ゲスト
(ka0000)
【王臨】雑貨屋、過去との決別を
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/03/28 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/04/06 09:00
オープニング
●敗北は認めたくはない
――何も成果がないままべリアルの陣に戻れば、ただの愚か者ではないか。
傲慢の歪虚であるエッタ・サヴィスは負傷を治したい思いと、敗走という現実にプライドを切り刻まれていた。
プエルが何かしたのではという疑いをもって調査をした、というところまでよかったはずだ。
新参者でありながらべリアルから兵まで与えられ、その部隊は全滅し、彼自身突然姿を消した。不審なところがあり調べると、出歩いているプエルがいたのだった。
エッタが問い詰めようとしたとき、プエルが気付いて罠ともいえない罠を張り、ハンターに彼女が追い詰められた。敗走に敗走を重ね、現在に至る。
「どうしたらいいのかしら」
せっかく島を出たのだから、王都に行きたいというのが本心。
弟とともに。
――名前すら忘却した弟。
小憎たらしい養子の弟ではない、賢い実の弟と。
歪虚になれば彼もよみがえると聞かされていた。
それにはもっと手柄を立て、強くならないといけないとも言われた。
どうしたらいいのかもう分からない。
だから、プエルがいるあたりに出かけた。
ふいに馬の雑魔の足元に複数の人形がやってきて、バタフライナイフをちらつかせる。
「待ちなさい! お前たちの主ははどこにいるのです」
エッタは人形たちに話しかける。
人形たちは集まるとちらちらエッタを見て話しあっている様子を見せる。そして、一本の木のところに走って行った。
「あー、ずいぶんとやられているね? 僕の配下になるとかマテリアルくれるのかな?」
プエルが木の陰から現れる。
「ち、違いますわっ!」
「そう? バイバイ」
「う、その……」
「用がないんでしょ?」
プエルは目を細める。
エッタはプエルが剣一本しかもっていないということに気づくが、倒せそうな気が全くしなかった。
「あ、あたくしは、嬉しかったのです。島を出られて、お、王都へ向かえるとなって」
「ふーん。余は王都に行ったことあるよ? 立派な建物がたくさんあって、大通りも何本もあってね……活気があってきれいでいいところだったよ」
「お、お前は……」
「僕は領主の跡取りだったんだ」
エッタは青くなる。
「見返りは……あなた様が何かしようとしている計画を調べていたことを忘れる、そして手を出さないこと……」
エッタは震えながら告げるとプエルは微笑んでうなずく。
「だから、何か……力になる物を!」
プエルは鷹揚に構えている。
「分かった……君は古都アークエルスを知っているかい?」
「え?」
「ここから西にあるところ。リベルタース地方で砦の近くの町のことだと」
「……も、勿論ですわ」
プエルの目がきらりと光ったのにエッタは知らない。
「……そこにね、すごい研究者がいるって話なんだ! 魔法生物とか作りまくっちゃって、結構歪虚とオトモダチになりたいって言っているよ」
「そ、それは……」
「僕は魔法生物好きじゃないからね。でもね、近づくのは大変だよ? 君は今負傷しているし」
「……わ、わかりましたわ! 確かに、強力な力を得られるなら……いったん陣に戻って負傷も……」
エッタは生き返った心地で戻って行った。
戻った後、傷は負のマテリアルの補給により何とかなる。周囲にある違和感に気づかないほど、前しか彼女は見ていなかった。
羊型歪虚を引き連れ、プエルが示した地域に向かったのだった。
●青年の決断
ライル・サヴィスは頭を抱えた。
「連絡、取れるもんなんだなぁ」
頭を掻きながら待ち合わせ場所の確認をする。そこなら行けそうだ。義姉であるエッタについての情報を調べていたところ、ハンターは勿論のことプエルという歪虚が絡んでいると知った。
その上、同じ陣営にいたということもあり彼女の動向を一番知っているようだった。何とか連絡とれないかとやってみたら、なぜか手紙が届いたのだ。
「情報の報酬……俺が会うのって歪虚だったはずだが」
指定された菓子と服を買いに出かけようとして、サイズも確認する。
「シー坊が見た歪虚がエッタなんだよなぁ……でもなぁ聞くのはちょっとなぁ」
脳裏によぎるのは打ちひしがれたシールの様子だった。
扉が薄く開き、シールが覗いている。
「お前は何を考えているんだ!」
「……いやあ、シール君……」
「もう、演技はいいです!」
