ゲスト
(ka0000)
【空の研究】セレモニー・ブルースカイ
マスター:紺堂 カヤ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 6~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/01/27 12:00
- リプレイ完成予定
- 2017/02/05 12:00
オープニング
空の研究者、アメリア・マティーナは、長年の目標であった「空の研究所」を設立させた。
私設研究所ではあるがグラズヘイム王国の許可を得た公認の施設であり、研究所の存在意義もはっきりとしている。すなわち。
「空に関する魔法を、王国のために研究・運用すること」
アメリアは、そうつぶやきながら紙にペンを走らせた。彼女は今、スピーチ原稿を作っている。
「……書くのはよいのですがねーえ。これを自分で語らねばならないと思うと、少なからず気が重いですねーえ」
いつも深く深くかぶっているローブのフードの下で、アメリアは苦笑する。必要とあらばどんなことだってこなすアメリアだが、だからといってどんなことも喜ばしく臨めるわけではない。スピーチもそのひとつだ。いくらそのスピーチが、晴れやかな席で発表するものだとはいえ、苦手意識がなくなるわけでもなかった。
「まあ、仕方のないことですけれどね」
アメリアはもう一介の放浪魔術師ではない。「空の研究所」の所長だ。今後ますます、こういった機会は増えていくであろうし、研究以外のことに頭を悩まされることになるのだろう。それについては、充分覚悟をしていた。三日後の開設記念セレモニーで読み上げるスピーチは、アメリアが表舞台に出る第一歩であった。
王国はこれから、まだまだ試練に見舞われるはずだ。中枢の事情までは知ることのかなわないアメリアであっても、その予感くらいは察知している。ほんの微力であったとしても、力になりたい。
「こんにちはー! お邪魔するわよー!」
大きな声が研究所に響いた。アメリアがペンを置いて振り向くと、一人の小柄な女性が立っていた。いっそ橙色にも近いような明るい茶色のロングヘアに、大きなルビーのイヤリングが印象的な溌剌とした美女だった。
「ああ、リナ。お久しぶりですねーえ」
「元気そうね、アメリア。本当に久しぶりだわ。もうどのくらいになるかしら、五年? 六年?」
「そんなところでしょうねーえ。突然お呼びたてして、申し訳ありませんねーえ」
「いいのよお。アメリアの晴れ舞台となれば、そりゃあどこからだって駆けつけるわよ」
カラカラと笑う、リナと呼ばれたこの女性は、アメリアの友人である。唯一の昔なじみ、と言っても過言ではないかもしれない。リナはデザイナー兼仕立て屋で、自分のブランドのブティックを経営している。アメリアがいつも着ているローブも、実はこのリナが作ったものだ。アメリアが王国各地を放浪していたため、顔を合わせる機会は決して多くないのだが、決してアメリアのことを忘れず何年ぶりであっても親しく接してくれる。
「でも、あたしまで呼び寄せるだなんて、セレモニーは大丈夫なの? ほかの招待客は誰?」
「一応、ここに名簿があるのですがねーえ」
アメリアがデスクから一枚の書類を取り上げて見せた。招待客には、王国各地の町村の首長が多い。これまでの魔法の研究で協力してもらった町村だ。リナがふむふむ、と覗き込む。
「あれ? 例のお偉いさんは来ないわけ?」
「お偉いさん……、ああ、ルッツバード氏のことですか。ええ、どうやら出席はかなわないようです。代理で秘書を行かせる、とのお手紙をいただきましたよ」
カリム・ルッツバードは、グラズヘイム王国の貴族である。「空の研究所」の設立にあたり、全面的な資金協力と後援活動を申し出てくれた。
「ふうん……。普通さあ、開設記念セレモニーくらい出席しない? そんなに忙しいわけ?」
「人前に出るのがお好きではないそうですよ。私と似たもの同士かもしれませんねーえ」
「へーえ。まあ、それはいいにしても……、ちょっと人数少なすぎない? ひい、ふう、みい……、せいぜい15人そこそこってところじゃないの。50人規模、とは言わないけど、せめて20人以上はいないと」
「いけませんかねえ」
「来た人ががっかりするわよ。『空の研究所は、たったこれだけしか招待客を集められないのか、その程度のものか』って思われる可能性だってあるわ」
