ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】バチャーレ村の聖輝節
マスター:樹シロカ

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在14人 / 1~25人
- ユニット参加人数
- 現在0 / 0~25
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2017/01/03 15:00
- リプレイ完成予定
- 2017/01/17 15:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
●バチャーレ村の一大事
同盟のジェオルジ内に、バチャーレという村がある。
廃村にサルヴァトーレ・ロッソの移民団が移住し、どうにか形を整えつつあるところだ。
だがある日もたらされた一報によって、コミュニティは分断の危機に際していた。
それは移民団リーダー(便宜上、村長と呼ばれることもある)のサイモン・小川(kz0211)が、領主の館に呼び出されたことから始まる。
「リアルブルーに帰れる、ですって?」
自分はバチャーレ村に骨を埋めると覚悟していたはずのサイモンですら、動揺の色を隠しきれない。
領主であり、同盟評議会会員でもあるセスト・ジェオルジ(kz0034)は、感情を悟らせない無表情で頷く。
「非覚醒者に限定ではあるのですが」
精霊と契約を済ませた覚醒者は、クリムゾンウェストと強いつながりができてしまうため、一定時間を経過するとひきもどされてしまう。
だが普通の人間は、サルヴァトーレ・ロッソでリアルブルーへ戻ることができる。
「僕にはリアルブルーのことはあまりよくわかりません。オガワ代表には僕の口から説明するより、こちらをご覧いただく方が早いでしょう」
「拝見します」
セストから評議会で配られた資料を受け取ったサイモンは、素早く目を走らせる。
移民にはLH044の難民が多いが、彼らの故郷は既に失われた。
また、宇宙からVOIDが消えたわけではなく、地球へ移住できるわけでもない。
彼らを受け入れてくれるのは、月面都市崑崙のみ。
――それでも、そこは間違いなくリアルブルーなのだ。
サイモンが複雑な表情のまま資料から顔をあげるのを待って、セストは口を開く。
「折角バチャーレ村が整いつつある状況ですし、騒動を持ち込むのはあまり好ましくないとも思うのですが」
いつも通りの淡々とした口調、少し冷たくも見える表情だが、目には憐憫とも同情ともみえる揺らぎがあった。
「黙っていてもいずれどこかから情報は伝わるでしょう。敢えて隠していたとなると、必ず大きな不満に繋がります。ですので、オガワ代表にご相談すべきだと思いました」
「……おっしゃる通りです。ご配慮有難うございます」
機械的に答え、サイモンは黙って考え込む。セストも返答を急ぐことはせず、静かに口をつぐんだ。
移民団の人数は、今どうにか村を維持できる程度というところである。
機械化が進めばもう少し労力は少なくても何とかなるだろうが、今はまだ技術面でも資材面でも難しく、人手は必要だ。
一方で、既に覚醒した者もいる。彼らはどんなに望んでも戻れない。
家族や友人、恋人、彼らの間に意見の相違ができた場合は?
あるいは、移民の大部分が戻ることを選んだら?
