ゲスト
(ka0000)
【剣機】血は対価、贖うは凱歌
マスター:稲田和夫

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 4~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/10/05 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/17 12:00
オープニング
「報告いたします、カッテ殿下!」
ゾンネンシュトラール帝国・バルトアンデルス城。
慌しく執務室へ入って来た武官は、此方に背を向け、帝都を一望できる大窓からじっと外を眺めるカッテに報告を行う。
「伝令によると、剣機リンドブルムは輸送していたコンテナから展開させた歪虚の群れと共に南進! 現在、帝都北部の街道から外れた荒野にて、わが軍の主力と交戦中!」
少年は、およそその年齢には不釣り合いな落ち着いた声で応じる。
「第一師団は引き続き市内の避難誘導を最優先に。城壁の外に展開している師団は敵集団から先行した歪虚が市内へ浸透しないよう、警戒を怠らないでください」
敬礼した武官が退出すると、カッテは沈痛な面持ちで景色から目を逸らした。
「皇帝選挙の実施、剣機の出現、そして帝都への襲来……姉上、貴女は……」
しかし、少年はそれ以上暗くなる事無く、少しだけ笑うと改めて窓の外を、今まさに兵士たちが血を流しているであろう方角を見て力強く呟いた。
「そうですね……今は只、信じる時です。陛下、師団長と兵士の皆さん、そして……ハンターの方たち……どうか、ご無事で」
カッテはそっと、目を閉じた。
●
「ヴァルファー家の娘は良くやっているようだな」
第一師団副長エイゼンシュテインは、前線へと走る機導トラックの中で呟いた。
帝都に迫る歪虚の群れの多くは、現在戦意高揚のためグリューエリンが同行している第一、第十師団の一般兵が、多数のハンターと共に迎撃に当たっている。
「シグルドの隊は期せずして剣機と直衛を分断する形となったな。多少は判断が身について来たか」
彼にとっては同僚に当たるもう一人の第一師団副長シグルドは、途中まで剣機が帯同していた大型の歪虚との交戦に入っていた。
つまり、現在剣機を囲む群れはグリューエリンの隊との交戦で分散しており、剣機の直衛も引き離されている。剣機そのものを討ち取るには唯一無二の好機であった。
「だが、まだ万全ではない」
まず、最大の戦力であるヴィルヘルミナとゼナイド、それにハンターからなる部隊が、現時点では剣機からかなり離れた位置にいる。
更に、剣機自体に飛行能力がある事が問題だ。今回の防衛戦には帝国が誇る航空戦力であるグリフォンライダー……第五師団が参加しているが、剣機の強さを考えると、彼らしか戦えない空中戦で仕留めることは困難であり、多大な犠牲を出すだろう。
また、追い詰めても空を飛んで逃げられたら目も当てられない。ここで剣機を完全に滅ぼすにはその飛行能力を喪失させるのが必須なのだ。
「我々の役目はヒンメルリッターの航空支援を受けつつ剣機をヴィルヘルミナ皇帝陛下とゼナイド師団長率いる本隊の到着まで足止めしつつ、剣機の飛行能力の源である部位……以後便宜上『主翼』と『バーニア』と呼ぶ器官を破壊することにある」
その時、爆発音がトラックを揺らした。
「総員降車。戦闘準備」
●
剣機はその巨体を着地させ、何としても動きを止めようと空中から執拗な対地攻撃を行うグリフォンライダーたちに、ガトリングによる分厚い対空砲火を浴びせていた。
その銃火と閃光に晒されながら、サラリーマン風の背広の上に無理やり胸当てや盾をつけた、眼鏡に出っ歯の師団員は狂喜していた。
「あ、あはは! さ、最高です! て、転移者になってワタシは本当に幸せですっ! どんな大作ゲームでもこんなエキサイティングな光景はありませんでしたっ!」
だが、他の師団員は全く気にする様子もない。
「妙だな。事前の情報では双頭とあったが」
エイゼンシュテインも平然と敵を確認している。
その時、突然一行の頭上に巨大な影が覆いかぶさった。それは、負傷した仲間を守って不時着したヒンメルリッターの一人だった。
