ゲスト
(ka0000)
貴族の依頼、私の昔話
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/05/23 09:00
- リプレイ完成予定
- 2017/06/01 09:00
オープニング
●
私が犯した過ちについて話そう。
それは珍しくも無いことだ。
一抹の巡り合わせと、一瞬の衝動が、私の与り知らぬところで罪を誂えた。
●
オフィスに届いた不可解な依頼。
ヴァリオスの高級住宅街に居を構える貴族からの、人捜しの依頼だった。
何方を、と受付嬢が尋ねると、その貴族は……彼は代理人を通さず、自らオフィスまで出向いていた……口を噤んだ。
兎に角、ハンターを数名屋敷に寄越して欲しいとのことで、受付嬢は概要の大半を空欄にしたままで、その依頼を掲示した。
払いが良かったためだろうか、名乗りを上げたハンターが数名その貴族の館に集まった。
ハンター達が招かれたのは古い屋敷。
蔦の這った重厚な塀で囲われ、門の脇には守衛らしい老いた使用人がしょぼくれた目でハンター達を眺めている。
庭に植えられた大木が葉を茂らせ、屋敷の大きな窓を塞ぐ様に影を落とし、白い壁には苔が生してその建物の経た年月以上の衰えを感じさせた。
出迎えた執事がハンター達に一礼し、建物の中へと通す。
掃除は行き届いているものの日の差さぬ為か、どことなく湿気た香りのするホールを通り、広間へと通される。
本来は応接室を使うべきなのでしょうが、と執事は苦笑する。
ひょろりと上背が有り、吊り上がった眦と眉間の皺が神経質そうな、青白い肌の男だった。
応接室では椅子が足りないので、と言いながら開かれた扉、暖かな色の木に緻密な模様を浮き彫りにした瀟洒なそれ。
大きなテーブルを囲む椅子、ハンター達が席に着くと程なくしてメイドが紅茶を運んできた。
旦那様は少々遅れていらっしゃるそうです、と一礼して部屋を出て行く。
ハンターの1人がふと目を遣った壁には家の間取りが額装されていた。
著名な設計者のサインと共に添えられた施工の年は300年ほど遡る。
多少の改築をしているが、今も概ねそのままだと執事はその額を示しながら屋敷の紹介をする。
依頼主の支度が澄むまでの時間つぶしにとのことらしく、再び入室したメイドが茶菓子を載せたワゴンを運んできた。
広間の隣には調理室、建設当時から尤も手の入っている場所で、今はリアルブルーの技術を参照した最新の調理道具が置かれているとのことだ。
ハンター達が歩いた庭は、裏に回った方が広く、全貌は応接室に続くサンルームから眺める事が出来るらしい。
広間と応接室の他、1階には書庫も置かれており、様々なジャンルの古今の書物と、趣味の蒐集品が収められているそうだ。
屋敷は3階建てで、2階と3階には客間が用意されている。庭を臨む依頼主の自慢の部屋らしい。
主寝室と書斎も上階に、流石に主寝室は難しいがと前置きし、執事はハンター達を見回した。
「もしよろしければ、お話の後にでも、見学なさいますか?」
そして、長針が一回りする程待っただろうかという頃になって、広間の扉が開けられた。
家の当主だと名乗ったのは、この界隈ではまだ若い部類だろう中年の男。
ハンター達を招いた依頼主。
執事は当主の傍らへ控え、一礼。硝子を埋め込んだ様な感情の乏しい目でハンター達眺め、相変わらず抑揚のない声で話し始めた。
「本日は、ダ・ヴィスカルディ家当主、エドガー・ダ・ヴィスカルディの招きに応じて頂き、また、ご多忙の中態々のお運びを、真に有り難く存じ上げます。……さて、本題に入ります前に今回の依頼につきまして、一つお約束頂きたい事が御座います」
細い目がハンター達の顔色を覗いながら続ける。
「……この家で見聞きしたことを全て、全て、内密にして頂くと言うこと。以上で御座います」
ハンター達の了承を見ると執事は、依頼は、当主本人からと告げて下がる。
「仰々しくて済まないね。……私の息子を捜して欲しい。見付かれば提示額以上の報酬を約束しよう」
●
ハンター達は当然のようにその捜索対象の容姿を尋ねたが、依頼人、エドガーはそこで黙る。
暫しの沈黙の後、初めから話す必要が有るだろうと諦めたように呟いて、溜息を吐いた。
「……私が犯した過ちについて話そう」
エドガーが声を震わせて話し始めると、小さなノックが執事を呼んだ。
一旦、その場を辞した執事は部屋に戻ると、眉間の皺を更に深くしながら貴族に何事かを囁いた。
