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【血盟】救世主と呼ばれた男
マスター:朝臣あむ

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~3人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/02/21 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/03/04 19:00
オープニング
●救世主となりて
東方本土の東側に位置する島に1人の男が召喚された。
彼は救世主になるべく召喚された異世界人で、島民はすぐさま彼を黒龍に会わせることを提案した。
この時、東方は大規模な歪虚の侵攻を受けていた。男はその闘いに参加するべく覚醒者となる事を望まれたのだ。
「貴方が望んで来た訳ではないのに、わたくしたちは貴方に闘って欲しいと願うのです。なんと浅ましく愚かな願いなのか……」
島民を束ねる四十八家門の1つ、宗野家の当主の娘は愁い気に目を伏せて呟くと、自らとその周囲の想いを恥じるように息を吐いた。
その仕草に男の肩が竦められる。
「ミーは構いませんよ。救世主なんて胸ワクなワードです。それに日本文化に憧れてましたし、刀も振れるなんて悪い話ではないです」
「ですが、覚醒者になればあなたは確実に前戦へ――」
「ノープロブレム。ミーが覚醒者になったら救世主になれるのですよね? なら救世主は世界を救うまで死なないのです! これはファンタジー世界の常識ですよ?」
「ふぁんたじー? あの……それはどういう……」
戸惑う娘に「HAHAHA」と笑って男は踵を返した。
この後、男は覚醒者となって娘の前に戻ってくる。そして男の長い長い闘いが幕を上げたのだった。
●英雄となりて
「ふははは、まさに鬼神の様な闘いぶりよ! 正に我が宗野の救世主。我等が東方の守り神だわい!」
男が戦闘に参加してからも大規模な闘いは終わる様子を見せなかった。
戦場と島を行き来する日々が続き、男はいつしか東方の民の間でも名の知られた英雄となった。
先陣を切って敵の中へ切り込む姿は鬼の如し。振るう刃のキレは雷の如し。いつしか男は『刀鬼』と呼ばれ、彼が刃を振るう戦場では戦死者が格段に減るとまで言われるようになった。
「グローム……先程、鬼の頭領が貴方を探していましたよ」
宴の席を抜け出した刀鬼を見付けたのは宗野家当主の娘「雛」だ。
彼女は木の上で昼寝をしようと寝転ぶ刀鬼を見上げて目を細めて微笑むが、その目から愁いが消える事はない。
「ミーの今の名前は刀鬼ですよ」
「それは名ではありません。通称名と言いますか、通り名のようなもので……貴方の名はグロームです。皆、貴方を救世主や英雄と好きに呼んで、貴方の名まで奪って……わたくしは決してその様な名では呼びませんから」
「ユーは頑固ですね。眉間にディープな皺を刻んで。そんな事では決まったと言う縁談もダメになってしまいますよ」
「え、縁談は……断りますから!」
「ホワイ?」
心底驚いた。そう目を見開く刀鬼に雛の頬が少し膨れる。けれどそれを隠すように背を向けると彼女は空を見上げて息を吐いた。
「……三日後には辺境近くにまで赴くと聞きました。彼の地は此度の戦闘の最前戦。多くの者が命を落として帰る事もままならない場所とも聞きます。そのような場所に貴方が行く事をわたくしは」
「んんー、ミーは戻ってきますよ?」
いつの間に傍に来たのだろう。
顔を覗き込むように背後に立った男を見上げて雛の目から涙がこぼれた。それを目にして「ああ」と察した。
「ユーはミーにラブなんですね?」
「はい?」
「なるほどー、それは想定外でした♪」
「あ、あの! らぶ、とはいったい……」
「ノンノン、野暮なことは言いっこなしです。そしてそう言う事なら尚のこと、ミーは今回の戦場に行かないとダメですね!」
何故。そう見上げる目に、刀鬼は悪戯っぽくウインクして笑った。
「武勲をあげればユーと結婚できマース♪」
●敗北、そして
木々の間を駆け抜け、次々と敵を斬り伏せる。
いったい何体の歪虚を倒しただろうか。斬っても斬っても溢れ出る敵の無尽蔵さに苛立ちばかりが募ってくる。
全身は擦り切れ、汗が止め処なく流れてくる。多くの仲間を失い、戦場に立つ命は残り僅かにまで減ってしまった。
「刀鬼! 此処はもう駄目じゃ! お主だけでも早う退くんじゃ!」
「いや、まだです。ユーたち鬼が退くのが先ですッ!」
叫んで宗野の家紋が記された刀に雷撃を纏わせる。そうして飛び出した彼の背を見て、巨大な太刀を持つ鬼が仲間を誘導して動き始めた。
刀鬼が振るう刀は宗野家当主の物だ。
彼と共に島から来た兵の殆どは死んだ。雛の父上――宗野家の当主も然り。当主は死の間際、この刀と雛を刀鬼に託した。
