ゲスト
(ka0000)
マゴイの猫面談。
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2017/05/14 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/05/23 19:00
オープニング
●遠い、いつかのエバーグリーン
螺旋を描く塔の天辺。
見えるのは矩形に整備された町並み。その周囲には目の届く限り農地が広がっている。色調が違う緑色のカードを並べたように。
「β・ワーカー。休みの日にはいつもここにおるのか?」
隣から話しかけてくるのは彼女だ。
金髪が風になびいている。
「俺の仕事はマゴイのサポーターやからな。働いとる時はほとんど地下セクションにおんねん。せやからそれ以外の時は、上におりたいんや」
「地下セクションというのはどんなところじゃ?」
「んー、暗いなあ。ほんで静かや。マゴイらちゅうたらもそもそとしか喋らんしな」
「聞くだに眠たくなりそうなところじゃの」
「まあ、お前ならそうやろなあ。θ・ソルジャー」
……そういえば彼女の顔はどんな顔だったっけ。
唐突に確かめたくなって首を横に向ける。
するとそこには黒いうさぐるみがいた。
「ん? なんじゃβ。お主顔が猫になっとるぞ?」
●リゼリオ。朝。とあるアパート。
洗面台で朝食後の歯磨きをしていたカチャは、鏡の中に突然、マゴイの姿を見た。
「!」
歯ブラシを咥えたまま間髪入れずタオルをかける。続けて四隅を画鋲で留める。
『……見えないんだけど……』
「見ないでください。乗り移りたいならよそを当たってください」
首尾よく乗っ取りを阻止したと安堵するカチャ。
そこに背後から声が。
『……あ……見えた……』
思わず振り向くカチャ。
彼女の敗因は、窓ガラスにもまた顔が映るということを忘れていた点にあった。
●バシリア刑務所。
服役者の情操教育並びに社会に対する奉仕活動の一環としてバシリア刑務所では、捨て犬捨て猫の保護育成を始めた。
エサやり、散歩、フンの始末といった世話は持ち回りの当番制。本日はスペットの所属する組が犬当番。
「くそー、なんやあのウサギ。余計なとこ出てきくさってからに」
彼は本日起きぬけから機嫌が悪い。変な夢を見たのだそうだ。内容については本人が言わないので分からないが。
檻の前に来ると、たちまち犬たちの合唱が沸き起こる。
う~うぉう! うぉう! うぉう! ワンワンワン! おうおうおう!
「ええいうるさいわ! なんでお前ら俺の顔見るたび吠えんねん!」
「猫の顔してるからだろ」
「匂いで人ちゅうて分かるはずやろ。誰が餌やってると思うてんねやホンマに」
不満たらたら言いながら餌を配るスペット。
彼にとって運がいいのか悪いのか、ちょうど看守がやって来た。
「おいスペット。魔術師協会から面会要請が来たぞ」
これ幸いと求めに応じ彼は、場を離れて行く。
●面会。
面会室。柵を挟んでこちらが囚人のスペース。向こう側が面会者のスペース。
本日は、面会者側の人口密度が妙に高い。
「……タモンはんちょっと聞いてええか」
「ええ、何を聞きたいかは分かりますけど、どうぞ」
「さよか。ほな言わせてもらうわ――なんでしれっとその女がここにおんねん」
スペットはタモンの横に座っている人物を指さした。
それはカチャである――が、カチャではない。額にマゴイが憑依している証の目玉模様が浮いている。
すなわち彼女は今、マゴイ。
「いえ、協会にいきなり訪ねて来られまして、あなたがいる所に案内してほしいと言われまして……断るわけにもいかないでしょう」
「ほうかほうか。で、ほかの奴らはなんやの」
「この人が何かしようとした場合ですね、私だけでは対処不能ですから、急遽集まっていただきました次第で」
ハンターがいても対処不能な気がするのだがと思いつつも、口には出さないスペット。
マゴイがのたのた話し始める。
『……あなたの……記憶が戻りつつあると聞いたから……ちょっと確認に来たまで……用が済んだらすぐ帰るわ……私もそうそうヒマではないし……』
お前の今置かれている状況がヒマ以外の何だというのだ。亜空間とこの世界をふらふらしているだけではないか。俺は毎日肉体労働してんのやぞ。
と言いたい気持ちをぐっと押さえてスペットは、もしまた彼女が現れたら聞いてやろうと思っていたことを口にした。
「おい、お前θ・F・92438・ソルジャーのこと知っとるか。俺の彼女のθや」
『……知ってる……あれは……市民として実に……不体裁な……案件……だと思うわ……』
「お前の感想はどうでもええねん。θどうなったんや。俺と一緒に成人再訓練所送りにされたはずやと思うねんけど、あの後どうなったんや」
質問にマゴイは、心底不思議そうな顔をした。
『……え?……時間的に考えて……とうの昔に……存在しなくなっているけど……そんなに気になる……?』
改めてそう言われるとスペットは、胸を突かれるような思いがした。
自分は自分が知る時代からはるか未来に飛ばされている。今エバーグリーンに戻ったところで、彼女のいた痕跡など何一つ残っていないはずだ。
だけど知りたい。どうしても知りたい。
「なるから言うとんのやんけ! なんか知ってることあるなら言えや!」
マゴイは目を細めた。唄うような拍子をつけて言う。
《落ち着いて、落ち着いて》
スペットはたちまち口を噤んだ――噤まざるを得なくなった。
それを確認してからマゴイは、再びものを言い始める。
『……彼女も成人再訓練所に入る……所だったけど……ちょうどその時……西部エリアで……ソルジャーの大規模投入が必要な案件が発生してしまって……応急処置の調整をした上で……そちらに向かわせた……戻ってきた後で再度……ちゃんと再訓練を……行う手筈に……なっていたのだけど……』
解説
補足説明。
これは刑務所面会室で一騒動持ち上がらないようにするため、警備員役を努めるシナリオ。
依頼人は魔術師協会員のタモン。
警戒すべき相手はエバーグリーンの超マイナー国家『ユニオン』出身者、マゴイさん(現在カチャの体を借りている)。
マゴイさんの得意技は空間ひん曲げと他者乗っ取り。
※参照リプレイ『あの指輪はどこかしら』『猫とマゴイと迷宮と』。
最近それに加えてウォッチャーというアイテムを得ました(ここには持ってきていませんが、その気になればいつでも呼び出せます)。
※参照リプレイ『マゴイと黒い箱』。
スペットはユニオンの教育を受けているおかげで、マゴイの制止に反することが出来ません。
マゴイは相手が『興奮しているな』と感じれば、とりあえず静めにかかる癖があります。感情の不安定化はよろしくない、という固定観念があるからです。それで結果的に、相手の口を塞ぐことになっています。
ユニオンの教育を受けていないPCは、マゴイに対して好きなようにものが言えます。聞きたいことがあるなら聞いてください。全て答えてくれるかどうかは分かりませんが。
万万が一マゴイを強制送還させたい場合は、憑依先となっているカチャに相当な肉体的ショックを与えてください。そうすれば通信が切れます。
マスターより
KINUTAです。
お久しぶりのマゴイさん。
スペットは彼女さんの消息を聞けるのかどうか。
お久しぶりのマゴイさん。
スペットは彼女さんの消息を聞けるのかどうか。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/05/20 01:53
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/13 21:31:35 |
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相談卓だよ 天竜寺 詩(ka0396) 人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/05/14 16:53:21 |