ゲスト
(ka0000)
望む仇
マスター:鷹羽柊架

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2016/12/20 19:00
- リプレイ完成予定
- 2016/12/29 19:00
オープニング
辺境部族にとって、冬は準備を怠れば死にも繋がる。
降り積もる雪や刺すような冷気をはじめ、秋までに食料や燃料を蓄えて冬を越す……。
命がけの支度を必要とされるが、その支度は春までに約束されるものではない。
●
辺境はとある部族が毎年冬場で過ごす土地に到着した。
暫しの家となるテントを張り、環境を整えていく。
本格的な冬になる前に獲物を捕まえ、保存食として加工するのが冬前の支度としてやっていることの一つ。
その部族にはもうそろそろ成人となる少年と少女がいた。
まだまだ幼い顔の二人は誕生日が二日違いであり、元々、血が繋がっている部族ゆえ、双子のように育っていた。
少年の方は見事に馬を乗りこなし、赤き大地の戦士として修練も積んでいる。
一方、少女の方は料理をはじめ、刺しゅうをはじめとする針子仕事が得意としていた。
「ルックス! 気を付けてね!」
少女がルックス少年へ声をかける。ルックスは軽やかに馬に飛び乗ると、少女の方を振り向いた。
「ああ、大丈夫だって、ストル! でっかいもの取ってきてやる!」
ストルと呼ばれた少女は「いってらっしゃい!」と手を振って見送った。
いつも通り、小さい獲物しか獲れないんだろうなと思いながら。
しかし、今日は違っていた。
数時間後、その部族に悲鳴が起きた。
武装した男達がトナカイが引くソリに乗って襲ってきたのだ。
人数は十二人であり、五台のソリを手分けして乗っていた。
戦える男たちの半数は狩りに出かけており、戦えるものへ投げつけられたのは、傷だらけにされた少年だった。
体中に暴行を加えられただろうか、地に叩きつけられても身動きがなく、外套越しからでもわかるように身体が痙攣している。
顔も血まみれになっていたが、少年が誰なのかその場にいた部族たちはわかっていた。
少年と共に他の大人たちも一緒だったはず、彼を担いだことと、一台のソリに見慣れた武具を一人が見つけている。
「ルックス……!」
悲痛な声を上げたのは天幕から顔を出したストルだった。
「フゥー! ありゃぁ、高値で売れるぜぇ!」
男の一人がストルの顔を見てテンションを上げる。
用途やその時期にもよるが、美しい容姿の女は高値で売れるのは世の常。
「ストル、逃げろ!」
部族の戦士が叫んでも、ストルは恐怖で足が動けなかった。
盗賊の姿よりも、傷ついたルックスの姿を見たのが衝撃的だったのだ。
辺境部族にとって、死とは隣り合わせであり、この生は約束されたものではない。いつ、誰が死んでもおかしくはないと幼いころから身にしみこんでいく。
だが、まだ病気や天寿を全うする死しか見たことがない彼女にとって、このような事態が起きたことに身体と心が追い付いていない。
男はトナカイを走らせ、天幕へと突っ込んでいき、天幕を轢き倒した。
「きゃぁあああああ!」
ストルと中にいた人間の悲鳴が響き、男はストルの顔を一度殴り倒してソリに乗せる。
「俺はひとまず引き上げるぜ!」
少女を奪った男はそのままトナカイを走らせてソリをUターンさせて走り去っていった。
「スルト!」
部族の一人が叫ぶと、その横から盗賊に殴られて吹き飛ばれた。
それが皮切りとなるかのように盗賊達が部族を嬲り殺しにしていく。
戦える者も、老人、子供は容赦なく凶刃に倒れていき、若い女は縛られてソリに乗せられて連れ去られしまった。
粗方息の根止めいった残りの盗賊たちは雲行きの危うさに気づく。
「ち、吹雪そうだな」
「まぁ、売れる物を品定めしながら待とう」
男たちはそうだなと一つの天幕へと入っていった。
予測通り、数時間後には雪が降り、死に絶えた部族の死体を隠していく。
天幕の中で温まっている盗賊達の一人が何かに気づき、天幕の外を見る。
「やっぱり、吹雪やがった」
寒さから逃げるように男は天幕を閉めた。
そして、降り積もった雪から微かに動く姿が見える。