「そうか、ああ、丁度良い。人捜しには変わるまい。……皆さん、依頼の内容を多少変更しても構わないだろうか? 医者を呼んできてほしい、大至急だ」
唐突に変えられた依頼。
エドガー人に後を任された執事はハンター達に事情を話した。
メイドが倒れたらしい。
高熱が有り、意識も朦朧としている。
この家に専属の医者は暇を取って遠方へ帰省、近くで開業している診療所も今日と明日は休み。
聞いた話では旅行らしい。
エドガーは執事に、彼の兄について尋ねた。
君の兄さんの家に助けを求められないか、と。執事は黙って首を傾げる。
「ああ、皆さんにも紹介していなかったな。彼は亡き弟の友人で……彼の実家も近くに屋敷を持っている。長男が家督を継いだと話を聞いているが……否、連絡も無しに駆け込めるほど親しくしてはいないな」
上流階級に生まれ、家督を継がない者が交流の有る家で働くのは珍しいことではない。
知識に作法が備わっており、身元も明らかでなければ家令を任せるに足らぬからだ。
かといって、その家同士が密な繋がりが絶対ということもなく、エドガーも彼を雇ってからまだ5年ほどしか経っていない。
腰の曲がってきた前任者の年を考えてのことだ。倒れたメイドはその前任者の縁のある者だった。
「君は、彼女とも親しくしていたね。心配だろう。……依頼は構わない、どのみち、今日は妻にも会えんだろうからね。この人達を使って構わないから、サーラを頼むよ」
そう言うと、執事が黙っている内にエドガーは部屋を出て行った。
執事は緩りとハンター達へ頭を下げた。
どことなく芝居じみた仕草で、深々と辞儀をして、ハンター達に助けを乞う。
私が犯した過ちについて話そう。
それは珍しくも無いことだ。
一抹の巡り合わせと、一瞬の衝動が、私の与り知らぬところで罪を誂えた。
●
オフィスに届いた不可解な依頼。
ヴァリオスの高級住宅街に居を構える貴族からの、人捜しの依頼だった。
何方を、と受付嬢が尋ねると、その貴族は……彼は代理人を通さず、自らオフィスまで出向いていた……口を噤んだ。
兎に角、ハンターを数名屋敷に寄越して欲しいとのことで、受付嬢は概要の大半を空欄にしたままで、その依頼を掲示した。
払いが良かったためだろうか、名乗りを上げたハンターが数名その貴族の館に集まった。
ハンター達が招かれたのは古い屋敷。
蔦の這った重厚な塀で囲われ、門の脇には守衛らしい老いた使用人がしょぼくれた目でハンター達を眺めている。
庭に植えられた大木が葉を茂らせ、屋敷の大きな窓を塞ぐ様に影を落とし、白い壁には苔が生してその建物の経た年月以上の衰えを感じさせた。
出迎えた執事がハンター達に一礼し、建物の中へと通す。
掃除は行き届いているものの日の差さぬ為か、どことなく湿気た香りのするホールを通り、広間へと通される。
本来は応接室を使うべきなのでしょうが、と執事は苦笑する。
ひょろりと上背が有り、吊り上がった眦と眉間の皺が神経質そうな、青白い肌の男だった。
応接室では椅子が足りないので、と言いながら開かれた扉、暖かな色の木に緻密な模様を浮き彫りにした瀟洒なそれ。
大きなテーブルを囲む椅子、ハンター達が席に着くと程なくしてメイドが紅茶を運んできた。
旦那様は少々遅れていらっしゃるそうです、と一礼して部屋を出て行く。
ハンターの1人がふと目を遣った壁には家の間取りが額装されていた。
著名な設計者のサインと共に添えられた施工の年は300年ほど遡る。
多少の改築をしているが、今も概ねそのままだと執事はその額を示しながら屋敷の紹介をする。
依頼主の支度が澄むまでの時間つぶしにとのことらしく、再び入室したメイドが茶菓子を載せたワゴンを運んできた。
広間の隣には調理室、建設当時から尤も手の入っている場所で、今はリアルブルーの技術を参照した最新の調理道具が置かれているとのことだ。
ハンター達が歩いた庭は、裏に回った方が広く、全貌は応接室に続くサンルームから眺める事が出来るらしい。
広間と応接室の他、1階には書庫も置かれており、様々なジャンルの古今の書物と、趣味の蒐集品が収められているそうだ。
屋敷は3階建てで、2階と3階には客間が用意されている。庭を臨む依頼主の自慢の部屋らしい。
主寝室と書斎も上階に、流石に主寝室は難しいがと前置きし、執事はハンター達を見回した。
「もしよろしければ、お話の後にでも、見学なさいますか?」
