ゲスト
(ka0000)
【初心】魔女のミルクティー
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/01/22 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/01/31 07:30
オープニング
シャロンは森の奥の小屋に住む祖母のことを、親しみをこめて「魔女ばあちゃん」と呼んでいた。シャロンの母は「いつまでもあんなところに住んで。町で一緒に暮らしましょう、って言ってるのに」といつもぶつぶつ文句を言っていたけれど、シャロンは森の奥の小屋が大好きだった。
魔女ばあちゃんは、小屋へ遊びに行くといつも、あったかくて美味しいミルクティーをご馳走してくれた。
「魔女ばあちゃんの作ってくれるミルクティーは世界一美味しいわ!」
「そうかい。ありがとう」
「ママに何度試してもらっても、このミルクティーの味は出せないの……、どうしてかしら」
「そりゃあ、秘伝のレシピがあるもの」
「秘伝のレシピ!? なあに、それ! 知りたいわ!」
顔を輝かせた八歳の幼いシャロンに、魔女ばあちゃんは悪戯っぽく微笑んだ。
「すぐには教えられないねえ」
「ええー? どうして?」
「だって、秘伝、なんだもの」
「そっか」
シャロンはがっくり肩を落とす。魔女ばあちゃんは、そんなシャロンの目の前に、パッと手を広げて見せた。まるで、本当に魔法をかけるかのような仕草で。
「じゃあね、シャロンが、十五歳になったら、このミルクティーのレシピを伝授してあげよう」
「本当!?」
「もちろん。約束さ」
「約束よ!」
それから七年の歳月が流れた。誕生日の前日、シャロンは一通の手紙を受け取った。
「魔女ばあちゃんからだわ!」
手紙には、ミルクティーのレシピ伝授のため、誕生日当日に森の小屋へ来るように、と書いてあった。
「約束、覚えててくれたのね!」
シャロンは手紙をぎゅっと抱きしめた。そして、大きなバスケットに、ミルクティーにぴったりなシフォンケーキをたっぷり用意した。
● ● ●
砲身が黒光りしている、立派な銃を腰のホルスターに収めて、金髪の女性がうーん、と背伸びをした。
「終わった終わった~! さ、ケイン、あたしの勝ちよ」
「ちぇ、馬鹿な賭けに乗っちまったもんだぜ」
ケインと呼ばれた青年が、舌打ちをしながら細長い箱を出す。
「いいじゃないの、金品を取られるわけじゃないんだから。そんな美味しいマカロン、あんたには勿体ないわよ」
箱の中身はマカロンであるらしい。金髪の女性は満面の笑みでそれを受け取る。
「ふふふ、賭けで勝ち取ったお菓子は格別なのよね~」
彼女の名前は、ミリィ。なかなかに腕のたつハンターだ。友人のケインと組んで、山賊退治の仕事を終わらせたところだった。どちらがたくさんの山賊を倒せるか、賭けていたのである。
「お前のその変な賭けのクセ、抜けないよな」
「そうね、今ではスイーツギャンブラーなんて異名を取ったりしてるわ!」
「その異名、自称だろ?」
「違うわよ!」
ミリィが頬を膨らませた。だが、すぐに笑顔に戻ると、受け取ったマカロンの箱をしっかりと仕舞いこんで、ケインに手を振った。
「じゃ、また機会があれば、お仕事ご一緒しましょ」
ケインと別れ、ほくほくした顔で小道を進んでいくと。何やら森の入り口付近で揉めているらしい声が聞こえてきた。
「だからー、無理だって言ってるじゃないですか」
「でも、私、絶対今日中に行かなくちゃいけないんです!」
困ったようにしているのは、役人らしき男性で、それに喰ってかかっているのは大きなバスケットを持った少女だった。その周囲にも、何人か人影が見える。
(うん? なんか、見たことあるような顔も……)
ミリィが近付いていくと、そのうちの一人が挨拶をしてきた。やはりそうだ。役人と少女の近くにいるのは、ハンターたちだ。それも、後輩ばかりが揃っている。
「どうかしたの?」
挨拶までされたのだから尋ねないわけにもいかず、ミリィが声をかける。後輩ハンターたちや役人らしき男性が事情を説明した。
役人の男性は、この森に雑魔が出るようだと連絡を受け、ハンターオフィスに 退治の依頼を入れたらしい。依頼を受けてやってきたのが、ミリィの後輩ハンターたち、というわけだ。
ところが、いざ出発、というときになって、この少女がやってきた。なんでも、森の奥の小屋に住む祖母のところへ行きたいらしい。今は立ち入り禁止だ、と言っても聞き入れないのだそうだ。