「カワベさん、酷いヨ! 実際にあれに晒されてるボクたちはどうなるの? このままじゃあっという間に全員落とされちゃうヨ!」
そうグリフォンの上からきいきいと怒鳴った第五師団兵はまだ少年と言って良い容姿であった。まるで、少女のように髪を二つに分けて束ねている。ただ、手に握った弩と背中の巨大な戟は彼が紛れも無く兵士であることを示していた。
「ガタガタ騒ぐんじゃねえ、シャオユウ」
応じたのは、モヒカン頭にだらしなく軍服を着崩した、チンピラにしか見えない師団兵のゲロルトだ。
「俺たちが参加したら攻撃はバラける。キツいのは囮になる俺たちだ……やれやれ、俺はあんな物騒なのより雑魚を痛めつけて楽に楽しむのが趣味なんだがな!」
「楽しめるとも」
事も無げに、エイゼンシュテインは言った。
「決戦前に敵を最大限弱体化させるのは戦闘の鉄則だ。我々が奴に損傷を加えれば加えるほど陛下とゼナイド、そして後続のハンターたちが楽になる」
ゲロルトは黙って肩を竦めると、愛用のナイフを引き抜き真っ先に飛び出していった。
「さ、さあ! 狩の時間ですっ!」
カワベも、剣機の側面に回るべく後に続く。浮ついた態度とは裏腹に、その動きには無駄も隙も無い。
「もう! 知らないヨ!」
シャオシュウも再びグリフォンを飛翔させる。
「隊に参加しているハンターたちは、予定通りに分散して、師団員と共に作戦を遂行せよ」
エイゼンシュテインはそう述べると、剣機に近づく兵士たちとあなたたちを援護すべく投げ槍を握る手に力を込めた。
ゾンネンシュトラール帝国・バルトアンデルス城。
慌しく執務室へ入って来た武官は、此方に背を向け、帝都を一望できる大窓からじっと外を眺めるカッテに報告を行う。
「伝令によると、剣機リンドブルムは輸送していたコンテナから展開させた歪虚の群れと共に南進! 現在、帝都北部の街道から外れた荒野にて、わが軍の主力と交戦中!」
少年は、およそその年齢には不釣り合いな落ち着いた声で応じる。
「第一師団は引き続き市内の避難誘導を最優先に。城壁の外に展開している師団は敵集団から先行した歪虚が市内へ浸透しないよう、警戒を怠らないでください」
敬礼した武官が退出すると、カッテは沈痛な面持ちで景色から目を逸らした。
「皇帝選挙の実施、剣機の出現、そして帝都への襲来……姉上、貴女は……」
しかし、少年はそれ以上暗くなる事無く、少しだけ笑うと改めて窓の外を、今まさに兵士たちが血を流しているであろう方角を見て力強く呟いた。
「そうですね……今は只、信じる時です。陛下、師団長と兵士の皆さん、そして……ハンターの方たち……どうか、ご無事で」
カッテはそっと、目を閉じた。
●
「ヴァルファー家の娘は良くやっているようだな」
第一師団副長エイゼンシュテインは、前線へと走る機導トラックの中で呟いた。
帝都に迫る歪虚の群れの多くは、現在戦意高揚のためグリューエリンが同行している第一、第十師団の一般兵が、多数のハンターと共に迎撃に当たっている。
「シグルドの隊は期せずして剣機と直衛を分断する形となったな。多少は判断が身について来たか」
彼にとっては同僚に当たるもう一人の第一師団副長シグルドは、途中まで剣機が帯同していた大型の歪虚との交戦に入っていた。
つまり、現在剣機を囲む群れはグリューエリンの隊との交戦で分散しており、剣機の直衛も引き離されている。剣機そのものを討ち取るには唯一無二の好機であった。
「だが、まだ万全ではない」
まず、最大の戦力であるヴィルヘルミナとゼナイド、それにハンターからなる部隊が、現時点では剣機からかなり離れた位置にいる。
更に、剣機自体に飛行能力がある事が問題だ。今回の防衛戦には帝国が誇る航空戦力であるグリフォンライダー……第五師団が参加しているが、剣機の強さを考えると、彼らしか戦えない空中戦で仕留めることは困難であり、多大な犠牲を出すだろう。
また、追い詰めても空を飛んで逃げられたら目も当てられない。ここで剣機を完全に滅ぼすにはその飛行能力を喪失させるのが必須なのだ。
「我々の役目はヒンメルリッターの航空支援を受けつつ剣機をヴィルヘルミナ皇帝陛下とゼナイド師団長率いる本隊の到着まで足止めしつつ、剣機の飛行能力の源である部位……以後便宜上『主翼』と『バーニア』と呼ぶ器官を破壊することにある」