そして、長針が一回りする程待っただろうかという頃になって、広間の扉が開けられた。
家の当主だと名乗ったのは、この界隈ではまだ若い部類だろう中年の男。
ハンター達を招いた依頼主。
執事は当主の傍らへ控え、一礼。硝子を埋め込んだ様な感情の乏しい目でハンター達眺め、相変わらず抑揚のない声で話し始めた。
「本日は、ダ・ヴィスカルディ家当主、エドガー・ダ・ヴィスカルディの招きに応じて頂き、また、ご多忙の中態々のお運びを、真に有り難く存じ上げます。……さて、本題に入ります前に今回の依頼につきまして、一つお約束頂きたい事が御座います」
細い目がハンター達の顔色を覗いながら続ける。
「……この家で見聞きしたことを全て、全て、内密にして頂くと言うこと。以上で御座います」
ハンター達の了承を見ると執事は、依頼は、当主本人からと告げて下がる。
「仰々しくて済まないね。……私の息子を捜して欲しい。見付かれば提示額以上の報酬を約束しよう」
●
ハンター達は当然のようにその捜索対象の容姿を尋ねたが、依頼人、エドガーはそこで黙る。
暫しの沈黙の後、初めから話す必要が有るだろうと諦めたように呟いて、溜息を吐いた。
「……私が犯した過ちについて話そう」
エドガーが声を震わせて話し始めると、小さなノックが執事を呼んだ。
一旦、その場を辞した執事は部屋に戻ると、眉間の皺を更に深くしながら貴族に何事かを囁いた。
「そうか、ああ、丁度良い。人捜しには変わるまい。……皆さん、依頼の内容を多少変更しても構わないだろうか? 医者を呼んできてほしい、大至急だ」
唐突に変えられた依頼。
エドガー人に後を任された執事はハンター達に事情を話した。
メイドが倒れたらしい。
高熱が有り、意識も朦朧としている。
この家に専属の医者は暇を取って遠方へ帰省、近くで開業している診療所も今日と明日は休み。
聞いた話では旅行らしい。
エドガーは執事に、彼の兄について尋ねた。
君の兄さんの家に助けを求められないか、と。執事は黙って首を傾げる。
「ああ、皆さんにも紹介していなかったな。彼は亡き弟の友人で……彼の実家も近くに屋敷を持っている。長男が家督を継いだと話を聞いているが……否、連絡も無しに駆け込めるほど親しくしてはいないな」
上流階級に生まれ、家督を継がない者が交流の有る家で働くのは珍しいことではない。
知識に作法が備わっており、身元も明らかでなければ家令を任せるに足らぬからだ。
かといって、その家同士が密な繋がりが絶対ということもなく、エドガーも彼を雇ってからまだ5年ほどしか経っていない。
腰の曲がってきた前任者の年を考えてのことだ。倒れたメイドはその前任者の縁のある者だった。
「君は、彼女とも親しくしていたね。心配だろう。……依頼は構わない、どのみち、今日は妻にも会えんだろうからね。この人達を使って構わないから、サーラを頼むよ」
そう言うと、執事が黙っている内にエドガーは部屋を出て行った。
執事は緩りとハンター達へ頭を下げた。
どことなく芝居じみた仕草で、深々と辞儀をして、ハンター達に助けを乞う。
解説
目的 サーラを助ける
●屋敷
物品の持ち出しは不可だが、詳細は執事に質問すれば知る範囲で回答する。
以下、探索を行った際に開示される情報。
情報の共有は自由、得た情報についての質問、リアクションが可能
●庭
・サンルームの前のガーデンは潰されている
●広間
・PCが通される部屋で、常に出入りが自由
・メイドが1人控えており、交流可能
●応接室
・手入れのされたアンティークのテーブルとソファが置かれている
●サンルーム
・庭に面し硝子を嵌め殺しにした明るい部屋
・ラグが敷かれ長椅子とテーブルが置かれているが、埃を被っている
●調理室
・数人で調理が可能な広さがあり、奥には立ち入り禁止のワインセラー
・料理人が仕込みをしており、交流可能
●書庫
・古書から最近の大衆文学までを揃えた本棚は手入れされている
・宝石とボトルシップの飾られた蒐集品の棚は手入れされていない
●客間
・2階と3階に2部屋ずつ、ベッドメイクされている
・メイドが掃除中だが、交流不可
・2階の1部屋は施錠、立ち入り禁止
●使用人部屋
・半地下。ベッドと机、各自の私物のみ置かれた2人部屋が並んでいる
・サーラの部屋に同室者はいない
●主寝室
・ベッドとチェスト、テーブルセットが置かれている
・重く厚いカーテンが閉ざしている
●書斎
