• 黒祀
  • 戦闘

【黒祀】村民移動中

マスター:佐倉眸

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/10/26 15:00
リプレイ完成予定
2014/11/04 15:00

オープニング


 夜闇が包む草原に、少女が二人居た。彼方を眺めながら、片割れが口を開く。
「楽しみだね!」
「いえ、とても不愉快だわ」
「……なんで?」
「フラベル。貴女が愉しそうだからよ」
「にひっ! クラベル、それ、ほんとにっ?」
「嘘よ」
 少女達の姿は、鏡写しのように似ていた。ただ、その声色だけが大きく異なる。夫々に沈まぬ太陽と、光を返さぬ新月を想起させる声音。
「面倒くさい仕事だなと思っただけ」
「そうかな。大事なことだよ?」
「どうでもいいことだわ」
 クラベルと呼ばれた少女は憂鬱な息を吐き、言う。
「誰も彼も皆、勝手に踊り狂っていればいい。貴女も」
「にひっ」
 フラベルと呼ばれた少女は晴れやかに笑い、言う。
「うん、踊ってくるねっ! 一杯一杯殺して、褒めてもらうんだぁ」

 少女の踊りに煽り立てられた、黒き祀りの羊が一匹。


 秋の深まる冷えた風が吹き抜けていく道を、村人達は重い荷を背負い、牛馬を引いて歩いて行く。
 聞こえていた快活な声も時折響いた怒号も、今はめっきり静かになった。
 古い猟銃を背負ったルキが列を見回り、声を掛けて回っているが、村人達の顔色は暗い。
「いつまで歩くの?」
「あと何日掛かるんだ?」
「少し休めませんか?」
 あと少しだと、出発してから何度も繰り返してきた言葉で宥めながら、ルキは列を眺めて歩いてきた道を振り返った。

 数年前。あの日。王国は酷い災禍に見舞われた。
 歪虚が国へ攻め込んだ日。国の外れの田舎にあった彼の村も、跡形の無い程に破壊された。
 荒らされた畑、崩れた家に倒れた教会、瓦礫の下で拉げた家族の屍を涙ながらに掘り起こした。溜息を吐きながら思い出すと、一度止めた足を急かす。
 同じ轍は踏むまいと、村を離れて一路南へ。

 森の中を切り拓いた、見通しの良い道を行く村人達の列。
 野営を重ね、疲弊しているのかその歩みは遅い。
 ルキも溜息の数が増えたようだ。隈が浮いて青ざめた顔。白髪の交じり始めた短髪を無造作に掻きながら、足下の草を踏みにじる。
 しかし、彼はまだ体力の有る方だろう。老人達は列から置いて行かては裏から追い立てられて痩せた脚を進め、子ども達は手を引かれ引き摺られるように歩いている。
 ルキは列の後ろの様子を見てくると誰にともなく言い置いて、列の後方へ歩いていった。

 最後尾にいたのは、包帯を巻いた後ろ脚を引き摺るヤギを連れた、両親と子ども2人の家族だった。
「置いていきなさい」
 ルキは引き綱を握る父親に言った。
「やだ!」
「いや!」
 答えたのは子ども達だった。ヤギも家族だから連れていくと言ってルキを睨む。
 ルキは背負っていた猟銃を下ろすと、ヤギの胸に宛がった。

 タン、と銃声が一発響く。
 その音が合図であったかのように、森の中から厳つい角の羊が3匹現れた。
 そして、その3匹を、行けと言うように顎でしゃくって、のそりと姿を現した二足で立った苔色の羊。

解説

目的 村人を安全に移動させる

エネミー
 羊歪虚*3~
  大きな角を持ち、分厚い毛が装甲になった羊型歪虚。
  全体的にもこもこしており、胴体の装甲はとても厚い。
  頑丈な角で突進する、重い体で体当たりする等の攻撃を行う。
  オープニング登場以外にも何匹か潜んでいる。
  潜んでいるものは、緑羊歪虚に指示を与えられなければ逃走する。
 苔色の羊歪虚*1
  角は細く鋭い。破れた布をローブの用に羽織っている二足歩行の羊型歪虚。
  魔法の矢を放つ攻撃を行い、攻撃を受けた場合はカウンターで殴る。
  隙を与えると潜ませている羊歪虚を呼び出し攻撃を行わせる。

配置

(鬱蒼と木や草がが茂っており、見通しが効かない。羊歪虚が潜んでいる)
  苔
        □□□□□
 羊    □□□□□□□
 羊―――(→村人の列→)―
 羊   男□□□□□□□
        □□□□□

(鬱蒼と木や草がが茂っており、見通しが効かない)

□:ハンター初期配置。□が敷き詰めてある辺りで任意(□=スクエアでは無い)
羊:羊歪虚(最初の3匹)の初期配置
苔:苔色羊歪虚の初期配置
男:猟銃を持った男と、ヤギと家族
村人の列:→方向へ歩く速さで移動中

NPC
男:列を見守っている壮年の男。猟銃装備(残弾3発)。
  普段は非常に温和で真面目、面倒見が良く村人からも慕われている。
  村長では無いですが、この移動の実質的なリーダーのような役割を勤めている。
  彼の指示に、村人は従うことになっている。
村人:指示が無ければ移動を続けます。
   速度を上げた場合、隊列が崩れる、転倒するなどの可能性がある。
ヤギ:瀕死の重態。
家族:自発的にはヤギの側を離れない。

マスターより

ハッピーハロウィン、
あまり幸せなシナリオではありませんが。

村人が無事に森を抜けたらクリアです。
猟銃の銃口が人間に向かないように。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/11/03 22:10

参加者一覧

  • 大王の鉄槌
    ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271
    人間(紅)|12才|女性|闘狩人
  • 和なる剣舞
    オウカ・レンヴォルト(ka0301
    人間(蒼)|26才|男性|機導師

  • 十 音子(ka0537
    人間(蒼)|23才|女性|猟撃士
  • 物語の終章も、隣に
    エルティア・ホープナー(ka0727
    エルフ|21才|女性|闘狩人
  • 光凛一矢
    対崎 紋次郎(ka1892
    人間(蒼)|24才|男性|機導師
  • 鎮魂歌を奏でる兎
    白主・アイノネ(ka2628
    人間(蒼)|16才|男性|闘狩人
  • 弓師
    八原 篝(ka3104
    人間(蒼)|19才|女性|猟撃士

  • 堂島 龍哉(ka3390
    人間(蒼)|28才|男性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
十 音子(ka0537
人間(リアルブルー)|23才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2014/10/26 10:59:58
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/10/21 10:12:20