扉がどんと開く。
「なんで、僕に聞かないの!」
「……それは……」
「僕はもう、わかってる。エッタ様が歪虚になったって。その時の状況だって理解しているよ。だから、もう……」
「……すまなかった」
「だから、僕も行くよ」
「え?」
「大した力はないけれど」
「……すまない」
「もういいよ。ライルは僕を助けてくれたのは本当だし」
初めて会ったのは、ゴブリンたちに襲われていた村で殺されかかっているときだった。
「で、買い物?」
「あー、シー坊より小さいと思うんだが、服も」
「エッタの情報得るのに、歪虚と取引……ってなにこれ」
二人は笑った。
それらを買い込み、約束の場所へ出かける。
二人が待っていると人形が二体草陰から出てくる。
「お前、二人で来るとは言わなかったぞ!」
離れたところから少年の声がする。
「すまない。こっちは俺の弟分だ」
「あなたがどんな人か知りませんが、僕はヒール唱えるのがやっと」
「声だけでもいい、話をしてくれるなら」
間があったあと「その子たちに報酬の半分ちょうだい」と声がする。
人形たちが持つには大きいが包を頭の上に乗せ、前後で運んでいった。
「……可愛いというか」
「歪虚なのに……エッタと違う」
二人がぼそぼそ話していると「うわー、おいしそう」という声が飛んできた。そのあと咳払いがある。
「で、何を聞きたいの?」
「エッタはどこにいるか?」
「リベルタース地方にいるはずだよ」
「そのあとの行動は……」
「知らないけど……それよりエッタ、アークエルスの位置知らないでしょ?」
「え?」
「余は丁寧に教えてやったんだ。砦のそばの町だって。そこにすごいいいものあるよって」
ライルとシールは状況を理解しようと考えた。
「は?」
「古都って北の方だよね……」
ライルとシールは呆然とする、エッタは実弟リーヤ以外はどうでもいいと思っていた節もあるが、歪虚になってもこれかと頭を抱えたい気持ちだった。
「おしまい?」
人形たちがライルのズボンを引っ張り、残りの報酬を要求していた。
「助かった……。エッタはどうにかしないといけないし。ハンターに紛れ込むかそれとも依頼を出すか」
「とりあえず、オフィスに行こう」
ライルとシールは急いだのだった。
残されたプエルはひとまず荷物を持って小躍りしながら隠れ家に向かった。
「面白いことになったみたいだよ! こ、これは僕にも演出ができるってことだよね」
状況を見に行こうと、プエルは目立たなそうな服に着替え、きちんと武器ももって出かけることにしたのだった。
――何も成果がないままべリアルの陣に戻れば、ただの愚か者ではないか。
傲慢の歪虚であるエッタ・サヴィスは負傷を治したい思いと、敗走という現実にプライドを切り刻まれていた。
プエルが何かしたのではという疑いをもって調査をした、というところまでよかったはずだ。
新参者でありながらべリアルから兵まで与えられ、その部隊は全滅し、彼自身突然姿を消した。不審なところがあり調べると、出歩いているプエルがいたのだった。
エッタが問い詰めようとしたとき、プエルが気付いて罠ともいえない罠を張り、ハンターに彼女が追い詰められた。敗走に敗走を重ね、現在に至る。
「どうしたらいいのかしら」
せっかく島を出たのだから、王都に行きたいというのが本心。
弟とともに。
――名前すら忘却した弟。
小憎たらしい養子の弟ではない、賢い実の弟と。
歪虚になれば彼もよみがえると聞かされていた。
それにはもっと手柄を立て、強くならないといけないとも言われた。
どうしたらいいのかもう分からない。
だから、プエルがいるあたりに出かけた。
ふいに馬の雑魔の足元に複数の人形がやってきて、バタフライナイフをちらつかせる。
「待ちなさい! お前たちの主ははどこにいるのです」
エッタは人形たちに話しかける。
人形たちは集まるとちらちらエッタを見て話しあっている様子を見せる。そして、一本の木のところに走って行った。
「あー、ずいぶんとやられているね? 僕の配下になるとかマテリアルくれるのかな?」
プエルが木の陰から現れる。
「ち、違いますわっ!」
「そう? バイバイ」
「う、その……」
「用がないんでしょ?」
プエルは目を細める。
エッタはプエルが剣一本しかもっていないということに気づくが、倒せそうな気が全くしなかった。
「あ、あたくしは、嬉しかったのです。島を出られて、お、王都へ向かえるとなって」
「ふーん。余は王都に行ったことあるよ? 立派な建物がたくさんあって、大通りも何本もあってね……活気があってきれいでいいところだったよ」
「お、お前は……」