本来であればこれを持ち帰る事が彼の為すべき事だろう。けれど彼は戦場を離れなかった。
「せめて、せめて今いるモノだけでも……っ」
ここまで悲惨な戦場はなかった。
ここまで多くの仲間が死ぬ戦場はなかった。
だから少しでも多くの命を救いたくて、ただ護りたくて、自分の無力を忘れたくて走った。走って、走って、走り続けて、そして刀鬼は狐型の歪虚に取り囲まれた。
「……The ENDですか……」
「いや、まだだ!」
腕を下ろしたその耳に聞こえた声。目を上げた先に居た見覚えのない装束を纏う者たちに刀鬼の目が細められる。
「良くここまで持ち堪えた! 後は私たちに任せると良い!」
行くぞ! そう叫んで突っ込んでくるのは辺境の民だ。
どうやら辺境部族が救援を寄越しているという噂は本当だったらしい。けれどもう遅い。刀鬼の仲間はもう――
東方本土の東側に位置する島に1人の男が召喚された。
彼は救世主になるべく召喚された異世界人で、島民はすぐさま彼を黒龍に会わせることを提案した。
この時、東方は大規模な歪虚の侵攻を受けていた。男はその闘いに参加するべく覚醒者となる事を望まれたのだ。
「貴方が望んで来た訳ではないのに、わたくしたちは貴方に闘って欲しいと願うのです。なんと浅ましく愚かな願いなのか……」
島民を束ねる四十八家門の1つ、宗野家の当主の娘は愁い気に目を伏せて呟くと、自らとその周囲の想いを恥じるように息を吐いた。
その仕草に男の肩が竦められる。
「ミーは構いませんよ。救世主なんて胸ワクなワードです。それに日本文化に憧れてましたし、刀も振れるなんて悪い話ではないです」
「ですが、覚醒者になればあなたは確実に前戦へ――」
「ノープロブレム。ミーが覚醒者になったら救世主になれるのですよね? なら救世主は世界を救うまで死なないのです! これはファンタジー世界の常識ですよ?」
「ふぁんたじー? あの……それはどういう……」
戸惑う娘に「HAHAHA」と笑って男は踵を返した。
この後、男は覚醒者となって娘の前に戻ってくる。そして男の長い長い闘いが幕を上げたのだった。
●英雄となりて
「ふははは、まさに鬼神の様な闘いぶりよ! 正に我が宗野の救世主。我等が東方の守り神だわい!」
男が戦闘に参加してからも大規模な闘いは終わる様子を見せなかった。
戦場と島を行き来する日々が続き、男はいつしか東方の民の間でも名の知られた英雄となった。
先陣を切って敵の中へ切り込む姿は鬼の如し。振るう刃のキレは雷の如し。いつしか男は『刀鬼』と呼ばれ、彼が刃を振るう戦場では戦死者が格段に減るとまで言われるようになった。
「グローム……先程、鬼の頭領が貴方を探していましたよ」
宴の席を抜け出した刀鬼を見付けたのは宗野家当主の娘「雛」だ。
彼女は木の上で昼寝をしようと寝転ぶ刀鬼を見上げて目を細めて微笑むが、その目から愁いが消える事はない。
「ミーの今の名前は刀鬼ですよ」
「それは名ではありません。通称名と言いますか、通り名のようなもので……貴方の名はグロームです。皆、貴方を救世主や英雄と好きに呼んで、貴方の名まで奪って……わたくしは決してその様な名では呼びませんから」
「ユーは頑固ですね。眉間にディープな皺を刻んで。そんな事では決まったと言う縁談もダメになってしまいますよ」
「え、縁談は……断りますから!」
「ホワイ?」
心底驚いた。そう目を見開く刀鬼に雛の頬が少し膨れる。けれどそれを隠すように背を向けると彼女は空を見上げて息を吐いた。
「……三日後には辺境近くにまで赴くと聞きました。彼の地は此度の戦闘の最前戦。多くの者が命を落として帰る事もままならない場所とも聞きます。そのような場所に貴方が行く事をわたくしは」
「んんー、ミーは戻ってきますよ?」
いつの間に傍に来たのだろう。
顔を覗き込むように背後に立った男を見上げて雛の目から涙がこぼれた。それを目にして「ああ」と察した。
「ユーはミーにラブなんですね?」
「はい?」
「なるほどー、それは想定外でした♪」
「あ、あの! らぶ、とはいったい……」
「ノンノン、野暮なことは言いっこなしです。そしてそう言う事なら尚のこと、ミーは今回の戦場に行かないとダメですね!」
何故。そう見上げる目に、刀鬼は悪戯っぽくウインクして笑った。
「武勲をあげればユーと結婚できマース♪」
●敗北、そして
木々の間を駆け抜け、次々と敵を斬り伏せる。
いったい何体の歪虚を倒しただろうか。斬っても斬っても溢れ出る敵の無尽蔵さに苛立ちばかりが募ってくる。
全身は擦り切れ、汗が止め処なく流れてくる。多くの仲間を失い、戦場に立つ命は残り僅かにまで減ってしまった。
「刀鬼! 此処はもう駄目じゃ! お主だけでも早う退くんじゃ!」
「いや、まだです。ユーたち鬼が退くのが先ですッ!」
叫んで宗野の家紋が記された刀に雷撃を纏わせる。そうして飛び出した彼の背を見て、巨大な太刀を持つ鬼が仲間を誘導して動き始めた。
