ゲスト
(ka0000)
【交酒】よろしい、ならば、闘コンだ
マスター:ムジカ・トラス

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/05/29 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/06/07 19:00
オープニング
●
女が一人、冒険都市リゼリオに降り立った。
鮮やかな赤髪が、しゃんと伸びた背に流れる。往来の熱気が、風となってその髪をなびかせるのを気にもとめず、女は大きく背伸びをした。
「…………ふぃー、こりゃまた、人が多いねェ」
額に伸びる黄色い角、女性にしてはなかなかの長身――であることよりも、その服装が衆目を集めていることも、これまた気にすることもなく、アカシラ(kz0146)は歩きだした。特にアテはないのか、出店や町並みを冷やかしながらの散策であるようだった。
●
しばし歩いた頃。アカシラはとあるものを見て、表情を曇らせた。
「…………」
それは、東方からの果物や、野菜、あるいは料理――出店の一角に、アカシラにとってはかつて見慣れた光景が、広がっていたのだ。
つい、足が止まる。
「――、ったく」
そんな自らの反応に苦いものを噛み潰したような表情をしながら、そこから背を向けた。
東方。もう帰ることはない、遠けき故郷。
自らの手足で踏みにじり、壊し、奪い尽くした土地は、今のアカシラにとってあまりに遠かったのだ。
足早に立ち去ろうとした、その時のことだった。
「む」
と、低い男の声。それだけならば、無視して歩き去ることも出来たが、続く言葉で、止めざるを得なくなった。
「アカシラ、か?」
「…………シンカイ」
武僧、シンカイであった。安っぽい僧服の下を、分厚い筋肉が押し上げている。
「アンタ、こんな所で何してんだい?」
「おいおい、それは此方の台詞だ」
昼間っから酒を呷りながら、シンカイはニンマリと頬を歪めて笑った。
「湿っぽい面をしているな……よし。肴にできる話の一つや二つ、あるだろう。どこぞか適当な場所に移るぞ」
●
「ふーむ、王国で、ねえ……」
「別に口止めされちゃァいないけどさ。あんまり他言するんじゃないよ」
「はっはっは、他言するにも、東方の田舎者では王国の事情なんかではのう」
結局、場末のバルに腰を据えることになった。こちらの流儀は今やアカシラのほうが詳しいため、適当に注文をして、飲み食い語らいに耽った。
シンカイからは、東方に残ることを選んだ鬼達――主に若者たち――の現状を。
アカシラは、最近こちらで受けていた、珍妙な依頼について、である。王国の一都市の貴族と、その娘から受けた一連の依頼は、"とある集団"を護衛する、というものだった。
その中で一つ、打診を受けたのだ。
「にしても、おぬしらのような『ならず者』を受け入れようとは、なぁ。剛毅なものだ」
「剛毅、ってわけじゃないさ。七面倒臭い政治の匂いが鼻についてねェ……」
ぐびり、と、蒸留酒を飲み干した。手振りでもう一杯と示しつつ、「落ち着くにしたって、キナ臭くてね」と言えば、シンカイはヒヒヒ、と下卑た笑いをした。
「何だ何だ、存外真面目に考えてたみたいではないか」
「……何をだい」
「『落ち着く』、と言うたろう。アカシラ」
「……ぁー……」
「は、は、は。これは傑作だな! 良い土産話ができた!」
「……煩いねェ。ほら、さっさと飲みな。アンタが煩いから目立って仕方ないじゃないか。河岸を変えるよ」
届いた酒をそのままシンカイに押し付けて、アカシラは慨嘆を零した。
この僧侶の人となりを知っているばかりに、要らぬ話をしてしまった、と、苦くも心地よい後悔を噛み締めながら、立ち上がったのだった。
●
それがどうしてか、こうなった。
「なあシシド」
「へい」
「…………見合いって、なンだ?」
「見合い……」
アカシラの傍ら、チョコレートを包装していた鬼が、短く応じた。暇があれば揺籃館の厨房をかりて菓子作りに精を出すようになったシシドはすぐに見つかった。
意外と世俗の事にも詳しい所がある男鬼であるので、重宝している。
シシドは顔をしかめた後、「聞いたことがある」と言った。
「見合い……たしか……男、女双方が、互いに面を突き合わせるんでさ。場合によっちゃァ、側近も連れていくみてェですがね。良い酒、良い飯、年頃の男と女――で、見合う、と、そういう催しだった筈だ」
