ゲスト
(ka0000)
シロクマ様と走るアザラシ
マスター:桃谷かな

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/01/18 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/01/27 19:00
オープニング
●雪原の老シロクマ
辺境のとある雪原に、小さな集落があった。
住民はわずか10世帯ほどの小集団で、そのあたりを居住区とする少数部族の1グループに過ぎない。歪虚との接触を避けるため、必要に応じて集落の場所を移しながら生活している流浪の民たちだ。
彼らは農耕や牧畜を一切行わず、果てしない雪原と針葉樹の森でトナカイなどを狩って主食としている。軽い骨組に分厚い毛皮や布をかけた独特の移動式テントを住居とし、厳しい気候の中で昔ながらの生活を営んでいた。
彼らが現在の居住地に移動して来たのは、およそ半年前のこと。
雑魔の目撃が増えた以前の土地を捨て、雪原の中を何日も彷徨った末にこの地を見つけ、新たな集落の場所としたのだ。
そして、後に『シロクマ様』と呼ばれることになる1頭のシロクマが集落に現れたのは、移住から1ヶ月ほど過ぎた頃だった。
それは、歪虚の脅威が迫るこの地においては珍しいほど年老いた、雌の個体。艶がなくボサボサの毛並みと片方の犬歯が抜け落ちたその姿は、彼女に十分な狩りの能力が残されていないことを物語っていた。
大型の獲物を狩ることができない彼女は、いつの頃からか集落のゴミ捨て場で人間の食べ残しを漁るようになり、やがて毎日そこへ通ってくるようになった。
人や犬を恐れることもなくなり、かといってペットのように馴れることも、人を襲うこともなく、残飯を食べては集落の周りをしばらく散歩して帰る。それが彼女の日課だった。
住民たちは、毎日見かける長寿のシロクマを精霊の化身であろうと大切に扱い、一定の距離を保ちながら良好な関係を築いていた。
それだけではない。
集落がオオカミの群れに狙われ、4歳の少女・マウジャが危うくその牙の餌食にならんとした時、彼女は咆哮一つでオオカミを蹴散らし、救ったのだ。
もちろん、彼女にはマウジャを救うつもりなどなく、自身のエサ場をオオカミから守ったに過ぎないのだろうが、その一件を機に彼女は『シロクマ様』と呼ばれ、ますます大切にされるようになっていった。
●シロクマ様の危機
「かあさん、シロクマさまいなかったね。あしたはくる?」
ある日の夕方、集落のゴミ捨て場を訪れたマウジャは、いつもの白くて大きな背中が見えないことに気が付いた。家に帰る道すがら、傍らの母を見上げて問う。
「そうね……どうしたのかしら。明日また来てみましょうね」
首を傾げて答えながら、いつ寿命を迎えても不思議ではない老シロクマを思い、母は少し不安になっていた。
その時。
「大変だ!! シロクマ様が雑魔に襲われたぞ!!!」
狩りから戻った男たちの叫びに、マウジャはピタッと足を止めた。
集落の入り口がにわかに騒がしくなり、テントから出てきた女たちが何事かと駆けて行く。
「シロクマ様が雑魔に追っかけられて、向こうの森に入ってくのを見たんだ!」
「あの体力じゃ逃げ切れるかどうか……」
「おのれ! 神聖なシロクマ様を……!」
「おお、何ということ……。シロクマ様はきっと、集落を雑魔から守るべく自ら囮になられたのじゃ……」
「シロクマ様は集落の恩人よ! 助けに行かなきゃ!!」
「でも雑魔なんて俺たちだけじゃ……」
「クソッ! どうにかならねぇのか!?」
拳を地面に叩きつけ、己の無力を嘆く男たち。女子供は目に涙を浮かべ、精霊たちに祈りを捧げるしかなかった。
「かあさん……。シロクマさま、しんじゃうの……?」
マウジャは母の手を強く握りしめ、震える声でそう尋ねた。
母は無言で彼女を抱き上げると、自らに言い聞かせるようにゆっくりと、噛みしめるように言葉を吐く。
「……大丈夫。大丈夫よ……。シロクマ様は精霊の化身だもの。雑魔になんか、負けないわ」
辺境のとある雪原に、小さな集落があった。
住民はわずか10世帯ほどの小集団で、そのあたりを居住区とする少数部族の1グループに過ぎない。歪虚との接触を避けるため、必要に応じて集落の場所を移しながら生活している流浪の民たちだ。
彼らは農耕や牧畜を一切行わず、果てしない雪原と針葉樹の森でトナカイなどを狩って主食としている。軽い骨組に分厚い毛皮や布をかけた独特の移動式テントを住居とし、厳しい気候の中で昔ながらの生活を営んでいた。
彼らが現在の居住地に移動して来たのは、およそ半年前のこと。
雑魔の目撃が増えた以前の土地を捨て、雪原の中を何日も彷徨った末にこの地を見つけ、新たな集落の場所としたのだ。
そして、後に『シロクマ様』と呼ばれることになる1頭のシロクマが集落に現れたのは、移住から1ヶ月ほど過ぎた頃だった。
それは、歪虚の脅威が迫るこの地においては珍しいほど年老いた、雌の個体。艶がなくボサボサの毛並みと片方の犬歯が抜け落ちたその姿は、彼女に十分な狩りの能力が残されていないことを物語っていた。
大型の獲物を狩ることができない彼女は、いつの頃からか集落のゴミ捨て場で人間の食べ残しを漁るようになり、やがて毎日そこへ通ってくるようになった。
人や犬を恐れることもなくなり、かといってペットのように馴れることも、人を襲うこともなく、残飯を食べては集落の周りをしばらく散歩して帰る。それが彼女の日課だった。
住民たちは、毎日見かける長寿のシロクマを精霊の化身であろうと大切に扱い、一定の距離を保ちながら良好な関係を築いていた。
それだけではない。
集落がオオカミの群れに狙われ、4歳の少女・マウジャが危うくその牙の餌食にならんとした時、彼女は咆哮一つでオオカミを蹴散らし、救ったのだ。
