ゲスト
(ka0000)
【黒祀】塹壕と弓矢と雑魔
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2014/10/14 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/23 19:00
オープニング
夜闇が包む草原に、少女が二人居た。彼方を眺めながら、片割れが口を開く。
「楽しみだね!」
「いえ、とても不愉快だわ」
「……なんで?」
「フラベル。貴女が愉しそうだからよ」
「にひっ! クラベル、それ、ほんとにっ?」
「嘘よ」
少女達の姿は、鏡写しのように似ていた。ただ、その声色だけが大きく異なる。夫々に沈まぬ太陽と、光を返さぬ新月を想起させる声音。
「面倒くさい仕事だなと思っただけ」
「そうかな。大事なことだよ?」
「どうでもいいことだわ」
クラベルと呼ばれた少女は憂鬱な息を吐き、言う。
「誰も彼も皆、勝手に踊り狂っていればいい。貴女も」
「にひっ」
フラベルと呼ばれた少女は晴れやかに笑い、言う。
「うん、踊ってくるねっ! 一杯一杯殺して、褒めてもらうんだぁ」
●
馬車馬に複数の矢が突き立ち、どう、と重い音を立てて倒れた。
「敵襲!」
「旦那を守れ!」
傭兵が盾を並べて雇用主を守り、反撃の糸口を探るため周囲を厳しく警戒する。
とん、とん、と軽い音と共に馬車に矢が突き刺さる。
「どこからだ」
傭兵のリーダーが危険を承知で前に出る。
人も地面も夕焼け色に染まり酷く視界が悪い。
かん、と甲高い音が胸甲から響く。
「そこか!」
剣を振るう。
二の矢と三の矢を見事打ち砕く、という展開にはならなず空振りする。
宙の矢を切る技量があるならもっと割のよい仕事にありつけているので当然すぎる展開だ。
「大将!」
「あんたは頭脳担当でしょうがっ」
「大人しく肉壁やってろ!」
部下からの暖かい声援に肩を落として後退する。立派なスーツアーマーが子供のように落ち込むのは寸劇にも見えた。
かん、こん、きん、と矢が鉄鎧を貫けずにはじき返され地面に落ちる。
「見つけました。雑魔の野郎、40メートル先の窪地から打ってきてます」
「数は!」
「ひのふの……」
唐突に、ひひんと悲痛な嘶きが響いた。
「反対側から矢がっ」
慌てる部下。緊張に耐えかね気絶する商人。そして、重装甲を生かして馬を庇うリーダー。
刺さったのは尻の1本だけだ。聖堂教会に駆け込めば問題なく直る。
「撃ち返せ!」
ショートボウを構えて反撃する男達。
矢の数は雑魔の倍はあり、射撃開始から数分後には雑魔の反撃は途絶えていた。
否。途絶えていたのではなく、まるで最初から計画していたように撤退していたのだった。
●
3Dディスプレイに、全身鎧が弓を構えている姿が映し出された。
画面の端っこには、推定です、多分こうなってます、間違ってたらごめんねっ、という文章が繰り返し表示されている。
全身鎧型雑魔は街道を進む馬車へ攻撃し、少しでも被害が出そうなら矢だけ放って逃げ出している。
それが2度3度と繰り返される。
襲われる側も1度襲撃された後は皆護衛をつけていたのに、雑魔は窪んだ地形を塹壕のように利用して一方的に攻撃し、常に戦力を保ったまま追撃を振り切っている。
「同じ雑魔が何度も街道を襲ってる?」
「ゲリラ屋のやり口じゃねぇか。雑魔にそんな知恵があるのか?」
ディスプレイを見てハンターが口々に言う。
非常にきなくさい。表示を信じるなら弓が使えるだけの紙装甲並腕力の雑魔だが、ろくでもない罠を使ってくるかもしれない。
「リスクが大きすぎる」
「俺ぁ罠を踏みつぶせるほど強くねぇ」
馬車貸し出しマス、何があっても損害賠償しなくていいヨという文が右から左に流れていく。が、依頼を見てうける気になるハンターは、なかなか現れそうになかった。
「楽しみだね!」
「いえ、とても不愉快だわ」
「……なんで?」
「フラベル。貴女が愉しそうだからよ」
「にひっ! クラベル、それ、ほんとにっ?」
「嘘よ」
少女達の姿は、鏡写しのように似ていた。ただ、その声色だけが大きく異なる。夫々に沈まぬ太陽と、光を返さぬ新月を想起させる声音。
「面倒くさい仕事だなと思っただけ」
「そうかな。大事なことだよ?」
「どうでもいいことだわ」
クラベルと呼ばれた少女は憂鬱な息を吐き、言う。
「誰も彼も皆、勝手に踊り狂っていればいい。貴女も」
「にひっ」
フラベルと呼ばれた少女は晴れやかに笑い、言う。
「うん、踊ってくるねっ! 一杯一杯殺して、褒めてもらうんだぁ」
●
馬車馬に複数の矢が突き立ち、どう、と重い音を立てて倒れた。
「敵襲!」
「旦那を守れ!」
傭兵が盾を並べて雇用主を守り、反撃の糸口を探るため周囲を厳しく警戒する。
とん、とん、と軽い音と共に馬車に矢が突き刺さる。
「どこからだ」
傭兵のリーダーが危険を承知で前に出る。
人も地面も夕焼け色に染まり酷く視界が悪い。
かん、と甲高い音が胸甲から響く。
「そこか!」
剣を振るう。
二の矢と三の矢を見事打ち砕く、という展開にはならなず空振りする。
宙の矢を切る技量があるならもっと割のよい仕事にありつけているので当然すぎる展開だ。
「大将!」
「あんたは頭脳担当でしょうがっ」
「大人しく肉壁やってろ!」
部下からの暖かい声援に肩を落として後退する。立派なスーツアーマーが子供のように落ち込むのは寸劇にも見えた。
