ゲスト
(ka0000)
【郷祭】特急便よ、風より速く
マスター:えーてる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/10/24 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/11/02 19:00
オープニング
●
「はぁ……!?」
商人の男は悲鳴を上げた。
「納期に間に合わない!?」
工房側の小間使いがぺこぺこ頭を下げるのを見て、男は頭を抱えた。
ジェオルジの村長祭といえば、商人たちの稼ぎ時だ。祭りに向けて大量の物資が流通する。特に秋の村長祭は収穫シーズンであるし、今回は一層力を入れているようであるから、乗り遅れる訳にはいかない。
この商会も、ジェオルジへと様々な物資を輸送することになっているのだが……。
肝心の物資の生産が遅れてしまったというのだ。
「どうする……間に合わないぞ、これじゃあ」
納品は明日。だが輸送して納品するまでの余裕がなさすぎる。元々期日ギリギリの依頼だったのだ。街道をもたもた進んでいたのでは間に合わない……。
「……いや……だが」
しかし、男は要らぬ発想をしてしまった。
つまり、街道を使わなければいいのだ、と。
男は振り返って、部下に指示を出した。
「……例のルートを使うぞ。上に許可を取れ。責任は俺が持つ。ハンターオフィスに連絡を入れろ」
●
「今回の依頼は、馬車の護衛となっています」
受付嬢イルムトラウトは、机の上に地図を広げた。
同盟の主要街道はおおよそ環状である。輪の東端に極彩色の街ヴァリオスがあり、そこから時計回りに、南東の冒険都市リゼリオ、南西の港湾都市ポルトワール、西の蒸気都市フマーレ、北の農業地域ジェオルジ、と繋がっている。
同盟領中央部や、ポルトワール南方の半島などは、ここは置いておこう。
イルムの細い指がフマーレを指差した。
フマーレだけは環状からやや外れ、湾岸沿いに王国へ続く街道に入って少し進んだ地点にある。
「本来フマーレからジェオルジへと向かうルートは、こうなります」
つつ、と指先が紙面を擦り、街道をなぞる。
王国街道をやや戻り、環状街道へ入ってこれを北東へ走ると農業推進地域ジェオルジに辿り着くわけだが……。
「ですが今回は、先方の納期が非常に厳しい状態にあるとのことです。そのため、大胆なショートカットを行います」
その指先が今度は不穏なルートをなぞった。
「フマーレを発するこの輸送用馬車は、出立時点から王国街道を外れて一直線に北東へと走り、環状街道の中途へ合流します。そこで別の馬車に荷を積み替え、街道を北上……という手筈のようです。そして、今回皆様に護衛して頂くのは、この街道外のルートの間のみです」
全く使われていないルートではない。時間を少しでも短縮したい商人たちが使うこともあった。馬車が通れるだけのルートは既に判明しているし、やはり普通に街道を行くよりは早い。
が――。
「狼や熊など、野生動物の生息区域と見事に被っています。加えて悪路の数々に、一部は崖沿いに走るルートなどもあり、事故の多いルートなのです。極めつけは、事故で馬車が消えてもおかしくないという点に目をつけた盗賊たちが待ち構えている場合もあると……」
散々じゃねぇか、と誰かが言った。
正気であればこんなルートを使う奴はいない。いないが、そういった抜け道はいつでもどこでも重宝されてしまうものだ。
こういった、一刻も早く輸送せねばならないという時などは。
「危険地帯を走る馬車を護衛し、街道まで無事に送り届けるのが今回の依頼となります。なお依頼の性質上、どうしようもない危機に陥った場合は積荷の放棄が認められています。その場合でも最低限の報酬は支払うそうです」
物資は主に包丁などの工業品と、鮮魚などの食料、そして高価な工芸品である。
街道に着いた時点での物資の状態、馬車の損害、到着までの時間に応じて追加報酬を出すとのことだ。
「ルート上、想定されうる危険に関してはお手元の書類に纏めておきましたが、想定外の自体も起こりうるかと思います。十分留意してください。……それでは、よろしくお願い致します」
