ゲスト
(ka0000)
鋼の薔薇を君に
マスター:えーてる

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2014/10/10 07:30
- リプレイ完成予定
- 2014/10/21 07:30
オープニング
●
蒸気工場都市フマーレ。同盟領でも王国の程近くに位置するこの都市は、名の通り、同盟内部の工業を一手に引き受ける第二次産業の一大拠点だ。
工業都市というイメージとは裏腹に、煉瓦作りの街は清潔に保たれ、公害には都市全体で気を使っている。
とは言え、ヴァリオスに住む大商人の娘には釣り合わない土地である。
「ロレーヌ……良かったのかい、本当に」
彼が不安げにそう口にするのも、無理の無いことである。
「いいのよ、ジュスト。家のことなんて気にしないで」
ロレーヌはそれを分かっている。彼女は微笑んでそう口にした。
彫金師の青年ジュストが彼女と出会ったのは数ヶ月前のこと。きっかけは、ジュストの手がけた百合の銀細工を、ロレーヌが目にした時からだった。
その繊細な細工を彼女は大層気に入ったロレーヌは、ぜひともこれを作った職人が知りたいと、父の仕事にくっついてまでフマーレに来た。
そこで、その職人ジュストに出会い、恋に落ちた。
タガネと槌が打ち合わさり、ヤスリが表面を撫で、時には炎が鉄を炙る度、彼の手の中に花弁が生まれた。
優しげで何処か儚くも幼い印象を持つ彼の、その時の豹変ぶりときたら。
その指の角度の一つに命を掛けるような鬼気迫る挙動に、彼女は完全に魅せられてしまっていた。
ジュストもまた、自分の作品をこよなく愛してくれるロレーヌにすぐに惚れた。器量よく、商家として知恵もある。その楚々とした見かけによらず活動的だ。
そう、活動的すぎた。
「ううん……ここが私の家なの」
「ロレーヌ」
「帰りたくないわ。あなたと一緒にいたい」
駆け落ちである。
彼女は商家の立場をかなぐり捨て、持てるだけの私財を手に、彼の下へと走ったのだ。
「けど、お父さんにバレたら君が」
「大丈夫。私たちが会っていたことなんて、お父様は知らないわ。そりゃあ、貴族に嫁がせる予定だったんだから、カンカンでしょうけどね」
ロレーヌはクスクスと笑って、エプロンを身につけた。栗色のロングヘアがふわりと揺れた。
「さ、ご飯にしましょう?」
●
「今回の依頼は人探しです」
受付嬢イルムトラウトは言って、首にかかった髪を払った。結っていたセミロングの金髪は最近下ろすようになったらしい。
「フマーレの何処かに、とある商家の娘が家出をしたようです。名前は、ロレーヌとだけ伺っています」
どこの家の娘かは秘密ということらしい。あまり事を公にしたくはないということなのだろう。
ロレーヌという女性は、提示された人相書を見る限り、美しい落ち着いた雰囲気の女性だ。物凄く目立つというわけではないが、人目を引く外見である。
「彼女の住居を見つけ出し、件の商会の使いの方に報告をすれば依頼は完了です」
期限は一週間だ。フマーレを隅まで探しまわるとなると時間はかかる。焦らずじっくりやるべきだ。
「それと……これは裏付けのとれていない情報なのですが」
家出の日と同日、この人相に似た女性が乗合馬車から降りて、男性の元へ向かっていったという話だ。
真偽の程は不明だが、考慮する必要はあるだろう、とイルムは言った。理由なく家出をするはずもなく、それが身分違いの異性を原因とする、というのは突飛な発想ではない。
「一人の女性としましては、思うところも多々ありますが。……依頼は目標の滞在地点の発見と報告です。そこを違えることはソサエティの信用に関わります。勿論、その後どうなさるかは皆様次第です」
イルムは眼鏡のフレームを押し上げると、少し居住まいを正した。
「僭越ながら私も同行致します。商会の方との事務手続きはお任せください」
蒸気工場都市フマーレ。同盟領でも王国の程近くに位置するこの都市は、名の通り、同盟内部の工業を一手に引き受ける第二次産業の一大拠点だ。
工業都市というイメージとは裏腹に、煉瓦作りの街は清潔に保たれ、公害には都市全体で気を使っている。
とは言え、ヴァリオスに住む大商人の娘には釣り合わない土地である。
「ロレーヌ……良かったのかい、本当に」
彼が不安げにそう口にするのも、無理の無いことである。
