ゲスト
(ka0000)
妖精の丘へ ~姿を消した少年~
マスター:小林 左右也

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/05/09 15:00
- リプレイ完成予定
- 2017/05/18 15:00
オープニング
●2人の少年
風光明媚な山々に囲まれ、ワインの産地としても名高いこの高原には、創業して間もないホテルがある。老舗ワイナリーのオーナーである青年ウォルト・レインマンが数年前から始めたものだ。
今年ホテルで行われた「春の自然教室 ~野山の草花と昆虫を知ろう~」は、オーナー自らが講師として周辺の自然を紹介するイベントだ。宿泊客だけではなく、周辺住民も参加できるものだ。
参加した少年が姿を消したのは、イベントの翌日の出来事だった。
陽が暮れても戻らないので、地元の自警団とホテルの従業員たちで捜索したが、ひとりの少年だけしか見つからなかった。
いまだ行方がわからない少年の名はアルバート。このホテルの宿泊客だ。
そして見つかった少年はニコラ。生まれた頃からこの土地にすむ住民である。
「ニコラ、誰も君を責めたりしなから教えて欲しい」
ウォルトは少年にそっと訊ねる。
「もしかして、妖精を探しに行ったの?」
この山では野草や昆虫の採取は禁止となっている。イベントを始める前にも説明はしていたが、ニコラは地元の少年だ。知らないはずがない。
「……ごめんなさい」
ニコラは隠し持っていたお菓子の箱の蓋を開くと、そこには蝶が……いや、蝶のような羽を持った小さな少女の姿をした妖精が眠っていた。
「あいつが、妖精なんているわけないっていうから。嘘つきっていうから……悔しくて」
堰を切ったように泣き出したニコラをそっと抱き締めると、宥めるように小さな背中をそっと叩いた。
「大丈夫だよ。きっと妖精が守ってくれるから」
根拠がないとわかっていながら、ウォルトは願うように呟いた。
●ハンターオフィスにて
「妖精の丘はワインの産地としても有名な場所ですが、その名のとおり妖精が生息する場所としても知られていますが……」
女性職員のコウ・リィは集まったハンターたちを見渡すと、今回の依頼について語り出す。
「その妖精の丘で行方不明になった少年を無事に連れ帰ること。これが今回の任務です」
妖精だけではなく、珍しい野草や昆虫が生息しているという。妖精たちは擬態のために昆虫や草木の姿を取っている者も多く、昔から草花や昆虫の採取は禁じられている。
そして、同時に妖精の姿に似た雑魔も潜んでいるという。その場所は禁域とされていて、土地の人間はけして足を踏み入れない。
少年2人は妖精を探すのに夢中で、その禁域に足を踏み入れてしまった。
「ニコラ少年が捕えた妖精を見て、アルバート少年は対抗意識を燃やしたのでしょうね。自分も捕まえるまで帰らないと、止めるのを聞かずに森の奥へ入ってしまったそうです」
ニコラ少年はそこが禁域だと知っていた。本来なら追い掛けてアルバート少年を止めるべきだったが、それができなかった後悔と恐怖で動けなくなってしまったところを捜索隊に発見されたという。
「禁域とは、それはそれは心惹かれるような美しい場所だそうです」
人を誘い込むために、時季外れの草花が咲いていたり、自然現象が起きていたりするようだ。
「禁域には巨大な蜘蛛の巣が張り巡らされていて、景色に誘われて足を踏み入れた人間や妖精を捕食するとのことです」
巨大な蜘蛛に食まれる姿を想像したのだろう。ハンターたちの口から「うわぁ」と悲壮な声が漏れる。
「アルバート少年が蜘蛛の巣に掛かったかはわかりませんが、その可能性も十分考えられます。もしそうなら早急に救出が必要です」
装備を整えたらすぐに出発してくださいね、とコウ・リィはほほえんだ。
●妖精の丘にて
「皆さん、さっそくお集まりいただきありがとうございます」
物腰の柔らかい青年だった。彼はハンターたちの前に進み出ると、丁寧に挨拶をする。
新人従業員かと思いきや、今回の依頼者であるウォルト・レインマン本人であった。まだ学生のような風貌に驚きを隠せないハンターも少なくないだろう。
