ゲスト
(ka0000)
【王臨】雑貨屋、王国へ戻る
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/02/07 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/02/16 19:00
オープニング
●病気前触れ
リゼリオを出発し、転移門でグラズヘイム王国の王都にやってきた雑貨屋の三人組。
リゼリオにある雑貨屋喫茶という店の買い出しと、オーナーたるルーベン・クーリオの実家に寄るといった旅だった。
ルーベンとライル・サヴィスはシールがグラズヘイム入りを嫌がるかと心配はしていたが、とりあえず問題はなかったようだ。
さて、ルーベンの実家においては三十路は超えた彼に跡取り問題等も含めて親戚一同、あれこれ言う。
「ルーベンさん、いい加減結婚なさい」
「大体、なぜ商人に、あのまま行けばあなただって」
隅っこでシールとライルはおいしいご飯をまずく食べていた。
ルーベンの実家を後にした直後、三人は王都で話題の店に走り込んでおいしい料理をおいしく食べて出発することにする。
リゼリオに戻るのは途中は少々陸路を使う。仕入れもしたいというルーベンの意向であり、二人は先に戻すことも考えたが、シールがついてくる気満々だったためそれはそれでよしとなる。
街道沿いに進み、村で宿泊することとなった。西に寄って、地域を区切るような丘が少し連なるところ。
「げふっ。ちょっと、悪寒がするんですよねぇ」
ライルが視点が合わない目で震えている。シールはちらりと彼を見て、毛布を投げつけた。
「ああ、シール君の優しさが身に沁みます」
「オーナーにうつすな!」
シールの言葉にライルは笑おうとしたが、節々が痛むので顔をしかめただけだった。
「大丈夫かい? まあ、私も寒いなと思うから、ライル君、風邪をひく前触れだろうから早く寝なさい」
ルーベンは寝ることを勧める。
「え? オーナー寒いですか? 薪、もっともらってきますね!」
シールは毛布をルーベンに広げて渡し、薪をもらいに部屋を出た。
「……シール君は元気ですねぇ……ですね……げふっ。冗談抜きで体の節々が痛いんですが」
「私もだよ。明日、医者呼んでもらおうかな」
「明日になれば治るとはおもいますけど……すみません、ルーベンさん」
「いやいい……イスルダ島の話も耳にしたから話しておいたほうが……」
「げほげほ」
「くしゃん」
二人はくしゃみと咳、悪寒に包まれる。
シールが急いで薪をくべる。
「僕がきちんと火を見ていますから、しっかり寝てください」
「シール君もきちんと寝るんだよ?」
「はい!」
ルーベンは寝床に入る。
体が異様に冷えている上、熱くなってくるような気がしてならなかった。
●風邪か
翌朝、地獄が待っていた。
「げふっ」
「シール君、君は部屋を別にとりなさい」
「……オーナー!? 僕が頑張って看病します! お医者さんを呼んできた方がいいですね」
泣き出しそうな顔でシールはルーベンに近寄ろうとするが、彼が止める。
「駄目です、たぶん、二人とも強力な風邪だよ」
「オーナーの風邪なら僕はかかってもいい!」
いつものライルならここで笑うが、意識がもうろうとして突っ込むどころではない。
「そういう問題ではないよ。ぐっ……医者……この村にいるなら。それより、体が温まるようなハーブティーを」
「分かりました!」
シールは飛び出していった。
「お、俺も同じ症状なんだが……」
体中が痛いのを抑えつつ、ライルが布団の中に潜っていった。
この日、シールは戻ってこなかった。宿の人が用意した茶を飲み、食事をとり、心配しつつも自身の体調とも戦いながら一晩を過ごした。
●そして
ハンターに依頼が舞い込んだ。
村まで出向いて依頼人の話を聞くこととなる。
「皆さん、すみません。まだ体調が思わしくなくて、こんな格好で」
げっそりと痩せている雰囲気のルーベンが頭に氷嚢を載せせき込む。
「宿の人に聞いた話によると、村の裏丘にある木の枝を取りに行ったそうです」