ゆっくりと、ゆっくりと凍える体を動かし、その場を離れていった。
この吹雪ではすぐにその動いた跡は消えてしまうだろう。
●
辺境部族の中でも有力部族の一つであるスコール族の族長補佐であるカオン・スコールは厳しくなるにつれる冬の中でも鍛錬を欠かさない。
族長であるファリフは今、大幻獣であるトリシュヴァーナと共に歪虚討伐に身を賭して戦っている。
時折手紙は来ては近況を伝えてくれていた。
その中で安心したのは、彼の赤き大地の戦士、シバの愛弟子であるテトがツキウサギの眷属であるユキウサギを守るために立ち上がっていたという話だった。
カオンもまた、テトの憔悴ぶりは知っており、心配していたのだ。
一時期は部族なき部族を保護していたが、春より大巫女のところに身を寄せていた。
立ち直ったとは言えないが、テトは少しずつ、生来のお調子もの……明るい様子を見せているという。
「ホント、よかった……」
ファリフからの手紙を読んで安堵の表情を見せるカオンに彼女と同じくらいの青年がカオンを呼ぶ。
呼ばれた家に入ると、家の主がカオンを手招いた。
「如何されました……な……っ!」
はっとなったカオンが見たのは、怪我と凍傷に苦しむ少年の姿。
寝具よりはみ出して見える装飾品には見覚えがあった。
炎のような色の鳥の羽根を装飾品としているのはエーノス族を示す。
エーノス族は移動部族であり、四季ごとに移動をしていた。今の時期はスコール族に近いところに移住している。
話を聞くのは、彼の回復を待ってからにしようとカオンは部族の者達に通告した。
しかし、少年の身体には人為的な外傷も見られ、カオンは部族でも調査能力に長ける戦士にエーノス族の調査を頼んだ。
スコール族の戦士が調査した内容は部族の天幕が倒されたものがあり、トナカイに繋がれたソリが数台あった。
超聴覚を使えば、盗賊のものであることを知った。
盗賊たちはまだここにいるようなことを言ってる。
スコール族の戦士はそのまま気づかれないように部族へ戻った。
カオンが報告を受けると、可憐な表情から一変し、烈火のごとくに盗賊へ怒りを顕わにする。
「ハンターを呼びます。手配を」
厳しい族長補佐の声にスコール族の者たちは急ぎでハンターオフィスに依頼をかけた。
降り積もる雪や刺すような冷気をはじめ、秋までに食料や燃料を蓄えて冬を越す……。
命がけの支度を必要とされるが、その支度は春までに約束されるものではない。
●
辺境はとある部族が毎年冬場で過ごす土地に到着した。
暫しの家となるテントを張り、環境を整えていく。
本格的な冬になる前に獲物を捕まえ、保存食として加工するのが冬前の支度としてやっていることの一つ。
その部族にはもうそろそろ成人となる少年と少女がいた。
まだまだ幼い顔の二人は誕生日が二日違いであり、元々、血が繋がっている部族ゆえ、双子のように育っていた。
少年の方は見事に馬を乗りこなし、赤き大地の戦士として修練も積んでいる。
一方、少女の方は料理をはじめ、刺しゅうをはじめとする針子仕事が得意としていた。
「ルックス! 気を付けてね!」
少女がルックス少年へ声をかける。ルックスは軽やかに馬に飛び乗ると、少女の方を振り向いた。
「ああ、大丈夫だって、ストル! でっかいもの取ってきてやる!」
ストルと呼ばれた少女は「いってらっしゃい!」と手を振って見送った。
いつも通り、小さい獲物しか獲れないんだろうなと思いながら。
しかし、今日は違っていた。
数時間後、その部族に悲鳴が起きた。
武装した男達がトナカイが引くソリに乗って襲ってきたのだ。
人数は十二人であり、五台のソリを手分けして乗っていた。
戦える男たちの半数は狩りに出かけており、戦えるものへ投げつけられたのは、傷だらけにされた少年だった。
体中に暴行を加えられただろうか、地に叩きつけられても身動きがなく、外套越しからでもわかるように身体が痙攣している。
顔も血まみれになっていたが、少年が誰なのかその場にいた部族たちはわかっていた。
少年と共に他の大人たちも一緒だったはず、彼を担いだことと、一台のソリに見慣れた武具を一人が見つけている。
「ルックス……!」
悲痛な声を上げたのは天幕から顔を出したストルだった。
