ゲスト
(ka0000)
【哀像】潰えた村に残されたもの
マスター:紫月紫織

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
APV- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/04/08 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/04/22 09:00
オープニング
◆新人ハンター里帰り
「それじゃあ、暫くの間留守にします」
「一月ほどで戻りますね」
四人組の新人ハンターがオフィスに挨拶に来たのを、暇だったのをいいことに見送りに出た。
新人の舞刀士、魔術師、符術師、格闘士の四人組は皆カラネ村出身のパーティだ。
ハンターとしての活動が安定しそうだということ、最近のエルフハイムを中心とした騒動で故郷が心配だということ、それらをあわせて一度仕送りも兼ねて里帰りする、。
そういう、たまにあるような話である。
わざわざ挨拶に来るなんて律儀ねと思いつつも、新人として転がり込んできてから面倒を見ていたエリクシアにとって、一人前とはまだまだいいづらくてもその成長は感慨深いものがあった。
「はい、皆さん道中も気をつけてくださいね」
手を振りながらあるき出した四人組を見送り、オフィスへと戻る。
活動中のハンターリストから先程のパーティの登録表を休止中のものへと移した。
「早く、戻ってきてくれるといいんですがねぇ……」
仕事は多く、ハンターはいくら居ても足りないとばかりにつぶやくエリクシア。
少し厚みを増した休止中のハンターリストを、そっとしまい込んだ。
エリクシアが彼ら、四人組の新米ハンターを見たのは、それが最後である。
およそ、五ヶ月ほど前の出来事だった。
◆やってきたのは行商人
帝都バルトアンデルスから遠く離れた、いうなれば開拓地とも言ってもいいようなカラネ村という寒村に、行商人、イリル・ロゼッティアははるばる足を運んでいた。
前回行商に来たのは一月前、そろそろあの時買い付けられた消耗品の備蓄も減ってきている頃だろう。
交通の安定していない寒村の生命線、その一つがイリルのような行商人だ。
小さな村で用意できるものというのは限られる、そのためそれ以外は外部からの入手が必須となる。
例えば調味料――塩や砂糖、香辛料だとか、金属加工品――農具や縫い針だとかである。
前回来た時とった頼まれものも用意できた。
それも、そこそこ品質の良いものだ。
開墾用の鍬や収穫用の鎌、縫い針に衣服を仕立てるための布。
砂糖や塩といった調味料に加えて、子供が欲しがっていたお菓子もある。
子供が生まれたばかりだと言っていた家から頼まれた赤ん坊用のおもちゃだって仕入れられた。
喜んでもらえるだろうか。
イリルもまた、開拓地にほど近い寒村で生まれた。
生まれた村は流行病で捨てざるを得なくなったが、だからこそ儲けを度外視にして彼は郊外の小さな村を行商のルートに組み込んでいるのだ。
喜ぶ顔に思いを馳せるのはもうやめだ。
そろそろ村が見えてくる、そう思って顔を上げたイリルの目に写ったのは、荒れ果てた畑。
そして、迎えるもののない村だった。
ずきりと、嫌な予感が胸中を襲う。
まさか、この一月の間に何かあったのか?
震える手を必死に抑えて手綱を握る。
がらがらと、馬車は止まらない。
村に入ったところで馬車を止め、そっと足をすすめる。
そんなイリルを出迎えたのは――赤黒く染まった地面だった。
そっと腰をかがめその痕跡を確認する。
雨風で薄くなっているけれど間違いない、血の跡だ。
遠目に、何かが動いているのが見えた。
その動きはゆるやかで、けれどはっきりとした人形だ。
ハンターにも見えるそれ、だが目のいいイリルにはそれがなんなのかしっかり捉えていた。
……ゾンビだ。
踵を取って返し、鞭を打つ。
ハンターオフィス目掛けて、馬を走らせた。
その背後で、ばさりと羽ばたく音が聞こえた。
怯えたイリルが振り返る。
不吉な容貌の黒い鳥が一羽、村の上空を回遊していた。
およそ一週間前の話である。
◆苦悩する受付嬢
――そして現在。
大慌てで戻ってきた行商人イリルから持ち込まれた情報は、すぐさまエリクシアによって依頼へと書き出されることになった。
辺境に位置するカラネ村。
現れたハンター風のゾンビ。
村人の安否不明。
そこまで確認したところで、彼女の記憶の片隅に引っかかるものがあった。
この村の事を、私は知っている……だが、どこで?
