ゲスト
(ka0000)
黒いトマトを食卓に
マスター:奈華里

このシナリオは3日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
魔術師協会広報室- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/05/18 12:00
- リプレイ完成予定
- 2017/05/30 12:00
オープニング
※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。
「フッフッフッ、やってしまった。私はついにやってしまったのだよ」
どこか芝居じみた言葉遣いなのは彼のテンションが上がっている証拠だった。
彼の名はパーザ――カルドルビーノという村で一際トマト作りに情熱を燃やす男である。
ただ、今彼の前にあるのは一般的によく見るトマトではない。ハッキリ言ってぱっと見丸い黒茄子といえる。ちなみに補足するとここらで作られている茄子は普通白であったりする。とそんな余談はともかくとして、それ程までに黒いトマトを彼は今年開発したのだ。
「あぁ、私は自分が恐ろしいよ…トマトに関しては天才的だ、なあそうだろう?」
傍にある木にとまった小鳥に言葉をかけて…しかし、鳥はただ首を傾げるだけだ。
「このトマトならばきっとトマト嫌いの人間も取り込める。なんせあの酸味と生臭さを取り去ったのだから」
くははっと彼は笑う。これではどこぞの悪役のようだ。
「この黒々とした艶のあるボディ、これはまるで宝石のようではないか」
出来上がった黒トマトを前に暫く彼は酔いしれる。
だが、この時彼は気付いていなかった。その見た目が大いに客層を遠ざける事を――。
「はは、嘘だろう…」
初めてマーケットに出した日の収益、ほぼゼーロー。その現実に彼はガクリとひざをつく。
自信作であった黒トマトであるが、どうにも真っ黒というのがよくないらしい。見た目もさることながら、切った断面も僅かに赤が見えるものの表現するなら赤黒くて正直食欲のそそるものではない。
「いつもアンタには驚かされるが、まさかこんなトマトを作るとはねぇ…」
同業者であり、村の仲間が彼の肩を叩きながら言う。
「ちょっとトマト酒が当たったからって浮かれてたんじゃないのかい?」
彼を少しばかりよく思っていなかった者は彼にそんな言葉を投げかける。
(浮かれる? 馬鹿な…この私はトマトの為を思って)
確かにトマト酒の売れ行きは上々であり、その売り上げがあったからこそこの開発に着手できたのは認める。認めるが、浮かれていたからこんな奇抜な色のトマトを作ろうと思った訳ではない。ただ単にトマトが嫌いだという人の意見を聞いて、酸味と臭みを極力減らした種を目指した結果、この色のトマトに行きついただけだ。
(全く勝手なことを言ってくれおって…)
心中で拳を強く握りつつ、彼は立ち上がる。
だが、彼の頭は開発で手一杯になっていたのか、商売の才はこの時些か欠乏していた。
そんな時に思い浮かぶ妙案など決していいものではなくて…。
「さぁさ、皆の衆! ここにある真っ黒トマト! 歪虚に魅入られしピュアダークだ!」
と何を思ったか歪虚を呼び水にする愚行。ただ、彼は決して悪くはなかった。
というのも実は以前彼がトマト酒をPRした時の文句、それは「オークが欲したトマト酒」というものであったからだ。これは実際に彼の貯蔵庫にオークが現れ占拠されてしまった事実に基づくものであるが、本当のところをいえばトマト酒を求めて来たというのは勝手な後付。何かしらの理由でたまたま貯蔵庫を占拠したというのが正しい。だが、この脚色で酒が売れたのは事実であったから困りものだ。
「何故だ、なぜ売れない…」
今回は確かに嘘であるが、でもそれでも興味をそそる言葉だと彼は確信していただけに落胆が隠せない。
その間にも時は過ぎてゆき、とっておきのトマトの鮮度は次第に落ちてゆく始末…。
「あなた…」
そんな彼を見兼ねて、彼の妻は意を決しハンターに助け舟を求めに向かうのだった。
「フッフッフッ、やってしまった。私はついにやってしまったのだよ」
どこか芝居じみた言葉遣いなのは彼のテンションが上がっている証拠だった。
彼の名はパーザ――カルドルビーノという村で一際トマト作りに情熱を燃やす男である。
ただ、今彼の前にあるのは一般的によく見るトマトではない。ハッキリ言ってぱっと見丸い黒茄子といえる。ちなみに補足するとここらで作られている茄子は普通白であったりする。とそんな余談はともかくとして、それ程までに黒いトマトを彼は今年開発したのだ。
「あぁ、私は自分が恐ろしいよ…トマトに関しては天才的だ、なあそうだろう?」
傍にある木にとまった小鳥に言葉をかけて…しかし、鳥はただ首を傾げるだけだ。
「このトマトならばきっとトマト嫌いの人間も取り込める。なんせあの酸味と生臭さを取り去ったのだから」
くははっと彼は笑う。これではどこぞの悪役のようだ。
「この黒々とした艶のあるボディ、これはまるで宝石のようではないか」
出来上がった黒トマトを前に暫く彼は酔いしれる。
だが、この時彼は気付いていなかった。その見た目が大いに客層を遠ざける事を――。
「はは、嘘だろう…」
初めてマーケットに出した日の収益、ほぼゼーロー。その現実に彼はガクリとひざをつく。
