• 無し

ぴょこ、お使いに行く。

マスター:KINUTA

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
プレイング締切
2017/03/18 19:00
リプレイ完成予定
2017/03/27 19:00

オープニング


 シャン郡ペリニョン村には、ぴょこという英霊がおわす。
 目下黒ロップイヤーのぬいぐるみ(人間大)に憑依しているこの英霊、生前の経歴・年齢・種族・性別・名前、すべて不明。
 第一に本人がきれいさっぱり忘れているからだ。
 第二に祭っている村人も知らないからだ。
 村一番の古老も、『昔々、この地をとても強い歪虚が襲った。そのときどこからともなく颯爽と勇者が現れ、一命を投げ打ち危機を救ってくれた。この地のものはその勇者を称え、祠を作り祭ることにしたのじゃ』という、雑な知識しか持ち合わせていない。
 名を名乗るヒマも無く果てたという次第なのか否か。
 ろくに記録も残らない片田舎での出来事ということもあり、全ては忘却の彼方なのである。





 今日も穏やかなペリニョン村。
 ぴょこがスペアの赤うさぐるみ、青うさぐるみと一緒にわが身を虫干ししているところに、村長さんがやってきた。

「ぴょこ様、ちょっとご相談があるのですが、よろしいでしょうか」

『うむ。よろしいぞよ。何でも話してみるがよい』

「では……実はですね、村に新しく燻製工場を建てようと思うのです」

『燻製? ハムとかソーセージとかベーコンとかかの』

「はい。新春恒例のたまご祭りを見ても分かりますように、我が村では、養鶏が盛んです。現在は卵も肉もギルドを通して市場に出しているのですが、その一部を村で加工し独自販売を手掛けてみてはという、若手役員からの意見がありまして。で、何を作ろうかということになりまして、相談の結果、保存の効く燻製を作るのがいいんじゃないかという結論に……」

『ほほう。いいんではないかの。いいんではないかの。楽しそうじゃの。燻製工場作るがよい。ぴょこも手伝ってやろうぞ。まずは予定地の地ならしじゃな。完膚無きまでに平たくのし上げるのじゃ! のし上げるのじゃ!』

 ノリノリになって跳びはねるぴょこ。
 村長は慌てた。
 残念ながらぴょこは、ものを作るのにすこぶる向いていない性分。地ならしでもさせた日には、地面そのものを吹き飛ばしてしまいかねない。

「あ、いえ、ぴょこ様には別のことをしていただきたく思いまして」

『む? 別のこととはなんじゃいの』

「はい。燻製を作るのには塩が必要です。なるべく安く、しかし品質は一定水準のものが欲しい。我々八方手を尽くしまして、その両方の要求が満たせるルートを見つけました」

『ほほう。して、それはどこじゃな』

「国境山麓付近にあります、バシリア刑務所です。そこは岩塩鉱山を所有しておりまして。作業に囚人を使っておりますので人件費がほとんどかからない。従って、価格が安く抑えられております。本来は公営ギルドにしか卸していないのですが『商品に刑務所産の塩を使っていることを明記する』との条件つきで、今回特別に個別契約を結んでくださるとのことで――」





 朝のバシリア刑務所。食堂。
 刑務所のまずいパンを仲間と一緒に齧るスペットは、眉間にしわを刻んでいる。

「どうしたい、猫大将。パンに虫でも入ってたか」

「いや、ちょっとな。夢見が悪うてな」

「何だべ。近所の魚屋に追いかけられる夢だべか」

「ちゃうわボケ。元カノや。元カノがちらっと出てきたんや」

「そりゃ、いい夢じゃねえんかい」

「ようない。ええとこで顔が見えへんねん。朝日だか夕日だかで逆光なってん。おまけに髪の毛ふわあってなっててな」

「もしかしてお前の元カノ、よっぽどまずい面してたんじゃね? で、それを無意識に忘れようとしてるから思い出せねえんじゃね?」

「なんやとコラしばくぞボケ!」

「いてーなこのドラ猫!」

 食堂の一隅で始まった騒ぎを聞き付け、早速看守がやってくる。

「やめんかそこ! ケンカをするな――」

 そこに何の前触れも脈絡もなく、ウサギのぬいぐるみが飛び込んできた。

『おお! 猫か! 猫じゃな! この刑務所には猫が服役していると聞いたが、実際本当に猫じゃな! 癒し殺されるのう! のう!』

 もふもふパンチを思う様スペットに浴びせるウサギ。
 そこにどやどやとハンターの一団がやってきた。

「ぴょこさん、こんなところで何やってるんですか!」

『うむ、猫と戯れておるのよ』

「刑務所の中勝手に歩き回っちゃ駄目ですって! 戻りますよ」






解説

補足説明


 これはあらぶる英霊ぴょこの監視・サポート役として働くことを目的とするシナリオです。
 ペリニョン村は今回刑務所と塩の取引をするようです。
 ぴょこは今回、村長代理として来ました。取引の話は既にまとまっているので、後は書面に署名をするだけです。
 ハンターたちの任務はぴょこに署名をさせ、何事もなくペリニョン村まで送り届けること。
 ぴょこは見慣れない土地やものに大変興奮しています。勝手にどこにでも行こうとするので、注意が必要です。


 スペットがちょい役で出て来ています。絡みたい方、ご遠慮なくどうぞ。

NPC紹介

スペット:猫顔魔術師。現在服役中。魔術師協会から時折仕事のオファーが。二十代。エバーグリーン出身。

ぴょこ:ペリニョン村の素性不明英霊。黒ロップイヤー。

マスターより

KINUTAです。

スペットとぴょこ、初の接触。
スペットがお勤めする刑務所の名前、やっと判明いたしました。


リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/03/24 19:04

参加者一覧

  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • また、あなたと
    リナリス・リーカノア(ka5126
    人間(紅)|14才|女性|魔術師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/03/18 17:29:17
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2017/03/17 21:00:52