ゲスト
(ka0000)
【血盟】ある領地の魔法公害と可能性
マスター:狐野径

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/03/13 22:00
- リプレイ完成予定
- 2017/03/24 22:00
オープニング
●再び
その頃のグラズヘイム王国にある、クリシスの領地は魔法公害が蔓延していた。いや、公害がひどいのは領主の館がある町のみでそれ以外はそこまではない。
中心の町だからこそ何かが起こっている。
現在ではすでに解決され、憂悦孤唱プエルに絡む事件で破壊された町からの復興を遂げている。
再びこの地にハンターは降り立つ、可能性を見つけに。
●歪虚のこと
ニコラス・クリシスは事件の後、家から出られなくなった。町の兵では守り切れないというのが実情。
もっと雇うには金銭的な問題も周囲との力関係もある。
「下手に雇えば悪心ありと言われそうな状況だからな」
魔法公害の件が片付いていない上、べリアルの侵攻、国王の死去などで国の足元が揺れている。できれば穏便に片づけたいというのがニコラスの父ウィリアム・クリシスの気持ちだ。
それをニコラスも理解する。
「ハンターに頼めば……」
「このような領地のことも片づけられなくて何が領主だ! 歪虚の被害も多い。ここは幸いにしてそれはない、だから……」
適材適所、必要なところが使う人材だといい、短い会見が終わる。
父親は忙しい。
だが、ニコラスはぎゅと手を握りしめ告げる。
「魔法生物の件も歪虚が関わっているということはないのですか?」
ウィリアムはニコラスを見て目を丸くする。
「なぜ、そのようなことを? 研究の徒やよくないもので利益を得ようとしている商人たちの集まりだけなはずだが」
「先日、僕を助けてくださったハンターが言ってました。歪虚が絡んでいるのでは、と」
ニコラスに直接言ったというより、不審人物へ鎌かけだった。
「そんなことはあるまい。こんな……田舎で? なんのために?」
「……ですが、父上」
魔法公害が解決できないのは変だという認識はある。
「ニコラス……疑ってはいけない。もともといい人達なのだから」
「でも……」
父親の表情が曇る。
「ニコラスもよく考えてくれるということが分かった。仕事に戻る、夕食の時な」
「……はい」
ニコラスは引き下がった。
胸の中は「自分は悪い子になった」という思いが去来し、暗い気持ちになった。
「お兄様、どうなさったの?」
「イノア……」
「まさか、お兄様、お見合いとか?」
「……どうして暗い顔になるんだい?」
「とても嫌いなタイプだったとか」
「ふふっ」
イノアはにこりと笑う。
「お兄様、仕立屋が来たんですの。先日作ってもらった服を届けに」
「あの、大変個性の強い方だね」
「そうよ。まあ、大きいけどいい人のようよね?」
「うん」
その男に違和感はある。しかし、それが何かとはニコラスは分からない。
●仕立屋
「若様も姫様もご無沙汰しておりました」
二メートルはある筋肉質な肉体の男で、フリルや布がたっぷり使われた服をまとっている。くねくねとよくしなる肢体を持つ仕立屋がそこにいた。
外見のインパクトはともかく、仕立屋としての腕は素晴らしいとニコラスもイノアも感じていた。
「こちらが若様のですわあ、こちらが姫様のですう」
デザインを同じにした外出着だ。ニコラスのはさすがにフリルがふんだんではないが。
「本当にわたしに似合うのかしら」
実用性、シンプルな服が多いイノアは不安がる。
「イノアは何を着ても似合うよ? フリルだって」
「そうですわよー、ささ、試着してくださいな」
二人はそれぞれ別の部屋で着た。
「お兄様、素敵」
「イノアもね」
「あああなんて似合うのかしら。もう、若様なんてこの透明感のあふれる、憂いの帯びた表情、もう、最高ですわあ。あのお方のそばにいても許せる感じですう」
「あのお方?」
ニコラスは素早かった。
何か違和感。ハンターの言葉がよぎった。
「あ、え? あたし、興奮してつい変なことを……。いえ、あたくしの好きなお方がいましてね、そのお方もダンディーで素敵だから、ぜひニコラス様にお会いさせたいと思ったのです」