「アルバートくんの救出を最優先でお願いしたいのですが、もうひとつお願いがあります」
ウォルトが「おいで」とやさしく囁くと、ふわりと現れたのは蝶……と思いきや、蝶の翅を持った少女の姿をした妖精だった。
「この子を森へ、仲間のところへ返してあげてください」
ウォルトの頭の上に降り立つと、妖精の少女は腕組みをしてハンターたちを見渡して、一言。
「ほら、さっさと行くわよ! あと、あたし方向音痴だから道案内とは無理だから期待しないでよね」
可憐な姿からは想像しがたい高飛車な態度に、ハンターたちは目を丸くする。
「申し訳ありません……お願いします」
と何故かウォルトが申し訳なさそうに頭を下げるのだった。
風光明媚な山々に囲まれ、ワインの産地としても名高いこの高原には、創業して間もないホテルがある。老舗ワイナリーのオーナーである青年ウォルト・レインマンが数年前から始めたものだ。
今年ホテルで行われた「春の自然教室 ~野山の草花と昆虫を知ろう~」は、オーナー自らが講師として周辺の自然を紹介するイベントだ。宿泊客だけではなく、周辺住民も参加できるものだ。
参加した少年が姿を消したのは、イベントの翌日の出来事だった。
陽が暮れても戻らないので、地元の自警団とホテルの従業員たちで捜索したが、ひとりの少年だけしか見つからなかった。
いまだ行方がわからない少年の名はアルバート。このホテルの宿泊客だ。
そして見つかった少年はニコラ。生まれた頃からこの土地にすむ住民である。
「ニコラ、誰も君を責めたりしなから教えて欲しい」
ウォルトは少年にそっと訊ねる。
「もしかして、妖精を探しに行ったの?」
この山では野草や昆虫の採取は禁止となっている。イベントを始める前にも説明はしていたが、ニコラは地元の少年だ。知らないはずがない。
「……ごめんなさい」
ニコラは隠し持っていたお菓子の箱の蓋を開くと、そこには蝶が……いや、蝶のような羽を持った小さな少女の姿をした妖精が眠っていた。
「あいつが、妖精なんているわけないっていうから。嘘つきっていうから……悔しくて」
堰を切ったように泣き出したニコラをそっと抱き締めると、宥めるように小さな背中をそっと叩いた。
「大丈夫だよ。きっと妖精が守ってくれるから」
根拠がないとわかっていながら、ウォルトは願うように呟いた。
●ハンターオフィスにて
「妖精の丘はワインの産地としても有名な場所ですが、その名のとおり妖精が生息する場所としても知られていますが……」
女性職員のコウ・リィは集まったハンターたちを見渡すと、今回の依頼について語り出す。
「その妖精の丘で行方不明になった少年を無事に連れ帰ること。これが今回の任務です」
妖精だけではなく、珍しい野草や昆虫が生息しているという。妖精たちは擬態のために昆虫や草木の姿を取っている者も多く、昔から草花や昆虫の採取は禁じられている。
そして、同時に妖精の姿に似た雑魔も潜んでいるという。その場所は禁域とされていて、土地の人間はけして足を踏み入れない。
少年2人は妖精を探すのに夢中で、その禁域に足を踏み入れてしまった。
「ニコラ少年が捕えた妖精を見て、アルバート少年は対抗意識を燃やしたのでしょうね。自分も捕まえるまで帰らないと、止めるのを聞かずに森の奥へ入ってしまったそうです」
ニコラ少年はそこが禁域だと知っていた。本来なら追い掛けてアルバート少年を止めるべきだったが、それができなかった後悔と恐怖で動けなくなってしまったところを捜索隊に発見されたという。
「禁域とは、それはそれは心惹かれるような美しい場所だそうです」
人を誘い込むために、時季外れの草花が咲いていたり、自然現象が起きていたりするようだ。
「禁域には巨大な蜘蛛の巣が張り巡らされていて、景色に誘われて足を踏み入れた人間や妖精を捕食するとのことです」
巨大な蜘蛛に食まれる姿を想像したのだろう。ハンターたちの口から「うわぁ」と悲壮な声が漏れる。
「アルバート少年が蜘蛛の巣に掛かったかはわかりませんが、その可能性も十分考えられます。もしそうなら早急に救出が必要です」