普段は柔和な笑顔をたやさないサイモンだが、さすがに笑っていられる状況ではない。
「行ったが最後もう戻れないし、互いの通信も難しいのですね」
「現状ではそのようです。今後どうなるかはわかりませんが」
かつては『戻れる可能性』すらほぼないと思われていたのだ。それが実現したのだから、あながちセストの慰めというわけでもない。
「それから手紙はロッソが往復する際に託せるそうです。……いつ受け取れるかはわからないでしょうけれど」
サイモンはひとつ、大きな息を吐いた。
それから顔をあげてセストを見る。その表情はもう、いつもの柔和さを取り戻していた。……少なくとも表面的には。
「ところで、領主様にはまだ何か、僕にお話がありそうですね」
それほど長い付き合いではないが、サイモンは少しずつこの若い領主のことが分かってきた。
少なくとも、座り心地の悪い椅子に座っているという点では、互いに分かりあえるような気がしている。もちろん、椅子の高さには随分な差があることも承知しているが。
「そうですね。まずは、移民を希望される場合は、リゼリオまでの護衛をハンターにお願いします。これは魔術師協会から正式に了承を得ています。またハンターの皆様には、聖輝節の名目で、移民希望者と馴染んでいただく機会を設けます」
「……聖輝節?」
「ええ。リアルブルーにはこの時期、そういうお祭りがあると聞きました。郷祭が終わったばかりですが、こういう場合ですし賑やかな方がいいでしょう」
それから、と領主が切り出した件に、サイモンはまたも動揺することになる。
「申し訳ありませんが、その件は……少し持ち帰って考えさせていただいてもよろしいですか?」
「ええ、僕としては特に急ぎませんので。ご検討ください」
会談はそこで終わる。
●帰還前夜
その後、バチャーレ村ではひと騒動があった。
さまざまな意見が噴出し、家族や友人や恋人達の悲喜こもごもがあり、一度決めたことをまたひっくり返すものも少なくなかった。
結局、帰還希望者は20人余りでまとまった。バチャーレ村の現在の人口の3割ほどである。
それはサイモンにとって予想の範疇だったが、ひとつだけ想定外だったことがあった。
帰還希望者の中に、助手を務めてくれていたアルジュナ・シンがいたことである。
「君は残ってくれると思ってたよ」
「すみません。主任とは長い付き合いですし、まだまだこの村を何とかしたいとも思うのですが……主任やマリナと違って、私の本来の仕事が、ここにはない」
浅黒い肌の青年は、惑星調査の専門家だ。
「リアルブルーの宇宙で仕事を続けたいのです」
「そう言われると引きとめられないな。……今度は君が崑崙への移住団の代表になるというわけか」
サイモンは笑いながらアルジュナの肩を叩く。
「ま、最後は賑やかにやろう。いずれまた行き来できる日も来るだろうさ」
そうして聖輝節の日。
少しのほろ苦さを含んだバチャーレ村のお祭りが開催される。
●バチャーレ村の一大事
同盟のジェオルジ内に、バチャーレという村がある。
廃村にサルヴァトーレ・ロッソの移民団が移住し、どうにか形を整えつつあるところだ。
だがある日もたらされた一報によって、コミュニティは分断の危機に際していた。
それは移民団リーダー(便宜上、村長と呼ばれることもある)のサイモン・小川(kz0211)が、領主の館に呼び出されたことから始まる。
「リアルブルーに帰れる、ですって?」
自分はバチャーレ村に骨を埋めると覚悟していたはずのサイモンですら、動揺の色を隠しきれない。
領主であり、同盟評議会会員でもあるセスト・ジェオルジ(kz0034)は、感情を悟らせない無表情で頷く。
「非覚醒者に限定ではあるのですが」
精霊と契約を済ませた覚醒者は、クリムゾンウェストと強いつながりができてしまうため、一定時間を経過するとひきもどされてしまう。
だが普通の人間は、サルヴァトーレ・ロッソでリアルブルーへ戻ることができる。
「僕にはリアルブルーのことはあまりよくわかりません。オガワ代表には僕の口から説明するより、こちらをご覧いただく方が早いでしょう」
「拝見します」
セストから評議会で配られた資料を受け取ったサイモンは、素早く目を走らせる。
移民にはLH044の難民が多いが、彼らの故郷は既に失われた。
また、宇宙からVOIDが消えたわけではなく、地球へ移住できるわけでもない。
彼らを受け入れてくれるのは、月面都市崑崙のみ。
――それでも、そこは間違いなくリアルブルーなのだ。
サイモンが複雑な表情のまま資料から顔をあげるのを待って、セストは口を開く。
「折角バチャーレ村が整いつつある状況ですし、騒動を持ち込むのはあまり好ましくないとも思うのですが」
いつも通りの淡々とした口調、少し冷たくも見える表情だが、目には憐憫とも同情ともみえる揺らぎがあった。
「黙っていてもいずれどこかから情報は伝わるでしょう。敢えて隠していたとなると、必ず大きな不満に繋がります。ですので、オガワ代表にご相談すべきだと思いました」
「……おっしゃる通りです。ご配慮有難うございます」
機械的に答え、サイモンは黙って考え込む。セストも返答を急ぐことはせず、静かに口をつぐんだ。
移民団の人数は、今どうにか村を維持できる程度というところである。
機械化が進めばもう少し労力は少なくても何とかなるだろうが、今はまだ技術面でも資材面でも難しく、人手は必要だ。
一方で、既に覚醒した者もいる。彼らはどんなに望んでも戻れない。
家族や友人、恋人、彼らの間に意見の相違ができた場合は?