「ふうん……。どうして、そんなにも急いでいるの? おばあさん、危篤だとか?」
「そういうわけじゃないんです。でも、約束が……」
シャロンと名乗った少女は、ミルクティーのレシピを教えてもらう約束があることをミリィに話した。とたんに、ミリィの目がきらりと輝く。
「約束、か。それは守らなくっちゃね。連れて行ってあげたらいいじゃない」
「しかし、この人数ではこの子の護衛までは……」
「あたしが護衛するわ。そもそも、この様子だとお役人さん、森の中に小屋があることを失念してたんじゃない? 雑魔が森に出るなら、そのおばあさんも心配だわ。この子を連れて行って、小屋まで案内してもらうべきよ」
ミリィがよどみなく言うと、図星であったらしい役人の男性が、ぐっと詰まった。
「心配しないで。あたしの分の依頼料を上乗せ請求したりはしないから。その代わり……」
ミリィはにやっと笑ってシャロンを見た。
「そのミルクティーとバスケットの中のシフォンケーキ、あたしにもご馳走してくれない?」
魔女ばあちゃんは、小屋へ遊びに行くといつも、あったかくて美味しいミルクティーをご馳走してくれた。
「魔女ばあちゃんの作ってくれるミルクティーは世界一美味しいわ!」
「そうかい。ありがとう」
「ママに何度試してもらっても、このミルクティーの味は出せないの……、どうしてかしら」
「そりゃあ、秘伝のレシピがあるもの」
「秘伝のレシピ!? なあに、それ! 知りたいわ!」
顔を輝かせた八歳の幼いシャロンに、魔女ばあちゃんは悪戯っぽく微笑んだ。
「すぐには教えられないねえ」
「ええー? どうして?」
「だって、秘伝、なんだもの」
「そっか」
シャロンはがっくり肩を落とす。魔女ばあちゃんは、そんなシャロンの目の前に、パッと手を広げて見せた。まるで、本当に魔法をかけるかのような仕草で。
「じゃあね、シャロンが、十五歳になったら、このミルクティーのレシピを伝授してあげよう」
「本当!?」
「もちろん。約束さ」
「約束よ!」
それから七年の歳月が流れた。誕生日の前日、シャロンは一通の手紙を受け取った。
「魔女ばあちゃんからだわ!」
手紙には、ミルクティーのレシピ伝授のため、誕生日当日に森の小屋へ来るように、と書いてあった。
「約束、覚えててくれたのね!」
シャロンは手紙をぎゅっと抱きしめた。そして、大きなバスケットに、ミルクティーにぴったりなシフォンケーキをたっぷり用意した。
● ● ●
砲身が黒光りしている、立派な銃を腰のホルスターに収めて、金髪の女性がうーん、と背伸びをした。
「終わった終わった~! さ、ケイン、あたしの勝ちよ」
「ちぇ、馬鹿な賭けに乗っちまったもんだぜ」
ケインと呼ばれた青年が、舌打ちをしながら細長い箱を出す。
「いいじゃないの、金品を取られるわけじゃないんだから。そんな美味しいマカロン、あんたには勿体ないわよ」
箱の中身はマカロンであるらしい。金髪の女性は満面の笑みでそれを受け取る。
「ふふふ、賭けで勝ち取ったお菓子は格別なのよね~」
彼女の名前は、ミリィ。なかなかに腕のたつハンターだ。友人のケインと組んで、山賊退治の仕事を終わらせたところだった。どちらがたくさんの山賊を倒せるか、賭けていたのである。
「お前のその変な賭けのクセ、抜けないよな」
「そうね、今ではスイーツギャンブラーなんて異名を取ったりしてるわ!」
「その異名、自称だろ?」
「違うわよ!」
ミリィが頬を膨らませた。だが、すぐに笑顔に戻ると、受け取ったマカロンの箱をしっかりと仕舞いこんで、ケインに手を振った。
「じゃ、また機会があれば、お仕事ご一緒しましょ」
ケインと別れ、ほくほくした顔で小道を進んでいくと。何やら森の入り口付近で揉めているらしい声が聞こえてきた。
「だからー、無理だって言ってるじゃないですか」
「でも、私、絶対今日中に行かなくちゃいけないんです!」
困ったようにしているのは、役人らしき男性で、それに喰ってかかっているのは大きなバスケットを持った少女だった。その周囲にも、何人か人影が見える。
(うん? なんか、見たことあるような顔も……)
ミリィが近付いていくと、そのうちの一人が挨拶をしてきた。やはりそうだ。役人と少女の近くにいるのは、ハンターたちだ。それも、後輩ばかりが揃っている。
「どうかしたの?」
挨拶までされたのだから尋ねないわけにもいかず、ミリィが声をかける。後輩ハンターたちや役人らしき男性が事情を説明した。