人気ブランドの経営者は伊達ではない。研究所とはいえ、集客力があるのかないのか、はこれからの動きやすさ、研究の進めやすさにもかかわってこよう。
「なるほど。確かにそうですねーえ」
アメリアはもっともだ、とうなずいた。
「ハンターオフィスに連絡してみましょうかねーえ。この研究所の設立には、たくさんのハンターの皆さんに、たくさんお世話になりましたし」
言いながら、アメリアはふと研究所の窓から空を見た。そろそろ、日も暮れる。どんな時間でも、どんな模様であっても、空とは愛でるにふさわしいものだ。
「ああ、空を青く磨き上げる魔法でも、披露しましょうかねーえ」
黒いフードの下の蒼い目が、柔らかく細められた。
私設研究所ではあるがグラズヘイム王国の許可を得た公認の施設であり、研究所の存在意義もはっきりとしている。すなわち。
「空に関する魔法を、王国のために研究・運用すること」
アメリアは、そうつぶやきながら紙にペンを走らせた。彼女は今、スピーチ原稿を作っている。
「……書くのはよいのですがねーえ。これを自分で語らねばならないと思うと、少なからず気が重いですねーえ」
いつも深く深くかぶっているローブのフードの下で、アメリアは苦笑する。必要とあらばどんなことだってこなすアメリアだが、だからといってどんなことも喜ばしく臨めるわけではない。スピーチもそのひとつだ。いくらそのスピーチが、晴れやかな席で発表するものだとはいえ、苦手意識がなくなるわけでもなかった。
「まあ、仕方のないことですけれどね」
アメリアはもう一介の放浪魔術師ではない。「空の研究所」の所長だ。今後ますます、こういった機会は増えていくであろうし、研究以外のことに頭を悩まされることになるのだろう。それについては、充分覚悟をしていた。三日後の開設記念セレモニーで読み上げるスピーチは、アメリアが表舞台に出る第一歩であった。
王国はこれから、まだまだ試練に見舞われるはずだ。中枢の事情までは知ることのかなわないアメリアであっても、その予感くらいは察知している。ほんの微力であったとしても、力になりたい。
「こんにちはー! お邪魔するわよー!」
大きな声が研究所に響いた。アメリアがペンを置いて振り向くと、一人の小柄な女性が立っていた。いっそ橙色にも近いような明るい茶色のロングヘアに、大きなルビーのイヤリングが印象的な溌剌とした美女だった。
「ああ、リナ。お久しぶりですねーえ」
「元気そうね、アメリア。本当に久しぶりだわ。もうどのくらいになるかしら、五年? 六年?」
「そんなところでしょうねーえ。突然お呼びたてして、申し訳ありませんねーえ」
「いいのよお。アメリアの晴れ舞台となれば、そりゃあどこからだって駆けつけるわよ」
カラカラと笑う、リナと呼ばれたこの女性は、アメリアの友人である。唯一の昔なじみ、と言っても過言ではないかもしれない。リナはデザイナー兼仕立て屋で、自分のブランドのブティックを経営している。アメリアがいつも着ているローブも、実はこのリナが作ったものだ。アメリアが王国各地を放浪していたため、顔を合わせる機会は決して多くないのだが、決してアメリアのことを忘れず何年ぶりであっても親しく接してくれる。
「でも、あたしまで呼び寄せるだなんて、セレモニーは大丈夫なの? ほかの招待客は誰?」
「一応、ここに名簿があるのですがねーえ」
アメリアがデスクから一枚の書類を取り上げて見せた。招待客には、王国各地の町村の首長が多い。これまでの魔法の研究で協力してもらった町村だ。リナがふむふむ、と覗き込む。
「あれ? 例のお偉いさんは来ないわけ?」
「お偉いさん……、ああ、ルッツバード氏のことですか。ええ、どうやら出席はかなわないようです。代理で秘書を行かせる、とのお手紙をいただきましたよ」
カリム・ルッツバードは、グラズヘイム王国の貴族である。「空の研究所」の設立にあたり、全面的な資金協力と後援活動を申し出てくれた。
「ふうん……。普通さあ、開設記念セレモニーくらい出席しない? そんなに忙しいわけ?」
「人前に出るのがお好きではないそうですよ。私と似たもの同士かもしれませんねーえ」
「へーえ。まあ、それはいいにしても……、ちょっと人数少なすぎない? ひい、ふう、みい……、せいぜい15人そこそこってところじゃないの。50人規模、とは言わないけど、せめて20人以上はいないと」
「いけませんかねえ」