「フゥー! ありゃぁ、高値で売れるぜぇ!」
男の一人がストルの顔を見てテンションを上げる。
用途やその時期にもよるが、美しい容姿の女は高値で売れるのは世の常。
「ストル、逃げろ!」
部族の戦士が叫んでも、ストルは恐怖で足が動けなかった。
盗賊の姿よりも、傷ついたルックスの姿を見たのが衝撃的だったのだ。
辺境部族にとって、死とは隣り合わせであり、この生は約束されたものではない。いつ、誰が死んでもおかしくはないと幼いころから身にしみこんでいく。
だが、まだ病気や天寿を全うする死しか見たことがない彼女にとって、このような事態が起きたことに身体と心が追い付いていない。
男はトナカイを走らせ、天幕へと突っ込んでいき、天幕を轢き倒した。
「きゃぁあああああ!」
ストルと中にいた人間の悲鳴が響き、男はストルの顔を一度殴り倒してソリに乗せる。
「俺はひとまず引き上げるぜ!」
少女を奪った男はそのままトナカイを走らせてソリをUターンさせて走り去っていった。
「スルト!」
部族の一人が叫ぶと、その横から盗賊に殴られて吹き飛ばれた。
それが皮切りとなるかのように盗賊達が部族を嬲り殺しにしていく。
戦える者も、老人、子供は容赦なく凶刃に倒れていき、若い女は縛られてソリに乗せられて連れ去られしまった。
粗方息の根止めいった残りの盗賊たちは雲行きの危うさに気づく。
「ち、吹雪そうだな」
「まぁ、売れる物を品定めしながら待とう」
男たちはそうだなと一つの天幕へと入っていった。
予測通り、数時間後には雪が降り、死に絶えた部族の死体を隠していく。
天幕の中で温まっている盗賊達の一人が何かに気づき、天幕の外を見る。
「やっぱり、吹雪やがった」
寒さから逃げるように男は天幕を閉めた。
そして、降り積もった雪から微かに動く姿が見える。
ゆっくりと、ゆっくりと凍える体を動かし、その場を離れていった。
この吹雪ではすぐにその動いた跡は消えてしまうだろう。
●
辺境部族の中でも有力部族の一つであるスコール族の族長補佐であるカオン・スコールは厳しくなるにつれる冬の中でも鍛錬を欠かさない。
族長であるファリフは今、大幻獣であるトリシュヴァーナと共に歪虚討伐に身を賭して戦っている。
時折手紙は来ては近況を伝えてくれていた。
その中で安心したのは、彼の赤き大地の戦士、シバの愛弟子であるテトがツキウサギの眷属であるユキウサギを守るために立ち上がっていたという話だった。
カオンもまた、テトの憔悴ぶりは知っており、心配していたのだ。
一時期は部族なき部族を保護していたが、春より大巫女のところに身を寄せていた。
立ち直ったとは言えないが、テトは少しずつ、生来のお調子もの……明るい様子を見せているという。
「ホント、よかった……」
ファリフからの手紙を読んで安堵の表情を見せるカオンに彼女と同じくらいの青年がカオンを呼ぶ。
呼ばれた家に入ると、家の主がカオンを手招いた。
「如何されました……な……っ!」
はっとなったカオンが見たのは、怪我と凍傷に苦しむ少年の姿。
寝具よりはみ出して見える装飾品には見覚えがあった。
炎のような色の鳥の羽根を装飾品としているのはエーノス族を示す。
エーノス族は移動部族であり、四季ごとに移動をしていた。今の時期はスコール族に近いところに移住している。
話を聞くのは、彼の回復を待ってからにしようとカオンは部族の者達に通告した。
しかし、少年の身体には人為的な外傷も見られ、カオンは部族でも調査能力に長ける戦士にエーノス族の調査を頼んだ。
スコール族の戦士が調査した内容は部族の天幕が倒されたものがあり、トナカイに繋がれたソリが数台あった。
超聴覚を使えば、盗賊のものであることを知った。
盗賊たちはまだここにいるようなことを言ってる。
スコール族の戦士はそのまま気づかれないように部族へ戻った。
カオンが報告を受けると、可憐な表情から一変し、烈火のごとくに盗賊へ怒りを顕わにする。
「ハンターを呼びます。手配を」
厳しい族長補佐の声にスコール族の者たちは急ぎでハンターオフィスに依頼をかけた。
解説
依頼内容
辺境部族を襲った盗賊を捕縛、もしくは討伐
辺境部族エーノス族が盗賊に襲われました。