「いいのよ、ジュスト。家のことなんて気にしないで」
ロレーヌはそれを分かっている。彼女は微笑んでそう口にした。
彫金師の青年ジュストが彼女と出会ったのは数ヶ月前のこと。きっかけは、ジュストの手がけた百合の銀細工を、ロレーヌが目にした時からだった。
その繊細な細工を彼女は大層気に入ったロレーヌは、ぜひともこれを作った職人が知りたいと、父の仕事にくっついてまでフマーレに来た。
そこで、その職人ジュストに出会い、恋に落ちた。
タガネと槌が打ち合わさり、ヤスリが表面を撫で、時には炎が鉄を炙る度、彼の手の中に花弁が生まれた。
優しげで何処か儚くも幼い印象を持つ彼の、その時の豹変ぶりときたら。
その指の角度の一つに命を掛けるような鬼気迫る挙動に、彼女は完全に魅せられてしまっていた。
ジュストもまた、自分の作品をこよなく愛してくれるロレーヌにすぐに惚れた。器量よく、商家として知恵もある。その楚々とした見かけによらず活動的だ。
そう、活動的すぎた。
「ううん……ここが私の家なの」
「ロレーヌ」
「帰りたくないわ。あなたと一緒にいたい」
駆け落ちである。
彼女は商家の立場をかなぐり捨て、持てるだけの私財を手に、彼の下へと走ったのだ。
「けど、お父さんにバレたら君が」
「大丈夫。私たちが会っていたことなんて、お父様は知らないわ。そりゃあ、貴族に嫁がせる予定だったんだから、カンカンでしょうけどね」
ロレーヌはクスクスと笑って、エプロンを身につけた。栗色のロングヘアがふわりと揺れた。
「さ、ご飯にしましょう?」
●
「今回の依頼は人探しです」
受付嬢イルムトラウトは言って、首にかかった髪を払った。結っていたセミロングの金髪は最近下ろすようになったらしい。
「フマーレの何処かに、とある商家の娘が家出をしたようです。名前は、ロレーヌとだけ伺っています」
どこの家の娘かは秘密ということらしい。あまり事を公にしたくはないということなのだろう。
ロレーヌという女性は、提示された人相書を見る限り、美しい落ち着いた雰囲気の女性だ。物凄く目立つというわけではないが、人目を引く外見である。
「彼女の住居を見つけ出し、件の商会の使いの方に報告をすれば依頼は完了です」
期限は一週間だ。フマーレを隅まで探しまわるとなると時間はかかる。焦らずじっくりやるべきだ。
「それと……これは裏付けのとれていない情報なのですが」
家出の日と同日、この人相に似た女性が乗合馬車から降りて、男性の元へ向かっていったという話だ。
真偽の程は不明だが、考慮する必要はあるだろう、とイルムは言った。理由なく家出をするはずもなく、それが身分違いの異性を原因とする、というのは突飛な発想ではない。
「一人の女性としましては、思うところも多々ありますが。……依頼は目標の滞在地点の発見と報告です。そこを違えることはソサエティの信用に関わります。勿論、その後どうなさるかは皆様次第です」
イルムは眼鏡のフレームを押し上げると、少し居住まいを正した。
「僭越ながら私も同行致します。商会の方との事務手続きはお任せください」
解説
●目標
フマーレ内部に隠れるロレーヌの発見とその報告
●情報
・フマーレ
同盟における生活必需品や工芸品の生産を担う都市です。
勘違いされがちですが、特殊な機械の研究をする都市ではありません。
公害や汚染に配慮した、衛生的な都市です。
他国への輸出品を生産する工場が多く、経済規模もそれなりです。
他都市と違い、経済が都市一つで十分に循環しているのも特徴でしょう。
労働者が集まる関係上、外から商人が多く集まってくる傾向にあります。
中央をおおよそ南北に大きな川が走り、街を東西に分けています。南は港になっています。
北西に植林地域や緑地公園が広がり、北から順に住宅区、商業区、工業区という構造になっています。
煉瓦造りと、蒸気と白煙。フマーレの街並みはその三つによって彩られています。
>緑地
人々の憩いの場です。北西~北北西の一部が該当します。
>住宅区
フマーレの西~北東にかけて斜めに走る住宅地域です。生活用水路が中央の川に直結しています。
人口密度が都市の中でも最も高いため、住居は団地が多く、一軒家は少ないです。
>商業区
住宅区と工業区の間にある層です。工業区への行き帰りの労働者をターゲットに店を開いたりしています。
件の商会の使いへの報告場所は、ここと住宅区の境にある小さなカフェです。
