ゲスト
(ka0000)
【王臨】虚無を走る黒大公
マスター:鹿野やいと

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- ユニット参加人数
- 現在24 / 0~25
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/03/27 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/04/10 19:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
黒大公ベリアル来襲の知らせを受けた王国軍は、すぐさま即応部隊である騎士団赤の隊の出撃を命じた。同時に近隣を所領とする貴族より兵力を募り、ベリアルとその軍勢に対して防衛線を展開した。既に一度撃退した相手である以上、次こそは必殺と意気込む王国軍ではあったが、その空気はベリアルの様相の変化が報告されるとすぐに消え失せていった。
ベリアルの変調は凄まじかった。黒化して巨大化しているのみならず、全ての機能が変容している。それが見かけだけではないことはすぐに証明された。
ベリアルとベリアルの軍の勢いは凄まじく、これまで西部の激戦区で歪虚の侵入を阻み続けて来た幾つもの砦が、瞬く間に攻め落とされた。人々は逃げる間もなく蹂躙され、村という村、町という町が焼かれた。
急派された王国軍はこの情報を得ると指揮官達の合議により方針を変更。変貌したベリアル軍と野戦で戦うことを決定した。王国側は急造の混成軍、移動の疲れも残り、横の連携も確立されていない。悪条件の中で黒大公の軍と戦っても勝ち目は薄い事は誰の目にも明らかであった。だがここで時間を稼がなければ、ベリアル襲来までにハルトフォートでの全軍集結が間に合わない。間に合ったとしても温存されたこの数の軍を相手にするのはハルトフォートの危機でもあった。苦渋の決断の末に、王国軍の混成部隊は野戦を開始した。
●
赤の隊を中心とする騎士団、聖堂戦士団、現地領主の私兵軍は身を隠す場所の無い平野において、黒大公ベリアルの軍を前後より挟撃した。後方から回り込み進軍する西軍は赤の隊を中心とする高機動部隊。指揮官は遠征帰りのベテラン、ジェフリー・ブラックバーン(kz0092)。対して前方より挑みベリアル軍を足止めするのは王国西部を領土とする領主達を中心とした貴族連合軍。指揮官は勇猛と知られるゴルドン伯爵配下の指揮官ロードリック。万全でないにせよ大戦力による攻撃であったはずだが、結果は当初の予想を越えて惨憺たる有様となった。
開戦から30分。最前線でハルバードを振るうジェフリーに絶望的な知らせが届いた。
「伝令! 東軍のロードリック司令、討死! 部隊は壊走中!」
「ちっ。言わんことではない!」
混戦の最中に知らせを受けたジェフリーは舌打ちを隠さなかった。東軍指揮官の性格を思って幾つか忠告をしたのだが、騎士団の若造と侮られたか無為に終わったらしい。
だがジェフリーは彼らの蛮勇を止めなかった。策無しで突っ込めば自分達がそうなると理解した上でだ。誰かがそこで死んで止めなければならないなら、自分達以外が良い。比較する相手が味方を殺しかねない無能なら猶更だ。
それでも彼は見殺しにはしていない。敗走されて困るのは自分も同じ。彼らが望んだとおり、東軍には集結中の貴族軍の主だった部隊を多数配置した。その結果、敵は強大でも勝てると思い込み、欲をかいて戦功を求めたのは彼らの落ち度だ。
「これが勝利の代償だとでも言うのか……」
騎士の言葉を聞く気のない貴族の子弟を育てたのは環境だ。政治屋が国の危機の最中に政治に溺れたからだ。そして、彼ら罪のない子弟達を制止できなかった自分の不甲斐なさが恨めしい。彼らには何の怨みもない。それでも見殺しにせざるを得なかった。
