ゲスト
(ka0000)
復興への足掛かり
マスター:赤山優牙
このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 6~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/02/13 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/02/27 09:00
オープニング
●蓬生の行方
憤怒歪虚の残党を率いていた『九蛇頭尾大黒狐 蓬生』は、憤怒本陣での攻防戦で姿を消している。
以後の所在は不明だ。幕府はその行方を求めて探索を続けているが決定的な情報は得られていない。
「……」
「……」
龍尾城の一室に二人の侍。
エトファリカ征夷大将軍である立花院 紫草 (kz0126) と、大轟寺 蒼人の二人だった。
「大轟寺家の力を持ってしても、行方は掴めませんでしたか」
「面目ないです」
紫草は報告書を蒼人へと返した。
大轟寺家は朝廷と縁が深い武家の一つである。隠密的な役割を担ってきたのだが、それだとしても、蓬生の行方は掴みきれなかった。
「蓬生の事です。動き出す時は、既に何かの策を講じての事なはずですからね」
深刻そうな表情を浮かべた紫草。
今までの憤怒歪虚とは性質が異なる。怒りに身を任せて突撃してくる方が、まだ組み易いというものだ。
「引き続き、調査を継続します」
「頼みますよ、蒼人。それと、十鳥城の方はどうでしたか?」
十鳥城は現在、幕府の直轄領となっており、代官を何名か派遣している。
蒼人は十鳥城の監視役でもあった。
「えと……」
バツが悪そうな蒼人の態度。
ポリポリと頭を掻き、メガネの位置を直してから申し訳なさそうに言った。
「実は探索に忙しくて、ほとんどー。把握してないです」
「……まだまだですね」
十鳥城の復興の事もそうだが、蒼人の仕事ぶりにもだ。
だが、責める事は出来ない。そもそも、十鳥城は現在、幕府の直轄領。その長は、当然、紫草になるのだから。
「あ。でも、なんだか、新しい事を始めるとかなんだか」
「興味深い話ですね」
「農業? 栽培? なにかやるみたいです」
蒼人の答えになっていない言葉に紫草は苦笑した。
これは、“自分”で直接見た方が早いと思ったからだ。
●栽培
カカオ豆の栽培には、長江のような湿潤な気候と土壌が必要であるのは分かっていた。
長江から西に位置する十鳥城一帯は、この条件を満たしていない。
満たしていないが――条件を満たす場所、いわば、長江の西端までの距離は、遠くはなかった。
「……なるほど。生産から加工、交易まで一括した農園経営ですか。考えましたね」
説明を聞いたタチバナの言葉に緊張しまくりの正秋が背筋を伸ばして返事をした。
「は、はい! ハンター達の助言で思い付きました」
「彼らは色々な経験や豊富な知識を持っています。良い縁に恵まれましたね」
良縁に恵まれるかどうかは運もあるが、正秋自身の人柄や持った生まれた力というものだろう。
助けてくれる、力になってくれる存在が居るという事は、かけがえのないものだ。
「しかし、前途多難な状態には変わりはないようですね」
「憤怒歪虚の残党と、雑魔。農園と街道の整備が当面の目的です」
カカオ豆の木が群生している丘を見つけたので、農園の整備はすぐに開始できるだろうが、やはり、歪虚や雑魔の存在が邪魔となっていた。
「それだけではありませんよ。そもそも、長江一帯は十鳥城の領地ではありませんからね」
ある意味、勝手に領地を増やそうという行為でもある。
見方によっては幕府を敵に回すようなものだ。武家の中には心良く思わない者もいるかもしれない。
「申し訳ありません!」
もう腹を切る覚悟のような勢いで平伏する正秋。