「僕は領主の跡取りだったんだ」
エッタは青くなる。
「見返りは……あなた様が何かしようとしている計画を調べていたことを忘れる、そして手を出さないこと……」
エッタは震えながら告げるとプエルは微笑んでうなずく。
「だから、何か……力になる物を!」
プエルは鷹揚に構えている。
「分かった……君は古都アークエルスを知っているかい?」
「え?」
「ここから西にあるところ。リベルタース地方で砦の近くの町のことだと」
「……も、勿論ですわ」
プエルの目がきらりと光ったのにエッタは知らない。
「……そこにね、すごい研究者がいるって話なんだ! 魔法生物とか作りまくっちゃって、結構歪虚とオトモダチになりたいって言っているよ」
「そ、それは……」
「僕は魔法生物好きじゃないからね。でもね、近づくのは大変だよ? 君は今負傷しているし」
「……わ、わかりましたわ! 確かに、強力な力を得られるなら……いったん陣に戻って負傷も……」
エッタは生き返った心地で戻って行った。
戻った後、傷は負のマテリアルの補給により何とかなる。周囲にある違和感に気づかないほど、前しか彼女は見ていなかった。
羊型歪虚を引き連れ、プエルが示した地域に向かったのだった。
●青年の決断
ライル・サヴィスは頭を抱えた。
「連絡、取れるもんなんだなぁ」
頭を掻きながら待ち合わせ場所の確認をする。そこなら行けそうだ。義姉であるエッタについての情報を調べていたところ、ハンターは勿論のことプエルという歪虚が絡んでいると知った。
その上、同じ陣営にいたということもあり彼女の動向を一番知っているようだった。何とか連絡とれないかとやってみたら、なぜか手紙が届いたのだ。
「情報の報酬……俺が会うのって歪虚だったはずだが」
指定された菓子と服を買いに出かけようとして、サイズも確認する。
「シー坊が見た歪虚がエッタなんだよなぁ……でもなぁ聞くのはちょっとなぁ」
脳裏によぎるのは打ちひしがれたシールの様子だった。
扉が薄く開き、シールが覗いている。
「お前は何を考えているんだ!」
「……いやあ、シール君……」
「もう、演技はいいです!」
扉がどんと開く。
「なんで、僕に聞かないの!」
「……それは……」
「僕はもう、わかってる。エッタ様が歪虚になったって。その時の状況だって理解しているよ。だから、もう……」
「……すまなかった」
「だから、僕も行くよ」
「え?」
「大した力はないけれど」
「……すまない」
「もういいよ。ライルは僕を助けてくれたのは本当だし」
初めて会ったのは、ゴブリンたちに襲われていた村で殺されかかっているときだった。
「で、買い物?」
「あー、シー坊より小さいと思うんだが、服も」
「エッタの情報得るのに、歪虚と取引……ってなにこれ」
二人は笑った。
それらを買い込み、約束の場所へ出かける。
二人が待っていると人形が二体草陰から出てくる。
「お前、二人で来るとは言わなかったぞ!」
離れたところから少年の声がする。
「すまない。こっちは俺の弟分だ」
「あなたがどんな人か知りませんが、僕はヒール唱えるのがやっと」
「声だけでもいい、話をしてくれるなら」
間があったあと「その子たちに報酬の半分ちょうだい」と声がする。
人形たちが持つには大きいが包を頭の上に乗せ、前後で運んでいった。
「……可愛いというか」
「歪虚なのに……エッタと違う」
二人がぼそぼそ話していると「うわー、おいしそう」という声が飛んできた。そのあと咳払いがある。
「で、何を聞きたいの?」
「エッタはどこにいるか?」
「リベルタース地方にいるはずだよ」
「そのあとの行動は……」
「知らないけど……それよりエッタ、アークエルスの位置知らないでしょ?」
「え?」
「余は丁寧に教えてやったんだ。砦のそばの町だって。そこにすごいいいものあるよって」
ライルとシールは状況を理解しようと考えた。
「は?」
「古都って北の方だよね……」
ライルとシールは呆然とする、エッタは実弟リーヤ以外はどうでもいいと思っていた節もあるが、歪虚になってもこれかと頭を抱えたい気持ちだった。
「おしまい?」
人形たちがライルのズボンを引っ張り、残りの報酬を要求していた。
「助かった……。エッタはどうにかしないといけないし。ハンターに紛れ込むかそれとも依頼を出すか」
「とりあえず、オフィスに行こう」
ライルとシールは急いだのだった。
残されたプエルはひとまず荷物を持って小躍りしながら隠れ家に向かった。
「面白いことになったみたいだよ! こ、これは僕にも演出ができるってことだよね」
状況を見に行こうと、プエルは目立たなそうな服に着替え、きちんと武器ももって出かけることにしたのだった。