「見合う……」
つと、アカシラは考えた。そうして、思い至るものがあり、ぽんと手を打った。
「あー、見合う。見合うってーと、アレかい」
「お。ご存知でしたか、さすが姐御」
コホン、と咳払いをしたアカシラは、厳かに告げた。
「見合って……」
シシドは、はっ、とした顔をして、これまた厳かな調子で応じた。
「見合って……」
「「ハッケヨイ!!」」
●
「なんだこれは、どうしたことだ」
「…………あ?」
先般、身を固めるという意味で見合いを薦めはした立場ではあるものの、本当にアカシラが見合いをするらしいと聞いて、冷やかしに駆けつけたシンカイであったが、集まっている"面々"を見て度肝を抜かれていた。
それ以外もいるかもしれないが、多くがハンターたちであろう、と当たりをつける。飲み食いに興じているものもいるが、得物を用意しているものもいる。
広々とした公園のど真ん中には、土を持って作られた土俵が、ある。
但し、デカい。一辺にして60メートルばかりもある。シンカイの知る土俵とは明らかに違う――いや、そもそもなんだこれは。
「何って……見合い、だろ?」
「………………見合い?」
正気か、と、シンカイの虚しい呟きが土俵に落ちて、儚く消えた。
●
過日。ハンターオフィスに依頼が投げ込まれていた。
『お日柄もよい日が続いている昨今、先般に続き、宴会を開催せんとす。
ついては、メンバァを募らむ。
我こそはと云ふツワモノ、求む』
あってるんだかあってないんだかさっぱりわからない、ミミズの張ったような字の依頼書きには、こんな名前が添えられていたのであった。
アカシラ、と。
女が一人、冒険都市リゼリオに降り立った。
鮮やかな赤髪が、しゃんと伸びた背に流れる。往来の熱気が、風となってその髪をなびかせるのを気にもとめず、女は大きく背伸びをした。
「…………ふぃー、こりゃまた、人が多いねェ」
額に伸びる黄色い角、女性にしてはなかなかの長身――であることよりも、その服装が衆目を集めていることも、これまた気にすることもなく、アカシラ(kz0146)は歩きだした。特にアテはないのか、出店や町並みを冷やかしながらの散策であるようだった。
●
しばし歩いた頃。アカシラはとあるものを見て、表情を曇らせた。
「…………」
それは、東方からの果物や、野菜、あるいは料理――出店の一角に、アカシラにとってはかつて見慣れた光景が、広がっていたのだ。
つい、足が止まる。
「――、ったく」
そんな自らの反応に苦いものを噛み潰したような表情をしながら、そこから背を向けた。
東方。もう帰ることはない、遠けき故郷。
自らの手足で踏みにじり、壊し、奪い尽くした土地は、今のアカシラにとってあまりに遠かったのだ。
足早に立ち去ろうとした、その時のことだった。
「む」
と、低い男の声。それだけならば、無視して歩き去ることも出来たが、続く言葉で、止めざるを得なくなった。
「アカシラ、か?」
「…………シンカイ」
武僧、シンカイであった。安っぽい僧服の下を、分厚い筋肉が押し上げている。
「アンタ、こんな所で何してんだい?」
「おいおい、それは此方の台詞だ」
昼間っから酒を呷りながら、シンカイはニンマリと頬を歪めて笑った。
「湿っぽい面をしているな……よし。肴にできる話の一つや二つ、あるだろう。どこぞか適当な場所に移るぞ」
●
「ふーむ、王国で、ねえ……」
「別に口止めされちゃァいないけどさ。あんまり他言するんじゃないよ」
「はっはっは、他言するにも、東方の田舎者では王国の事情なんかではのう」
結局、場末のバルに腰を据えることになった。こちらの流儀は今やアカシラのほうが詳しいため、適当に注文をして、飲み食い語らいに耽った。
シンカイからは、東方に残ることを選んだ鬼達――主に若者たち――の現状を。
アカシラは、最近こちらで受けていた、珍妙な依頼について、である。王国の一都市の貴族と、その娘から受けた一連の依頼は、"とある集団"を護衛する、というものだった。
その中で一つ、打診を受けたのだ。
「にしても、おぬしらのような『ならず者』を受け入れようとは、なぁ。剛毅なものだ」
「剛毅、ってわけじゃないさ。七面倒臭い政治の匂いが鼻についてねェ……」