装備を整えたらすぐに出発してくださいね、とコウ・リィはほほえんだ。
●妖精の丘にて
「皆さん、さっそくお集まりいただきありがとうございます」
物腰の柔らかい青年だった。彼はハンターたちの前に進み出ると、丁寧に挨拶をする。
新人従業員かと思いきや、今回の依頼者であるウォルト・レインマン本人であった。まだ学生のような風貌に驚きを隠せないハンターも少なくないだろう。
「アルバートくんの救出を最優先でお願いしたいのですが、もうひとつお願いがあります」
ウォルトが「おいで」とやさしく囁くと、ふわりと現れたのは蝶……と思いきや、蝶の翅を持った少女の姿をした妖精だった。
「この子を森へ、仲間のところへ返してあげてください」
ウォルトの頭の上に降り立つと、妖精の少女は腕組みをしてハンターたちを見渡して、一言。
「ほら、さっさと行くわよ! あと、あたし方向音痴だから道案内とは無理だから期待しないでよね」
可憐な姿からは想像しがたい高飛車な態度に、ハンターたちは目を丸くする。
「申し訳ありません……お願いします」
と何故かウォルトが申し訳なさそうに頭を下げるのだった。
解説
【雑魔について】
巨大蜘蛛(数:1体)
・広い範囲に蜘蛛の巣を張り巡らし、掛かった獲物を捕らえる。
・動きは鈍い。明るいのが苦手。
・口から吐く糸を自在に操る。
・活動時間は日没から日の出まで。
蝶(数:無数)
・弱いが数がとにかく多い。
・鱗粉に触れると肌がかぶれる。目に入った時は、一時的に目が見えなくなるので要注意。
・活動時間は終日。
【補足】
・妖精の丘は穏やかな傾斜の山道です。
・山登りの装備は必要ありませんが、肌の露出を避け、歩きやすい靴などを揃えてください。
・日没後は深い闇に閉ざされてしまうので、照明器具を必ず持参してください。
巨大蜘蛛(数:1体)
・広い範囲に蜘蛛の巣を張り巡らし、掛かった獲物を捕らえる。
・動きは鈍い。明るいのが苦手。
・口から吐く糸を自在に操る。
・活動時間は日没から日の出まで。
蝶(数:無数)
・弱いが数がとにかく多い。
・鱗粉に触れると肌がかぶれる。目に入った時は、一時的に目が見えなくなるので要注意。
・活動時間は終日。
【補足】
・妖精の丘は穏やかな傾斜の山道です。
・山登りの装備は必要ありませんが、肌の露出を避け、歩きやすい靴などを揃えてください。
・日没後は深い闇に閉ざされてしまうので、照明器具を必ず持参してください。
マスターより
はじめまして。新人マスターの小林 左右也(こばやし そうや)と申します。
今回が初の依頼となります。よろしくお願い致します。
妖精の丘へ迷い込んだアルバート少年の救出と、妖精の少女を仲間のところへ返して欲しい……というのが今回の依頼です。
妖精の少女は少々小生意気ですが、面倒を見てあげてください。
道案内など、皆さんの役に立つことはできませんが、帰巣本能だけはあるのでご安心ください。
皆さんのご武運をお祈りしています!
今回が初の依頼となります。よろしくお願い致します。
妖精の丘へ迷い込んだアルバート少年の救出と、妖精の少女を仲間のところへ返して欲しい……というのが今回の依頼です。
妖精の少女は少々小生意気ですが、面倒を見てあげてください。
道案内など、皆さんの役に立つことはできませんが、帰巣本能だけはあるのでご安心ください。
皆さんのご武運をお祈りしています!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/05/18 04:09
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 J・D(ka3351) エルフ|26才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/05/09 03:07:28 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/06 13:40:08 |