解説
エッタ・サヴィス討伐
羊型歪虚の殲滅
●同行NPC
ライル・サヴィス リゼリオにある雑貨屋「喫茶」のしょうもない店員は仮の姿かわかりませんが、ハンターとしては闘狩人駆け出しくらいです。とりあえず歪虚となった義姉を倒すことが重要。
シール リゼリオにある雑貨屋「喫茶」の店長代理なしっかり者の少年ですが、ハンターとしてはレベル2聖導士という扱い、ほぼ一般人。
●敵情報
・エッタ・サヴィス 前回までの体力は回復していますが、義足のような物をつけることで補強してあります。一部威力落ちたり上がったりしているかもしれません。傲慢の歪虚特有の【懲罰】と【強制】、個人的に氷の単体魔法を一つ使っているのは確実です。
生前の記憶はあいまいで、王都に行きたいという思いと、実弟への執着。
・羊型歪虚×たくさん たくさん……。魔法の矢(マジックアロー相当)、突撃、ガードを使う。基本雑魚より強め、油断しなければ駆け出しでも一対一で勝てるかも。強い個体もいるので要注意。
●その他
憂悦孤唱プエル 故レチタティーヴォを目指し、頑張っているらしい嫉妬の歪虚。
●地理
エッタたちは西から来ます。
町の前は草原です。多少起伏はあります。
道に沿ってところどころ灌木や繁みがあります。
町には一応囲いはありますが、そんなに立派なものではありません。羊型歪虚が群がると乗り越えることができるかもしれません(高さ2メートルより高く3メートルより低い)。
エッタたちを町に入れないことが重要です。
羊型歪虚の殲滅
●同行NPC
ライル・サヴィス リゼリオにある雑貨屋「喫茶」のしょうもない店員は仮の姿かわかりませんが、ハンターとしては闘狩人駆け出しくらいです。とりあえず歪虚となった義姉を倒すことが重要。
シール リゼリオにある雑貨屋「喫茶」の店長代理なしっかり者の少年ですが、ハンターとしてはレベル2聖導士という扱い、ほぼ一般人。
●敵情報
・エッタ・サヴィス 前回までの体力は回復していますが、義足のような物をつけることで補強してあります。一部威力落ちたり上がったりしているかもしれません。傲慢の歪虚特有の【懲罰】と【強制】、個人的に氷の単体魔法を一つ使っているのは確実です。
生前の記憶はあいまいで、王都に行きたいという思いと、実弟への執着。
・羊型歪虚×たくさん たくさん……。魔法の矢(マジックアロー相当)、突撃、ガードを使う。基本雑魚より強め、油断しなければ駆け出しでも一対一で勝てるかも。強い個体もいるので要注意。
●その他
憂悦孤唱プエル 故レチタティーヴォを目指し、頑張っているらしい嫉妬の歪虚。
●地理
エッタたちは西から来ます。
町の前は草原です。多少起伏はあります。
道に沿ってところどころ灌木や繁みがあります。
町には一応囲いはありますが、そんなに立派なものではありません。羊型歪虚が群がると乗り越えることができるかもしれません(高さ2メートルより高く3メートルより低い)。
エッタたちを町に入れないことが重要です。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
プエル、嘘ついてみました、調べれば一発でわかるので……。ちょっとエッタが気の毒なのでぶった切ってください。
もしも、なにか質問がある場合プエルが答えることになります。演出の内だと思えば、きちんと答えると思います。
記すならば、シールが助けてもらった話は「【血盟】ある島から見える景色」です、読まなくても全く問題ありません。
よろしくお願いします。
プエル、嘘ついてみました、調べれば一発でわかるので……。ちょっとエッタが気の毒なのでぶった切ってください。
もしも、なにか質問がある場合プエルが答えることになります。演出の内だと思えば、きちんと答えると思います。
記すならば、シールが助けてもらった話は「【血盟】ある島から見える景色」です、読まなくても全く問題ありません。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/04/02 22:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談・提案・表明卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/04/01 10:38:40 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/03/26 06:24:22 |