ゲスト
(ka0000)
【CF】ストリーキングを撃滅せよ!
マスター:みみずく

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/01/04 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/01/13 22:00
オープニング
さて、聖夜である。リアルブルーのかの地に於いてはエロ動画の再生回数が爆発的に上がり、巷には『クリぼっち』なる用語が蔓延し、さんざめく人々の笑い声の中、飲食店従業員による「おひとり様ですか」の問いかけさえ胸をえぐる、聖輝節の夜である。
黒マントで全身を覆い、眼下に街の灯を眺める一団の目に、光はない。『自由の鐘』として、愛の再配分を叫び、革命の名の下、いちゃつく数多のカップルをあの手この手で襲撃し、リア充爆発しろの号令も猛々しく、今日までひた走った彼らである。
しかし、悲しいかな、いくら妨害したところでカップルたちの愛の炎は燃え上がり、触発された同志は一人、また一人と幸せをつかんでは脱落し、祭りは滞りなく運営され、今日のこの日を迎えてしまった。
先頭に立つ長身の男が叫ぶ。
「諸君、決戦の時は来たれり」
叫んだ拍子に水っ洟が顔面にはりついた。
「隊長、寒いです」
横で縮こまる中背の男が、ガタガタと震えながら訴え出る。
「泣くでない! もはや、残された道はただ一つ! 浮かれた連中に、我ら覚悟のほどを見せつけ、祭りの雰囲気をぶち壊すのみ!」
男が深呼吸ののち、勢いよくマントを放り投げた。
「総員、抜刀せよ!」
ばばばばばっと全員がマントを投げ捨てる。
「いざ葬らん、パンツと書いて、モラル!」
一糸まとわぬ彼らの雄たけびが、聖夜のリザリオに響き渡る。
ハンターオフィスの受付にも、当番というものは存在する。
「なーんでこんな日にこんなとこ座ってにゃならんのよ」
オフィス机に顎をのっけて不貞腐れる受付嬢は、花の独身、彼氏なし。故に本日当番を仰せつかった次第である。
「あーあ、やってらんない」
大体一体どこの誰が、こんな日に依頼を持ち込むだろうか。窓辺を通る人々は、皆楽しげに誰かを連れて、各々聖輝節を楽しんでいる。勤務時間内だが、こうなりゃ酒でも飲んでやろうか。
受付嬢の心に悪魔が囁きかけたとき、若い男が息せき切って駆け込んできた。
「すみません!」
男の声に受付嬢ははっと顔を上げ、瞬く間に営業スマイルを作り上げた。
「どうかされましたか」
「大変です! 自由の鐘の残党が、町中でストリーキングを」
なにゆえ年末のこの時期になると人は自棄を起こすのだろう。受付嬢は一呼吸置き、
「全裸ですか」
「全裸です」
寂しさはかくも人を狂わせるのか。いっそ哀れである。
「走らせとけばいいじゃないですか」
「止めてくださいよ!」
「どうせ風邪ひくんだから」
「商売になりませんよ!」
それはそうだ。受付嬢は思い直した。
聖輝節は商売人にとって、年末の収支をプラスに転じる最後の好機である。
「じゃあ、その全裸の一党に服を着せとけばよろしいですか」
相手は何しろ文字通りの丸腰である。多少不愉快は生じても、制圧自体はそれほど難しくはないだろう。
「いや、でもやつら全力疾走なもんで捕まえにくくて、しかも止まるとラップで挑んでくるんです」
「らっぷ?」
「そうです、ラップです。うち、ケーキを売ってるんですけど、白熱するラップバトルにだんだんオーディエンスが増えてきちゃって」
「良かったじゃないですか、ビジネスチャンスですよ」
「マッパのラッパーがたむろする場でケーキが売れると思いますか! 台無しですよ!」
リアルブルー風に赤い帽子と装束を纏った男は、泣き出さん勢いで机をバンバン叩いて訴えた。
その頃、洋菓子店の店先では、鳥肌を立てた一群が、小刻みに体を動かしながら、持参したマイク(音響機器には接続していない)を片手にパフォーマンスに勤しんでいた。
「Hey Yho! 幸せ日曜日、ひとりもん、救う唯一の希望、うちの子猫モフる腹毛、たちまち漏らす、毛布に魔尿! Nyoh! Nyoh! Nyoh! 飛び散る魔尿! 染み込むアンモニア! 布団がねぇ! Ah! 寝るとこねぇ! Oh! 彼女もいねぇ! 悲しき夕暮れ」
懸命に体を揺らしながら涙ぐんでいる。孤独の末に飼い猫にまで背かれた男の魂の叫びであった。
「聖夜が何だ! サンタなんているか! 世界は平等か! 愛をとりもどせ! 持てるものから! 今こそぶちかませ! 我らのライム!」
感極まった隊長が鬨の声を上げる。
「うぉぉぉぉ! 砕け、愛の打鐘! いざ! 出陣!」
拳を振り上げ、男たちが叫び、全力で疾走する。
悪夢のような光景であった。
「とまぁ、そんなわけで、この肌色の軍団によるストリーキングを止めてください、とのことです。団員は6名、いずれも男。非常に足が速く、疲れると止まりますがラップパフォーマンスで人目を惹き、心理攻撃を狙ってきます。改心……しないんじゃないですかねぇ。もてないって、割とつらいですよ」
受付嬢は若干同情めいた表情を浮かべつつも淡々と述べる。
貴重な聖夜を粗末な裸で乱す不届き者、彼らを煮ますか、焼きますか、服着せますか、どう始末してやりますか。
黒マントで全身を覆い、眼下に街の灯を眺める一団の目に、光はない。『自由の鐘』として、愛の再配分を叫び、革命の名の下、いちゃつく数多のカップルをあの手この手で襲撃し、リア充爆発しろの号令も猛々しく、今日までひた走った彼らである。