一礼するイルムに見送られ、ハンターたちは件の商会へと向かった。
「はぁ……!?」
商人の男は悲鳴を上げた。
「納期に間に合わない!?」
工房側の小間使いがぺこぺこ頭を下げるのを見て、男は頭を抱えた。
ジェオルジの村長祭といえば、商人たちの稼ぎ時だ。祭りに向けて大量の物資が流通する。特に秋の村長祭は収穫シーズンであるし、今回は一層力を入れているようであるから、乗り遅れる訳にはいかない。
この商会も、ジェオルジへと様々な物資を輸送することになっているのだが……。
肝心の物資の生産が遅れてしまったというのだ。
「どうする……間に合わないぞ、これじゃあ」
納品は明日。だが輸送して納品するまでの余裕がなさすぎる。元々期日ギリギリの依頼だったのだ。街道をもたもた進んでいたのでは間に合わない……。
「……いや……だが」
しかし、男は要らぬ発想をしてしまった。
つまり、街道を使わなければいいのだ、と。
男は振り返って、部下に指示を出した。
「……例のルートを使うぞ。上に許可を取れ。責任は俺が持つ。ハンターオフィスに連絡を入れろ」
●
「今回の依頼は、馬車の護衛となっています」
受付嬢イルムトラウトは、机の上に地図を広げた。
同盟の主要街道はおおよそ環状である。輪の東端に極彩色の街ヴァリオスがあり、そこから時計回りに、南東の冒険都市リゼリオ、南西の港湾都市ポルトワール、西の蒸気都市フマーレ、北の農業地域ジェオルジ、と繋がっている。
同盟領中央部や、ポルトワール南方の半島などは、ここは置いておこう。
イルムの細い指がフマーレを指差した。
フマーレだけは環状からやや外れ、湾岸沿いに王国へ続く街道に入って少し進んだ地点にある。
「本来フマーレからジェオルジへと向かうルートは、こうなります」
つつ、と指先が紙面を擦り、街道をなぞる。
王国街道をやや戻り、環状街道へ入ってこれを北東へ走ると農業推進地域ジェオルジに辿り着くわけだが……。
「ですが今回は、先方の納期が非常に厳しい状態にあるとのことです。そのため、大胆なショートカットを行います」
その指先が今度は不穏なルートをなぞった。
「フマーレを発するこの輸送用馬車は、出立時点から王国街道を外れて一直線に北東へと走り、環状街道の中途へ合流します。そこで別の馬車に荷を積み替え、街道を北上……という手筈のようです。そして、今回皆様に護衛して頂くのは、この街道外のルートの間のみです」
全く使われていないルートではない。時間を少しでも短縮したい商人たちが使うこともあった。馬車が通れるだけのルートは既に判明しているし、やはり普通に街道を行くよりは早い。
が――。
「狼や熊など、野生動物の生息区域と見事に被っています。加えて悪路の数々に、一部は崖沿いに走るルートなどもあり、事故の多いルートなのです。極めつけは、事故で馬車が消えてもおかしくないという点に目をつけた盗賊たちが待ち構えている場合もあると……」
散々じゃねぇか、と誰かが言った。
正気であればこんなルートを使う奴はいない。いないが、そういった抜け道はいつでもどこでも重宝されてしまうものだ。
こういった、一刻も早く輸送せねばならないという時などは。
「危険地帯を走る馬車を護衛し、街道まで無事に送り届けるのが今回の依頼となります。なお依頼の性質上、どうしようもない危機に陥った場合は積荷の放棄が認められています。その場合でも最低限の報酬は支払うそうです」
物資は主に包丁などの工業品と、鮮魚などの食料、そして高価な工芸品である。
街道に着いた時点での物資の状態、馬車の損害、到着までの時間に応じて追加報酬を出すとのことだ。
「ルート上、想定されうる危険に関してはお手元の書類に纏めておきましたが、想定外の自体も起こりうるかと思います。十分留意してください。……それでは、よろしくお願い致します」
一礼するイルムに見送られ、ハンターたちは件の商会へと向かった。
解説
●目標
街道までの馬車の護衛、及び馬車の円滑な運行の補助
●情報
半分ほどはなだらかな平地ですが、悪路も多いです。
