ゲスト
(ka0000)
水底に潜むもの
マスター:CESSNA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/01/16 15:00
- リプレイ完成予定
- 2017/01/25 15:00
オープニング
霧深い山間の寒村に、深い森に囲われた池があった。村の重要な水源である。そこに、1匹の雑魔が住み着いてしまったという。
雑魔の姿が見かけられるようになったのは、1カ月前の嵐の日からである。雑魔はどこからともなくやって来て、池の中に潜り込み、たびたび子供たちや釣り人に襲いかかるようになった。
依頼人の釣り人は、村人全員から掻き集めてきた依頼金を手に、ハンターオフィスを訪れた。
「……池と同じ、緑色の、半漁人みたいなヤツなんです。そんなに大きくは無いんですが、それでも12、3歳の男の子ぐらいはありましたよ。
ひどく不細工な顔で、口が横に大きく裂けていて、そこにズラッと、おっかない牙が並んでいました。陸に上がると、背筋の曲がった珍妙な姿で歩くんですけれど、水中に入ると、これが途轍もなく素早くて、凶暴で。とても私らじゃ手に負えないってことで、ここへ依頼に来たんです」
釣り人は連れのまだ幼い娘の頭を撫でつつ、訴えを続けた。
「そいつは子供を襲うんです。幸い、まだ死人こそ出ていないものの、普段から池で遊んでいた子供たちは皆、池に引きずり込まれそうになって怖い思いをしてます。
ヤツはふいに水面へ現れて、ガバリと飛び上がって、身体を掴んでこようとするんです。他に何にも無い、つまらない村の唯一の遊び場でしたのに、ヤツのせいでもう誰も池へ遊びになんて行きません。
……そんな折に、ついに人が捕まってしまう事件がありました。先日、私と娘と、飼い犬のポロとで、例の池へ釣りに行ったんですが、その時に悲劇は起こったんです。
もちろん私だって、釣りに行く危険は承知でした。ですが、何ぶん別の釣り場まではかなり距離がありまして。結局、あの池に生活を頼らざるを得なかったんです。特に、今年は先月の嵐で畑がひどくやられちまったもんで、他に食べ物を得る手段が無くて……。娘には来るなと言ったんですが、ポロと一緒なら大丈夫と聞かなくて」
視線を向けられると、釣り人の娘は興奮した調子で話に割り込んできた。
「ポロは、強いワンちゃんなのよ! 『ちょっと』乱暴者だけど、パパや私のことを、すごく大切にしてくれるんだもん! あの時だって、ポロがいなかったらパパは……」
釣り人は逸る娘を「ああ、ああ」と宥めると、静々と話を引き継いだ。
「そうなんです。実は、襲われたのはこの私なんです。
私はあの時、釣りが非常に調子良くいってまして、完全に油断していました。ヤツはフッといきなり水際に寄って来たかと思うと、一気に飛び出してきて、私に襲い掛かってきました。……いや、本当は私ではなく、傍らの娘を狙ったのでしょうが、咄嗟に庇ったんです。
ヤツは私の足を掴むと、物凄い力で水中へ引きずり込もうとしました。その時に垣間見た、あの禍々しい目つき、歯並び。生臭さ。もう一生、忘れられないでしょう。私は岸辺の岩にしがみつき、必死で抵抗しましたが、全く敵いませんでした。そして……そして……もうダメだと諦めかけた、まさにその時、ポロが駆けつけてきたんです。
娘も言っていましたが、ポロはとんでもない暴れん坊でして。いつもは、ほとほと手を焼いているんですが、この時ばかりは本当に助かりました。ポロは威勢良く吠え立てながら、果敢にヤツへ突撃していきました。ヤツは襲ってくるポロを認めるなり、途端に顔色を変えて、全速力で池の底へ逃げていきました。それで……私は何とか命拾いをし、ここにいるというわけなんです」
釣り人は思い出して気分が悪くなったのか、沈んだ面持ちで溜息を吐いた。
「すみません。大の男が、情けない……。けれど、村の連中も大概同じような具合で参っちまってます。
雨の日にはアイツが子供を求めて村へ来る、なんて噂もあって。雨が降ると、誰もが家の中に閉じこもってガタガタ震えてるんです。実際に、雨上がりに村から池へと続く道の途中で、ヤツの足跡を見たっていう人もいます。これから雨が増える季節だってのに、これじゃあ、もう、どうしたらいいのか……」
娘は項垂れる父親を心配そうに見上げると、何か覚悟した様子で、力強く担当の者に訴えた。
「あの……私からも、お願いします! もしお金が足りなければ、私のお小遣いも全部払います!