しかし、タチバナは怒っていなかった。顔を上げるように伝えると、手を伸ばす。
「ここに、“征夷大将軍”は居ませんよ、正秋殿」
「将ぐ……タチバナ様、どう致せば?」
「知っての通り、歪虚残党はまだまだ残っています。蓬生の行方も不明ですし、警戒は必要な状況ですからね」
そのタチバナの台詞に正秋は考える。
戦う事ぐらいしかまともに出来ない自分達が、出来る事を。
「……蓬生の行方!」
正秋が奇跡的にも答えにたどり着いたようだった。
「早速、幕府へ書状を書きたいと思います!」
●出陣
長江に蓬生の分体が現れたのは、憤怒本陣攻略前の事だ。ハンター達の活躍により退けたのは記憶に新しい。
本体か分体か分からないが、蓬生らしき人物が長江一帯で目撃されたとの情報を“得た”十鳥城は幕府へと書状を出した。
つまり、長江での探索に協力する為、兵を出すという事だ。
「よっしゃ、出陣だな!」
正秋の盟友、瞬が威勢良く叫んだ。
この所、城で書類に追われる日々だったからか、体を動かせる事が嬉しい様子だ。
「瞬……すまない。留守番を頼む」
「えー!」
代官である正秋が外に出るのだ。誰か留守番が居ないといけないのだろう。
駄々をこねるような瞬は、正秋の隣に居る浪人――タチバナ――に対して言った。
「てめぇ、冴えない顔してねーで、しっかり働け。正秋になにかあったら、ただで帰れると思うなよ!」
その浪人が将軍だと知らないとはいえ、恐ろしい発言だ。
刀を振り回しながら城へと戻っていく瞬の背中を見送りながら、正秋は気が遠くなりかけた意識を辛うじて繋ぐ。
「ご、ご無礼申し訳ありません」
「なんの事でしょうか」
ニッコリと笑ったタチバナが無駄に怖いと正秋は思った。
今回、長江西端への派兵には、正秋とタチバナの他、ハンター達も同行する事になっている。
城の財政の為、出せる報酬は少ないが――それも、ほとんどはタチバナの“後援者”からの援助だ。
「生産が安定すれば、長江一帯での栽培で特産が増えますからね。先駆者がいるなら支援して経過を見たいというのが“後援者”の考えなのでしょう」
「頑張ります!」
気合を入れる正秋だった。
憤怒歪虚の残党を率いていた『九蛇頭尾大黒狐 蓬生』は、憤怒本陣での攻防戦で姿を消している。
以後の所在は不明だ。幕府はその行方を求めて探索を続けているが決定的な情報は得られていない。
「……」
「……」
龍尾城の一室に二人の侍。
エトファリカ征夷大将軍である立花院 紫草 (kz0126) と、大轟寺 蒼人の二人だった。
「大轟寺家の力を持ってしても、行方は掴めませんでしたか」
「面目ないです」
紫草は報告書を蒼人へと返した。
大轟寺家は朝廷と縁が深い武家の一つである。隠密的な役割を担ってきたのだが、それだとしても、蓬生の行方は掴みきれなかった。
「蓬生の事です。動き出す時は、既に何かの策を講じての事なはずですからね」
深刻そうな表情を浮かべた紫草。
今までの憤怒歪虚とは性質が異なる。怒りに身を任せて突撃してくる方が、まだ組み易いというものだ。
「引き続き、調査を継続します」
「頼みますよ、蒼人。それと、十鳥城の方はどうでしたか?」
十鳥城は現在、幕府の直轄領となっており、代官を何名か派遣している。
蒼人は十鳥城の監視役でもあった。
「えと……」
バツが悪そうな蒼人の態度。
ポリポリと頭を掻き、メガネの位置を直してから申し訳なさそうに言った。
「実は探索に忙しくて、ほとんどー。把握してないです」
「……まだまだですね」
十鳥城の復興の事もそうだが、蒼人の仕事ぶりにもだ。
だが、責める事は出来ない。そもそも、十鳥城は現在、幕府の直轄領。その長は、当然、紫草になるのだから。
「あ。でも、なんだか、新しい事を始めるとかなんだか」
「興味深い話ですね」
「農業? 栽培? なにかやるみたいです」
蒼人の答えになっていない言葉に紫草は苦笑した。
