• 日常

戦う乙女のがぁるずとぉく。

マスター:鮎川 渓

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
サポート
現在0人 / 0~6人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
5日
プレイング締切
2017/02/16 07:30
リプレイ完成予定
2017/02/25 07:30

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

●戦う女性の恋愛事情を取材したいの
「うあー……ヒマぁ」
 ここはとあるハンターズソサエティ支部。
 黒髪の少年がカウンターの内側に座り、だらしなく突っ伏していた。
 その頭を職員の女性がファイルで叩く。
「痛っ、何すんのぉ? 髪乱れちゃう」
「女々しいこと言ってんじゃないわよ玲、この駄ハンター!」
 駄ハンターこと玲の「ヒマ」の言葉に反し、奥で書類の山と格闘していた彼女・モリスは目をつり上げる。
「年末年始に立て込んだイベントやら何やらの事後処理で大変なの! 『支部のお手伝い』の名目でソコ座ってんなら手伝いなさいよ!」
「えームリぃ、僕お箸より重い物なんて持ったことないしぃ」
「フザケンナ! 君そもそも大精霊と契約した覚醒者でしょ? 依頼に行きなさい依頼に!」
「えームリぃ、僕元々インドアだしぃ外出るとかホント無理、戦うとかマジ勘弁なんだけどぉ」
 ぶりっ子よろしく頬に手を当てのたまう玲に、モリスはがしがしと頭を掻きむしる。
「っあああぁぁ、何でこんなヤツと契約したかなぁ大精霊サマは!?」
「リアルブルー出身だからねぇ、マテリアルとの親和性がナントカ……ま、一言で言うと才能的な?」
 その言葉でついにモリスがキレた。
 細っこい玲の腰をがしっと掴み、カウンターの外へ押し出そうとする。
「うっせえ! ここで働かないなら依頼に行け! 他人様のお役に立て! 雑魔の一匹でも討伐して来やがれぃ!」
「いーやーだぁー! 誰か助けてぇ、可愛い玲クンが逆セクハラ受けてるよー!」 
「やかましぃっ、しまいにゃどつくぞ!」
 追い出そうとするモリスと抵抗する玲とで、果てしなくみっともない争いを繰り広げていたまさにその時。

 キィッと扉が開き、ひとりの老女がやって来た。
「あら、お取込み中だったかしら?」
 白髪をきっちりとひっつめたその老女は、物腰といい身なりといい品がある。
 天の助けとばかりに、玲は背筋を伸ばし取り澄ます。
「とんでもありません、ご依頼ですか? 僕が承ります」
 行儀よく一礼した玲の変貌ぶりに、モリスは心の中でハンカチをギリギリした。

 玲は、勧めた椅子に老女が腰かけるのを待って尋ねる。
「それで、ご依頼の内容はどういったものでしょう?」
「実はね」
 老女は春風のように微笑む。
「戦う女性の恋愛事情を取材したいの」
「――は?」


●もうすぐバレンタインですもの
「劇作家さんでいらしたんですね。それで次作の取材に、と」
 老女の職業を聞きモリスは首肯する。
 リアルブルー出身の玲は、
「クリムゾンウェストにも『劇作家』って職業があるんだ」
 ぽつりとひとりごちる。それを聞き老女は目を輝かせた。
「まぁ、貴方リアルブルーのご出身なのね? あちらのように『映画』、でしたかしら? そういったものはないけれど、お芝居を楽しむ文化はこちらにもありますのよ」
「僕ヒッキー……いえ、まだこちらに慣れてないもので知りませんでした。脚本を書くお仕事なんてすごいですね」
 褒める玲に、老女は頬を赤らめる。
「そんな大それた者ではありませんわ。あら失礼、自己紹介がまだでしたわね。私、ヘイディ・バーリと申しますの」
 その名にモリスがガタッと立ち上がる。
「ヘイディ・バーリ!?」
 突然呼び捨てたモリスに対しても、老女・ヘイディは笑みを崩さずふんわりと頬を緩める。
「あらまぁ、私をご存知? お恥ずかしい」
「全ッ然恥ずかしいことなんかないです、ファンです! 前作の悲恋物とっても良かったです泣きました号泣しました鼻水も出ましたもうとっても……!」
「ちょっとモリスさん、一旦落ち着こうか? ね?」
 身を乗り出して唾飛ばすモリスを椅子に座らせ、玲はヘイディに非礼を詫びた。もっとも、ヘイディは全く気にしてない風だったが。

