ゲスト
(ka0000)
恐怖の兎狩り
マスター:鳴海惣流

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/03/23 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/04/01 09:00
オープニング
●兎狩り
十代半ばと思われる二人の少年は、最近になって始めた狩りに夢中になっていた。
きっかけは住んでいる近くの村で帰りを待っている妹に、ご飯をお腹一杯食べさせてあげたいと思ったことだった。
両親が病気で働けなくなり、家で畑を持っているわけでもない一家の生活は困窮した。兄弟は村の地主の畑を手伝うことで給金を得ていたが、それだけでは決して足りない。
そこで休みを貰えた日は父親が持っていた古い銃を手に、狩りをするようになった。
最初は本当に家族の為を思っていた。けれど上手く獲物を仕留められる日が続き、少しばかり調子に乗ってしまった。
「兄ちゃん、あそこに兎がいるよ」
「ようし、いただきだ!」
だからこの兄弟は気づかなかった。様々な生物が蠢く森において、自分たちが決して狩る側にだけ立てるわけではないことを。
●お兄ちゃんはどこ
獲物を片手に笑顔で帰宅する。
そんな兄二人を家でずっと待っていたが、朝になっても戻って来なかった。
十代前半の少女は、おかっぱの黒髪を弾ませながら、兄達がいつも狩りに使っているという森へ恐る恐る足を踏み入れる。
危険なのはわかっている。けれどもいつも自分と遊んでくれた兄二人が心配だった。
右を見て左を見て、森の不気味さにごくりと息を呑みながら道ではない道を歩く。
葉を掻き分ける音が悲鳴みたいに聞こえ、心細さから涙が滲む。
「どこ……お兄ちゃん……どこにいるの……」
怖さを紛らわすように声を出した少女。体勢を崩し、地面に膝をつく。
「キャッ。何かに躓いちゃった……石、かな……」
スカートから覗く膝が擦り切れてないか確認しようとして、少女の時間は停止した。
べっとりと付着している赤い色。
不快極まりない濡れた感触。
唇を震わせて、地面についた両手がぬるりと滑る。
「ひいっ……こ、これ……血……血だ……」
震えが止まらない。ガクガクと揺れる膝に力が入らない。
息が苦しい。目の前まで赤く染まりそうだ。
逃げなきゃ。
四つん這いで歩こうとする少女。
生きたいと願う人間の本能が彼女を動かし、そして絶望の光景を目撃させる。
「お、兄……ちゃ……い、いや……嫌あァァァ!!!」
折り重なるように倒れていた二つの骸。それは昨日の朝まで、普段と変わらぬ笑顔を見せてくれていた兄達の変わり果てた姿だった。
「な、んで……どうし……?」
少女は気づく。どこか遠くから自分を見る不気味な二つの目に。
姿を現したのは小さな兎。見た目こそ可愛いが、口元をいびつに吊り上げる様に、えも言われぬおぞましさを覚える。
そしてその後ろ。小さな兎が誘うように姿を消した草むらの中で、新たな兎の影が浮かぶ。
けれど先ほどとは大きさが違う。兎と思われるそのシルエットは、一メートルを超えていたのである。
「キャアア!!!」
弾かれたように少女は逃げる。
本来兎には声帯がないはずなのに、少女の耳には兎達の笑い声が聞こえたような気がした。
●ハンターズソサエティへの依頼
グラズヘイム王国ラスリド領内にあるハンターズソサエティの支部には、今日も様々な依頼が掲示板に張り出されている。
そのうちの一つに、小さな村からの依頼があった。
受付の若い女性は言う。
「命からがら逃げてきたという少女の目撃情報によれば、自分の身長と同じくらいの巨大な兎だったらしいです。その話が本当であれば、普通の兎ではないでしょう。恐らくは雑魔。そしてその村に住む若者が二人――目撃者の少女の兄だそうですが、犠牲になっています」
現場は村から十五分ほどの場所にある小さな森。日の光は届くので日中でも極端な見辛さはない。けれどその森は敵のホームとなる。いかなる策を用いてくるかはまったくの不明。
若者二人も銃を持っていたにもかかわらず、惨殺された。もっとも相手が雑魔であれば、戦闘訓練も積んでいない非覚醒者では敵うはずもないのだが。