しばらく考え込んだのち、ハッとしたエリクシアが休止中のハンターリストを取り出す。
そこにある一枚のパーティリスト、五ヶ月ほど前から休止しその後音沙汰なしとなっていた彼らの姿絵を取り出す。
確か彼らの故郷は――。
「イリルさん、あなたが見たゾンビというのは、もしやこの様な姿ではありませんでしたか?」
震える声を隠して、姿絵を差し出すエリクシア。
イリルは少し考えたのちに、顔は分からないが着ているものは同じだったと頷く。
ぎり、とエリクシアの手が強く握られた。
握られていたペンがきしみ、びきりと割れる音が響く。
イリルがびくっと身をすくめた。
(落ち着きなさい、エリクシア)
手に刺さったペンの破片をそっと抜く、鮮やかな赤が書きかけの依頼表を汚した。
「わかりました。こちらの方で依頼を作成します。ご報告、ありがとうございました」
オフィス職員である以上、ハンターが戻ってこないという事態というのはある。
だが、慣れるものではない。
(五ヶ月前――ですか、確かエルフハイムの騒動があった頃……その時の何かに巻き込まれていたのなら、ゾンビ化するには十分な時間かもしれませんね)
でも、だとしたらそれはどんな悲劇だろうか。
故郷を思って帰郷しようとしたものが、ゾンビと化して故郷の村を襲うなど……。
やがて依頼票が書き上がった頃、エリクシアは窓の外へと意識を向けた。
黒い雲がたちこめ、風が吹きすさぶ風が窓を激しく揺らした。
「嵐に……なりそうですね」
「それじゃあ、暫くの間留守にします」
「一月ほどで戻りますね」
四人組の新人ハンターがオフィスに挨拶に来たのを、暇だったのをいいことに見送りに出た。
新人の舞刀士、魔術師、符術師、格闘士の四人組は皆カラネ村出身のパーティだ。
ハンターとしての活動が安定しそうだということ、最近のエルフハイムを中心とした騒動で故郷が心配だということ、それらをあわせて一度仕送りも兼ねて里帰りする、。
そういう、たまにあるような話である。
わざわざ挨拶に来るなんて律儀ねと思いつつも、新人として転がり込んできてから面倒を見ていたエリクシアにとって、一人前とはまだまだいいづらくてもその成長は感慨深いものがあった。
「はい、皆さん道中も気をつけてくださいね」
手を振りながらあるき出した四人組を見送り、オフィスへと戻る。
活動中のハンターリストから先程のパーティの登録表を休止中のものへと移した。
「早く、戻ってきてくれるといいんですがねぇ……」
仕事は多く、ハンターはいくら居ても足りないとばかりにつぶやくエリクシア。
少し厚みを増した休止中のハンターリストを、そっとしまい込んだ。
エリクシアが彼ら、四人組の新米ハンターを見たのは、それが最後である。
およそ、五ヶ月ほど前の出来事だった。
◆やってきたのは行商人
帝都バルトアンデルスから遠く離れた、いうなれば開拓地とも言ってもいいようなカラネ村という寒村に、行商人、イリル・ロゼッティアははるばる足を運んでいた。
前回行商に来たのは一月前、そろそろあの時買い付けられた消耗品の備蓄も減ってきている頃だろう。
交通の安定していない寒村の生命線、その一つがイリルのような行商人だ。
小さな村で用意できるものというのは限られる、そのためそれ以外は外部からの入手が必須となる。
例えば調味料――塩や砂糖、香辛料だとか、金属加工品――農具や縫い針だとかである。
前回来た時とった頼まれものも用意できた。
それも、そこそこ品質の良いものだ。
開墾用の鍬や収穫用の鎌、縫い針に衣服を仕立てるための布。
砂糖や塩といった調味料に加えて、子供が欲しがっていたお菓子もある。
子供が生まれたばかりだと言っていた家から頼まれた赤ん坊用のおもちゃだって仕入れられた。
喜んでもらえるだろうか。
イリルもまた、開拓地にほど近い寒村で生まれた。
生まれた村は流行病で捨てざるを得なくなったが、だからこそ儲けを度外視にして彼は郊外の小さな村を行商のルートに組み込んでいるのだ。
喜ぶ顔に思いを馳せるのはもうやめだ。
そろそろ村が見えてくる、そう思って顔を上げたイリルの目に写ったのは、荒れ果てた畑。
そして、迎えるもののない村だった。
ずきりと、嫌な予感が胸中を襲う。
まさか、この一月の間に何かあったのか?
震える手を必死に抑えて手綱を握る。
がらがらと、馬車は止まらない。
村に入ったところで馬車を止め、そっと足をすすめる。
そんなイリルを出迎えたのは――赤黒く染まった地面だった。
そっと腰をかがめその痕跡を確認する。
雨風で薄くなっているけれど間違いない、血の跡だ。
遠目に、何かが動いているのが見えた。
その動きはゆるやかで、けれどはっきりとした人形だ。
ハンターにも見えるそれ、だが目のいいイリルにはそれがなんなのかしっかり捉えていた。
……ゾンビだ。
踵を取って返し、鞭を打つ。
ハンターオフィス目掛けて、馬を走らせた。
その背後で、ばさりと羽ばたく音が聞こえた。
怯えたイリルが振り返る。
不吉な容貌の黒い鳥が一羽、村の上空を回遊していた。
およそ一週間前の話である。
◆苦悩する受付嬢
――そして現在。
大慌てで戻ってきた行商人イリルから持ち込まれた情報は、すぐさまエリクシアによって依頼へと書き出されることになった。
辺境に位置するカラネ村。
現れたハンター風のゾンビ。
村人の安否不明。
そこまで確認したところで、彼女の記憶の片隅に引っかかるものがあった。
この村の事を、私は知っている……だが、どこで?