その葉は風邪の症状を穏やかにすると言われており、味もすっきりしておいしいのだという。
「行方不明になるような丘ではないとのことですし、本当は私たちが探しに行くべきなのですが」
「ご覧の有様です、げふっ」
ルーベンとライルは震える。
「シール君は元気ですから……とは思うのですが、我々のこの状況を考えると、ぶっ倒れている可能性もあるんでしょうかねぇ」
ライルがげほげほ言いながら情報を付き加えた。
「……この辺りは大きな争い等聞きませんが少し行ったら……ハルトフォート砦はありますけど……」
普通程度の危険はあるのだ、ゴブリンが通った、オオカミが腹すかせていたのに出会ったとか。べリアル部下の逃亡等もないとは限らない。
「皆さんのお力を是非に……ぐっ……背中が」
「ちょ、肋骨あたりが痛いですよ……」
依頼人たちはせき込む。
●足取りと、その先と
シールは宿の人にルーベンのことを頼んだ後、宿の人が教えてくれた薬草の生えるところに向かった。前の丘と言われる丘の上の方に池があり、そこに生えている木の葉は万病に行くと言って昔から大切にしていたという。もちろん、万病に効くわけではないが。
丘に登って景色を見て、シールはハッとする。
遠くまで見渡せる場所で、平地も見えた。
その先には砦や海があるというのは地理を知っていると想像できた。
ルーベンのため、ライルはむかつくと考えることで忘れてきていたことが思い出される。
『この子なら殺していいですわっ!』
『姉さん、やめて』
『――様っぁああぁ!』
足が震える。
心臓が激しくなる。
脳に響く声を振り払うように首を横に振った。
「僕は今は……ルーベンさんと一緒にいるんだ。リゼリオに帰るんだ。風邪を治して帰る」
リゼリオでの日々は彼の中で今のすべて。今は楽しいのだ、怖いことはないのだ。
近所の人、通りすがりのハンター、泣いている子、笑っている人……。
「帰ろう」
ガサガサ。
パキ。
何か音がした。
野生動物かと思い様子を見る。
「メエエ」
シールはそれを見た瞬間、真っ青になる。
「あらあ、人間がいるのです?」
「……ま、まさかっ!」
シールは血の気が引いた。一気に走り出す。
捕まってはいけない……。
「本当、子供は何故、こういうことが好きなのですか? あたくしの弟は本当いい子でしたわ」
シールを追うように笑い声と捕獲命令が下される。
リゼリオを出発し、転移門でグラズヘイム王国の王都にやってきた雑貨屋の三人組。
リゼリオにある雑貨屋喫茶という店の買い出しと、オーナーたるルーベン・クーリオの実家に寄るといった旅だった。
ルーベンとライル・サヴィスはシールがグラズヘイム入りを嫌がるかと心配はしていたが、とりあえず問題はなかったようだ。
さて、ルーベンの実家においては三十路は超えた彼に跡取り問題等も含めて親戚一同、あれこれ言う。
「ルーベンさん、いい加減結婚なさい」
「大体、なぜ商人に、あのまま行けばあなただって」
隅っこでシールとライルはおいしいご飯をまずく食べていた。
ルーベンの実家を後にした直後、三人は王都で話題の店に走り込んでおいしい料理をおいしく食べて出発することにする。
リゼリオに戻るのは途中は少々陸路を使う。仕入れもしたいというルーベンの意向であり、二人は先に戻すことも考えたが、シールがついてくる気満々だったためそれはそれでよしとなる。
街道沿いに進み、村で宿泊することとなった。西に寄って、地域を区切るような丘が少し連なるところ。
「げふっ。ちょっと、悪寒がするんですよねぇ」
ライルが視点が合わない目で震えている。シールはちらりと彼を見て、毛布を投げつけた。
「ああ、シール君の優しさが身に沁みます」
「オーナーにうつすな!」
シールの言葉にライルは笑おうとしたが、節々が痛むので顔をしかめただけだった。
「大丈夫かい? まあ、私も寒いなと思うから、ライル君、風邪をひく前触れだろうから早く寝なさい」
ルーベンは寝ることを勧める。
「え? オーナー寒いですか? 薪、もっともらってきますね!」
シールは毛布をルーベンに広げて渡し、薪をもらいに部屋を出た。