役人の男性は、この森に雑魔が出るようだと連絡を受け、ハンターオフィスに 退治の依頼を入れたらしい。依頼を受けてやってきたのが、ミリィの後輩ハンターたち、というわけだ。
ところが、いざ出発、というときになって、この少女がやってきた。なんでも、森の奥の小屋に住む祖母のところへ行きたいらしい。今は立ち入り禁止だ、と言っても聞き入れないのだそうだ。
「ふうん……。どうして、そんなにも急いでいるの? おばあさん、危篤だとか?」
「そういうわけじゃないんです。でも、約束が……」
シャロンと名乗った少女は、ミルクティーのレシピを教えてもらう約束があることをミリィに話した。とたんに、ミリィの目がきらりと輝く。
「約束、か。それは守らなくっちゃね。連れて行ってあげたらいいじゃない」
「しかし、この人数ではこの子の護衛までは……」
「あたしが護衛するわ。そもそも、この様子だとお役人さん、森の中に小屋があることを失念してたんじゃない? 雑魔が森に出るなら、そのおばあさんも心配だわ。この子を連れて行って、小屋まで案内してもらうべきよ」
ミリィがよどみなく言うと、図星であったらしい役人の男性が、ぐっと詰まった。
「心配しないで。あたしの分の依頼料を上乗せ請求したりはしないから。その代わり……」
ミリィはにやっと笑ってシャロンを見た。
「そのミルクティーとバスケットの中のシフォンケーキ、あたしにもご馳走してくれない?」
解説
■成功条件
ミリィに頼ることなく森に出現した雑魔の退治をする。
■森
入り口付近と最奥はかなり光が入り、明るいが、中腹は昼間でも夜のように暗い。
地面は滑らかだが、中腹は光が入りにくいためか、全体的に湿っている。
シャロンの祖母の小屋はこの森の最奥にある。
■雑魔
全長40センチの巨大コウモリ型の雑魔が五体。
飛翔の力が弱く、地上3メートル付近を飛び回る。暗いところを好むが、光にも耐性がある。ただし、炎には弱い。
すばやさはカラス並みとたいしたことはないが、羽ばたきに力強さがあり、翼が肩に当たって脱臼した者がいる。
口には鋭い牙を持つ。毒の有無は不明。
■シャロンの護衛
ミリィが担当。ただし、「シャロンの護衛のみ」を行うため、雑魔退治には参加しない。
ミリィに頼ることなく森に出現した雑魔の退治をする。
■森
入り口付近と最奥はかなり光が入り、明るいが、中腹は昼間でも夜のように暗い。
地面は滑らかだが、中腹は光が入りにくいためか、全体的に湿っている。
シャロンの祖母の小屋はこの森の最奥にある。
■雑魔
全長40センチの巨大コウモリ型の雑魔が五体。
飛翔の力が弱く、地上3メートル付近を飛び回る。暗いところを好むが、光にも耐性がある。ただし、炎には弱い。
すばやさはカラス並みとたいしたことはないが、羽ばたきに力強さがあり、翼が肩に当たって脱臼した者がいる。
口には鋭い牙を持つ。毒の有無は不明。
■シャロンの護衛
ミリィが担当。ただし、「シャロンの護衛のみ」を行うため、雑魔退治には参加しない。
マスターより
こんにちは。紺堂カヤです。
新年1本目のシナリオとなります。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて。
いわゆる、シンプルな雑魔退治のミッションです。
シャロンの安全については、基本的に心配ご無用です。が、親切にしておくと美味しい結末になるかも……?
新年1本目のシナリオとなります。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて。
いわゆる、シンプルな雑魔退治のミッションです。
シャロンの安全については、基本的に心配ご無用です。が、親切にしておくと美味しい結末になるかも……?
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/01/28 02:52
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/20 08:43:11 |
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相談卓 カリメラ・オ・ルヴォワール(ka2493) エルフ|14才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/01/21 23:11:58 |