ジェフリーは頭を切り替える。他人の心配などしている暇は無い。王国軍が劣勢なのは前方だけではないのだから。機動力を重視した都合上西軍は戦力が少ない。幸いベリアルが後方を完全に無視してハルトフォートに進軍している為に、即座に壊滅という心配はないが、このままで被害が増えるだけである。当初の足止めという目標も達していない。
ジェフリーが撤退による仕切り直しを考え始めた頃、次の知らせが飛び込んで来た。
「副長! ハルトフォートの方面より援軍です!」
「どこの軍だ!?」
「セラーズ男爵、クリフトン男爵の別動隊と、冒険者協会のハンターです!」
援軍の総数はそう多くはない。だが万全の1部隊とハンターの集団なら十分状況を変えうる。ジェフリーは今しばらく全軍を踏みとどまらせることを決断した。
「わかった。貴族の軍には敗走中の東軍の支援を要請する。伝達の際は無理に戦うなと必ず伝えろ、忘れるな! あれを抑えることはできん。時間を稼ぐだけでいい」
「了解です! ハンター達にはなんと!?」
「指揮系統に組み込む準備が無い。好きに戦わせろ。そういうのに慣れてるだろうからな!」
酷い物言いだが今から装備を合わせるわけにもいかない。彼らは彼らで何らかの用意をしているだろう。それを信じるしかない。ジェフリーは各部隊長に指令を出すと、自身も精鋭の供回りを連れて前線へと切り込んでいった。
■
死して歪虚は無に変える。物理に左右されない体がいかなる原理によるものかは不明だ。それは熱量、それは情報。仮定は幾つかある。ベリアルはこの日までそんな些末な話を気にした事は無かった。今この時になって、薄れゆく理性は一つの仮定を思い出す。自身の体が肉を持つ情報であるとするならば、全ての肉は情報や熱量に代替可能。自身の構成パーツは全て、組み換えが可能なのだと。
例えば生命を熱量に、知性を筋力に。理性を、力に。
(……は………誰ダ?)
自身の名前の情報など不要。力に変えればよい。壊す相手の情報も必要ない。万全の我が身と我が軍団に敵う者無し。全てを破壊し、殺戮すれば事足りる。王国を破壊する理由も覚えている必要はない。命令がある。それで充分。王国の定義も必要ない。目標は定まった。地理の知識も必要ない。通り過ぎた道はいずれ無に帰る。記憶は熱へ。力に変える。
(王国……壊ス)
緩やかに感情を失っていく。感情も必要ない。力に変える。今は歩数を数えよう。残る気がかりは休息の回数のみ。壊すべき街に至るまでに、2本の足が崩れないように管理する。砦を壊す方法も残しておく。砦1回に魔砲を1回。王城の破壊に魔砲を数回。それがベリアルという個体に必要な最小限。
「メ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ 」
ベリアルは吼えた。
消えぬ憎悪の炎に胸を焦がして吼えた。
切り刻まれる我が身の痛みに吼えた。
失われる我が身に怯えて吼えた。
吼え続けることで、辛うじて失われる自我を呼び起こし続けていた。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
黒大公ベリアル来襲の知らせを受けた王国軍は、すぐさま即応部隊である騎士団赤の隊の出撃を命じた。同時に近隣を所領とする貴族より兵力を募り、ベリアルとその軍勢に対して防衛線を展開した。既に一度撃退した相手である以上、次こそは必殺と意気込む王国軍ではあったが、その空気はベリアルの様相の変化が報告されるとすぐに消え失せていった。
ベリアルの変調は凄まじかった。黒化して巨大化しているのみならず、全ての機能が変容している。それが見かけだけではないことはすぐに証明された。
ベリアルとベリアルの軍の勢いは凄まじく、これまで西部の激戦区で歪虚の侵入を阻み続けて来た幾つもの砦が、瞬く間に攻め落とされた。人々は逃げる間もなく蹂躙され、村という村、町という町が焼かれた。