・戸が固く施錠されており、主寝室からのみ移動可能
・机と椅子、本棚と書類棚が置かれており、机には夫婦らしい男女の写真が飾られている
・鍵を開けっ放しにした金庫があり、中には大判の封筒が収められている
※1
1PC3箇所迄の探索が可能で、1箇所に付き1回限り
その為、複数PCが同じ場所を探索する場合、同時に入室をお願いします
(治療のためのサーラの部屋及び、広間は除く)
※2
サーラの治療には、発熱時の一般的な手当てとスキルの何れも使用可能です
●屋敷
物品の持ち出しは不可だが、詳細は執事に質問すれば知る範囲で回答する。
以下、探索を行った際に開示される情報。
情報の共有は自由、得た情報についての質問、リアクションが可能
●庭
・サンルームの前のガーデンは潰されている
●広間
・PCが通される部屋で、常に出入りが自由
・メイドが1人控えており、交流可能
●応接室
・手入れのされたアンティークのテーブルとソファが置かれている
●サンルーム
・庭に面し硝子を嵌め殺しにした明るい部屋
・ラグが敷かれ長椅子とテーブルが置かれているが、埃を被っている
●調理室
・数人で調理が可能な広さがあり、奥には立ち入り禁止のワインセラー
・料理人が仕込みをしており、交流可能
●書庫
・古書から最近の大衆文学までを揃えた本棚は手入れされている
・宝石とボトルシップの飾られた蒐集品の棚は手入れされていない
●客間
・2階と3階に2部屋ずつ、ベッドメイクされている
・メイドが掃除中だが、交流不可
・2階の1部屋は施錠、立ち入り禁止
●使用人部屋
・半地下。ベッドと机、各自の私物のみ置かれた2人部屋が並んでいる
・サーラの部屋に同室者はいない
●主寝室
・ベッドとチェスト、テーブルセットが置かれている
・重く厚いカーテンが閉ざしている
●書斎
・戸が固く施錠されており、主寝室からのみ移動可能
・机と椅子、本棚と書類棚が置かれており、机には夫婦らしい男女の写真が飾られている
・鍵を開けっ放しにした金庫があり、中には大判の封筒が収められている
※1
1PC3箇所迄の探索が可能で、1箇所に付き1回限り
その為、複数PCが同じ場所を探索する場合、同時に入室をお願いします
(治療のためのサーラの部屋及び、広間は除く)
※2
サーラの治療には、発熱時の一般的な手当てとスキルの何れも使用可能です
マスターより
●NPC
エドガー
ダ・ヴィスカルディ家のダ・ヴィスカルディ家の当主、中年男性
ハンター達を屋敷に招いたが、依頼の詳細については言い淀んでいる
書斎で書き物をしており、呼ばれれば対応する
サーラ
メイド
前任の執事の血縁者、幼い頃から住み込みで働いている
熱を出して使用人部屋の私室で寝込んでいる
執事
前任の執事が老齢のため、5年ほど前に雇われた
当主の弟(故人)の友人で、兄が貴族らしい
ハンター達に頼まれれば屋敷内を案内したり、道具の貸し出しを行う
他、数名の使用人が屋敷内で仕事を行っている
エドガーの妻には会えない
よろしくお願いします。
二重の意味で埃臭い屋敷で、メイドを助けるついでに家捜しです。
エドガー
ダ・ヴィスカルディ家のダ・ヴィスカルディ家の当主、中年男性
ハンター達を屋敷に招いたが、依頼の詳細については言い淀んでいる
書斎で書き物をしており、呼ばれれば対応する
サーラ
メイド
前任の執事の血縁者、幼い頃から住み込みで働いている
熱を出して使用人部屋の私室で寝込んでいる
執事
前任の執事が老齢のため、5年ほど前に雇われた
当主の弟(故人)の友人で、兄が貴族らしい
ハンター達に頼まれれば屋敷内を案内したり、道具の貸し出しを行う
他、数名の使用人が屋敷内で仕事を行っている
エドガーの妻には会えない
よろしくお願いします。
二重の意味で埃臭い屋敷で、メイドを助けるついでに家捜しです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/05/31 20:43
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/21 16:29:58 |
|
![]() |
依頼内容相談所 ヒース・R・ウォーカー(ka0145) 人間(リアルブルー)|23才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/05/23 01:47:28 |