あるいは、移民の大部分が戻ることを選んだら?
普段は柔和な笑顔をたやさないサイモンだが、さすがに笑っていられる状況ではない。
「行ったが最後もう戻れないし、互いの通信も難しいのですね」
「現状ではそのようです。今後どうなるかはわかりませんが」
かつては『戻れる可能性』すらほぼないと思われていたのだ。それが実現したのだから、あながちセストの慰めというわけでもない。
「それから手紙はロッソが往復する際に託せるそうです。……いつ受け取れるかはわからないでしょうけれど」
サイモンはひとつ、大きな息を吐いた。
それから顔をあげてセストを見る。その表情はもう、いつもの柔和さを取り戻していた。……少なくとも表面的には。
「ところで、領主様にはまだ何か、僕にお話がありそうですね」
それほど長い付き合いではないが、サイモンは少しずつこの若い領主のことが分かってきた。
少なくとも、座り心地の悪い椅子に座っているという点では、互いに分かりあえるような気がしている。もちろん、椅子の高さには随分な差があることも承知しているが。
「そうですね。まずは、移民を希望される場合は、リゼリオまでの護衛をハンターにお願いします。これは魔術師協会から正式に了承を得ています。またハンターの皆様には、聖輝節の名目で、移民希望者と馴染んでいただく機会を設けます」
「……聖輝節?」
「ええ。リアルブルーにはこの時期、そういうお祭りがあると聞きました。郷祭が終わったばかりですが、こういう場合ですし賑やかな方がいいでしょう」
それから、と領主が切り出した件に、サイモンはまたも動揺することになる。
「申し訳ありませんが、その件は……少し持ち帰って考えさせていただいてもよろしいですか?」
「ええ、僕としては特に急ぎませんので。ご検討ください」
会談はそこで終わる。
●帰還前夜
その後、バチャーレ村ではひと騒動があった。
さまざまな意見が噴出し、家族や友人や恋人達の悲喜こもごもがあり、一度決めたことをまたひっくり返すものも少なくなかった。
結局、帰還希望者は20人余りでまとまった。バチャーレ村の現在の人口の3割ほどである。
それはサイモンにとって予想の範疇だったが、ひとつだけ想定外だったことがあった。
帰還希望者の中に、助手を務めてくれていたアルジュナ・シンがいたことである。
「君は残ってくれると思ってたよ」
「すみません。主任とは長い付き合いですし、まだまだこの村を何とかしたいとも思うのですが……主任やマリナと違って、私の本来の仕事が、ここにはない」
浅黒い肌の青年は、惑星調査の専門家だ。
「リアルブルーの宇宙で仕事を続けたいのです」
「そう言われると引きとめられないな。……今度は君が崑崙への移住団の代表になるというわけか」
サイモンは笑いながらアルジュナの肩を叩く。
「ま、最後は賑やかにやろう。いずれまた行き来できる日も来るだろうさ」
そうして聖輝節の日。
少しのほろ苦さを含んだバチャーレ村のお祭りが開催される。
解説
●このシナリオについて
依頼内容は
・パーティーのホスト
・帰還民の道案内と護衛
になります。
ただしリプレイは帰還民出発で終わる予定です。
パーティー会場はロッソから持ち込んだコンテナにある集会場です。
PCの皆様にもしっかり楽しんでいただきたいですが、準備や進行に頑張った方は評価アップとなります。
開場設営や料理の用意は済んでいますが、ハンターの協力は大歓迎です。その場合は準備部分も描写します。
ですので、ハンターがいつから村に行くかは個々のプレイングで判断します。
プレイングはここというポイントを絞っていただけると、より濃く描写できるかと思います。
「これをやりたいがどうか」という場合は、質問卓でサイモンがお答えします。
またセストは多忙により参加できません。
●料理希望の方へ
村では過去のシナリオで作っていただいた材料を用意しています。
・自生していた山ブドウやベリー類、柑橘類のジャムとコンポート
・瓶詰のザワークラウト
・魚のハーブオイル漬けの缶詰
・小麦粉、パン
・クワス(自家製のアルコール飲料。アルコール度数は低めと高め二種)
●護衛希望の方へ※
護衛が(RP的に)メインの方は、帰還民に信用してもらえると旅が楽になるでしょう。
20人余りの構成は3家族とそのほか。LH044の難民がほとんどで、5名がアルジュナ含むロッソ乗組員です。
●領主の提案※
新たな移住民を認めるつもりはないか、という提案になります。