>工業区
フマーレの全体の半分以上を占める工場、工房の密集区です。
・ロレーヌ
栗色のロングヘアをした女性です。
可愛らしくも楚々とした顔で、落ち着いた印象を与えます。
●補遺
先方の意に沿わない結果を望むならば、何か手立てが必要です。
そしてそれは、ハンターズソサエティの信用を傷つけぬ形でなければなりません。
イルムが同行します。宿の手配や商会との交渉は、特段何もなければ彼女が担当します。
不明な点、判断しかねる事項があればイルムに問い合わせてください。
フマーレ内部に隠れるロレーヌの発見とその報告
●情報
・フマーレ
同盟における生活必需品や工芸品の生産を担う都市です。
勘違いされがちですが、特殊な機械の研究をする都市ではありません。
公害や汚染に配慮した、衛生的な都市です。
他国への輸出品を生産する工場が多く、経済規模もそれなりです。
他都市と違い、経済が都市一つで十分に循環しているのも特徴でしょう。
労働者が集まる関係上、外から商人が多く集まってくる傾向にあります。
中央をおおよそ南北に大きな川が走り、街を東西に分けています。南は港になっています。
北西に植林地域や緑地公園が広がり、北から順に住宅区、商業区、工業区という構造になっています。
煉瓦造りと、蒸気と白煙。フマーレの街並みはその三つによって彩られています。
>緑地
人々の憩いの場です。北西~北北西の一部が該当します。
>住宅区
フマーレの西~北東にかけて斜めに走る住宅地域です。生活用水路が中央の川に直結しています。
人口密度が都市の中でも最も高いため、住居は団地が多く、一軒家は少ないです。
>商業区
住宅区と工業区の間にある層です。工業区への行き帰りの労働者をターゲットに店を開いたりしています。
件の商会の使いへの報告場所は、ここと住宅区の境にある小さなカフェです。
>工業区
フマーレの全体の半分以上を占める工場、工房の密集区です。
・ロレーヌ
栗色のロングヘアをした女性です。
可愛らしくも楚々とした顔で、落ち着いた印象を与えます。
●補遺
先方の意に沿わない結果を望むならば、何か手立てが必要です。
そしてそれは、ハンターズソサエティの信用を傷つけぬ形でなければなりません。
イルムが同行します。宿の手配や商会との交渉は、特段何もなければ彼女が担当します。
不明な点、判断しかねる事項があればイルムに問い合わせてください。
マスターより
えーてるです。ジャンルは迷った末に調査を選びました。
目標人物の居場所を依頼人に伝えることで依頼成功です。勿論、その先登場人物がどうなるかは皆様次第です。
これはこの依頼に限ったことではありませんが、皆様が知恵を寄せあって考え、選ぶことが何よりも重要です。
依頼者や登場人物に関わることを決めたならば、相応の覚悟を持つべきです。
今回は依頼相談期間を延長してあります。密に意見を交わしていただきたく思います。
説得、工作など、解決方法は幾つもあるでしょう。皆様が思う最善を尽くしてください。
皆様の知力と活力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
目標人物の居場所を依頼人に伝えることで依頼成功です。勿論、その先登場人物がどうなるかは皆様次第です。
これはこの依頼に限ったことではありませんが、皆様が知恵を寄せあって考え、選ぶことが何よりも重要です。
依頼者や登場人物に関わることを決めたならば、相応の覚悟を持つべきです。
今回は依頼相談期間を延長してあります。密に意見を交わしていただきたく思います。
説得、工作など、解決方法は幾つもあるでしょう。皆様が思う最善を尽くしてください。
皆様の知力と活力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/20 22:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 上杉浩一(ka0969) 人間(リアルブルー)|45才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2014/10/10 03:26:39 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/04 01:24:29 |