ゲスト
(ka0000)
ベルのかわりに鳴らすもの
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 6~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/12/21 09:00
- リプレイ完成予定
- 2016/12/30 09:00
オープニング
日に日に寒さが増し、冬らしくなっていた。
寒さは歓迎できないが、この季節に待ち受けているイベントのことを思えば、気分は浮き立つもの。宝石商モンド氏の一人娘ダイヤは、毎年この時期、うきうきと聖輝節のプレゼントや料理について考えていた。
しかし、今年は少々様子が違う。
気温が下がるのに比例して、ダイヤのテンションも下がる一方なのである。
「お嬢様~、お茶にいたしましょう。パティシエが美味しいドーナツを作ったそうですわ」
「今日はいらないわ……、皆でおあがりなさいよ」
仲良しのメイドたちが呼んでも、お菓子に見向きもしない。いつもなら、多少ヘコんでいても形状記憶合金のごとくすぐに元気になるダイヤだったが、今回は相当にダメージが大きいようだった。
(まあ、それはそうでしょうね)
ダイヤの世話係である使用人・クロスは、ダイヤの先日の失敗を思い出してため息をついた。
ここのところ、自分の将来の生き方について模索していたダイヤは、父・モンド氏の仕事を手伝ってみたいと言い出していた。ハンターになってみる、と言い出した時にはクロスも気をもんだが、家業の手伝いならば心配なかろうと安心していた。何せ、おおらかではあるが実は敏腕経営者であるモンド氏がついているのだから。
と、思っていたのだが、ダイヤはその予想を大きく裏切ってくれた。
モンド氏が主催するチャリティーマーケットの企画のため、お客に振舞うためのお菓子の発注を任されたダイヤは、何をどう間違ったものだか、アップルパイを200枚も用意する約束で取引をしてしまったのである。モンド氏気が付いたときにはすでに遅く、キャンセルは不可能な事態に。モンド氏は大急ぎで国内屈指の果樹園に連絡を取り、大量のリンゴを仕入れてなんとか事なきを得た。
事なきを得た、が。
手伝うどころか大迷惑をかけてしまったダイヤの落ち込みぶりは凄まじく、いくらモンド氏が「気にすることはない」と励ましても回復することがなかった。
「ねえ、クロスー、何とかしてよ。お嬢様の元気がないとお屋敷全体が暗いんだから」
「そうよそうよ」
メイドたちがしきりに言うのを聞いて、クロスは顔をしかめた。
「なぜ私に言うんです」
「だって、なんだかんだ言ってお嬢様と一番仲がいいのはクロスじゃないの」
「まさか。ご冗談を。私がいつもお嬢様に無礼な態度を取っているのは見ているじゃないですか」
「見てるわよ? だからこそ言うんじゃないの。クロスの態度は使用人としては無礼かもしれないけど、友人としてはわりと自然よ」
「友人、ねえ」
クロスは渋い顔をした。友人がどうこう、というメイドの意見はともかくとして、このままダイヤが落ち込んでいるとそのうちモンド氏からも深刻な顔で相談されかねない。大事になる前に動き出しておくのは得策であるように思われた。
(とはいえ、いい加減落ち込むのはよしたらどうです、なんて正面からはっきり言えばますますへそを曲げそうだからな……)
「お嬢様、今年の聖輝節について提案があるのですが」
「提案? クロスから?」
ぼんやりした顔で、ダイヤがクロスを見た。
「ええ。今年は、盛大にパーティでも催したらいかがかと思いまして」
モンド家の聖輝節は、実は毎年とても静かだ。モンド氏が「聖輝節は家族で過ごすもの」という考えを持っているため、使用人たちはたっぷりのボーナスと休暇をもらってそれぞれ実家へ帰り、ダイヤたちも親子三人だけでゆっくりした時間を過ごすのだ。実家、というもののないクロスは、毎年モンド邸に留まっているのだが。
「お友だちも呼んで、楽しく過ごしてはいかがですか。シェフには、休暇前に料理をたくさん仕込んでもらうように頼みますから」
「……やめておくわ」
ダイヤは表情を変えることなく、沈鬱な様子でそう返した。
「なぜです。お嬢様、憧れていらっしゃったじゃないですか。お友だちとパーティ」
「そうだけど……。今はとてもそんな気になれないんだもの」
ダイヤはそう言うと、もうこの話はここまで、とばかりにクロスに背を向けてしまった。
「いっ……」
いい加減にしなさい、という怒鳴り声を、クロスはすんでのところで飲み込んだ。
「そうですか。わかりました。では私も今年はしっかり休暇をいただきますので」
強い調子で言い捨てて、クロスもダイヤに背を向けた。
(休暇中、何をするかは私の自由ですからね)
目を吊り上げたクロスは、その足でモンド氏の部屋へと向かったのであった。
