや、クリムゾンウェストを代表するオペラ歌手であり、つまりはスターであった。そんな彼女がここに居たことを目ざとく見つけられ、その結果がこの状況だった。まあここまで人が居れば、おそらくいちばん外に居る者などは中心に誰が居るのかわかっていないだろうが。

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　彼女は二つ名の「ヴァリオスの歌姫」の通り、普段は極彩色の街、ヴァリオスにあるベルカント大劇場をホームグラウンドにしている。そんな彼女がなぜここにいるか、それは聖輝節にここ、リゼリオで特別公演を行うからだった。演じる内容は「ヘンゼルとグレーテル」。リアルブルーの人間にもよく知られている物語だ。どうやらクリムゾンウェストにも伝達し、このようにオペラにもされているのであった。その打ち合わせと、ちょっとした宣伝を兼ねて来たわけだが、その効果は想像以上に絶大だったようだ。
　黒山の人だかり相手に一人ひとりサインをしていき、小一時間はかかっただろうか。やっとさばき終えた彼女がふぅっ、と一つ息を付いたところだった。
「クリスさん、お久しぶりです」
　彼女に声をかける者が居た。
「あーっ！　モアさん、お元気でしたか？　今日はお仕事でこちらに来たのですか？」
　どうやら声をかけたものはクリスにとっては旧知の人物だったようだ。彼女はぱぁっ、と顔を明るくして、話をはずませる。
　クリスに声をかけた女性の名はモア・プリマクラッセ(kz0066)。ヴァリオスの商人であり、ハンターオフィスの受付嬢であり、そしてクリスが下積み時代、バイト先で世話になった相手だった。

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「まあ仕事で来ていたのですが、緊急連絡を受けまして……クリスさんに用事が」
「へ？　私ですか」
「ええ、実は……」
　あまりおおっぴらにしたくない内容なのか、モアは声を潜める。しかし。
「え～～～っ？！　皆さん食あたり～？！」
　オペラ歌手だけあってクリスの声はよく通る。周囲一帯に伝わるような声で思わず漏らしてしまうクリス。
「それじゃあ今度の特別公演はどうするんですか？！　今から代役を手配しても間に合うかどうか……」
「クリスさん、お任せください。なんとかしてみせましょう」
　その時モアはクリスの旧友の顔ではなく、ハンターオフィスの優秀な受付嬢の顔をしていた。
　そして程なくしてリゼリオで演じられるオペラ公演「ヘンゼルとグレーテル」の代役を求める依頼がハンターオフィスに貼り出されるのであった。

●目的
　「ヘンゼルとグレーテル」を上演してください。
　クリスがグレーテル役を務めます。それ以外はおまかせします。

●詳細
　上演する内容はグリム童話にある「ヘンゼルとグレーテル」です。もし知らない方がおられましたら、青空文庫などで読めますのでそちらを参照してください。
　ただし（ここ重要）この世界の「ヘンゼルとグレーテル」が我々の知っているものと一緒ではありません。ひょっとしたら私も知らない役が出てくるかもしれませんし、物語の展開がどうなるかもわかりません。だから別に「ヘンゼルとグレーテル」を知らなくても何の問題もございません。
　内容についても打ち合わせしてもらっても個人個人で好き勝手書いてもらっても大丈夫です。

●要は
　みんな好きにやればいいんじゃないかな。というか「ヘンゼルとグレーテル」と関係なくてもいいんじゃないかな。ただ蔵倫だけには注意だぞ！

●その他
　質問への回答担当として、モア・プリマクラッセ(kz0066)が関連付けられています。
　何かありましたら、質問卓を立ててご質問ください。

　皆さんこんにちは、ｃｒです。
　というわけで、聖輝節の特別編としてお送りしますのは代役としてオペラを演じるという内容。
　演目はクリスマスの定番、「ヘンゼルとグレーテル」となっております。
　まあ詳しい人も詳しくない人も居るでしょうから、好きに演じればいいと思うよ！
　と、この時点でカオスになる気満々、アドリブマシマシになることは決定的ですが皆さんのご参加をお待ちしております。