かん、こん、きん、と矢が鉄鎧を貫けずにはじき返され地面に落ちる。
「見つけました。雑魔の野郎、40メートル先の窪地から打ってきてます」
「数は!」
「ひのふの……」
唐突に、ひひんと悲痛な嘶きが響いた。
「反対側から矢がっ」
慌てる部下。緊張に耐えかね気絶する商人。そして、重装甲を生かして馬を庇うリーダー。
刺さったのは尻の1本だけだ。聖堂教会に駆け込めば問題なく直る。
「撃ち返せ!」
ショートボウを構えて反撃する男達。
矢の数は雑魔の倍はあり、射撃開始から数分後には雑魔の反撃は途絶えていた。
否。途絶えていたのではなく、まるで最初から計画していたように撤退していたのだった。
●
3Dディスプレイに、全身鎧が弓を構えている姿が映し出された。
画面の端っこには、推定です、多分こうなってます、間違ってたらごめんねっ、という文章が繰り返し表示されている。
全身鎧型雑魔は街道を進む馬車へ攻撃し、少しでも被害が出そうなら矢だけ放って逃げ出している。
それが2度3度と繰り返される。
襲われる側も1度襲撃された後は皆護衛をつけていたのに、雑魔は窪んだ地形を塹壕のように利用して一方的に攻撃し、常に戦力を保ったまま追撃を振り切っている。
「同じ雑魔が何度も街道を襲ってる?」
「ゲリラ屋のやり口じゃねぇか。雑魔にそんな知恵があるのか?」
ディスプレイを見てハンターが口々に言う。
非常にきなくさい。表示を信じるなら弓が使えるだけの紙装甲並腕力の雑魔だが、ろくでもない罠を使ってくるかもしれない。
「リスクが大きすぎる」
「俺ぁ罠を踏みつぶせるほど強くねぇ」
馬車貸し出しマス、何があっても損害賠償しなくていいヨという文が右から左に流れていく。が、依頼を見てうける気になるハンターは、なかなか現れそうになかった。
解説
●大雑把な地図(1文字縦横20メートル)
林 道 林
林 窪 骸 窪 林
林 道 林
林 道 窪 林
林林林 道 林
林 道 林林
林 道 林林
街道は幅4メートルで石畳有り。
林には人の手がほとんど入っていないため、入ると移動力が低下しますし、見通せません。
それ以外は草原です。人間より大きなものが隠れることができる穴が複数有ります。位置が判明している穴は「窪」と表示されています。
「骸」の道の脇に馬車馬の亡骸が2つ、未知の中央に横転した荷車が1つあります。積み荷はカボチャでした。
ハンターが上記地図の一番下の列に到着したとき、雑魔は上から2行目から5行目に計6体隠れています。
到着時刻はハンターが選べます。
●敵戦力
弓装備全身鎧型雑魔6体。
攻撃手段は射程4~20の弓のみ。命中100前後。低威力。
移動力は3。他の能力は知性も含めてすべて低めです。
弓も体の一部で、判定の際は腕の一部として扱われます。ハンターの攻撃で壊れる可能性はありますが、普通に攻撃した方が結果的に楽に倒せるかもしれません。
●貸し出し可能物品
馬車1台。重量物の運搬に向いた馬2頭と大型の幌馬車です。御者はいません。使わなくてもOK。
※重要
この依頼で乗用馬が失われることは基本的にありません。
ただし、矢の盾にする、罠に気づかず全速力で踏み込む等、非常に危険な扱いをしたら死ぬ可能性があります。
林 道 林
林 窪 骸 窪 林
林 道 林
林 道 窪 林
林林林 道 林
林 道 林林
林 道 林林
街道は幅4メートルで石畳有り。
林には人の手がほとんど入っていないため、入ると移動力が低下しますし、見通せません。
それ以外は草原です。人間より大きなものが隠れることができる穴が複数有ります。位置が判明している穴は「窪」と表示されています。
「骸」の道の脇に馬車馬の亡骸が2つ、未知の中央に横転した荷車が1つあります。積み荷はカボチャでした。
ハンターが上記地図の一番下の列に到着したとき、雑魔は上から2行目から5行目に計6体隠れています。
到着時刻はハンターが選べます。
●敵戦力
弓装備全身鎧型雑魔6体。
攻撃手段は射程4~20の弓のみ。命中100前後。低威力。
移動力は3。他の能力は知性も含めてすべて低めです。
弓も体の一部で、判定の際は腕の一部として扱われます。ハンターの攻撃で壊れる可能性はありますが、普通に攻撃した方が結果的に楽に倒せるかもしれません。
●貸し出し可能物品
馬車1台。重量物の運搬に向いた馬2頭と大型の幌馬車です。御者はいません。使わなくてもOK。
※重要
この依頼で乗用馬が失われることは基本的にありません。
ただし、矢の盾にする、罠に気づかず全速力で踏み込む等、非常に危険な扱いをしたら死ぬ可能性があります。
マスターより
この依頼に登場する雑魔は、弓使い雑魔6体のみです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/21 01:45
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼相談場所 音桐 奏(ka2951) 人間(リアルブルー)|26才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2014/10/14 18:30:38 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/10 22:57:40 |