ぐびり、と、蒸留酒を飲み干した。手振りでもう一杯と示しつつ、「落ち着くにしたって、キナ臭くてね」と言えば、シンカイはヒヒヒ、と下卑た笑いをした。
「何だ何だ、存外真面目に考えてたみたいではないか」
「……何をだい」
「『落ち着く』、と言うたろう。アカシラ」
「……ぁー……」
「は、は、は。これは傑作だな! 良い土産話ができた!」
「……煩いねェ。ほら、さっさと飲みな。アンタが煩いから目立って仕方ないじゃないか。河岸を変えるよ」
届いた酒をそのままシンカイに押し付けて、アカシラは慨嘆を零した。
この僧侶の人となりを知っているばかりに、要らぬ話をしてしまった、と、苦くも心地よい後悔を噛み締めながら、立ち上がったのだった。
●
それがどうしてか、こうなった。
「なあシシド」
「へい」
「…………見合いって、なンだ?」
「見合い……」
アカシラの傍ら、チョコレートを包装していた鬼が、短く応じた。暇があれば揺籃館の厨房をかりて菓子作りに精を出すようになったシシドはすぐに見つかった。
意外と世俗の事にも詳しい所がある男鬼であるので、重宝している。
シシドは顔をしかめた後、「聞いたことがある」と言った。
「見合い……たしか……男、女双方が、互いに面を突き合わせるんでさ。場合によっちゃァ、側近も連れていくみてェですがね。良い酒、良い飯、年頃の男と女――で、見合う、と、そういう催しだった筈だ」
「見合う……」
つと、アカシラは考えた。そうして、思い至るものがあり、ぽんと手を打った。
「あー、見合う。見合うってーと、アレかい」
「お。ご存知でしたか、さすが姐御」
コホン、と咳払いをしたアカシラは、厳かに告げた。
「見合って……」
シシドは、はっ、とした顔をして、これまた厳かな調子で応じた。
「見合って……」
「「ハッケヨイ!!」」
●
「なんだこれは、どうしたことだ」
「…………あ?」
先般、身を固めるという意味で見合いを薦めはした立場ではあるものの、本当にアカシラが見合いをするらしいと聞いて、冷やかしに駆けつけたシンカイであったが、集まっている"面々"を見て度肝を抜かれていた。
それ以外もいるかもしれないが、多くがハンターたちであろう、と当たりをつける。飲み食いに興じているものもいるが、得物を用意しているものもいる。
広々とした公園のど真ん中には、土を持って作られた土俵が、ある。
但し、デカい。一辺にして60メートルばかりもある。シンカイの知る土俵とは明らかに違う――いや、そもそもなんだこれは。
「何って……見合い、だろ?」
「………………見合い?」
正気か、と、シンカイの虚しい呟きが土俵に落ちて、儚く消えた。
●
過日。ハンターオフィスに依頼が投げ込まれていた。
『お日柄もよい日が続いている昨今、先般に続き、宴会を開催せんとす。
ついては、メンバァを募らむ。
我こそはと云ふツワモノ、求む』
あってるんだかあってないんだかさっぱりわからない、ミミズの張ったような字の依頼書きには、こんな名前が添えられていたのであった。
アカシラ、と。
解説
●目的
おおよそ以下の事が出来そうです。
1.よろしい、ならば闘コンだ。
2.闘コンを肴に楽しむ。お見合い? 知らない。何のことですか?
●解説
▼闘コン編
・ルール無用。ただし殺しやヤリスギは御法度。重体はプレイング次第ですが、原則ありません(途中で制止/治療が入ります)
・良きリプレイには良きプレイングが必須です。
そのため誰と闘うか、それぞれにどういうルールで臨むかは『相談卓』で決定してください。(例:『料理勝負』『じゃんけん』『ガチ戦闘』『鬼ごっこ』、他。人数も自由)
・判定の方式や雰囲気も勝負の内容によって変わります。コメディになっても泣かない。
・鬼勢力からはアカシラのみ選択可能ですが、本人は(スキル込で本気の)相撲のつもりなので無手です。相撲以外のガチ戦闘はNG。
・戦域は30*30Sqの広い土俵。障害物無し。狭くする分には自由。
・“偶然”他の勝負に紛れ込んだりエラい目にあったりもするかも。
・複数回の戦闘は夫々の描写が薄くなると思います。
▼飲み会編
・食事はオシャレなイタリアン系と東方系の食材がずらり。
・お酒は日本酒、麦酒、ワインがずらり。
・基本的にテーブルなどは都合よく配置します。限られた字数を楽しく運用ください!