寒さは歓迎できないが、この季節に待ち受けているイベントのことを思えば、気分は浮き立つもの。宝石商モンド氏の一人娘ダイヤは、毎年この時期、うきうきと聖輝節のプレゼントや料理について考えていた。
しかし、今年は少々様子が違う。
気温が下がるのに比例して、ダイヤのテンションも下がる一方なのである。
「お嬢様~、お茶にいたしましょう。パティシエが美味しいドーナツを作ったそうですわ」
「今日はいらないわ……、皆でおあがりなさいよ」
仲良しのメイドたちが呼んでも、お菓子に見向きもしない。いつもなら、多少ヘコんでいても形状記憶合金のごとくすぐに元気になるダイヤだったが、今回は相当にダメージが大きいようだった。
(まあ、それはそうでしょうね)
ダイヤの世話係である使用人・クロスは、ダイヤの先日の失敗を思い出してため息をついた。
ここのところ、自分の将来の生き方について模索していたダイヤは、父・モンド氏の仕事を手伝ってみたいと言い出していた。ハンターになってみる、と言い出した時にはクロスも気をもんだが、家業の手伝いならば心配なかろうと安心していた。何せ、おおらかではあるが実は敏腕経営者であるモンド氏がついているのだから。
と、思っていたのだが、ダイヤはその予想を大きく裏切ってくれた。
モンド氏が主催するチャリティーマーケットの企画のため、お客に振舞うためのお菓子の発注を任されたダイヤは、何をどう間違ったものだか、アップルパイを200枚も用意する約束で取引をしてしまったのである。モンド氏気が付いたときにはすでに遅く、キャンセルは不可能な事態に。モンド氏は大急ぎで国内屈指の果樹園に連絡を取り、大量のリンゴを仕入れてなんとか事なきを得た。
事なきを得た、が。
手伝うどころか大迷惑をかけてしまったダイヤの落ち込みぶりは凄まじく、いくらモンド氏が「気にすることはない」と励ましても回復することがなかった。
「ねえ、クロスー、何とかしてよ。お嬢様の元気がないとお屋敷全体が暗いんだから」
「そうよそうよ」
メイドたちがしきりに言うのを聞いて、クロスは顔をしかめた。
「なぜ私に言うんです」
「だって、なんだかんだ言ってお嬢様と一番仲がいいのはクロスじゃないの」
「まさか。ご冗談を。私がいつもお嬢様に無礼な態度を取っているのは見ているじゃないですか」
「見てるわよ? だからこそ言うんじゃないの。クロスの態度は使用人としては無礼かもしれないけど、友人としてはわりと自然よ」
「友人、ねえ」
クロスは渋い顔をした。友人がどうこう、というメイドの意見はともかくとして、このままダイヤが落ち込んでいるとそのうちモンド氏からも深刻な顔で相談されかねない。大事になる前に動き出しておくのは得策であるように思われた。
(とはいえ、いい加減落ち込むのはよしたらどうです、なんて正面からはっきり言えばますますへそを曲げそうだからな……)
「お嬢様、今年の聖輝節について提案があるのですが」
「提案? クロスから?」
ぼんやりした顔で、ダイヤがクロスを見た。
「ええ。今年は、盛大にパーティでも催したらいかがかと思いまして」
モンド家の聖輝節は、実は毎年とても静かだ。モンド氏が「聖輝節は家族で過ごすもの」という考えを持っているため、使用人たちはたっぷりのボーナスと休暇をもらってそれぞれ実家へ帰り、ダイヤたちも親子三人だけでゆっくりした時間を過ごすのだ。実家、というもののないクロスは、毎年モンド邸に留まっているのだが。
「お友だちも呼んで、楽しく過ごしてはいかがですか。シェフには、休暇前に料理をたくさん仕込んでもらうように頼みますから」
「……やめておくわ」
ダイヤは表情を変えることなく、沈鬱な様子でそう返した。
「なぜです。お嬢様、憧れていらっしゃったじゃないですか。お友だちとパーティ」
「そうだけど……。今はとてもそんな気になれないんだもの」
ダイヤはそう言うと、もうこの話はここまで、とばかりにクロスに背を向けてしまった。
「いっ……」
いい加減にしなさい、という怒鳴り声を、クロスはすんでのところで飲み込んだ。
「そうですか。わかりました。では私も今年はしっかり休暇をいただきますので」
強い調子で言い捨てて、クロスもダイヤに背を向けた。
(休暇中、何をするかは私の自由ですからね)
目を吊り上げたクロスは、その足でモンド氏の部屋へと向かったのであった。
解説
■成功条件
クロス主催のパーティに出席し、ダイヤを元気づける
■ダイヤお嬢様とクロス
ダイヤ・モンド
王国屈指の宝石商・モンド家の一人娘。栗色の髪の元気な笑顔の少女。十五歳。幼いころは病気がちでお屋敷にこもっていた為、世間と友人づきあいをあまり知らないで育った(今は元気)
ありふれたことが嫌いで、何でも面白くしたいと思っている。このところ「将来何になるか」について悩んでいる。
クロス
ダイヤの従者。黒髪の青年。十七歳。お仕えする身でありながら、ダイヤに遠慮のない口をきく。いつも冷静。
〇関連シナリオ〇(以下をご存じなくてもまったく問題ありません)
仮装のかわりに戦闘服?
