ゲスト
(ka0000)
【剣機】特攻野郎をぶちのめせ!
マスター:T谷

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/10/19 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/10/28 19:00
オープニング
一条の光も入らない暗闇の中、それは時を待っていた。今か今かと吐息を荒く、無量の闇を濁った目で見つめ続ける。
初めに衝撃と轟音を感じてから、長い時間が経っていた。しかし、それは時間という概念を理解していない。ただじっと待っていた。ひたすらに。
何が悪かったのか、初めの衝撃を受けてから、それは自分の中に火を灯すことができなくなっていた。火が灯らなければ何もできない。走るために作られたのに、ほんの少しも動くことができない。
だから待った。感情もなく、思考もなく。
――そして、どこかで全てが終わってしばらく、それはようやく自分が火を灯すことができるようになったことに気がづいた。
その瞬間に、それは吠えた。心臓に溜まった燃料を爆発させ、燃えたぎる血液が全身を巡る。細かく連続した振動が全身を包み込み、その心地よさにそれは少し濁りの増した目を細めた。
ようやく、走りだすことができる。ようやく、生まれた意味をこの世界に知らしめることができる。腐りきったはずの脳髄が、歓喜に打ち震えた。
エンジンが大気も闇も震わす雄叫びを上げ、タイヤが火花を散らして地面を噛む。
次の瞬間、それは猛烈な加速とともに金属の扉をぶち破った。砕け吹き飛ぶ金属片を追い越して、外に広がっていた森の木々も轢き裂いて、斜めに傾いだコンテナの底面をカタパルトに空中へと飛び出した。
それの頭にあるのは、ただ一つ植え付けられた本能だけ。
人間を、殺せ。
●
剣機リンドヴルムの置き土産は、とある山奥に残されていた。鈍色に輝く、金属製の巨大なコンテナ。誰にも気付かれずひっそりと落とされたそれは、何かのトラブルでも起こっていたのか、今になってその中身を、三台の魔導自動車を吐き出した。
これまでの剣機達と同じく機械とゾンビを掛けあわせたそれらは、酷く醜悪で嫌悪感を催す外見をしている。まず目に入るのは、その車体をハリネズミのように彩る刺や剣の群れ。その奥の車内には、腐って色の悪くなった肉が詰まっている。もともと運転席のあったらしき場所には、腐肉に紛れて人間の顔のようなものが浮かんでいた。
車体自体は、この世界で一般に売買されている魔導自動車と大差はない。だがそこに施された改造は、それを作った何者かが尋常な思考の持ち主ではないことを予感させた。
自動車と一体となったゾンビは、手足のように車体を操り、あらかじめ道を知っていたのか本能で生命を感知しているのか、山の木々をなぎ倒して迷わず街道に躍り出た。エンジンを鳴らし、タイヤで地面を黒く焦がしながら街道をひた走る。
そしてその道中、運悪くその街道を歩いていた何の罪もない一般人が――次々と轢き殺されていった。遠からずゾンビ達は街道の先にある町へと辿り着き、甚大な被害をもたらすだろう。
知らせを受け、ハンター数名が招集された。
帝国を襲った脅威から、人々はようやく開放されたのだ。そこに水を差すような真似は、とても歓迎されるものではない。
初めに衝撃と轟音を感じてから、長い時間が経っていた。しかし、それは時間という概念を理解していない。ただじっと待っていた。ひたすらに。
何が悪かったのか、初めの衝撃を受けてから、それは自分の中に火を灯すことができなくなっていた。火が灯らなければ何もできない。走るために作られたのに、ほんの少しも動くことができない。
だから待った。感情もなく、思考もなく。
――そして、どこかで全てが終わってしばらく、それはようやく自分が火を灯すことができるようになったことに気がづいた。
その瞬間に、それは吠えた。心臓に溜まった燃料を爆発させ、燃えたぎる血液が全身を巡る。細かく連続した振動が全身を包み込み、その心地よさにそれは少し濁りの増した目を細めた。
ようやく、走りだすことができる。ようやく、生まれた意味をこの世界に知らしめることができる。腐りきったはずの脳髄が、歓喜に打ち震えた。
エンジンが大気も闇も震わす雄叫びを上げ、タイヤが火花を散らして地面を噛む。
次の瞬間、それは猛烈な加速とともに金属の扉をぶち破った。砕け吹き飛ぶ金属片を追い越して、外に広がっていた森の木々も轢き裂いて、斜めに傾いだコンテナの底面をカタパルトに空中へと飛び出した。
それの頭にあるのは、ただ一つ植え付けられた本能だけ。
人間を、殺せ。
●