しばらく考え込んだのち、ハッとしたエリクシアが休止中のハンターリストを取り出す。
そこにある一枚のパーティリスト、五ヶ月ほど前から休止しその後音沙汰なしとなっていた彼らの姿絵を取り出す。
確か彼らの故郷は――。
「イリルさん、あなたが見たゾンビというのは、もしやこの様な姿ではありませんでしたか?」
震える声を隠して、姿絵を差し出すエリクシア。
イリルは少し考えたのちに、顔は分からないが着ているものは同じだったと頷く。
ぎり、とエリクシアの手が強く握られた。
握られていたペンがきしみ、びきりと割れる音が響く。
イリルがびくっと身をすくめた。
(落ち着きなさい、エリクシア)
手に刺さったペンの破片をそっと抜く、鮮やかな赤が書きかけの依頼表を汚した。
「わかりました。こちらの方で依頼を作成します。ご報告、ありがとうございました」
オフィス職員である以上、ハンターが戻ってこないという事態というのはある。
だが、慣れるものではない。
(五ヶ月前――ですか、確かエルフハイムの騒動があった頃……その時の何かに巻き込まれていたのなら、ゾンビ化するには十分な時間かもしれませんね)
でも、だとしたらそれはどんな悲劇だろうか。
故郷を思って帰郷しようとしたものが、ゾンビと化して故郷の村を襲うなど……。
やがて依頼票が書き上がった頃、エリクシアは窓の外へと意識を向けた。
黒い雲がたちこめ、風が吹きすさぶ風が窓を激しく揺らした。
「嵐に……なりそうですね」
解説
●解説
人が居なくなってしまったカラネ村の調査依頼です。
村で何が起きたのかを調べてください。
村の規模は4~50人です。
イリルは血溜まりの痕跡を発見した後ゾンビを目撃、村人の誰とも会っていません。
敵としてゾンビ化した新人ハンター四人組が現れます。強さは、新人ハンターとして見れば強いです。
村へ向かってもらう形のため到着時刻は任意ですが、天候は嵐です、昼でもだいぶ暗いです。
嵐が過ぎ去れば痕跡の多くも洗い流されてしまうでしょう。
調査が終わって夜が明ければ嵐も通り過ぎます。
ゾンビ化した元新人ハンターの情報は以下です。
・舞刀士、男、フレイ。
スキル:剣心一如、円舞、疾風剣
・格闘士、女、ソフィア。
スキル:震撃、練気、柔能制剛
・魔術師、女、ラスティナ。
スキル:マジックアロー、集中、ウィンドスラッシュ
・符術師、男、カーマイン。
スキル:胡蝶符、ドローアクション、コンボカード
人が居なくなってしまったカラネ村の調査依頼です。
村で何が起きたのかを調べてください。
村の規模は4~50人です。
イリルは血溜まりの痕跡を発見した後ゾンビを目撃、村人の誰とも会っていません。
敵としてゾンビ化した新人ハンター四人組が現れます。強さは、新人ハンターとして見れば強いです。
村へ向かってもらう形のため到着時刻は任意ですが、天候は嵐です、昼でもだいぶ暗いです。
嵐が過ぎ去れば痕跡の多くも洗い流されてしまうでしょう。
調査が終わって夜が明ければ嵐も通り過ぎます。
ゾンビ化した元新人ハンターの情報は以下です。
・舞刀士、男、フレイ。
スキル:剣心一如、円舞、疾風剣
・格闘士、女、ソフィア。
スキル:震撃、練気、柔能制剛
・魔術師、女、ラスティナ。
スキル:マジックアロー、集中、ウィンドスラッシュ
・符術師、男、カーマイン。
スキル:胡蝶符、ドローアクション、コンボカード
マスターより
●マスターより
ご覧いただきありがとうございます、紫月紫織です。
今回はBdiv連動【哀像】のシナリオをお届けさせていただきます。
嵐の中の廃村、いかにも何か起きそうなシチュエーションですね。
村で一体何が起こったのか、解き明かしていただければと思います。
難易度としては特に難しくはありません。
要点を外さなければ失敗はないと思ってください。
ご覧いただきありがとうございます、紫月紫織です。
今回はBdiv連動【哀像】のシナリオをお届けさせていただきます。
嵐の中の廃村、いかにも何か起きそうなシチュエーションですね。
村で一体何が起こったのか、解き明かしていただければと思います。
難易度としては特に難しくはありません。
要点を外さなければ失敗はないと思ってください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/04/18 23:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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痕跡探し(相談卓) 氷雨 柊羽(ka6767) エルフ|17才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/04/08 07:42:05 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/04/07 12:48:50 |