▼その他
・「見合い」のくだりとして、リプレイ前に以下のような形で話を聞いておくことができます。
・(アカシラ傭兵団の)腰を落ち着けるのも悪くはないのかもしれないと思った時に、シンカイに見合いを薦められた。
・『東方』がアカシラたちの帰るべき場所ではなくなったことは明かしませんが、推察できても構いません。
●おまけ:『募集要項』
『性別:問ワズ
年齢:問ワズ
実力:問ワズ
得物:問ワズ
ルール:自由』
●質問にはアカシラが回答します。
おおよそ以下の事が出来そうです。
1.よろしい、ならば闘コンだ。
2.闘コンを肴に楽しむ。お見合い? 知らない。何のことですか?
●解説
▼闘コン編
・ルール無用。ただし殺しやヤリスギは御法度。重体はプレイング次第ですが、原則ありません(途中で制止/治療が入ります)
・良きリプレイには良きプレイングが必須です。
そのため誰と闘うか、それぞれにどういうルールで臨むかは『相談卓』で決定してください。(例:『料理勝負』『じゃんけん』『ガチ戦闘』『鬼ごっこ』、他。人数も自由)
・判定の方式や雰囲気も勝負の内容によって変わります。コメディになっても泣かない。
・鬼勢力からはアカシラのみ選択可能ですが、本人は(スキル込で本気の)相撲のつもりなので無手です。相撲以外のガチ戦闘はNG。
・戦域は30*30Sqの広い土俵。障害物無し。狭くする分には自由。
・“偶然”他の勝負に紛れ込んだりエラい目にあったりもするかも。
・複数回の戦闘は夫々の描写が薄くなると思います。
▼飲み会編
・食事はオシャレなイタリアン系と東方系の食材がずらり。
・お酒は日本酒、麦酒、ワインがずらり。
・基本的にテーブルなどは都合よく配置します。限られた字数を楽しく運用ください!
▼その他
・「見合い」のくだりとして、リプレイ前に以下のような形で話を聞いておくことができます。
・(アカシラ傭兵団の)腰を落ち着けるのも悪くはないのかもしれないと思った時に、シンカイに見合いを薦められた。
・『東方』がアカシラたちの帰るべき場所ではなくなったことは明かしませんが、推察できても構いません。
●おまけ:『募集要項』
『性別:問ワズ
年齢:問ワズ
実力:問ワズ
得物:問ワズ
ルール:自由』
●質問にはアカシラが回答します。
マスターより
お世話になっております、ムジカ・トラスです。
由は知らぬが酒と聞いて――【交酒】にお邪魔させていただきました。
いえ、政治的な背景とかまるっと無視しちゃっていますが、ここらで一つ、飲み会などと思っていた頃合いでしたので、これ幸いと。
微妙な心情はあるにしても、それらを合わせ飲んでこそ、良き飲み会といえましょう。
え?
趣旨と関係ない?
見合いですらない?
いやー、あっはっは。
雰囲気については、拙リプレイの「ホワイトデェと、血と酒と ~闘コンの変~」をご参照ください!
では、かんぱぁい!
由は知らぬが酒と聞いて――【交酒】にお邪魔させていただきました。
いえ、政治的な背景とかまるっと無視しちゃっていますが、ここらで一つ、飲み会などと思っていた頃合いでしたので、これ幸いと。
微妙な心情はあるにしても、それらを合わせ飲んでこそ、良き飲み会といえましょう。
え?
趣旨と関係ない?
見合いですらない?
いやー、あっはっは。
雰囲気については、拙リプレイの「ホワイトデェと、血と酒と ~闘コンの変~」をご参照ください!
では、かんぱぁい!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/06/09 19:55
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
アカシラに質問! ヴィルマ・レーヴェシュタイン(ka2549) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/05/28 22:03:36 |
|
![]() |
燃えよ闘コン!相談所 ヴィルマ・レーヴェシュタイン(ka2549) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2017/05/29 03:16:46 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/28 23:53:53 |