これは、“自分”で直接見た方が早いと思ったからだ。
●栽培
カカオ豆の栽培には、長江のような湿潤な気候と土壌が必要であるのは分かっていた。
長江から西に位置する十鳥城一帯は、この条件を満たしていない。
満たしていないが――条件を満たす場所、いわば、長江の西端までの距離は、遠くはなかった。
「……なるほど。生産から加工、交易まで一括した農園経営ですか。考えましたね」
説明を聞いたタチバナの言葉に緊張しまくりの正秋が背筋を伸ばして返事をした。
「は、はい! ハンター達の助言で思い付きました」
「彼らは色々な経験や豊富な知識を持っています。良い縁に恵まれましたね」
良縁に恵まれるかどうかは運もあるが、正秋自身の人柄や持った生まれた力というものだろう。
助けてくれる、力になってくれる存在が居るという事は、かけがえのないものだ。
「しかし、前途多難な状態には変わりはないようですね」
「憤怒歪虚の残党と、雑魔。農園と街道の整備が当面の目的です」
カカオ豆の木が群生している丘を見つけたので、農園の整備はすぐに開始できるだろうが、やはり、歪虚や雑魔の存在が邪魔となっていた。
「それだけではありませんよ。そもそも、長江一帯は十鳥城の領地ではありませんからね」
ある意味、勝手に領地を増やそうという行為でもある。
見方によっては幕府を敵に回すようなものだ。武家の中には心良く思わない者もいるかもしれない。
「申し訳ありません!」
もう腹を切る覚悟のような勢いで平伏する正秋。
しかし、タチバナは怒っていなかった。顔を上げるように伝えると、手を伸ばす。
「ここに、“征夷大将軍”は居ませんよ、正秋殿」
「将ぐ……タチバナ様、どう致せば?」
「知っての通り、歪虚残党はまだまだ残っています。蓬生の行方も不明ですし、警戒は必要な状況ですからね」
そのタチバナの台詞に正秋は考える。
戦う事ぐらいしかまともに出来ない自分達が、出来る事を。
「……蓬生の行方!」
正秋が奇跡的にも答えにたどり着いたようだった。
「早速、幕府へ書状を書きたいと思います!」
●出陣
長江に蓬生の分体が現れたのは、憤怒本陣攻略前の事だ。ハンター達の活躍により退けたのは記憶に新しい。
本体か分体か分からないが、蓬生らしき人物が長江一帯で目撃されたとの情報を“得た”十鳥城は幕府へと書状を出した。
つまり、長江での探索に協力する為、兵を出すという事だ。
「よっしゃ、出陣だな!」
正秋の盟友、瞬が威勢良く叫んだ。
この所、城で書類に追われる日々だったからか、体を動かせる事が嬉しい様子だ。
「瞬……すまない。留守番を頼む」
「えー!」
代官である正秋が外に出るのだ。誰か留守番が居ないといけないのだろう。
駄々をこねるような瞬は、正秋の隣に居る浪人――タチバナ――に対して言った。
「てめぇ、冴えない顔してねーで、しっかり働け。正秋になにかあったら、ただで帰れると思うなよ!」
その浪人が将軍だと知らないとはいえ、恐ろしい発言だ。
刀を振り回しながら城へと戻っていく瞬の背中を見送りながら、正秋は気が遠くなりかけた意識を辛うじて繋ぐ。
「ご、ご無礼申し訳ありません」
「なんの事でしょうか」
ニッコリと笑ったタチバナが無駄に怖いと正秋は思った。
今回、長江西端への派兵には、正秋とタチバナの他、ハンター達も同行する事になっている。
城の財政の為、出せる報酬は少ないが――それも、ほとんどはタチバナの“後援者”からの援助だ。
「生産が安定すれば、長江一帯での栽培で特産が増えますからね。先駆者がいるなら支援して経過を見たいというのが“後援者”の考えなのでしょう」
「頑張ります!」
気合を入れる正秋だった。
解説
●目的
残党討伐
●内容
長江西端で憤怒歪虚の残党を討伐する
●戦闘条件
カカオ豆が群生している丘に至る前に歪虚や雑魔との遭遇戦になる