移住する人間としてはジェオルジの農民だけでなく、街の人間やリアルブルー民などが想定されています。
サイモンとしてはどうやって選別し、どこまで認めるか(そもそも認めないか)を悩むところ。
何か考えこんでいるサイモンに、うまい口実をつけて尋ねれば内容は教えてくれます(=PC情報になります)。
なお、ハンターはジェオルジ村に移住できません。ご了承ください。
※の件はユニオン貢献が評価される可能性があります。
依頼内容は
・パーティーのホスト
・帰還民の道案内と護衛
になります。
ただしリプレイは帰還民出発で終わる予定です。
パーティー会場はロッソから持ち込んだコンテナにある集会場です。
PCの皆様にもしっかり楽しんでいただきたいですが、準備や進行に頑張った方は評価アップとなります。
開場設営や料理の用意は済んでいますが、ハンターの協力は大歓迎です。その場合は準備部分も描写します。
ですので、ハンターがいつから村に行くかは個々のプレイングで判断します。
プレイングはここというポイントを絞っていただけると、より濃く描写できるかと思います。
「これをやりたいがどうか」という場合は、質問卓でサイモンがお答えします。
またセストは多忙により参加できません。
●料理希望の方へ
村では過去のシナリオで作っていただいた材料を用意しています。
・自生していた山ブドウやベリー類、柑橘類のジャムとコンポート
・瓶詰のザワークラウト
・魚のハーブオイル漬けの缶詰
・小麦粉、パン
・クワス(自家製のアルコール飲料。アルコール度数は低めと高め二種)
●護衛希望の方へ※
護衛が(RP的に)メインの方は、帰還民に信用してもらえると旅が楽になるでしょう。
20人余りの構成は3家族とそのほか。LH044の難民がほとんどで、5名がアルジュナ含むロッソ乗組員です。
●領主の提案※
新たな移住民を認めるつもりはないか、という提案になります。
移住する人間としてはジェオルジの農民だけでなく、街の人間やリアルブルー民などが想定されています。
サイモンとしてはどうやって選別し、どこまで認めるか(そもそも認めないか)を悩むところ。
何か考えこんでいるサイモンに、うまい口実をつけて尋ねれば内容は教えてくれます(=PC情報になります)。
なお、ハンターはジェオルジ村に移住できません。ご了承ください。
※の件はユニオン貢献が評価される可能性があります。
マスターより
はじめましての方ははじめまして、お見知りおきの方は改めてよろしくお願いします。樹シロカです。
ひっそり登録されたサイモンの初関連シナリオとなります。
バチャーレ村を今後ともよろしくお願いします。
さて今回は【蒼乱】連動の一環となりますので、対象のアイテムを配布する可能性があります。
崑崙へクリムゾンウェストに良い印象を持った人々が移住することは、互いの世界にとってプラスになるはずです。
リアルブルー出身のPCさんには色々思うところもおありでしょう。字数に限りはありますが、なるべくそこも盛り込みたいと思っております。
色々詰め込みすぎな気もいたしますが、皆様のご参加お待ちしております!
ひっそり登録されたサイモンの初関連シナリオとなります。
バチャーレ村を今後ともよろしくお願いします。
さて今回は【蒼乱】連動の一環となりますので、対象のアイテムを配布する可能性があります。
崑崙へクリムゾンウェストに良い印象を持った人々が移住することは、互いの世界にとってプラスになるはずです。
リアルブルー出身のPCさんには色々思うところもおありでしょう。字数に限りはありますが、なるべくそこも盛り込みたいと思っております。
色々詰め込みすぎな気もいたしますが、皆様のご参加お待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/01/25 00:23
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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聖輝節相談卓 アルヴィース・シマヅ(ka2830) ドワーフ|50才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/01/03 07:10:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/03 07:11:42 |