その時、爆発音がトラックを揺らした。
「総員降車。戦闘準備」
●
剣機はその巨体を着地させ、何としても動きを止めようと空中から執拗な対地攻撃を行うグリフォンライダーたちに、ガトリングによる分厚い対空砲火を浴びせていた。
その銃火と閃光に晒されながら、サラリーマン風の背広の上に無理やり胸当てや盾をつけた、眼鏡に出っ歯の師団員は狂喜していた。
「あ、あはは! さ、最高です! て、転移者になってワタシは本当に幸せですっ! どんな大作ゲームでもこんなエキサイティングな光景はありませんでしたっ!」
だが、他の師団員は全く気にする様子もない。
「妙だな。事前の情報では双頭とあったが」
エイゼンシュテインも平然と敵を確認している。
その時、突然一行の頭上に巨大な影が覆いかぶさった。それは、負傷した仲間を守って不時着したヒンメルリッターの一人だった。
「カワベさん、酷いヨ! 実際にあれに晒されてるボクたちはどうなるの? このままじゃあっという間に全員落とされちゃうヨ!」
そうグリフォンの上からきいきいと怒鳴った第五師団兵はまだ少年と言って良い容姿であった。まるで、少女のように髪を二つに分けて束ねている。ただ、手に握った弩と背中の巨大な戟は彼が紛れも無く兵士であることを示していた。
「ガタガタ騒ぐんじゃねえ、シャオユウ」
応じたのは、モヒカン頭にだらしなく軍服を着崩した、チンピラにしか見えない師団兵のゲロルトだ。
「俺たちが参加したら攻撃はバラける。キツいのは囮になる俺たちだ……やれやれ、俺はあんな物騒なのより雑魚を痛めつけて楽に楽しむのが趣味なんだがな!」
「楽しめるとも」
事も無げに、エイゼンシュテインは言った。
「決戦前に敵を最大限弱体化させるのは戦闘の鉄則だ。我々が奴に損傷を加えれば加えるほど陛下とゼナイド、そして後続のハンターたちが楽になる」
ゲロルトは黙って肩を竦めると、愛用のナイフを引き抜き真っ先に飛び出していった。
「さ、さあ! 狩の時間ですっ!」
カワベも、剣機の側面に回るべく後に続く。浮ついた態度とは裏腹に、その動きには無駄も隙も無い。
「もう! 知らないヨ!」
シャオシュウも再びグリフォンを飛翔させる。
「隊に参加しているハンターたちは、予定通りに分散して、師団員と共に作戦を遂行せよ」
エイゼンシュテインはそう述べると、剣機に近づく兵士たちとあなたたちを援護すべく投げ槍を握る手に力を込めた。
解説
★目的
1.本隊が到着するまで剣機を足止めする事。
2.剣機の飛行能力を無力化しつつ、可能な限り損傷を与える事。
★戦場
帝都バルトアンデルス北部の荒野。遮蔽物なし。
★『四霊剣』剣機リンドヴルム
多段攻撃:通常1ターンに1回の攻撃を行う。2回以上の攻撃を試みる場合、そのたびに命中が半分になる
機導砲のブレス:単体に純粋に高ダメージ
ガトリング掃射:長距離かつ広範囲。他の攻撃より相対的に威力は低い。
尾の剣:近距離。最大ダメージ。
腐竜の咆哮:自分を中心に広範囲に強度2の重圧(スキル使用不可)を付与。
★状況と選択
空中からはグリフォンライダーが波状攻撃を行い剣機の離陸を阻止。
この間にヴィタリーに率いられたハンターは侵攻阻止と主翼破壊の二班、五名ずつに分かれ、剣機を攻撃する。
【囮】
位置的には剣機の真正面。可能な限り剣機を足止めする。
また、囮となってヒンメルリッターと【主翼破壊】への攻撃を引き受けることも重要である。
【主翼破壊】
位置的には剣機の右翼、または左翼となる。左右から挟撃するのか、どちらかに集中するかは事前に選択可能。剣機の主翼とバーニアに攻撃を集中させ飛行能力を失わせるのが役目である。
★NPCについて
エイゼンシュテイン/闘狩人
第一師団副長。中距離から槍を投げつつ全体の指揮を執る。副長とはいえ革命前からのベテランであり、相応に強い。
ゲロルト/疾影士
第一師団員
革命前からのエイゼンシュテインの部下。外道だが、副長には絶対服従。
【囮】で素早さとナイフ投げを活かして囮となる。
カワベ/闘狩人
第一師団員
頭のネジが飛んだ、でも優秀な元サラリーマンの転移者にして師団兵。