ニコラスは困った顔になる。
「どんな人か分からないし……今は家を出られないんだ」
「まあ? では、時間が合えば、引き合わせをいたしましょうか?」
「家に勝手に知らない人を入れられない」
「あのお方は旅をなさる方、舞台は興味ありますよねえ? 脚本も書きますが、演出家として素晴らしいのですよお」
ニコラスは首をかしげる。違和感が強くなってくる。
「芸術家の方?」
やはりイノアも意外そうな顔である。仕立屋のだから舞台関係者と知り合いでおかしくはないのだが。
「では、お考え下さいね」
仕立屋は引き下がった。
「……お兄様」
「……なんか嫌な感じがした……イノア、そんな顔しないで」
ニコラスはためらったが、思い切って手を伸ばしてイノアにハグをした。
「え?」
すぐに離れたがニコラスは不安そうに恥ずかしそうにしている。
「お、お兄様、熱あります?」
「な、ないよ!」
イノアは手を伸ばして兄に触ろうとした。
●不協和音
ニコラスを誘拐するのは失敗。捕まった者たちは言えるような情報はなかった。
ただ、非常に大きな男で羊の角の飾りを付けた者が「ニコラスを捕まえてくるといいことがある」と言ったということに過ぎない。
一方、魔法生物を作ってこっそり護衛用に売り込みたい商人や研究者たちはウィリアムを煙たがっている。公害が起こらないようにするには技術が確立してからのほうがいい。今はまず誰もやっていないことを先にやるべきなのだ。
ウィリアムは何とか彼らに魔法公害の対処をさせたかった。
ニコラスは父親の跡取りとして、貴族として頑張りたいが、同じ世代のまだ子供部分を持つ町の子がうらやましかった。
一人の歪虚は町が見えるところに立った。
この町の不協和音はすでに爆発寸前、と聞いたからだ。
「若君への悲劇が回避されたというのは残念だが、ハンターという存在が舞台に上がった。それがどう動くのか?」
楽しそうに笑う。
筋書きはところどころ変わっていく。それだから「面白い」のだ。
「領主の前で子が殺される悲劇か? 父によって子が殺される悲劇か?」
それは風のように消えた。
その頃のグラズヘイム王国にある、クリシスの領地は魔法公害が蔓延していた。いや、公害がひどいのは領主の館がある町のみでそれ以外はそこまではない。
中心の町だからこそ何かが起こっている。
現在ではすでに解決され、憂悦孤唱プエルに絡む事件で破壊された町からの復興を遂げている。
再びこの地にハンターは降り立つ、可能性を見つけに。
●歪虚のこと
ニコラス・クリシスは事件の後、家から出られなくなった。町の兵では守り切れないというのが実情。
もっと雇うには金銭的な問題も周囲との力関係もある。
「下手に雇えば悪心ありと言われそうな状況だからな」
魔法公害の件が片付いていない上、べリアルの侵攻、国王の死去などで国の足元が揺れている。できれば穏便に片づけたいというのがニコラスの父ウィリアム・クリシスの気持ちだ。
それをニコラスも理解する。
「ハンターに頼めば……」
「このような領地のことも片づけられなくて何が領主だ! 歪虚の被害も多い。ここは幸いにしてそれはない、だから……」
適材適所、必要なところが使う人材だといい、短い会見が終わる。
父親は忙しい。
だが、ニコラスはぎゅと手を握りしめ告げる。
「魔法生物の件も歪虚が関わっているということはないのですか?」
ウィリアムはニコラスを見て目を丸くする。
「なぜ、そのようなことを? 研究の徒やよくないもので利益を得ようとしている商人たちの集まりだけなはずだが」
「先日、僕を助けてくださったハンターが言ってました。歪虚が絡んでいるのでは、と」
ニコラスに直接言ったというより、不審人物へ鎌かけだった。
「そんなことはあるまい。こんな……田舎で? なんのために?」
「……ですが、父上」
魔法公害が解決できないのは変だという認識はある。
「ニコラス……疑ってはいけない。もともといい人達なのだから」
「でも……」
父親の表情が曇る。
「ニコラスもよく考えてくれるということが分かった。仕事に戻る、夕食の時な」
「……はい」
ニコラスは引き下がった。
胸の中は「自分は悪い子になった」という思いが去来し、暗い気持ちになった。