刀鬼が振るう刀は宗野家当主の物だ。
彼と共に島から来た兵の殆どは死んだ。雛の父上――宗野家の当主も然り。当主は死の間際、この刀と雛を刀鬼に託した。
本来であればこれを持ち帰る事が彼の為すべき事だろう。けれど彼は戦場を離れなかった。
「せめて、せめて今いるモノだけでも……っ」
ここまで悲惨な戦場はなかった。
ここまで多くの仲間が死ぬ戦場はなかった。
だから少しでも多くの命を救いたくて、ただ護りたくて、自分の無力を忘れたくて走った。走って、走って、走り続けて、そして刀鬼は狐型の歪虚に取り囲まれた。
「……The ENDですか……」
「いや、まだだ!」
腕を下ろしたその耳に聞こえた声。目を上げた先に居た見覚えのない装束を纏う者たちに刀鬼の目が細められる。
「良くここまで持ち堪えた! 後は私たちに任せると良い!」
行くぞ! そう叫んで突っ込んでくるのは辺境の民だ。
どうやら辺境部族が救援を寄越しているという噂は本当だったらしい。けれどもう遅い。刀鬼の仲間はもう――
解説
●目的
「歪虚の討伐」及び「戦場からの脱出」
●概要
皆さんは辺境部族として東方からの要請によって戦場に来た形です。
現場はほぼ全滅状態で辛うじて一人の男の生存を確認しましたが、そこで歪虚の襲撃を受けてしまいます。
男は東方の戦士らしく、和装に刀と言う出で立ちです。
しかも満身創痍でここまで戦い抜いて来れたのが不思議な程です。
合流した戦士を守りながら歪虚を討伐し、辺境へ避難するのが皆さんの目的になります。
●状況
周囲を森に囲まれた戦場。
皆さんが到着した場所から引き返す形で戦場を離脱。
敵は周囲を囲むように展開。はじめに8体。
見通しは悪く闘い辛いが、上手く使えば増援回避が可能かもしれない……。
●敵情報
『妖孤』……憤怒の歪虚8~12体
2つ尾を持つ狐の姿をした歪虚。
獣らしい素早い動きと、知能を伺わせる仲間との連携攻撃などが見られます。
スキルは主に「狐火」「旋風撃(風のような素早い動きで擦れ違いざまに切る)」です。
●友軍情報
『グローム』
刀鬼と呼ばれている男。クラス不明。刀装備。
白銀髪の和装戦士で『東方の救世主』と呼ばれる存在。
かなり危険な状態だが自立歩行や戦闘は可能。
紫電の刀鬼に似ている気がしなくもないが関係性は不明……。
※質問にはお答えできません。お気を付けください。
「歪虚の討伐」及び「戦場からの脱出」
●概要
皆さんは辺境部族として東方からの要請によって戦場に来た形です。
現場はほぼ全滅状態で辛うじて一人の男の生存を確認しましたが、そこで歪虚の襲撃を受けてしまいます。
男は東方の戦士らしく、和装に刀と言う出で立ちです。
しかも満身創痍でここまで戦い抜いて来れたのが不思議な程です。
合流した戦士を守りながら歪虚を討伐し、辺境へ避難するのが皆さんの目的になります。
●状況
周囲を森に囲まれた戦場。
皆さんが到着した場所から引き返す形で戦場を離脱。
敵は周囲を囲むように展開。はじめに8体。
見通しは悪く闘い辛いが、上手く使えば増援回避が可能かもしれない……。
●敵情報
『妖孤』……憤怒の歪虚8~12体
2つ尾を持つ狐の姿をした歪虚。
獣らしい素早い動きと、知能を伺わせる仲間との連携攻撃などが見られます。
スキルは主に「狐火」「旋風撃(風のような素早い動きで擦れ違いざまに切る)」です。
●友軍情報
『グローム』
刀鬼と呼ばれている男。クラス不明。刀装備。
白銀髪の和装戦士で『東方の救世主』と呼ばれる存在。
かなり危険な状態だが自立歩行や戦闘は可能。
紫電の刀鬼に似ている気がしなくもないが関係性は不明……。
※質問にはお答えできません。お気を付けください。
マスターより
こんにちは、朝臣あむです。
今回は【血盟】連動シナリオをお届けいたします。
望まれるままに救世主となる事が選んだ道。その行く末に待つものとは……そして彼と某紫電の刀鬼との関係性は……。
みなさまのご参加とプレイングを心よりお待ちしております!
今回は【血盟】連動シナリオをお届けいたします。
望まれるままに救世主となる事が選んだ道。その行く末に待つものとは……そして彼と某紫電の刀鬼との関係性は……。
みなさまのご参加とプレイングを心よりお待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/03/04 00:42
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 ジャック・エルギン(ka1522) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/02/20 02:02:17 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/17 08:28:07 |