しかし、悲しいかな、いくら妨害したところでカップルたちの愛の炎は燃え上がり、触発された同志は一人、また一人と幸せをつかんでは脱落し、祭りは滞りなく運営され、今日のこの日を迎えてしまった。
先頭に立つ長身の男が叫ぶ。
「諸君、決戦の時は来たれり」
叫んだ拍子に水っ洟が顔面にはりついた。
「隊長、寒いです」
横で縮こまる中背の男が、ガタガタと震えながら訴え出る。
「泣くでない! もはや、残された道はただ一つ! 浮かれた連中に、我ら覚悟のほどを見せつけ、祭りの雰囲気をぶち壊すのみ!」
男が深呼吸ののち、勢いよくマントを放り投げた。
「総員、抜刀せよ!」
ばばばばばっと全員がマントを投げ捨てる。
「いざ葬らん、パンツと書いて、モラル!」
一糸まとわぬ彼らの雄たけびが、聖夜のリザリオに響き渡る。
ハンターオフィスの受付にも、当番というものは存在する。
「なーんでこんな日にこんなとこ座ってにゃならんのよ」
オフィス机に顎をのっけて不貞腐れる受付嬢は、花の独身、彼氏なし。故に本日当番を仰せつかった次第である。
「あーあ、やってらんない」
大体一体どこの誰が、こんな日に依頼を持ち込むだろうか。窓辺を通る人々は、皆楽しげに誰かを連れて、各々聖輝節を楽しんでいる。勤務時間内だが、こうなりゃ酒でも飲んでやろうか。
受付嬢の心に悪魔が囁きかけたとき、若い男が息せき切って駆け込んできた。
「すみません!」
男の声に受付嬢ははっと顔を上げ、瞬く間に営業スマイルを作り上げた。
「どうかされましたか」
「大変です! 自由の鐘の残党が、町中でストリーキングを」
なにゆえ年末のこの時期になると人は自棄を起こすのだろう。受付嬢は一呼吸置き、
「全裸ですか」
「全裸です」
寂しさはかくも人を狂わせるのか。いっそ哀れである。
「走らせとけばいいじゃないですか」
「止めてくださいよ!」
「どうせ風邪ひくんだから」
「商売になりませんよ!」
それはそうだ。受付嬢は思い直した。
聖輝節は商売人にとって、年末の収支をプラスに転じる最後の好機である。
「じゃあ、その全裸の一党に服を着せとけばよろしいですか」
相手は何しろ文字通りの丸腰である。多少不愉快は生じても、制圧自体はそれほど難しくはないだろう。
「いや、でもやつら全力疾走なもんで捕まえにくくて、しかも止まるとラップで挑んでくるんです」
「らっぷ?」
「そうです、ラップです。うち、ケーキを売ってるんですけど、白熱するラップバトルにだんだんオーディエンスが増えてきちゃって」
「良かったじゃないですか、ビジネスチャンスですよ」
「マッパのラッパーがたむろする場でケーキが売れると思いますか! 台無しですよ!」
リアルブルー風に赤い帽子と装束を纏った男は、泣き出さん勢いで机をバンバン叩いて訴えた。
その頃、洋菓子店の店先では、鳥肌を立てた一群が、小刻みに体を動かしながら、持参したマイク(音響機器には接続していない)を片手にパフォーマンスに勤しんでいた。
「Hey Yho! 幸せ日曜日、ひとりもん、救う唯一の希望、うちの子猫モフる腹毛、たちまち漏らす、毛布に魔尿! Nyoh! Nyoh! Nyoh! 飛び散る魔尿! 染み込むアンモニア! 布団がねぇ! Ah! 寝るとこねぇ! Oh! 彼女もいねぇ! 悲しき夕暮れ」
懸命に体を揺らしながら涙ぐんでいる。孤独の末に飼い猫にまで背かれた男の魂の叫びであった。
「聖夜が何だ! サンタなんているか! 世界は平等か! 愛をとりもどせ! 持てるものから! 今こそぶちかませ! 我らのライム!」
感極まった隊長が鬨の声を上げる。
「うぉぉぉぉ! 砕け、愛の打鐘! いざ! 出陣!」
拳を振り上げ、男たちが叫び、全力で疾走する。
悪夢のような光景であった。
「とまぁ、そんなわけで、この肌色の軍団によるストリーキングを止めてください、とのことです。団員は6名、いずれも男。非常に足が速く、疲れると止まりますがラップパフォーマンスで人目を惹き、心理攻撃を狙ってきます。改心……しないんじゃないですかねぇ。もてないって、割とつらいですよ」
受付嬢は若干同情めいた表情を浮かべつつも淡々と述べる。
貴重な聖夜を粗末な裸で乱す不届き者、彼らを煮ますか、焼きますか、服着せますか、どう始末してやりますか。
解説
全裸マンらによる営業妨害を阻止し、ケーキ屋さんを救いましょう。ヒントは文中に。
相手は人間です。痛めつけたとしても死なない程度にとどめましょう。尚、描写には随所に蔵倫による監修が加えられます。18禁描写はできかねますのでご了承ください。
相手は人間です。痛めつけたとしても死なない程度にとどめましょう。尚、描写には随所に蔵倫による監修が加えられます。18禁描写はできかねますのでご了承ください。
マスターより
大体の方は初めまして、みみずくです。まだ懲りんのかい、というコメディ回です。クリスマスが今年もやってきましたね。ここに書いてある彼らの心情ですか? ノンフィクションです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/01/13 00:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/02 23:43:14 |
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あの金(カネ)を鳴らしに行こう 銀(ka6662) 鬼|30才|男性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2017/01/04 21:59:33 |