「お兄様、どうなさったの?」
「イノア……」
「まさか、お兄様、お見合いとか?」
「……どうして暗い顔になるんだい?」
「とても嫌いなタイプだったとか」
「ふふっ」
イノアはにこりと笑う。
「お兄様、仕立屋が来たんですの。先日作ってもらった服を届けに」
「あの、大変個性の強い方だね」
「そうよ。まあ、大きいけどいい人のようよね?」
「うん」
その男に違和感はある。しかし、それが何かとはニコラスは分からない。
●仕立屋
「若様も姫様もご無沙汰しておりました」
二メートルはある筋肉質な肉体の男で、フリルや布がたっぷり使われた服をまとっている。くねくねとよくしなる肢体を持つ仕立屋がそこにいた。
外見のインパクトはともかく、仕立屋としての腕は素晴らしいとニコラスもイノアも感じていた。
「こちらが若様のですわあ、こちらが姫様のですう」
デザインを同じにした外出着だ。ニコラスのはさすがにフリルがふんだんではないが。
「本当にわたしに似合うのかしら」
実用性、シンプルな服が多いイノアは不安がる。
「イノアは何を着ても似合うよ? フリルだって」
「そうですわよー、ささ、試着してくださいな」
二人はそれぞれ別の部屋で着た。
「お兄様、素敵」
「イノアもね」
「あああなんて似合うのかしら。もう、若様なんてこの透明感のあふれる、憂いの帯びた表情、もう、最高ですわあ。あのお方のそばにいても許せる感じですう」
「あのお方?」
ニコラスは素早かった。
何か違和感。ハンターの言葉がよぎった。
「あ、え? あたし、興奮してつい変なことを……。いえ、あたくしの好きなお方がいましてね、そのお方もダンディーで素敵だから、ぜひニコラス様にお会いさせたいと思ったのです」
ニコラスは困った顔になる。
「どんな人か分からないし……今は家を出られないんだ」
「まあ? では、時間が合えば、引き合わせをいたしましょうか?」
「家に勝手に知らない人を入れられない」
「あのお方は旅をなさる方、舞台は興味ありますよねえ? 脚本も書きますが、演出家として素晴らしいのですよお」
ニコラスは首をかしげる。違和感が強くなってくる。
「芸術家の方?」
やはりイノアも意外そうな顔である。仕立屋のだから舞台関係者と知り合いでおかしくはないのだが。
「では、お考え下さいね」
仕立屋は引き下がった。
「……お兄様」
「……なんか嫌な感じがした……イノア、そんな顔しないで」
ニコラスはためらったが、思い切って手を伸ばしてイノアにハグをした。
「え?」
すぐに離れたがニコラスは不安そうに恥ずかしそうにしている。
「お、お兄様、熱あります?」
「な、ないよ!」
イノアは手を伸ばして兄に触ろうとした。
●不協和音
ニコラスを誘拐するのは失敗。捕まった者たちは言えるような情報はなかった。
ただ、非常に大きな男で羊の角の飾りを付けた者が「ニコラスを捕まえてくるといいことがある」と言ったということに過ぎない。
一方、魔法生物を作ってこっそり護衛用に売り込みたい商人や研究者たちはウィリアムを煙たがっている。公害が起こらないようにするには技術が確立してからのほうがいい。今はまず誰もやっていないことを先にやるべきなのだ。
ウィリアムは何とか彼らに魔法公害の対処をさせたかった。
ニコラスは父親の跡取りとして、貴族として頑張りたいが、同じ世代のまだ子供部分を持つ町の子がうらやましかった。
一人の歪虚は町が見えるところに立った。
この町の不協和音はすでに爆発寸前、と聞いたからだ。
「若君への悲劇が回避されたというのは残念だが、ハンターという存在が舞台に上がった。それがどう動くのか?」
楽しそうに笑う。
筋書きはところどころ変わっていく。それだから「面白い」のだ。
「領主の前で子が殺される悲劇か? 父によって子が殺される悲劇か?」
それは風のように消えた。
解説
ジャンル調査ですが、戦闘かもしれません。
●PCさんの行動指針例
ウィリアムについていく。これから商人たちとの話し合い。穏便の予定ですが、歪虚の話題が出ると商人たちが焦り、何か起こすかもしれない。
ニコラスと剣の稽古や遊ぶ。正攻法で行くと追い返されますので、こっそり連れ出すパターンかもしれない?