「……シール君は元気ですねぇ……ですね……げふっ。冗談抜きで体の節々が痛いんですが」
「私もだよ。明日、医者呼んでもらおうかな」
「明日になれば治るとはおもいますけど……すみません、ルーベンさん」
「いやいい……イスルダ島の話も耳にしたから話しておいたほうが……」
「げほげほ」
「くしゃん」
二人はくしゃみと咳、悪寒に包まれる。
シールが急いで薪をくべる。
「僕がきちんと火を見ていますから、しっかり寝てください」
「シール君もきちんと寝るんだよ?」
「はい!」
ルーベンは寝床に入る。
体が異様に冷えている上、熱くなってくるような気がしてならなかった。
●風邪か
翌朝、地獄が待っていた。
「げふっ」
「シール君、君は部屋を別にとりなさい」
「……オーナー!? 僕が頑張って看病します! お医者さんを呼んできた方がいいですね」
泣き出しそうな顔でシールはルーベンに近寄ろうとするが、彼が止める。
「駄目です、たぶん、二人とも強力な風邪だよ」
「オーナーの風邪なら僕はかかってもいい!」
いつものライルならここで笑うが、意識がもうろうとして突っ込むどころではない。
「そういう問題ではないよ。ぐっ……医者……この村にいるなら。それより、体が温まるようなハーブティーを」
「分かりました!」
シールは飛び出していった。
「お、俺も同じ症状なんだが……」
体中が痛いのを抑えつつ、ライルが布団の中に潜っていった。
この日、シールは戻ってこなかった。宿の人が用意した茶を飲み、食事をとり、心配しつつも自身の体調とも戦いながら一晩を過ごした。
●そして
ハンターに依頼が舞い込んだ。
村まで出向いて依頼人の話を聞くこととなる。
「皆さん、すみません。まだ体調が思わしくなくて、こんな格好で」
げっそりと痩せている雰囲気のルーベンが頭に氷嚢を載せせき込む。
「宿の人に聞いた話によると、村の裏丘にある木の枝を取りに行ったそうです」
その葉は風邪の症状を穏やかにすると言われており、味もすっきりしておいしいのだという。
「行方不明になるような丘ではないとのことですし、本当は私たちが探しに行くべきなのですが」
「ご覧の有様です、げふっ」
ルーベンとライルは震える。
「シール君は元気ですから……とは思うのですが、我々のこの状況を考えると、ぶっ倒れている可能性もあるんでしょうかねぇ」
ライルがげほげほ言いながら情報を付き加えた。
「……この辺りは大きな争い等聞きませんが少し行ったら……ハルトフォート砦はありますけど……」
普通程度の危険はあるのだ、ゴブリンが通った、オオカミが腹すかせていたのに出会ったとか。べリアル部下の逃亡等もないとは限らない。
「皆さんのお力を是非に……ぐっ……背中が」
「ちょ、肋骨あたりが痛いですよ……」
依頼人たちはせき込む。
●足取りと、その先と
シールは宿の人にルーベンのことを頼んだ後、宿の人が教えてくれた薬草の生えるところに向かった。前の丘と言われる丘の上の方に池があり、そこに生えている木の葉は万病に行くと言って昔から大切にしていたという。もちろん、万病に効くわけではないが。
丘に登って景色を見て、シールはハッとする。
遠くまで見渡せる場所で、平地も見えた。
その先には砦や海があるというのは地理を知っていると想像できた。
ルーベンのため、ライルはむかつくと考えることで忘れてきていたことが思い出される。
『この子なら殺していいですわっ!』
『姉さん、やめて』
『――様っぁああぁ!』
足が震える。
心臓が激しくなる。
脳に響く声を振り払うように首を横に振った。
「僕は今は……ルーベンさんと一緒にいるんだ。リゼリオに帰るんだ。風邪を治して帰る」
リゼリオでの日々は彼の中で今のすべて。今は楽しいのだ、怖いことはないのだ。
近所の人、通りすがりのハンター、泣いている子、笑っている人……。
「帰ろう」
ガサガサ。
パキ。
何か音がした。
野生動物かと思い様子を見る。
「メエエ」
シールはそれを見た瞬間、真っ青になる。
「あらあ、人間がいるのです?」
「……ま、まさかっ!」
シールは血の気が引いた。一気に走り出す。