ハンターさんたちに、絶対に、あの悪いヤツをやっつけてもらいたいんです! また皆で安心して遊べるように……パパや村の人たちが、たくさんお魚を取れるように……お池を、守ってほしいんです! ポロも、私も、お手伝いできることは何でもします!」
受付は釣り人親子が差し出した、決して多くは無いが、ずっしりと重みのある依頼金を受け取り、優しく頷いた。
「わかりました。きっと、応じてくださるハンターがいらっしゃいますよ!」
雑魔の姿が見かけられるようになったのは、1カ月前の嵐の日からである。雑魔はどこからともなくやって来て、池の中に潜り込み、たびたび子供たちや釣り人に襲いかかるようになった。
依頼人の釣り人は、村人全員から掻き集めてきた依頼金を手に、ハンターオフィスを訪れた。
「……池と同じ、緑色の、半漁人みたいなヤツなんです。そんなに大きくは無いんですが、それでも12、3歳の男の子ぐらいはありましたよ。
ひどく不細工な顔で、口が横に大きく裂けていて、そこにズラッと、おっかない牙が並んでいました。陸に上がると、背筋の曲がった珍妙な姿で歩くんですけれど、水中に入ると、これが途轍もなく素早くて、凶暴で。とても私らじゃ手に負えないってことで、ここへ依頼に来たんです」
釣り人は連れのまだ幼い娘の頭を撫でつつ、訴えを続けた。
「そいつは子供を襲うんです。幸い、まだ死人こそ出ていないものの、普段から池で遊んでいた子供たちは皆、池に引きずり込まれそうになって怖い思いをしてます。
ヤツはふいに水面へ現れて、ガバリと飛び上がって、身体を掴んでこようとするんです。他に何にも無い、つまらない村の唯一の遊び場でしたのに、ヤツのせいでもう誰も池へ遊びになんて行きません。
……そんな折に、ついに人が捕まってしまう事件がありました。先日、私と娘と、飼い犬のポロとで、例の池へ釣りに行ったんですが、その時に悲劇は起こったんです。
もちろん私だって、釣りに行く危険は承知でした。ですが、何ぶん別の釣り場まではかなり距離がありまして。結局、あの池に生活を頼らざるを得なかったんです。特に、今年は先月の嵐で畑がひどくやられちまったもんで、他に食べ物を得る手段が無くて……。娘には来るなと言ったんですが、ポロと一緒なら大丈夫と聞かなくて」
視線を向けられると、釣り人の娘は興奮した調子で話に割り込んできた。
「ポロは、強いワンちゃんなのよ! 『ちょっと』乱暴者だけど、パパや私のことを、すごく大切にしてくれるんだもん! あの時だって、ポロがいなかったらパパは……」
釣り人は逸る娘を「ああ、ああ」と宥めると、静々と話を引き継いだ。
「そうなんです。実は、襲われたのはこの私なんです。
私はあの時、釣りが非常に調子良くいってまして、完全に油断していました。ヤツはフッといきなり水際に寄って来たかと思うと、一気に飛び出してきて、私に襲い掛かってきました。……いや、本当は私ではなく、傍らの娘を狙ったのでしょうが、咄嗟に庇ったんです。
ヤツは私の足を掴むと、物凄い力で水中へ引きずり込もうとしました。その時に垣間見た、あの禍々しい目つき、歯並び。生臭さ。もう一生、忘れられないでしょう。私は岸辺の岩にしがみつき、必死で抵抗しましたが、全く敵いませんでした。そして……そして……もうダメだと諦めかけた、まさにその時、ポロが駆けつけてきたんです。
娘も言っていましたが、ポロはとんでもない暴れん坊でして。いつもは、ほとほと手を焼いているんですが、この時ばかりは本当に助かりました。ポロは威勢良く吠え立てながら、果敢にヤツへ突撃していきました。ヤツは襲ってくるポロを認めるなり、途端に顔色を変えて、全速力で池の底へ逃げていきました。それで……私は何とか命拾いをし、ここにいるというわけなんです」
釣り人は思い出して気分が悪くなったのか、沈んだ面持ちで溜息を吐いた。
「すみません。大の男が、情けない……。けれど、村の連中も大概同じような具合で参っちまってます。
雨の日にはアイツが子供を求めて村へ来る、なんて噂もあって。雨が降ると、誰もが家の中に閉じこもってガタガタ震えてるんです。実際に、雨上がりに村から池へと続く道の途中で、ヤツの足跡を見たっていう人もいます。これから雨が増える季節だってのに、これじゃあ、もう、どうしたらいいのか……」
娘は項垂れる父親を心配そうに見上げると、何か覚悟した様子で、力強く担当の者に訴えた。
「あの……私からも、お願いします! もしお金が足りなければ、私のお小遣いも全部払います!