「それでお友達の旅楽団長さんから、『恋に悩める戦乙女』をヒロインにした歌劇の脚本を依頼されたのだけれど」
「歌劇、」
 オペラみたいなモンかな? と玲は内心首を捻る。
「私、お恥ずかしながら戦うどころか、運動さえ苦手で……文学少女だったものですから」
「文学少女、」
 それ自分で言っちゃうんだ、と玲は唇の内でツッコんだがさておいて。
「戦う女性ならではの出逢いや悩みなんかも、きっと皆さんおありでしょう? けれどそういったものがなかなか想像できなくて……ですから、ハンターとして活動する女性達が秘めた繊細な恋心を、こっそりお聞かせ願えないかと思いましたの」
「繊細な恋心、」
 おっとこのお婆さん歳の割に乙女回路満開だぞ、と玲は以下略。
「けれど恋愛に関するお話を伺うのに、こちらのロビーの一角をお借りして……というわけには参りませんでしょう?」
 ヘイディは壁に下げられた暦に目をやる。
「もうじきバレンタインデーですわね。リアルブルーでも、女性が恋人やお慕いする方にチョコレートを送って、想いを告げる日だとか」
 玲はバレンタインデー本来の意味を思い出し苦笑い。
「んーまぁ、僕がいた日本ではそうでしたね。女性に縁遠い男達がもれなく打ちのめされる恐ろしい日です」
「あら、とっても素敵なイベントですのに」
 ヘイディはまるで少女のように首を傾げる。
「折角そういうイベントも近いことですから、拙宅に皆さんをお招きして、お菓子を作りながらお話を聞けたらと思っていますの」
 そう言ってうっとり微笑むヘイディの頭の中では、甘い香りに包まれきゃっきゃうふふと恋バナに花咲かす、可憐な乙女達の光景が浮かんでいるに違いない。
 このお婆さん満開どころか爆発してんぞと玲は以下略。

 日取りなどの条件が決まると、ヘイディは品よく席を立つ。
「それでは――宜しくお願いしますわね。皆様のお越しをお待ちしておりますわ」

解説

【はじめに】
・本依頼は、
『両思い・片思い問わず恋する女性』もしくは、
『今は恋していないけれど恋がしたい女性』限定の依頼です。
ここで言う『女性』とは身体的性別ではなく精神的性別を指し、心が女性、あるいは女性寄りならばご参加いただけます。
・お相手の性別は問いません。

○依頼の趣旨
劇作家ヘイディ宅にて、お菓子を作りつつ貴女の恋にまつわるお話を聞かせてください。
取材という名目ではありますが、和やかにガールズトークを楽しんで頂ければ成功です。
プレイングの最初に、恋人がいる方は【両思い】、片思い中の方は【片思い】、
特定の想い人がいない方は【未恋】のタグをお願いします。

○ヘイディの取材内容
【両思い】【片思い】の方へ
・お相手と出会った経緯
・お相手の好きなところ
・恋にまつわる悩みか、印象深いエピソードなど(あれば)
注)お相手が『本依頼に参加されていないPC様』の場合、お名前をリプレイ上で表記することはできません。
外見等の特徴をご記入いただければほんのりと描写いたします。
(サポートで参加される場合は可。リプレイではサポートの方も少しではありますが登場して頂く予定です)

【未恋】の方へ
・今恋するに至っていない理由(依頼三昧で忙しい等)
・理想の恋人像
・理想の告白やデートのシチュエーションなど(あれば)

○サポート参加について
依頼の性質上、男性がサポート参加をされる場合は同席不可とします。
現場までの送迎やエプロン調達にとどめてください。

○その他
・作るお菓子はザッハトルテ。材料や器具は全てヘイディが用意します。
・希望者にはエプロンの貸し出しがあります(但しヘイディチョイスのTHE☆おとめちっくエプロン)。
・エプロン持参の場合は、装備になくともプレイングで対応します。
・作ったお菓子は一部試食後、お土産としてお配りします。

マスターより

こんにちは、鮎川と申します。
もうすぐバレンタイン、ということで。
取材にかこつけて、普段は言えない恋人への想いや意中の彼がいかに好きか、どんだけ恋に飢えているかなどをぶっちゃけあい、ガールズトークをお楽しみください。
皆様のご参加・プレイング、心よりお待ちしております。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/02/24 22:39

参加者一覧

  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • Lady Rose
    ロス・バーミリオン(ka4718
    人間(蒼)|32才|男性|舞刀士
  • 絆を繋ぐ
    ヘルヴェル(ka4784
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • お約束のツナサンド
    アルスレーテ・フュラー(ka6148
    エルフ|27才|女性|格闘士
  • 孤独なる蹴撃手
    骸香(ka6223
    鬼|21才|女性|疾影士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/02/14 00:31:58
アイコン 相談?雑談?卓
アルスレーテ・フュラー(ka6148
エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2017/02/16 00:44:26