【主翼破壊】にてバランスの良い能力。怪物狩りな気分で剣機の主翼とバーニアを狙う。
シャオシュウ(小鷲)/機導士
第五師団員
ただのショタ。他の師団員と空中から弩で対地射撃で、状況によっては戟で剣機を足止めする。
質疑可能とします。
1.本隊が到着するまで剣機を足止めする事。
2.剣機の飛行能力を無力化しつつ、可能な限り損傷を与える事。
★戦場
帝都バルトアンデルス北部の荒野。遮蔽物なし。
★『四霊剣』剣機リンドヴルム
多段攻撃:通常1ターンに1回の攻撃を行う。2回以上の攻撃を試みる場合、そのたびに命中が半分になる
機導砲のブレス:単体に純粋に高ダメージ
ガトリング掃射:長距離かつ広範囲。他の攻撃より相対的に威力は低い。
尾の剣:近距離。最大ダメージ。
腐竜の咆哮:自分を中心に広範囲に強度2の重圧(スキル使用不可)を付与。
★状況と選択
空中からはグリフォンライダーが波状攻撃を行い剣機の離陸を阻止。
この間にヴィタリーに率いられたハンターは侵攻阻止と主翼破壊の二班、五名ずつに分かれ、剣機を攻撃する。
【囮】
位置的には剣機の真正面。可能な限り剣機を足止めする。
また、囮となってヒンメルリッターと【主翼破壊】への攻撃を引き受けることも重要である。
【主翼破壊】
位置的には剣機の右翼、または左翼となる。左右から挟撃するのか、どちらかに集中するかは事前に選択可能。剣機の主翼とバーニアに攻撃を集中させ飛行能力を失わせるのが役目である。
★NPCについて
エイゼンシュテイン/闘狩人
第一師団副長。中距離から槍を投げつつ全体の指揮を執る。副長とはいえ革命前からのベテランであり、相応に強い。
ゲロルト/疾影士
第一師団員
革命前からのエイゼンシュテインの部下。外道だが、副長には絶対服従。
【囮】で素早さとナイフ投げを活かして囮となる。
カワベ/闘狩人
第一師団員
頭のネジが飛んだ、でも優秀な元サラリーマンの転移者にして師団兵。
【主翼破壊】にてバランスの良い能力。怪物狩りな気分で剣機の主翼とバーニアを狙う。
シャオシュウ(小鷲)/機導士
第五師団員
ただのショタ。他の師団員と空中から弩で対地射撃で、状況によっては戟で剣機を足止めする。
質疑可能とします。
マスターより
お世話になっております。稲田です。
B Divの【剣機】連動もいよいよクライマックスが近づいて参りました。
基本的には、解説の通りです。己の血を対価に、皇帝とゼナイド師団長を含む本隊が到着するまで剣機を釘づけにし、最低限飛行能力だけでも奪っておきましょう
口で言うのは簡単。しかし、その対価は決して安くは無いでしょう。ですが、皆さんを信じた皇帝と師団兵らを信じて、その全力を示してください。
それでは、健闘をお祈りいたします。
B Divの【剣機】連動もいよいよクライマックスが近づいて参りました。
基本的には、解説の通りです。己の血を対価に、皇帝とゼナイド師団長を含む本隊が到着するまで剣機を釘づけにし、最低限飛行能力だけでも奪っておきましょう
口で言うのは簡単。しかし、その対価は決して安くは無いでしょう。ですが、皆さんを信じた皇帝と師団兵らを信じて、その全力を示してください。
それでは、健闘をお祈りいたします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/16 14:19
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 鳴神 真吾(ka2626) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/10/02 10:54:23 |
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剣機討伐作戦卓 ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/10/05 05:02:33 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/01 16:13:35 |