当日の天候は霧雨。視界が悪く5スクエアより遠くは見えない
足元は荒地で凹凸もあり、騎乗は危険
●歪虚
虎マッチョ 10体
顔が虎な鳩マッチョの変異版。それなりに強い。武器は鍛え抜かれた筋肉
筋肉による近接攻撃の他、筋肉による射撃、筋肉による魔法に注意されたし
●雑魔
鳩マッチョ(胸筋強化ver)20体
胸肉が異様に盛り上がっている鳩マッチョ雑魔。胸以外は大した事がない亜種
●味方
立花院 紫草 (kz0126) タチバナver
立花紫之介と名乗る、冴えない浪人の姿。しのさんとも呼ばれる
反則級に強いが、戦闘で目立つと色々とよく無いので、積極的には戦わない
仁々木 正秋(ににぎ せいしゅう)
十鳥城で代々、代官を務めていた家柄の一人息子。親しい人には、“まさあき”と呼ばれている
【西参】で、武勲を挙げたのもあり、父と同じく、十鳥城の代官として任命された。闘狩人
●戦闘後
無事に歪虚との遭遇戦を突破し、殲滅させるとカカオ豆が群生している丘に到着します
その頃には霧雨はすっかりと晴れ、見晴らしがいい事でしょう
なお、収穫されたカカオ豆は十鳥城へと運ばれますので、残念ながらハンターの手には渡りません
残党討伐
●内容
長江西端で憤怒歪虚の残党を討伐する
●戦闘条件
カカオ豆が群生している丘に至る前に歪虚や雑魔との遭遇戦になる
当日の天候は霧雨。視界が悪く5スクエアより遠くは見えない
足元は荒地で凹凸もあり、騎乗は危険
●歪虚
虎マッチョ 10体
顔が虎な鳩マッチョの変異版。それなりに強い。武器は鍛え抜かれた筋肉
筋肉による近接攻撃の他、筋肉による射撃、筋肉による魔法に注意されたし
●雑魔
鳩マッチョ(胸筋強化ver)20体
胸肉が異様に盛り上がっている鳩マッチョ雑魔。胸以外は大した事がない亜種
●味方
立花院 紫草 (kz0126) タチバナver
立花紫之介と名乗る、冴えない浪人の姿。しのさんとも呼ばれる
反則級に強いが、戦闘で目立つと色々とよく無いので、積極的には戦わない
仁々木 正秋(ににぎ せいしゅう)
十鳥城で代々、代官を務めていた家柄の一人息子。親しい人には、“まさあき”と呼ばれている
【西参】で、武勲を挙げたのもあり、父と同じく、十鳥城の代官として任命された。闘狩人
●戦闘後
無事に歪虚との遭遇戦を突破し、殲滅させるとカカオ豆が群生している丘に到着します
その頃には霧雨はすっかりと晴れ、見晴らしがいい事でしょう
なお、収穫されたカカオ豆は十鳥城へと運ばれますので、残念ながらハンターの手には渡りません
マスターより
●挨拶
筋肉とはいったいなにか、考えさせられます。ADivMSの赤山優牙です。
今年もバレンタインな季節がやって来ましたね。えぇ、自分自身には無関係ですが。
●攻略のヒント
NPCが強いからといって油断していると、敵が逃げ出して討ち漏らしがある可能性があります。
その場合、達成度は上がらないので、お気を付け下さい。
筋肉とはいったいなにか、考えさせられます。ADivMSの赤山優牙です。
今年もバレンタインな季節がやって来ましたね。えぇ、自分自身には無関係ですが。
●攻略のヒント
NPCが強いからといって油断していると、敵が逃げ出して討ち漏らしがある可能性があります。
その場合、達成度は上がらないので、お気を付け下さい。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/02/20 04:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/11 20:52:40 |
||
相談卓 本多 七葵(ka4740) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2017/02/12 21:12:32 |