剣機リンドヴルムの置き土産は、とある山奥に残されていた。鈍色に輝く、金属製の巨大なコンテナ。誰にも気付かれずひっそりと落とされたそれは、何かのトラブルでも起こっていたのか、今になってその中身を、三台の魔導自動車を吐き出した。
これまでの剣機達と同じく機械とゾンビを掛けあわせたそれらは、酷く醜悪で嫌悪感を催す外見をしている。まず目に入るのは、その車体をハリネズミのように彩る刺や剣の群れ。その奥の車内には、腐って色の悪くなった肉が詰まっている。もともと運転席のあったらしき場所には、腐肉に紛れて人間の顔のようなものが浮かんでいた。
車体自体は、この世界で一般に売買されている魔導自動車と大差はない。だがそこに施された改造は、それを作った何者かが尋常な思考の持ち主ではないことを予感させた。
自動車と一体となったゾンビは、手足のように車体を操り、あらかじめ道を知っていたのか本能で生命を感知しているのか、山の木々をなぎ倒して迷わず街道に躍り出た。エンジンを鳴らし、タイヤで地面を黒く焦がしながら街道をひた走る。
そしてその道中、運悪くその街道を歩いていた何の罪もない一般人が――次々と轢き殺されていった。遠からずゾンビ達は街道の先にある町へと辿り着き、甚大な被害をもたらすだろう。
知らせを受け、ハンター数名が招集された。
帝国を襲った脅威から、人々はようやく開放されたのだ。そこに水を差すような真似は、とても歓迎されるものではない。
解説
●目的
三台のゾンビ自動車が町へ辿り着く前に、これを撃破してください。ハンター各位の出撃は町からであり、迫り来るゾンビと正面からぶつかることに留意してください。
●敵
一般的に出回っている魔導自動車とゾンビが一体化した、剣機の眷属と思われる歪虚です。その時速は60キロほどで、馬と同程度の速度です。
その車体には刺や剣などが溶接されるという攻撃的な改造が施されていて、生物に向けて積極的に体当たりを仕掛けてきます。
自動車は最終的に町に突撃しますが、道中の生物への優先度は高いです。それは、より力を持つと判断された、危険度の高い生物に向けて最も高くなります。
これはゾンビを利用した特攻兵器であると思われ、ベースとなった魔導自動車の限界の速度を常に出し続け自ら減速することはありません。そのため、足回りは非常に不安定です。
●場所
とある町へと向かう、比較的大きな石畳の街道です。自動車が通るようにきっちりと整備されているわけではないため、小さな段差や凹みがそこら中に散見されます。
●補足
コンテナの投下地点から町までは、自動車の速度で一時間ほどかかると予測されます。
三台のゾンビ自動車が町へ辿り着く前に、これを撃破してください。ハンター各位の出撃は町からであり、迫り来るゾンビと正面からぶつかることに留意してください。
●敵
一般的に出回っている魔導自動車とゾンビが一体化した、剣機の眷属と思われる歪虚です。その時速は60キロほどで、馬と同程度の速度です。
その車体には刺や剣などが溶接されるという攻撃的な改造が施されていて、生物に向けて積極的に体当たりを仕掛けてきます。
自動車は最終的に町に突撃しますが、道中の生物への優先度は高いです。それは、より力を持つと判断された、危険度の高い生物に向けて最も高くなります。
これはゾンビを利用した特攻兵器であると思われ、ベースとなった魔導自動車の限界の速度を常に出し続け自ら減速することはありません。そのため、足回りは非常に不安定です。
●場所
とある町へと向かう、比較的大きな石畳の街道です。自動車が通るようにきっちりと整備されているわけではないため、小さな段差や凹みがそこら中に散見されます。
●補足
コンテナの投下地点から町までは、自動車の速度で一時間ほどかかると予測されます。
マスターより
どうも、最近は車に20分も揺られているともう酔ってきてしまうT谷です。三半規管の衰え半端ないです。
今回は剣機の残党処理依頼です。世の中に蔓延ったゾンビどもを、根絶やしにしてしまいましょう! 臭いますし!
今回は剣機の残党処理依頼です。世の中に蔓延ったゾンビどもを、根絶やしにしてしまいましょう! 臭いますし!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/10/27 06:19
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 白主・アイノネ(ka2628) 人間(リアルブルー)|16才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/10/19 18:59:39 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/17 02:40:48 |