途中から森を直進し、いくつか危険な地域を抜けて、また平地を走って街道へと合流します。
悪路に対する荷物の保護は商会側が対応しますが、走行時以上の衝撃には危険が伴います。
想定される障害は以下の通りです。
なお、以下の困難がすべて発生するとは限りません。
・狼
平野から森の入り口程は狼の縄張りのようです。ここの突破は必須です。
・熊
森のどこかに生息しています。縄張りに踏み込むと襲ってきます。
・亜人、盗賊
ゴブリン、コボルト、盗賊などに襲撃される可能性があります。
荷物を狙って襲撃を仕掛けます。盗賊は投擲装備を持ちます。
・川と橋
馬では渡れない急流です。古びた橋を渡ることでショートカット出来ます。ただ渡るだけならば落下はしないでしょう。
迂回すれば穏やかな流域を渡れます。
・崖
森の終端に向けて、崖ぎりぎりを走行することになります。
単独では問題ありませんが、崖以外の要素が重なると落下の危険性があります。
・坂道
崖を暫く走ると、崖を下るための坂が見えてきます。急勾配ではありませんが馬車の重量故に制御がしづらくなるでしょう。
進路上の岩などの障害物に激突すると危険です。また、落石の可能性があります。
ここを抜ければ後は街道まで一直線です。
●補遺
走るに連れて馬は疲弊します。疲弊状態に応じて速度は低下します。疲弊し切ると行動不能となります。
また、疲弊状態は一部の悪路の走破に影響を及ぼします。
馬の状態、物資への損害、到着時間によって報酬は増額されます。
街道までの馬車の護衛、及び馬車の円滑な運行の補助
●情報
半分ほどはなだらかな平地ですが、悪路も多いです。
途中から森を直進し、いくつか危険な地域を抜けて、また平地を走って街道へと合流します。
悪路に対する荷物の保護は商会側が対応しますが、走行時以上の衝撃には危険が伴います。
想定される障害は以下の通りです。
なお、以下の困難がすべて発生するとは限りません。
・狼
平野から森の入り口程は狼の縄張りのようです。ここの突破は必須です。
・熊
森のどこかに生息しています。縄張りに踏み込むと襲ってきます。
・亜人、盗賊
ゴブリン、コボルト、盗賊などに襲撃される可能性があります。
荷物を狙って襲撃を仕掛けます。盗賊は投擲装備を持ちます。
・川と橋
馬では渡れない急流です。古びた橋を渡ることでショートカット出来ます。ただ渡るだけならば落下はしないでしょう。
迂回すれば穏やかな流域を渡れます。
・崖
森の終端に向けて、崖ぎりぎりを走行することになります。
単独では問題ありませんが、崖以外の要素が重なると落下の危険性があります。
・坂道
崖を暫く走ると、崖を下るための坂が見えてきます。急勾配ではありませんが馬車の重量故に制御がしづらくなるでしょう。
進路上の岩などの障害物に激突すると危険です。また、落石の可能性があります。
ここを抜ければ後は街道まで一直線です。
●補遺
走るに連れて馬は疲弊します。疲弊状態に応じて速度は低下します。疲弊し切ると行動不能となります。
また、疲弊状態は一部の悪路の走破に影響を及ぼします。
馬の状態、物資への損害、到着時間によって報酬は増額されます。
マスターより
えーてるです。子供の頃、遊びに行くのに人の家の庭とか通ったり高台から飛び降りたりしましたよね、今回はそれです。
めっちゃ急いでる馬車が無茶するので守ってやってください。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
めっちゃ急いでる馬車が無茶するので守ってやってください。
皆様の知力と武力の限りを尽くしたプレイングをお待ちしています。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/11/02 01:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/10/24 17:27:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/19 18:12:35 |