仕立屋への尋問。レチタティーヴォにつながりがあるというのはそれとなくわかっている状態です。結構、ぼろ出るのはOPや過去見ての通り(参照「少年、領主の元でわがままを」「少年、『憂悦』を叙唱す」)。
その他、下水調査など……。
●NPC
・ニコラス・クリシス 14歳男。文武両道・見目麗しい少年。妹にいつも怒られ、あいまいに笑っている。しかし、ハンターと会ったことで、少し何かが変わっている模様。現在の憂悦孤唱プエル。
・ウィリアム・クリシス 35歳くらい男。領主、魔法公害対応で疲弊気味。領民を疑いたくはない。
・イノア・クリシス 10歳女。ニコラスの妹。しっかりしている美少女。兄に手厳しいが、兄の事は大好きで自慢したがる。
・サルトア 名前出しそびれたけれど本文中の仕立屋。レチタティーヴォというより、プエルの周りにいた傲慢の歪虚。仕立屋としての腕は一流。一番好きな人はレチタティーヴォ。
●PCさんの行動指針例
ウィリアムについていく。これから商人たちとの話し合い。穏便の予定ですが、歪虚の話題が出ると商人たちが焦り、何か起こすかもしれない。
ニコラスと剣の稽古や遊ぶ。正攻法で行くと追い返されますので、こっそり連れ出すパターンかもしれない?
仕立屋への尋問。レチタティーヴォにつながりがあるというのはそれとなくわかっている状態です。結構、ぼろ出るのはOPや過去見ての通り(参照「少年、領主の元でわがままを」「少年、『憂悦』を叙唱す」)。
その他、下水調査など……。
●NPC
・ニコラス・クリシス 14歳男。文武両道・見目麗しい少年。妹にいつも怒られ、あいまいに笑っている。しかし、ハンターと会ったことで、少し何かが変わっている模様。現在の憂悦孤唱プエル。
・ウィリアム・クリシス 35歳くらい男。領主、魔法公害対応で疲弊気味。領民を疑いたくはない。
・イノア・クリシス 10歳女。ニコラスの妹。しっかりしている美少女。兄に手厳しいが、兄の事は大好きで自慢したがる。
・サルトア 名前出しそびれたけれど本文中の仕立屋。レチタティーヴォというより、プエルの周りにいた傲慢の歪虚。仕立屋としての腕は一流。一番好きな人はレチタティーヴォ。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
サルトア……うん、ほとんどPCさんの前に出てません。1度目逃げて2度目で死亡。
なんか不穏な影はおりますが、サルトアの解説に名前連呼されている歪虚いますが、今回は出てきません。探せないので無視しておいてください。
なお、どうしても質問が、というときはプエルに呼び掛けて(掲示板設置)ください。できる限り答えるようにいたします。
よろしくお願いします。
サルトア……うん、ほとんどPCさんの前に出てません。1度目逃げて2度目で死亡。
なんか不穏な影はおりますが、サルトアの解説に名前連呼されている歪虚いますが、今回は出てきません。探せないので無視しておいてください。
なお、どうしても質問が、というときはプエルに呼び掛けて(掲示板設置)ください。できる限り答えるようにいたします。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/03/20 11:58
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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相談・提案・表明卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/03/13 18:44:00 |
|
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質問卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/03/13 03:15:51 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/03/12 11:04:19 |