ゲスト
(ka0000)
【界冥】緑の光に手を伸ばす――侵入
マスター:馬車猪

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在8 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/03/11 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/03/20 22:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
ひたすら巨大で分厚い特殊鋼の扉がわずかに開いた。
科学者達が必死の表情で体を押し込み外に出て、後ろを振り返らず酸欠寸前の顔で出口へ走る。
扉と比べると小さな手が、内側から扉に手をかける。
既に完全に固定されている。
最新型CAMであっても、マニピュレーターが壊れるだけのはずだった。
鋼の塊が歪む。
まるで融けかけバターだ。
緑光を纏う8メートルの巨人が、空いた隙間から顔を出し左右を見た。
「ひっ」
視線を感じて全身の毛が逆立つ。
あれは、駄目だ。
100メートル以上離れているのに呼吸が苦しい。
三叉路を左に曲がる。
爆発しそうになる心臓を酷使し、汗だか涙だか胃液だか分からない物を垂れ流して出口に続く大部屋……CAMが中隊規模で配置可能な部屋にたどり着いた。
そこに並んでいるのは古びた戦車3両だった。
装甲は厚く、砲塔は力強く、しかし数十年前の技術で作られているためとうの昔に第一線から退いている。
『各個射撃を許可する』
『了解。あの緑の悪魔に弾ぁ食らわせてやります』
『同じ105ミリでもCAMの豆鉄砲とは違うんだ。戦車舐めんなよVOID野郎』
戦意旺盛な彼等は車内で目まぐるしく操作している。
なにしろ完全手動操縦だ。
VOIDベアトリクスにより電子機器が狂うなら、全て人の手で動かせば良い。
そんな乱暴な結論に至った軍の一部が、近代化改修の逆を行った戦車を送り込んだのだ。
『来るぞ』
ようやく戦友の仇をとれるという歓喜が、鍛え抜かれた体と機体に禍々しい存在感を与える。
通路の奥から届く緑の光が強まり、禍々しくも奇妙な美しさを持つ機体が飛び出した。
『撃』
極限の集中が人生最高の射撃を実現させる。
3発が同時に、ベアトリクスの両肩と腹に当たる軌道で放たれた。
繰り返しになるが個人として最高の射撃であり、軍人として最良に近い射撃でもあり、実戦でこれ以上を望むのは単なる馬鹿とすらいえる。
『畜』
ベアトリクスが陽気なステップを踏んで、砲弾と砲弾の間をするりと抜けた。
速度があまりにも速すぎ、こちらに向かって来るのが短距離瞬間移動の繰り返しか見えない。
彼等が覚醒者なら、当てるのが無理でもベアトリクスを視認し続け回避や防御することは可能だったはずだ。
しかし、彼等は覚醒者では無いのだ。
『しょ』
戦車がベアトリクスに踏みつぶされるコンマ2秒前。
作戦失敗を伝える信号が有線で送られる。
多数のミサイルが研究所の入り口へ命中。
ベアトリクスは爆風と破片からは逃れたものの、施設内に閉じ込められた。
●手を伸ばす
彼は死に切れていなかった。
臓器の過半数を失い血も相応に流れているのに、激痛と精神力がこの世にしがみつかせている。
爆撃直後にしか見えない部屋の中、ベアトリクスが出現するまでスパコンがあった場所をじっと見つめる。
かつてなく死に近づいたせいでこれまで見えなかったものがよく見える。
あの少女がもたらした優しく愉快な光とは正反対の、一見静寂に満ちその実悪意に充ち満ちた暗い気配だ。
光がもたらした浄化の力は既に消え、気配はゆっくりと濃さを増しつつある。
「ケッ」
だがそんなものはどうでもいい。
あの少女達が強くなるか数を増やせばいつかは届く。
問題は、暗い気配に使われている緑のアレだ。
腹の穴に手を突き入れ、血と白衣の破片にまみれたボイスレコーダーを起動させた。
「本体はソフトウェア……霊、か?」
記憶が消えていく。
思考の速度は亀の歩みのよう。
己が何を言っているのかすら分からない。
思い出す。
スパコンが内側から打ち砕かれる直前、解析中のデータかから浮かび上がった情報を必死に脳裏で再生する。
「信号は、攻撃。奴は、対話を攻撃に置き換え、ら」
迫り上がる血が喉を塞ぐ。
視界が消える。
常に溢れていた言葉と数字が頭の中から消える。
未知に挑み続けてきた男が、途上で黄泉路に旅立った。
●闇への進入
「1分後に転移がはじまりま~す」