【MN】パイプのかわりにロリポップ!
ドレスのかわりにメイドなエプロン?
ドルチェのかわりにほしいもの
【節V】チョコのかわりにお菓子なキノコ?
【節V】豆のかわりに金平糖?
■パーティ
クロス主催(モンド氏許可済み)。
料理はモンド家のシェフが事前に用意。ケーキはベースのみパティシエが準備しており、クロスが当日デコレーションする予定。
クロスより
「食べ物・飲み物の用意は万全ですが、特に余興を用意していません。出し物などをしてくださる方がいらっしゃればとても有難いです。
……お嬢様に、いろいろな職業の紹介をしてくださったり、というのでも……、いえ、これはまあどちらでもいいんですが……。
いつになく落ち込んではいますが、周りで盛り上げてくれる方がいれば、まあ、それだけで笑顔になるだろうとは思うんですよね。来てくださるだけで有難いですから、どうぞお気軽にご出席ください。
ああ、プレゼント等についてはどうぞお気遣いなく。手ぶらでお越しくださいね」
クロス主催のパーティに出席し、ダイヤを元気づける
■ダイヤお嬢様とクロス
ダイヤ・モンド
王国屈指の宝石商・モンド家の一人娘。栗色の髪の元気な笑顔の少女。十五歳。幼いころは病気がちでお屋敷にこもっていた為、世間と友人づきあいをあまり知らないで育った(今は元気)
ありふれたことが嫌いで、何でも面白くしたいと思っている。このところ「将来何になるか」について悩んでいる。
クロス
ダイヤの従者。黒髪の青年。十七歳。お仕えする身でありながら、ダイヤに遠慮のない口をきく。いつも冷静。
〇関連シナリオ〇(以下をご存じなくてもまったく問題ありません)
仮装のかわりに戦闘服?
【MN】パイプのかわりにロリポップ!
ドレスのかわりにメイドなエプロン?
ドルチェのかわりにほしいもの
【節V】チョコのかわりにお菓子なキノコ?
【節V】豆のかわりに金平糖?
■パーティ
クロス主催(モンド氏許可済み)。
料理はモンド家のシェフが事前に用意。ケーキはベースのみパティシエが準備しており、クロスが当日デコレーションする予定。
クロスより
「食べ物・飲み物の用意は万全ですが、特に余興を用意していません。出し物などをしてくださる方がいらっしゃればとても有難いです。
……お嬢様に、いろいろな職業の紹介をしてくださったり、というのでも……、いえ、これはまあどちらでもいいんですが……。
いつになく落ち込んではいますが、周りで盛り上げてくれる方がいれば、まあ、それだけで笑顔になるだろうとは思うんですよね。来てくださるだけで有難いですから、どうぞお気軽にご出席ください。
ああ、プレゼント等についてはどうぞお気遣いなく。手ぶらでお越しくださいね」
マスターより
寒い冬がやって参りました。皆さまごきげんいかがでしょうか。紺堂カヤでございます。
ダイヤちゃんの大好きなイベントの季節なのですが、少し様子がおかしいようです……。
なんとか元気づけて、一緒にパーティを楽しませてあげてください。
将来へのアドバイスはあってもなくても大丈夫です。なんせ世間知らずのお嬢様ですから、いろんな職業があることからまず知っていかねばならないでしょう……。
苦労人・クロスくんへのエールも、お待ちしております。
ダイヤちゃんの大好きなイベントの季節なのですが、少し様子がおかしいようです……。
なんとか元気づけて、一緒にパーティを楽しませてあげてください。
将来へのアドバイスはあってもなくても大丈夫です。なんせ世間知らずのお嬢様ですから、いろんな職業があることからまず知っていかねばならないでしょう……。
苦労人・クロスくんへのエールも、お待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/12/28 05:02
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/20 09:15:14 |
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相談卓 大伴 鈴太郎(ka6016) 人間(リアルブルー)|22才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/12/20 22:21:57 |