「来た人ががっかりするわよ。『空の研究所は、たったこれだけしか招待客を集められないのか、その程度のものか』って思われる可能性だってあるわ」
人気ブランドの経営者は伊達ではない。研究所とはいえ、集客力があるのかないのか、はこれからの動きやすさ、研究の進めやすさにもかかわってこよう。
「なるほど。確かにそうですねーえ」
アメリアはもっともだ、とうなずいた。
「ハンターオフィスに連絡してみましょうかねーえ。この研究所の設立には、たくさんのハンターの皆さんに、たくさんお世話になりましたし」
言いながら、アメリアはふと研究所の窓から空を見た。そろそろ、日も暮れる。どんな時間でも、どんな模様であっても、空とは愛でるにふさわしいものだ。
「ああ、空を青く磨き上げる魔法でも、披露しましょうかねーえ」
黒いフードの下の蒼い目が、柔らかく細められた。
解説
■成功条件
セレモニーに出席し、楽しく過ごす。
■主な招待客
○トリイ・シールズ……「空の研究所」の後援者である貴族カリム・ルッツバードの秘書。にこにこと愛想の良い青年。
○リナ……アメリアの唯一の友人。洋服のブランドを立ち上げ、ブティックも経営。物言いのはっきりした姐さん気質の女性。
○各地方の首長、もしくはその代理……アメリアが過去に立ち寄った村などの関係者。『蝶とスターライト』の舞台となった村の村長など。
■開設記念セレモニー
「空の研究所」の開設を祝うセレモニー。
アメリアのスピーチと、来賓挨拶のほかは立食パーティとなる。
加えて、アメリアがちょっとした出し物のようなものを用意している……?
セレモニーに出席し、楽しく過ごす。
■主な招待客
○トリイ・シールズ……「空の研究所」の後援者である貴族カリム・ルッツバードの秘書。にこにこと愛想の良い青年。
○リナ……アメリアの唯一の友人。洋服のブランドを立ち上げ、ブティックも経営。物言いのはっきりした姐さん気質の女性。
○各地方の首長、もしくはその代理……アメリアが過去に立ち寄った村などの関係者。『蝶とスターライト』の舞台となった村の村長など。
■開設記念セレモニー
「空の研究所」の開設を祝うセレモニー。
アメリアのスピーチと、来賓挨拶のほかは立食パーティとなる。
加えて、アメリアがちょっとした出し物のようなものを用意している……?
マスターより
皆さまごきげんいかがでしょうか。紺堂でございます。
ようやく開設となりました「空の研究所」。一緒に祝っていただけたらと思います。
基本的には、セレモニーを楽しんで貰えたら結構です。美味しいものを食べに来てください!
人数合わせ……(げふんげふん)えー、セレモニーを賑やかにしてもらうための募集ですので、これまでの【空の研究】シリーズをまったくご存じなくても問題ありません!
また、「アメリアともっと話したい!」と思われていた方は、是非この機会に!
いままではお話の進行上入れることができずにはぐらかしてきた「昔の話」なんかも、話せる範囲で話してくれると思いますので、ご質問などがありましたら是非。
ようやく開設となりました「空の研究所」。一緒に祝っていただけたらと思います。
基本的には、セレモニーを楽しんで貰えたら結構です。美味しいものを食べに来てください!
人数合わせ……(げふんげふん)えー、セレモニーを賑やかにしてもらうための募集ですので、これまでの【空の研究】シリーズをまったくご存じなくても問題ありません!
また、「アメリアともっと話したい!」と思われていた方は、是非この機会に!
いままではお話の進行上入れることができずにはぐらかしてきた「昔の話」なんかも、話せる範囲で話してくれると思いますので、ご質問などがありましたら是非。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/02/02 19:25
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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開設記念セレモニー ジルボ(ka1732) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/01/26 23:22:50 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/26 19:28:00 |