「ブリーフィング用の資料はどこだ!」
転移装置のまわりで騒ぎが起こっている。
今回は事前情報無しの戦闘依頼かとため息をつこうとしたとき、小さなパルムが協力してフリップを掲げた。
多分ベアトリクス。
けどなんかパワーが小さい。
ちょっとずつ大きくなってるからきをつけて。
「……」
まあ、相手が分からないよりはずっとましだ。
何故か出口が防がれている建物に送り込まれるのは分かっているし。
「転移行きま~す」
何の前触れも無く視界が切り替わる。
無音の闇の中、機体の駆動音がコンクリ壁に反響していた。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
ひたすら巨大で分厚い特殊鋼の扉がわずかに開いた。
科学者達が必死の表情で体を押し込み外に出て、後ろを振り返らず酸欠寸前の顔で出口へ走る。
扉と比べると小さな手が、内側から扉に手をかける。
既に完全に固定されている。
最新型CAMであっても、マニピュレーターが壊れるだけのはずだった。
鋼の塊が歪む。
まるで融けかけバターだ。
緑光を纏う8メートルの巨人が、空いた隙間から顔を出し左右を見た。
「ひっ」
視線を感じて全身の毛が逆立つ。
あれは、駄目だ。
100メートル以上離れているのに呼吸が苦しい。
三叉路を左に曲がる。
爆発しそうになる心臓を酷使し、汗だか涙だか胃液だか分からない物を垂れ流して出口に続く大部屋……CAMが中隊規模で配置可能な部屋にたどり着いた。
そこに並んでいるのは古びた戦車3両だった。
装甲は厚く、砲塔は力強く、しかし数十年前の技術で作られているためとうの昔に第一線から退いている。
『各個射撃を許可する』
『了解。あの緑の悪魔に弾ぁ食らわせてやります』
『同じ105ミリでもCAMの豆鉄砲とは違うんだ。戦車舐めんなよVOID野郎』
戦意旺盛な彼等は車内で目まぐるしく操作している。
なにしろ完全手動操縦だ。
VOIDベアトリクスにより電子機器が狂うなら、全て人の手で動かせば良い。
そんな乱暴な結論に至った軍の一部が、近代化改修の逆を行った戦車を送り込んだのだ。
『来るぞ』
ようやく戦友の仇をとれるという歓喜が、鍛え抜かれた体と機体に禍々しい存在感を与える。
通路の奥から届く緑の光が強まり、禍々しくも奇妙な美しさを持つ機体が飛び出した。
『撃』
極限の集中が人生最高の射撃を実現させる。
3発が同時に、ベアトリクスの両肩と腹に当たる軌道で放たれた。
繰り返しになるが個人として最高の射撃であり、軍人として最良に近い射撃でもあり、実戦でこれ以上を望むのは単なる馬鹿とすらいえる。
『畜』
ベアトリクスが陽気なステップを踏んで、砲弾と砲弾の間をするりと抜けた。
速度があまりにも速すぎ、こちらに向かって来るのが短距離瞬間移動の繰り返しか見えない。
彼等が覚醒者なら、当てるのが無理でもベアトリクスを視認し続け回避や防御することは可能だったはずだ。
しかし、彼等は覚醒者では無いのだ。
『しょ』
戦車がベアトリクスに踏みつぶされるコンマ2秒前。
作戦失敗を伝える信号が有線で送られる。
多数のミサイルが研究所の入り口へ命中。
ベアトリクスは爆風と破片からは逃れたものの、施設内に閉じ込められた。
●手を伸ばす
彼は死に切れていなかった。
臓器の過半数を失い血も相応に流れているのに、激痛と精神力がこの世にしがみつかせている。
爆撃直後にしか見えない部屋の中、ベアトリクスが出現するまでスパコンがあった場所をじっと見つめる。
かつてなく死に近づいたせいでこれまで見えなかったものがよく見える。
あの少女がもたらした優しく愉快な光とは正反対の、一見静寂に満ちその実悪意に充ち満ちた暗い気配だ。
光がもたらした浄化の力は既に消え、気配はゆっくりと濃さを増しつつある。
「ケッ」
だがそんなものはどうでもいい。
あの少女達が強くなるか数を増やせばいつかは届く。
問題は、暗い気配に使われている緑のアレだ。
腹の穴に手を突き入れ、血と白衣の破片にまみれたボイスレコーダーを起動させた。
「本体はソフトウェア……霊、か?」
記憶が消えていく。
思考の速度は亀の歩みのよう。
己が何を言っているのかすら分からない。
思い出す。
スパコンが内側から打ち砕かれる直前、解析中のデータかから浮かび上がった情報を必死に脳裏で再生する。
「信号は、攻撃。奴は、対話を攻撃に置き換え、ら」
迫り上がる血が喉を塞ぐ。
視界が消える。
常に溢れていた言葉と数字が頭の中から消える。
未知に挑み続けてきた男が、途上で黄泉路に旅立った。