受付の女性はカウンターに手をつき、依頼の内容が書かれた紙をハンターに差し出す。
「村を代表して依頼した村長は、一刻も早い退治を希望しているようです。向かうつもりであれば、十分にお気をつけください」
●小さな森
森に足を踏み入れたハンター達の前に、一匹の兎が現れた。
じっと目を見つめたあと、まるで誘うように茂みの奥へと走り去る。
その後を追うハンター。するとどこに隠れていたのか、ぞろぞろと新たな気配が現れる。
それは巨大な兎だった。巨体に似合わず俊敏な動きで散ると、瞬く間にハンターたちを囲む。
最初からそうするつもりだったとでも言いたげに、ニヤニヤと笑いながら。
十代半ばと思われる二人の少年は、最近になって始めた狩りに夢中になっていた。
きっかけは住んでいる近くの村で帰りを待っている妹に、ご飯をお腹一杯食べさせてあげたいと思ったことだった。
両親が病気で働けなくなり、家で畑を持っているわけでもない一家の生活は困窮した。兄弟は村の地主の畑を手伝うことで給金を得ていたが、それだけでは決して足りない。
そこで休みを貰えた日は父親が持っていた古い銃を手に、狩りをするようになった。
最初は本当に家族の為を思っていた。けれど上手く獲物を仕留められる日が続き、少しばかり調子に乗ってしまった。
「兄ちゃん、あそこに兎がいるよ」
「ようし、いただきだ!」
だからこの兄弟は気づかなかった。様々な生物が蠢く森において、自分たちが決して狩る側にだけ立てるわけではないことを。
●お兄ちゃんはどこ
獲物を片手に笑顔で帰宅する。
そんな兄二人を家でずっと待っていたが、朝になっても戻って来なかった。
十代前半の少女は、おかっぱの黒髪を弾ませながら、兄達がいつも狩りに使っているという森へ恐る恐る足を踏み入れる。
危険なのはわかっている。けれどもいつも自分と遊んでくれた兄二人が心配だった。
右を見て左を見て、森の不気味さにごくりと息を呑みながら道ではない道を歩く。
葉を掻き分ける音が悲鳴みたいに聞こえ、心細さから涙が滲む。
「どこ……お兄ちゃん……どこにいるの……」
怖さを紛らわすように声を出した少女。体勢を崩し、地面に膝をつく。
「キャッ。何かに躓いちゃった……石、かな……」
スカートから覗く膝が擦り切れてないか確認しようとして、少女の時間は停止した。
べっとりと付着している赤い色。
不快極まりない濡れた感触。
唇を震わせて、地面についた両手がぬるりと滑る。
「ひいっ……こ、これ……血……血だ……」
震えが止まらない。ガクガクと揺れる膝に力が入らない。
息が苦しい。目の前まで赤く染まりそうだ。
逃げなきゃ。
四つん這いで歩こうとする少女。
生きたいと願う人間の本能が彼女を動かし、そして絶望の光景を目撃させる。
「お、兄……ちゃ……い、いや……嫌あァァァ!!!」
折り重なるように倒れていた二つの骸。それは昨日の朝まで、普段と変わらぬ笑顔を見せてくれていた兄達の変わり果てた姿だった。
「な、んで……どうし……?」
少女は気づく。どこか遠くから自分を見る不気味な二つの目に。
姿を現したのは小さな兎。見た目こそ可愛いが、口元をいびつに吊り上げる様に、えも言われぬおぞましさを覚える。
そしてその後ろ。小さな兎が誘うように姿を消した草むらの中で、新たな兎の影が浮かぶ。
けれど先ほどとは大きさが違う。兎と思われるそのシルエットは、一メートルを超えていたのである。
「キャアア!!!」
弾かれたように少女は逃げる。
本来兎には声帯がないはずなのに、少女の耳には兎達の笑い声が聞こえたような気がした。
●ハンターズソサエティへの依頼
グラズヘイム王国ラスリド領内にあるハンターズソサエティの支部には、今日も様々な依頼が掲示板に張り出されている。
そのうちの一つに、小さな村からの依頼があった。
受付の若い女性は言う。
「命からがら逃げてきたという少女の目撃情報によれば、自分の身長と同じくらいの巨大な兎だったらしいです。その話が本当であれば、普通の兎ではないでしょう。恐らくは雑魔。そしてその村に住む若者が二人――目撃者の少女の兄だそうですが、犠牲になっています」
現場は村から十五分ほどの場所にある小さな森。日の光は届くので日中でも極端な見辛さはない。けれどその森は敵のホームとなる。いかなる策を用いてくるかはまったくの不明。