自信作であった黒トマトであるが、どうにも真っ黒というのがよくないらしい。見た目もさることながら、切った断面も僅かに赤が見えるものの表現するなら赤黒くて正直食欲のそそるものではない。
「いつもアンタには驚かされるが、まさかこんなトマトを作るとはねぇ…」
同業者であり、村の仲間が彼の肩を叩きながら言う。
「ちょっとトマト酒が当たったからって浮かれてたんじゃないのかい?」
彼を少しばかりよく思っていなかった者は彼にそんな言葉を投げかける。
(浮かれる? 馬鹿な…この私はトマトの為を思って)
確かにトマト酒の売れ行きは上々であり、その売り上げがあったからこそこの開発に着手できたのは認める。認めるが、浮かれていたからこんな奇抜な色のトマトを作ろうと思った訳ではない。ただ単にトマトが嫌いだという人の意見を聞いて、酸味と臭みを極力減らした種を目指した結果、この色のトマトに行きついただけだ。
(全く勝手なことを言ってくれおって…)
心中で拳を強く握りつつ、彼は立ち上がる。
だが、彼の頭は開発で手一杯になっていたのか、商売の才はこの時些か欠乏していた。
そんな時に思い浮かぶ妙案など決していいものではなくて…。
「さぁさ、皆の衆! ここにある真っ黒トマト! 歪虚に魅入られしピュアダークだ!」
と何を思ったか歪虚を呼び水にする愚行。ただ、彼は決して悪くはなかった。
というのも実は以前彼がトマト酒をPRした時の文句、それは「オークが欲したトマト酒」というものであったからだ。これは実際に彼の貯蔵庫にオークが現れ占拠されてしまった事実に基づくものであるが、本当のところをいえばトマト酒を求めて来たというのは勝手な後付。何かしらの理由でたまたま貯蔵庫を占拠したというのが正しい。だが、この脚色で酒が売れたのは事実であったから困りものだ。
「何故だ、なぜ売れない…」
今回は確かに嘘であるが、でもそれでも興味をそそる言葉だと彼は確信していただけに落胆が隠せない。
その間にも時は過ぎてゆき、とっておきのトマトの鮮度は次第に落ちてゆく始末…。
「あなた…」
そんな彼を見兼ねて、彼の妻は意を決しハンターに助け舟を求めに向かうのだった。
解説
内容
真っ黒トマトの販売を軌道に乗せる事
パーザさんが開発した黒トマトはその見た目から相手にされません
味には自信のある彼ですが、どうやら売り込みはイマイチの様
どうか彼を助けてやって下さいませ
具体的には兎に角うまく売込む事が肝心です
この黒トマトの良さをアピールして買いたいと思わせて下さい
買い手は一般の方に限らず、店に売り込む事も可能です
・黒トマト「ピュアダーク」について
基本、通常のトマトよりは酸味と生臭みがなくさっぱりした味わい
焼く事でなおさっぱりして食べやすくなる
色は文字通り真っ黒であり、輪切りにすると気持ち赤が混じる程度
果肉部に関しても、表現するならば墨汁を吸わせたような見た目で残念な感じ
大きさは掌に収まるサイズであり普通のものと大して変わらない
(実際にある黒トマトと同じと考えて下さい)
真っ黒トマトの販売を軌道に乗せる事
パーザさんが開発した黒トマトはその見た目から相手にされません
味には自信のある彼ですが、どうやら売り込みはイマイチの様
どうか彼を助けてやって下さいませ
具体的には兎に角うまく売込む事が肝心です
この黒トマトの良さをアピールして買いたいと思わせて下さい
買い手は一般の方に限らず、店に売り込む事も可能です
・黒トマト「ピュアダーク」について
基本、通常のトマトよりは酸味と生臭みがなくさっぱりした味わい
焼く事でなおさっぱりして食べやすくなる
色は文字通り真っ黒であり、輪切りにすると気持ち赤が混じる程度
果肉部に関しても、表現するならば墨汁を吸わせたような見た目で残念な感じ
大きさは掌に収まるサイズであり普通のものと大して変わらない
(実際にある黒トマトと同じと考えて下さい)
マスターより
戦いの息抜きに売込み依頼などどうでしょう、奈華里です
某番組の様に孤独に一人で味わい尽くして、それを言葉にするもよし
はたまた某アニメのように大袈裟な表現を使ってパッションで訴えかけるもよし
但し、あくまで売込みがメインなので自己満足で終わらない様にご注意を
それでは御参加お待ちしています(^^ゞ
某番組の様に孤独に一人で味わい尽くして、それを言葉にするもよし
はたまた某アニメのように大袈裟な表現を使ってパッションで訴えかけるもよし
但し、あくまで売込みがメインなので自己満足で終わらない様にご注意を
それでは御参加お待ちしています(^^ゞ
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/05/29 23:35
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/17 01:56:01 |
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![]() |
黒トマトアピール作戦会議室 シルフェ・アルタイル(ka0143) 人間(クリムゾンウェスト)|10才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/05/18 08:26:05 |