捕まってはいけない……。
「本当、子供は何故、こういうことが好きなのですか? あたくしの弟は本当いい子でしたわ」
シールを追うように笑い声と捕獲命令が下される。
解説
行方不明のシールを探してください。
●丘の状況
村にとって裏山ならぬ裏丘なのだが、2つある。その手前の丘に池はあり、シールが行った場所。
全体的に、木は茂っているが、道はしっかりある。奥の丘に徒歩で行っても半日もあれば十分戻ってこられる。
道から外れると灌木、小さな洞穴、倒れた木などもある。隠れられると分かりにくいのは事実。
●NPC
・シール 元気な15歳の少年。リゼリオにある「雑貨屋喫茶」の店長兼店員。
・ライル・サヴィス へらへらしている雰囲気の青年。「雑貨屋喫茶」の店員兼トラブルメーカー。現在、ひどい風邪で動けない。
・ルーベン・クーリオ 三十代半ばの男性。体格がよく騎士だったと言われたら信じれそう。「雑貨屋喫茶」のオーナー。グラズヘイム王国に実家がある。現在、ひどい風邪で動けない。
●敵情報(PL情報)
・エッタ・サヴィス 傲慢の歪虚。攻撃を反射する能力を持ってはいるがそれ以外は不明。なお、現在負傷している(「【王臨】少年、茶会に招待する」で負傷。読んでも読まなくてもかまいません)。
・馬な雑魔×1 馬です。エッタが乗ってます。
・羊型歪虚×6 一般的にみられる羊型の歪虚です。駆け出しハンターでも倒せますが、魔法も使える為、油断は禁物と言えます。
※エッタを倒すこともできるかもしれませんが、PCさんはここに歪虚がいると知らない状態ですので、倒せないということ前提で判定は考えています。倒せたら倒せたで問題ないです。
●丘の状況
村にとって裏山ならぬ裏丘なのだが、2つある。その手前の丘に池はあり、シールが行った場所。
全体的に、木は茂っているが、道はしっかりある。奥の丘に徒歩で行っても半日もあれば十分戻ってこられる。
道から外れると灌木、小さな洞穴、倒れた木などもある。隠れられると分かりにくいのは事実。
●NPC
・シール 元気な15歳の少年。リゼリオにある「雑貨屋喫茶」の店長兼店員。
・ライル・サヴィス へらへらしている雰囲気の青年。「雑貨屋喫茶」の店員兼トラブルメーカー。現在、ひどい風邪で動けない。
・ルーベン・クーリオ 三十代半ばの男性。体格がよく騎士だったと言われたら信じれそう。「雑貨屋喫茶」のオーナー。グラズヘイム王国に実家がある。現在、ひどい風邪で動けない。
●敵情報(PL情報)
・エッタ・サヴィス 傲慢の歪虚。攻撃を反射する能力を持ってはいるがそれ以外は不明。なお、現在負傷している(「【王臨】少年、茶会に招待する」で負傷。読んでも読まなくてもかまいません)。
・馬な雑魔×1 馬です。エッタが乗ってます。
・羊型歪虚×6 一般的にみられる羊型の歪虚です。駆け出しハンターでも倒せますが、魔法も使える為、油断は禁物と言えます。
※エッタを倒すこともできるかもしれませんが、PCさんはここに歪虚がいると知らない状態ですので、倒せないということ前提で判定は考えています。倒せたら倒せたで問題ないです。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
「【CF】キラキラ輝く愛の手を」に出たNPCシール&ライル、プラスしてオーナー。
まさかの再登場。
その上……ライルに苗字ついてる……とか。
よろしくお願いします。
「【CF】キラキラ輝く愛の手を」に出たNPCシール&ライル、プラスしてオーナー。
まさかの再登場。
その上……ライルに苗字ついてる……とか。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/02/13 19:53
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/02/07 07:46:38 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/05 22:11:09 |