●龍園
　龍園に転移門で飛ぶと、寒暖の差に驚くかもしれない。
　龍園があるのは北も北であり、雪さえ降るのかという空の色。肌を撫でる風は冷たく、防寒具は手放せない。
　リゼリオでオフィスの職員が言っていた注意事項がよぎる。
　寒いですよ、と。
　冬でも寒い、夏でも結局寒い。北も北なのだから仕方がない。
　さて、依頼を受けてハンターたちはやってきた。
　依頼の内容は安否確認である。
　集落に見回りに行った神官のラカ・べルフが行方不明になったというのだった。その集落の近辺では強欲勢の残党を見たという話もあったからだった。兵士もいるし大丈夫だろうと彼女は単身でそこに向かった。
　彼女自身、多少なら戦えることは戦える。
　とはいえ、連絡が途絶えているのが気になっているため、ラカを探してほしいというのと、ついでに集落見てきてほしいという二本柱だった。
　何事もなければ非常に簡単な仕事。
　残党がいて戦いになれば大変な仕事。
　どちらにせよ、ハンターには慎重と確実性は必要であろう仕事であろう。

●攻防の前
　ラカ・べルフはおびえている人がいるならば手を出すつもりであり、歪虚や残党がいれば容赦なく打ち砕くつもりであった。
　どちらも青龍に従う者として当然のことだと考える。
　動けるうちは動こうと見回りは欠かさない。
　その集落に向かったのは必然だった。
　途中でそれらに合うのは、偶然だったとはいえ、これが課せられた使命とも思った。
　まずは隠れて様子をうかがう。いきなりたたきに行っても愚かなだけだと自覚はある。
　空にはワイバーン、地上には岩や木などで一部見えないが歪虚とリザードマンが複数いるのが分かった。
　ゆったりとした衣類に隠してあるモーニングスターを取り出したが、困るのはワイバーンと敵の数だ。飛び道具も魔法もないため、ワイバーンは危険すぎる。
「困りましたわ」
　困ったところで敵は待ってくれない。
　集落のほうに向かうならなおさら手を打たねばならない。
「……歪虚もそれに従うモノも許してはおけませんわ」
　にっこりとほほ笑む。
「地上にいるモノだけでもどうにかしないといけませんね」
　ラカは立ち上がった。空からの襲撃者に注意はしないといけない、と肝に銘じて。

●敵襲
　ハンターたちが現場に向かっていると、空に舞うワイバーンの姿が見えた。
　敵であると分かる真紅の鱗。
　その下に何かがあるのか。
　下でなくとも近くで何かがあるはず。
　地上にも敵の姿を発見する。
　さあ、戦闘の時間だ。用心深く近づくか、大きな音ともに近づくか――。

　目的、ラカ・べルフを探す。その二、集落の状況を確認する。

●マップ
（進行方向）
□□□□□□リ
■リ□□□リ歪
■□□□□リ□
■リ歪□□□■
■リ□□□■□
■□リ□リ□□
□■□□リラ□
□□□リ□■□
■□□■□□□
■□□□□□□
（10メートルほど省略、ハンター側）

■＝岩とか高い木とか、侵入できないところ
ラ＝ラカ・べルフ
歪＝歪虚
リ＝リザードマン
ワイバーンは地上10メートル以上を適当に飛んでます。

●ＮＰＣ
　ラカ・べルフ　龍人、女、外見年齢26歳、サラサラロングの金髪、青い目。二つ名は「普段はユリ、立てば鬼神」というのがこっそりあります。現在武器はモーニングスター、スキルは「ヒーリングスフィア」「メイスファイティング」「ストライクブロウ」。

●敵勢力（PL情報）
　・ワイバーン×１　サイズ２、基本空飛びます。頑丈そうです。

　・歪虚×２　サイズ１。リザードマンよりごつい感じの外見。盾と剣持ってます。ブレスや魔法耐性を持っています。どちらがどうかは戦って見ると分かります。薙ぎ払い、強打、ガードのような技を所有しています。

　・リザードマン×10　サイズ１。強すぎはないけど弱いわけではない。弓と槍を持ってます。

　こんにちは、狐野径です。
　いろいろあって出すことになりました。

　龍園周辺や連動だと分からない、と不安なそこのあなた！　このシナリオ、すごくシンプルだから、結構関係ないよ！　とひとまず言ってみます。敵情報も出したし強そうだけど、それ以外はシンプルです。
　メーンどころは固いです、間違いなく。

　なお、シナリオ上戦闘色が強いのでＰＬ情報を一つ。ラカはハンターを信用していません。外から来たものへ対し、不信もあります。表面上顔に出しませんが、変なことすると態度が硬直するかもしれません。
　よろしくお願いします。