ハンターさんたちに、絶対に、あの悪いヤツをやっつけてもらいたいんです! また皆で安心して遊べるように……パパや村の人たちが、たくさんお魚を取れるように……お池を、守ってほしいんです! ポロも、私も、お手伝いできることは何でもします!」
受付は釣り人親子が差し出した、決して多くは無いが、ずっしりと重みのある依頼金を受け取り、優しく頷いた。
「わかりました。きっと、応じてくださるハンターがいらっしゃいますよ!」
解説
●目標
池に潜む雑魔の退治。いつまた戻ってくるかわからないので、逃がすのではなく、確実に仕留めてほしい。
村人に被害が無いのであれば特に手段は厭わない。ただ、池を汚したり潰したりするのは、やむを得ない場合を除いてやめてほしい。
●敵データ
半漁人風の雑魔1匹。普段は水の中に隠れているので、陸上で戦う場合はおびき出す必要がある。力は強いが、知性は低く、武器等は一切使わない。陸上での移動は基本2足歩行で、並の大人よりかは若干足が速い。
手足に大きな水かきがあり、泳ぐのが滅法得意。乾燥を嫌い、基本的には池から出てこず、自ら陸に上がってくるのは雨の日のみ。子供と魚が大好物で、なぜか犬が苦手。
鱗に覆われているため、特に打撃や斬撃に弱いということはない。
●協力者
村人は全員、協力的である。
ただし、雑魔に襲われた子供たちは、もう二度と池に行きたくないと怯えている。唯一、依頼人の釣り人の娘だけが、飼い犬のポロと一緒ならば行っても良いと話している。
●ポロについて
ドーベルマン風の、雄の雑種。全く躾かっていない上、無駄によく吠えるので、黙らせるには飼い主お手製の口元を覆うハーネスが必要となる。また、近くに見慣れない生物がいる時には、特に興奮状態に陥り、制御不能になる。
怪我をさせる可能性が非常に高いので、「なるべくペットは連れて来ない方が……」と飼い主は渋面を作っている。
●ボート
村からはボートが借りられる。せいぜい3人乗りがいいところの手漕ぎボートで、2艘ある。しかし、うち1艘は非常にボロく、安全性を考えるなら、大人1人乗るのが限界。子供ならばもう1、2人ぐらいは追加して乗れるかもしれないが、保証はできない。
●現場の池
村から700メートル程離れた森の中にある。大人の足なら40分ぐらいで一周できる広さ。うっすらと緑色で、透明度が低く、人の目では底は全く見えない。水深は5メートル強。
池に潜む雑魔の退治。いつまた戻ってくるかわからないので、逃がすのではなく、確実に仕留めてほしい。
村人に被害が無いのであれば特に手段は厭わない。ただ、池を汚したり潰したりするのは、やむを得ない場合を除いてやめてほしい。
●敵データ
半漁人風の雑魔1匹。普段は水の中に隠れているので、陸上で戦う場合はおびき出す必要がある。力は強いが、知性は低く、武器等は一切使わない。陸上での移動は基本2足歩行で、並の大人よりかは若干足が速い。
手足に大きな水かきがあり、泳ぐのが滅法得意。乾燥を嫌い、基本的には池から出てこず、自ら陸に上がってくるのは雨の日のみ。子供と魚が大好物で、なぜか犬が苦手。
鱗に覆われているため、特に打撃や斬撃に弱いということはない。
●協力者
村人は全員、協力的である。
ただし、雑魔に襲われた子供たちは、もう二度と池に行きたくないと怯えている。唯一、依頼人の釣り人の娘だけが、飼い犬のポロと一緒ならば行っても良いと話している。
●ポロについて
ドーベルマン風の、雄の雑種。全く躾かっていない上、無駄によく吠えるので、黙らせるには飼い主お手製の口元を覆うハーネスが必要となる。また、近くに見慣れない生物がいる時には、特に興奮状態に陥り、制御不能になる。
怪我をさせる可能性が非常に高いので、「なるべくペットは連れて来ない方が……」と飼い主は渋面を作っている。
●ボート
村からはボートが借りられる。せいぜい3人乗りがいいところの手漕ぎボートで、2艘ある。しかし、うち1艘は非常にボロく、安全性を考えるなら、大人1人乗るのが限界。子供ならばもう1、2人ぐらいは追加して乗れるかもしれないが、保証はできない。
●現場の池
村から700メートル程離れた森の中にある。大人の足なら40分ぐらいで一周できる広さ。うっすらと緑色で、透明度が低く、人の目では底は全く見えない。水深は5メートル強。
マスターより
初めまして。新たにマスターとなりました、CESSNA(セスナ)と申します。これからどうぞよろしくお願いいたします!
さて、今回のシナリオの雑魔ですが、絵的には河童のようなものをイメージして頂ければと思います。(ただし、頭に皿はありません。別に相撲も好きでなく、尻子玉も抜きません)
NPCのペットが出てきますが、この子は獰猛で警戒心が強く、皆さまのペットにお怪我をさせる恐れがあります。万が一お連れになる場合は、くれぐれもご注意ください。
さて、今回のシナリオの雑魔ですが、絵的には河童のようなものをイメージして頂ければと思います。(ただし、頭に皿はありません。別に相撲も好きでなく、尻子玉も抜きません)
NPCのペットが出てきますが、この子は獰猛で警戒心が強く、皆さまのペットにお怪我をさせる恐れがあります。万が一お連れになる場合は、くれぐれもご注意ください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/01/23 22:22
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/12 10:54:32 |
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水底から出てきなさい! カーミン・S・フィールズ(ka1559) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/01/15 22:45:14 |