●闇への進入
「1分後に転移がはじまりま~す」
「ブリーフィング用の資料はどこだ!」
転移装置のまわりで騒ぎが起こっている。
今回は事前情報無しの戦闘依頼かとため息をつこうとしたとき、小さなパルムが協力してフリップを掲げた。
多分ベアトリクス。
けどなんかパワーが小さい。
ちょっとずつ大きくなってるからきをつけて。
「……」
まあ、相手が分からないよりはずっとましだ。
何故か出口が防がれている建物に送り込まれるのは分かっているし。
「転移行きま~す」
何の前触れも無く視界が切り替わる。
無音の闇の中、機体の駆動音がコンクリ壁に反響していた。
解説
戦闘依頼です。
敵は何故か弱体化したベアトリクス。
それでも非常識な能力値と能力を持っているので注意してください。
今回の滞在可能時間は約15分間です。
ベアトリクスを倒しても倒せなくても約15分のままです。
・ベアトリクス
サイズ3。移動力不明(最低でも10以上)
格の割には威力の低い大出力レーザー(魔法属性)を使います。
他に、近~中距離白兵戦闘用の触手、認識を狂わせるダメージ無しの状態異常攻撃(ベアトリクスに近づくほど悪影響)可。
状態異常攻撃は常に発動中で、レーザーや触手は複数回攻撃したり同時攻撃することもあります。
・地図
abcdef
あ□□□□□□
い□□□□廊□ □=縦横50メートル。コンクリ等でみっちり
う□廊□倉廊□ 廊=幅8メートル、高さ10メートルの通路が部屋と部屋を繋げています
え□廊□□廊□ 倉=ベアトリクスに数分耐える扉有り。中は各種検査装置がある部屋
お□廊□□廊□ 骸=破壊された部屋。遺骸1体あり。上記の扉の鍵有り
か□廊廊廊廊□ 塞=ハンター初期位置。縦横50メートルの部屋。南側の半分は瓦礫の山
き□廊□□骸□
く□塞□□□□
・他
今回のベアトリクスよる死者は、所長1人と戦車に乗っていた軍人です。
科学者8名は安全地帯まで逃げ伸びました。
敵は何故か弱体化したベアトリクス。
それでも非常識な能力値と能力を持っているので注意してください。
今回の滞在可能時間は約15分間です。
ベアトリクスを倒しても倒せなくても約15分のままです。
・ベアトリクス
サイズ3。移動力不明(最低でも10以上)
格の割には威力の低い大出力レーザー(魔法属性)を使います。
他に、近~中距離白兵戦闘用の触手、認識を狂わせるダメージ無しの状態異常攻撃(ベアトリクスに近づくほど悪影響)可。
状態異常攻撃は常に発動中で、レーザーや触手は複数回攻撃したり同時攻撃することもあります。
・地図
abcdef
あ□□□□□□
い□□□□廊□ □=縦横50メートル。コンクリ等でみっちり
う□廊□倉廊□ 廊=幅8メートル、高さ10メートルの通路が部屋と部屋を繋げています
え□廊□□廊□ 倉=ベアトリクスに数分耐える扉有り。中は各種検査装置がある部屋
お□廊□□廊□ 骸=破壊された部屋。遺骸1体あり。上記の扉の鍵有り
か□廊廊廊廊□ 塞=ハンター初期位置。縦横50メートルの部屋。南側の半分は瓦礫の山
き□廊□□骸□
く□塞□□□□
・他
今回のベアトリクスよる死者は、所長1人と戦車に乗っていた軍人です。
科学者8名は安全地帯まで逃げ伸びました。
マスターより
良識の範囲であればなんでも出来る依頼です
行動によっては次回に続きます
ベアトリクスが倒せなかった場合、一定以上ダメージを与えていればリアルブルーの戦力が討ち取る可能性が0ではなくなります
行動によっては次回に続きます
ベアトリクスが倒せなかった場合、一定以上ダメージを与えていればリアルブルーの戦力が討ち取る可能性が0ではなくなります
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/03/17 01:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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タイムリミットは15分(相談) フィルメリア・クリスティア(ka3380) 人間(リアルブルー)|25才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/03/11 20:54:06 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/03/07 08:26:30 |