急派された王国軍はこの情報を得ると指揮官達の合議により方針を変更。変貌したベリアル軍と野戦で戦うことを決定した。王国側は急造の混成軍、移動の疲れも残り、横の連携も確立されていない。悪条件の中で黒大公の軍と戦っても勝ち目は薄い事は誰の目にも明らかであった。だがここで時間を稼がなければ、ベリアル襲来までにハルトフォートでの全軍集結が間に合わない。間に合ったとしても温存されたこの数の軍を相手にするのはハルトフォートの危機でもあった。苦渋の決断の末に、王国軍の混成部隊は野戦を開始した。
●
赤の隊を中心とする騎士団、聖堂戦士団、現地領主の私兵軍は身を隠す場所の無い平野において、黒大公ベリアルの軍を前後より挟撃した。後方から回り込み進軍する西軍は赤の隊を中心とする高機動部隊。指揮官は遠征帰りのベテラン、ジェフリー・ブラックバーン(kz0092)。対して前方より挑みベリアル軍を足止めするのは王国西部を領土とする領主達を中心とした貴族連合軍。指揮官は勇猛と知られるゴルドン伯爵配下の指揮官ロードリック。万全でないにせよ大戦力による攻撃であったはずだが、結果は当初の予想を越えて惨憺たる有様となった。
開戦から30分。最前線でハルバードを振るうジェフリーに絶望的な知らせが届いた。
「伝令! 東軍のロードリック司令、討死! 部隊は壊走中!」
「ちっ。言わんことではない!」
混戦の最中に知らせを受けたジェフリーは舌打ちを隠さなかった。東軍指揮官の性格を思って幾つか忠告をしたのだが、騎士団の若造と侮られたか無為に終わったらしい。
だがジェフリーは彼らの蛮勇を止めなかった。策無しで突っ込めば自分達がそうなると理解した上でだ。誰かがそこで死んで止めなければならないなら、自分達以外が良い。比較する相手が味方を殺しかねない無能なら猶更だ。
それでも彼は見殺しにはしていない。敗走されて困るのは自分も同じ。彼らが望んだとおり、東軍には集結中の貴族軍の主だった部隊を多数配置した。その結果、敵は強大でも勝てると思い込み、欲をかいて戦功を求めたのは彼らの落ち度だ。
「これが勝利の代償だとでも言うのか……」
騎士の言葉を聞く気のない貴族の子弟を育てたのは環境だ。政治屋が国の危機の最中に政治に溺れたからだ。そして、彼ら罪のない子弟達を制止できなかった自分の不甲斐なさが恨めしい。彼らには何の怨みもない。それでも見殺しにせざるを得なかった。
ジェフリーは頭を切り替える。他人の心配などしている暇は無い。王国軍が劣勢なのは前方だけではないのだから。機動力を重視した都合上西軍は戦力が少ない。幸いベリアルが後方を完全に無視してハルトフォートに進軍している為に、即座に壊滅という心配はないが、このままで被害が増えるだけである。当初の足止めという目標も達していない。
ジェフリーが撤退による仕切り直しを考え始めた頃、次の知らせが飛び込んで来た。
「副長! ハルトフォートの方面より援軍です!」
「どこの軍だ!?」
「セラーズ男爵、クリフトン男爵の別動隊と、冒険者協会のハンターです!」
援軍の総数はそう多くはない。だが万全の1部隊とハンターの集団なら十分状況を変えうる。ジェフリーは今しばらく全軍を踏みとどまらせることを決断した。
「わかった。貴族の軍には敗走中の東軍の支援を要請する。伝達の際は無理に戦うなと必ず伝えろ、忘れるな! あれを抑えることはできん。時間を稼ぐだけでいい」
「了解です! ハンター達にはなんと!?」
「指揮系統に組み込む準備が無い。好きに戦わせろ。そういうのに慣れてるだろうからな!」
酷い物言いだが今から装備を合わせるわけにもいかない。彼らは彼らで何らかの用意をしているだろう。それを信じるしかない。ジェフリーは各部隊長に指令を出すと、自身も精鋭の供回りを連れて前線へと切り込んでいった。
■
死して歪虚は無に変える。物理に左右されない体がいかなる原理によるものかは不明だ。それは熱量、それは情報。仮定は幾つかある。ベリアルはこの日までそんな些末な話を気にした事は無かった。今この時になって、薄れゆく理性は一つの仮定を思い出す。自身の体が肉を持つ情報であるとするならば、全ての肉は情報や熱量に代替可能。自身の構成パーツは全て、組み換えが可能なのだと。
例えば生命を熱量に、知性を筋力に。理性を、力に。
(……は………誰ダ?)