若い女数名が連れ去られてます。
盗賊の人数は七人。
全員覚醒者です。
一人は機導師:デルタレイ使用します
一人は猟撃士:弓使い
二人は闘狩人:一人は剣、一人は槍を使用
三人は霊闘士:一人は斧(バトルアックスくらい)、一人は鞭、一人は剣を使用します。
霊闘士の内、一人は超聴覚を使用できるものがいます。
スコール族からエーノス族まで歩いて二時間ほど。
隠れるような遮蔽物はありません。
現状、エーノス族で連れ去られた者以外で生き残ったのはスコール族で保護された少年、ルックスのみです。
ルックスは皆さまがこちらに到着したころには気が付いていると思います。
状況次第では簡単な会話が可能です。
今回、道案内役としてスコール族長補佐であるカオン・スコールが同行いたします。
皆様の足手まといにはなりません。
同行NPC
カオン・スコール:年齢十八歳。スコール族長補佐。ファリフ不在時の族長代理。
先代スコール族長の娘。
しっかり者だが見た目が儚げな美少女。
普段はドジッ子属性で照れ屋。戦闘となると厳格な赤き大地の戦士として戦う。
辺境部族を襲った盗賊を捕縛、もしくは討伐
辺境部族エーノス族が盗賊に襲われました。
若い女数名が連れ去られてます。
盗賊の人数は七人。
全員覚醒者です。
一人は機導師:デルタレイ使用します
一人は猟撃士:弓使い
二人は闘狩人:一人は剣、一人は槍を使用
三人は霊闘士:一人は斧(バトルアックスくらい)、一人は鞭、一人は剣を使用します。
霊闘士の内、一人は超聴覚を使用できるものがいます。
スコール族からエーノス族まで歩いて二時間ほど。
隠れるような遮蔽物はありません。
現状、エーノス族で連れ去られた者以外で生き残ったのはスコール族で保護された少年、ルックスのみです。
ルックスは皆さまがこちらに到着したころには気が付いていると思います。
状況次第では簡単な会話が可能です。
今回、道案内役としてスコール族長補佐であるカオン・スコールが同行いたします。
皆様の足手まといにはなりません。
同行NPC
カオン・スコール:年齢十八歳。スコール族長補佐。ファリフ不在時の族長代理。
先代スコール族長の娘。
しっかり者だが見た目が儚げな美少女。
普段はドジッ子属性で照れ屋。戦闘となると厳格な赤き大地の戦士として戦う。
マスターより
お世話になります。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
今年もあとわずかとなりました。
なんだかんだで駆け抜けた一年ですが、来年からはのんびりになると思います。
十一月からやろうとしていたシナリオは三月ごろからのんびりやります。
その時は宜しくお願いします。
何事もなければこのシナリオが今年最後のシナリオとなります。
今年一年、ご贔屓賜りましてありがとうございました。
来年もまた、お引き立てのほど、お願い申し上げます。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
今年もあとわずかとなりました。
なんだかんだで駆け抜けた一年ですが、来年からはのんびりになると思います。
十一月からやろうとしていたシナリオは三月ごろからのんびりやります。
その時は宜しくお願いします。
何事もなければこのシナリオが今年最後のシナリオとなります。
今年一年、ご贔屓賜りましてありがとうございました。
来年もまた、お引き立てのほど、お願い申し上げます。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2016/12/26 22:49
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 霧島 キララ(ka2263) 人間(リアルブルー)|26才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/12/20 02:09:06 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/16 02:47:45 |