若者二人も銃を持っていたにもかかわらず、惨殺された。もっとも相手が雑魔であれば、戦闘訓練も積んでいない非覚醒者では敵うはずもないのだが。
受付の女性はカウンターに手をつき、依頼の内容が書かれた紙をハンターに差し出す。
「村を代表して依頼した村長は、一刻も早い退治を希望しているようです。向かうつもりであれば、十分にお気をつけください」
●小さな森
森に足を踏み入れたハンター達の前に、一匹の兎が現れた。
じっと目を見つめたあと、まるで誘うように茂みの奥へと走り去る。
その後を追うハンター。するとどこに隠れていたのか、ぞろぞろと新たな気配が現れる。
それは巨大な兎だった。巨体に似合わず俊敏な動きで散ると、瞬く間にハンターたちを囲む。
最初からそうするつもりだったとでも言いたげに、ニヤニヤと笑いながら。
解説
●目的
兎雑魔の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じ。map外の移動は不可。
ABCDEFGHI 1マス=1sq
a□□□□1□□□□ □=森道
b□1□□□□□1□
c□□□□□□□□□
d□□□□□□□□□ 1=兎歪虚
e1□□ハハハ□□1
f□□□□□□□□□
g□□□□□□□□□
h□1□□□□□1□ ハ=ハンター初期位置(選択可能
i□□□□1□□□□
●map情報
開けた場所に誘い出された為、足場はしっかりとしている。
見通しは良く、時刻も昼過ぎなので視界に問題はない。
囲まれてはいるが、配置を整えるのを雑魔が優先したため、従来通りハンター側が先攻となる。
●敵情報
■兎歪虚
雑魔。巨体とはいえ、生命力はさほどでもない。
近接攻撃の鋭い牙には注意が必要だが、石を蹴りつけての遠距離攻撃の威力はさほどでもない。
防御力や受けも低いが、とにかく回避力が高い。移動力もそれなりにあるので注意が必要。
一人を総がかりで狙う習性があり、特に目立つ行動をする者を標的にし易い。
兎雑魔の殲滅
●簡易map
※上から見下ろしてる感じ。map外の移動は不可。
ABCDEFGHI 1マス=1sq
a□□□□1□□□□ □=森道
b□1□□□□□1□
c□□□□□□□□□
d□□□□□□□□□ 1=兎歪虚
e1□□ハハハ□□1
f□□□□□□□□□
g□□□□□□□□□
h□1□□□□□1□ ハ=ハンター初期位置(選択可能
i□□□□1□□□□
●map情報
開けた場所に誘い出された為、足場はしっかりとしている。
見通しは良く、時刻も昼過ぎなので視界に問題はない。
囲まれてはいるが、配置を整えるのを雑魔が優先したため、従来通りハンター側が先攻となる。
●敵情報
■兎歪虚
雑魔。巨体とはいえ、生命力はさほどでもない。
近接攻撃の鋭い牙には注意が必要だが、石を蹴りつけての遠距離攻撃の威力はさほどでもない。
防御力や受けも低いが、とにかく回避力が高い。移動力もそれなりにあるので注意が必要。
一人を総がかりで狙う習性があり、特に目立つ行動をする者を標的にし易い。
マスターより
お世話になっております。
鳴海惣流です。
狩る者には狩られる覚悟が必要……というわけでもないですが、兎を狩るか狩られるかのシナリオになります。
皆様のご参加をお待ちしております。
鳴海惣流です。
狩る者には狩られる覚悟が必要……というわけでもないですが、兎を狩るか狩られるかのシナリオになります。
皆様のご参加をお待ちしております。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/03/29 04:56
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/03/18 17:55:26 |
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相談卓 通りすがりのSさん(ka6276) エルフ|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/03/22 23:35:11 |