もちろん、彼女にはマウジャを救うつもりなどなく、自身のエサ場をオオカミから守ったに過ぎないのだろうが、その一件を機に彼女は『シロクマ様』と呼ばれ、ますます大切にされるようになっていった。
●シロクマ様の危機
「かあさん、シロクマさまいなかったね。あしたはくる?」
ある日の夕方、集落のゴミ捨て場を訪れたマウジャは、いつもの白くて大きな背中が見えないことに気が付いた。家に帰る道すがら、傍らの母を見上げて問う。
「そうね……どうしたのかしら。明日また来てみましょうね」
首を傾げて答えながら、いつ寿命を迎えても不思議ではない老シロクマを思い、母は少し不安になっていた。
その時。
「大変だ!! シロクマ様が雑魔に襲われたぞ!!!」
狩りから戻った男たちの叫びに、マウジャはピタッと足を止めた。
集落の入り口がにわかに騒がしくなり、テントから出てきた女たちが何事かと駆けて行く。
「シロクマ様が雑魔に追っかけられて、向こうの森に入ってくのを見たんだ!」
「あの体力じゃ逃げ切れるかどうか……」
「おのれ! 神聖なシロクマ様を……!」
「おお、何ということ……。シロクマ様はきっと、集落を雑魔から守るべく自ら囮になられたのじゃ……」
「シロクマ様は集落の恩人よ! 助けに行かなきゃ!!」
「でも雑魔なんて俺たちだけじゃ……」
「クソッ! どうにかならねぇのか!?」
拳を地面に叩きつけ、己の無力を嘆く男たち。女子供は目に涙を浮かべ、精霊たちに祈りを捧げるしかなかった。
「かあさん……。シロクマさま、しんじゃうの……?」
マウジャは母の手を強く握りしめ、震える声でそう尋ねた。
母は無言で彼女を抱き上げると、自らに言い聞かせるようにゆっくりと、噛みしめるように言葉を吐く。
「……大丈夫。大丈夫よ……。シロクマ様は精霊の化身だもの。雑魔になんか、負けないわ」
解説
●依頼内容
辺境のとある少数部族の集落からの依頼です。
雑魔に襲われ、森の中に逃げ込んだ老シロクマを探して安否を確認してください。
また、集落とシロクマの安全のため、雑魔を殲滅してください。
●敵
体長1.5メートルの白いアザラシ型雑魔×4
ただし、下半身はアスリート(男子)っぽい肌色の二本足です。
二足歩行で走りが速く、風に乗って酸っぱいニオイがしたそうです。
●状況
集落から犬ぞりを少し走らせた先にある針葉樹の森に、雑魔に追われてシロクマが逃げ込んだようです。
雑魔は恐らく、森の中か周辺をウロついているでしょう。野生のオオカミなどにも多少の注意が必要です。
森は概ね1時間で1周できる程度の円形で、積雪が深い所も浅い所もあります。森の周囲は全て雪深い雪原です。
シロクマ自身は老齢による体力低下のため、戦うことも森から逃げることもできずにいると思われます。
集落の人が森の近くまで犬ぞりで連れて行ってくれますが、そこから10分ほどは徒歩で森へ向かうことになります。
●その他
普通のシロクマではありますが、集落の人々は『シロクマ様』を精霊の化身だと信じており、集落と少女を救った英雄として大切にしています。
どうか助けてあげてください。
辺境のとある少数部族の集落からの依頼です。
雑魔に襲われ、森の中に逃げ込んだ老シロクマを探して安否を確認してください。
また、集落とシロクマの安全のため、雑魔を殲滅してください。
●敵
体長1.5メートルの白いアザラシ型雑魔×4
ただし、下半身はアスリート(男子)っぽい肌色の二本足です。
二足歩行で走りが速く、風に乗って酸っぱいニオイがしたそうです。
●状況
集落から犬ぞりを少し走らせた先にある針葉樹の森に、雑魔に追われてシロクマが逃げ込んだようです。
雑魔は恐らく、森の中か周辺をウロついているでしょう。野生のオオカミなどにも多少の注意が必要です。
森は概ね1時間で1周できる程度の円形で、積雪が深い所も浅い所もあります。森の周囲は全て雪深い雪原です。
シロクマ自身は老齢による体力低下のため、戦うことも森から逃げることもできずにいると思われます。
集落の人が森の近くまで犬ぞりで連れて行ってくれますが、そこから10分ほどは徒歩で森へ向かうことになります。
●その他
普通のシロクマではありますが、集落の人々は『シロクマ様』を精霊の化身だと信じており、集落と少女を救った英雄として大切にしています。
どうか助けてあげてください。
マスターより
こんにちは。
CTSでマスターをしておりました桃谷です。
このたび辺境のマスターとして活動させていただくことになりましたので、よろしくお願いいたします。
なお、このシナリオは質問卓への回答ができません。
とてもとても普通のシナリオですので、あまり難しく考えず、お気軽にご参加くださいね。
CTSでマスターをしておりました桃谷です。
このたび辺境のマスターとして活動させていただくことになりましたので、よろしくお願いいたします。
なお、このシナリオは質問卓への回答ができません。
とてもとても普通のシナリオですので、あまり難しく考えず、お気軽にご参加くださいね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/01/27 06:18
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ジャンク(ka4072) 人間(クリムゾンウェスト)|53才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/01/18 05:01:35 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/15 15:35:32 |