自身の名前の情報など不要。力に変えればよい。壊す相手の情報も必要ない。万全の我が身と我が軍団に敵う者無し。全てを破壊し、殺戮すれば事足りる。王国を破壊する理由も覚えている必要はない。命令がある。それで充分。王国の定義も必要ない。目標は定まった。地理の知識も必要ない。通り過ぎた道はいずれ無に帰る。記憶は熱へ。力に変える。
(王国……壊ス)
緩やかに感情を失っていく。感情も必要ない。力に変える。今は歩数を数えよう。残る気がかりは休息の回数のみ。壊すべき街に至るまでに、2本の足が崩れないように管理する。砦を壊す方法も残しておく。砦1回に魔砲を1回。王城の破壊に魔砲を数回。それがベリアルという個体に必要な最小限。
「メ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛ 」
ベリアルは吼えた。
消えぬ憎悪の炎に胸を焦がして吼えた。
切り刻まれる我が身の痛みに吼えた。
失われる我が身に怯えて吼えた。
吼え続けることで、辛うじて失われる自我を呼び起こし続けていた。
解説
●依頼内容
イスルダより王都へ向けて東進するベリアル軍を迎撃せよ
●状況
野戦です
ベリアル軍は街道にそって東進中
緊急で集まった王国軍がこれを迎撃しています
王国軍は貴族の私兵軍、騎士団各隊、聖堂戦士団などの混成軍。
指揮命令系統は確立していますが、質のばらつきが大きく苦戦中です
ベリアル軍の前方と後方より攻撃中ですが、前方より進軍した部隊はベリアルに蹴散らされ敗走中です
●PCの初期位置
前方、両側面、後方。好きな方面をPC単位で選択可能
前方は前述の通り味方NPCが少なく、ベリアルの進路なので危険度が跳ね上がります
側面は味方が居ませんが敵の層も薄めになっています
後方は味方も敵も揃っていますが、現状ではベリアルには無視されています
●勝利条件
・ベリアル軍の兵士数を大きく削る
・ベリアルの魔砲を使わせる
以上の条件の片方を満たした上での撤退
●敵NPCの戦力
ベリアルとベリアルの軍団。毎度おなじみの羊達です
ベリアルは強制の効力により生命点以外の全数値が向上しています
(正確には慢心により下がっていた分が元に戻っただけ)
取り巻きの歪虚も状況が状況なだけに最初から本気ですが、
ベリアルほどには性能は向上していません
●ユニットの使用可否
すべてのユニットが使用可能です
イスルダより王都へ向けて東進するベリアル軍を迎撃せよ
●状況
野戦です
ベリアル軍は街道にそって東進中
緊急で集まった王国軍がこれを迎撃しています
王国軍は貴族の私兵軍、騎士団各隊、聖堂戦士団などの混成軍。
指揮命令系統は確立していますが、質のばらつきが大きく苦戦中です
ベリアル軍の前方と後方より攻撃中ですが、前方より進軍した部隊はベリアルに蹴散らされ敗走中です
●PCの初期位置
前方、両側面、後方。好きな方面をPC単位で選択可能
前方は前述の通り味方NPCが少なく、ベリアルの進路なので危険度が跳ね上がります
側面は味方が居ませんが敵の層も薄めになっています
後方は味方も敵も揃っていますが、現状ではベリアルには無視されています
●勝利条件
・ベリアル軍の兵士数を大きく削る
・ベリアルの魔砲を使わせる
以上の条件の片方を満たした上での撤退
●敵NPCの戦力
ベリアルとベリアルの軍団。毎度おなじみの羊達です
ベリアルは強制の効力により生命点以外の全数値が向上しています
(正確には慢心により下がっていた分が元に戻っただけ)
取り巻きの歪虚も状況が状況なだけに最初から本気ですが、
ベリアルほどには性能は向上していません
●ユニットの使用可否
すべてのユニットが使用可能です
マスターより
第3回対ベリアル戦。今回も私、鹿野が担当させていただきます。
醜悪なビジュアルでお馴染みのベリアルにも、破滅の時が迫ってきました。
これは後に続く狂化ベリアルとの前哨戦になります。そして、ベリアル「軍」との最終決戦でもあります
今回はベリアルの討伐には至りませんが、続くベリアルの討伐戦では今回の結果が大きな意味を持ちます
当然、危険な戦場です。我こそはと思う方は奮ってご参加ください
醜悪なビジュアルでお馴染みのベリアルにも、破滅の時が迫ってきました。
これは後に続く狂化ベリアルとの前哨戦になります。そして、ベリアル「軍」との最終決戦でもあります
今回はベリアルの討伐には至りませんが、続くベリアルの討伐戦では今回の結果が大きな意味を持ちます
当然、危険な戦場です。我こそはと思う方は奮ってご参加ください
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/04/12 19:04
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 ミカ・コバライネン(ka0340) 人間(リアルブルー)|31才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/03/27 18:58:12 |
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![]() |
相談卓 レイレリア・リナークシス(ka3872) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/03/27 06:20:54 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/03/25 17:01:07 |