ゲスト
(ka0000)
或る少女と浜辺の雑魔
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/06/02 07:30
- リプレイ完成予定
- 2017/06/11 07:30
オープニング
●
白い砂浜、見渡せば白い波にエメラルドグリーンの海、振り返れば自分の足跡だけが続いている。
波を輝かせる太陽の眩しさ、砂のさらさらとしたくすぐったい感触、潮騒の心地良い音色。
ジェオルジの北東に広がる海岸、中でも海産物と観光を主産業とし、近くの農耕地域から得られる野菜や果物畜産と併せ、美味な料理を振る舞うと知られる村。
だが、ジェオルジの中でも末端の僻地、まだ水も冷たく内陸が郷祭で賑わう季節に観光客の姿は無く。
産業も娯楽も少ない村からは、年々、若者が出て行き、今では少ない住人の殆どが老人だった。
使って構わないと貸し出された今にも崩れそうな東屋の中、メグ、ことマーガレット・ミケーリは膝を抱えて座り込む。
ここはとても、美しい海だ。
そして、ここに来るまでのことを振り返った。
●
オフィスを訪ね、勧められた依頼に幾つか参加した。
戦闘を含む依頼では荷物になってばかりだったけれど、出来ることが少しずつ増え、コボルトを相手に怯まずに、他のハンターを支援する力を使える程度には経験を積んだ。
けれど、自分が戦えたことはなく、接近されれば慌てしまう。
回復の力を仲間に使うより、自身に使う方が多いくらいの戦績だった。
今日こそは、ちゃんと出来る依頼を受けよう、困っている人を助けたくても、自分じゃ余計に困らせてしまう。
そう思いつつ、依頼を探しに来たある日、いつもはにこやかに声を掛けてくる受付嬢が、依頼を掲示しながら困ったように溜息を吐いていた。
「……何かあったんですか?」
受付嬢に尋ねると、1枚の依頼を示された。
『浜に出る雑魔を駆除して下さい』
それはジェオルジのある村からの依頼だった。
村の浜辺に雑魔が出る、しかし、住人の多くはかくしゃくと、漁に持て成しにと働いており、夏になればまた賑わう村を離れたくは無い。
「……お爺さん達の話しでは、形は甲羅の無い海亀、幅の狭い顔に大きな口が川魚みたいな面構えだそうです。でも、やっぱり海から来たんでしょうね、潮が引いたら浜辺に転がってる事が多いんだそうです。何ヶ月か前にも見付かって……その時は1匹だけでしたので、まさか雑魔とは思わずに集まって角棒でつっついて、海に押し戻したって言うんですが……危なっかしい話しですよ」
受付嬢は溜息を吐く。それが3匹に増えて戻ってきたそうだ。
「ご老人が多いので、駆除しても避難して頂くのがいいのではとお話ししたのですが……」
受付嬢は、その提案を突っぱねた老人を思い出したのか苦笑いで首を横に振った。
「長年暮らした土地を離れたくは無いとのことでした……説得には、自信が有ったんですけどね」
メグは残念そうにする受付嬢を見る。
彼女に言いくるめられて参加した幾つもの依頼の記憶が蘇る。
あれが通じない人がいるのかと感心しながら話を聞く。
「あの、もう一回お願いしてみる……とか」
避難をお願いするだけならできる、危ない場所からは離れないといけないから。と、メグも同行を申し出るが、受付嬢はそれを断った。
「10回くらいはお願いしまして……危ないことはどうにか伝わったようで、逃げる準備はしたと色々と詰まったリュックも拝見しました。……でも、まだ村は離れたくないそうです。危機感だけはどうしても、難しいんですよね」
押し問答の末、出没した雑魔の駆除だけは取り付けたと受付嬢が依頼を見せる。
「……でも、こちらとしてはハンターさんに、その場しのぎの依頼ですっていうのもお願いしづらくて」
本来なら滞在して出没元らしい海に出たり、特徴を有しているらしい川を河口から遡ったり、村に手が伸びていないか調べる必要も有るだろう。村の中での遭遇や戦闘に備え住人の避難が済んでいるに越したことは無い。
それらの調査を省いて、浜に上がってきたものだけを駆除する依頼は頼みづらいと受付嬢が話す。
お話はしましたけれど、調査を行えていない雑魔の相手は難しいと思います。
けれど、もし興味があるなら、村に行ってみては如何でしょうか。
受付嬢の言葉に、メグの背後で緑の球体、淡く発光する不定形の精霊がぽん、とその後頭部に向かって跳ね、メグの首を縦に揺らした。
●
村を訪れたメグは、11回目のお願いのつもりで村の老人と話したが、柔やかに対応したその老人に軽くあしらわれた。そして、ハンターかと問われて思わず頷くと、浜へと連れ出された。
受付嬢の説得の効果が有ったのだろうか、流石に漁へ出ている船は無く、浜辺に小舟が乾されている。
そこから少し離れた辺りに東屋があった。それを指して老人は勝手に使えと呵呵と笑う。
そして、冒頭へ。
老人が去った後、浜辺を眺めて歩いたメグは東屋の床に座り込む。
ここはとても美しい海だ。と、そして、守りたいと思った。
一旦オフィスに帰ったメグが受付嬢に見てきたままを話すと、受付嬢は目を瞠って、直後ににっこりと満面の笑みになった。
「やっぱりハンターさんはすごいですね! 流石です! 私は浜には行けませんでしたから、きっと村の方もハンターさんに期待されてるんですよ! ハンターさんってほんっとうに、優しくて、強いんですから!」
「……そうだったんですか。……私も、先輩の皆さんには憧れちゃうので分かります……この村もはやく解決したら良いですね」
「では、よろしくお願いしますね!」
ぎゅっとメグの手を取って、受付嬢はそう言った。
難しいって言ったじゃ無いですか。
メグの反論を封じるように、緑の精霊が頭の上で跳ねる。
白い砂浜、見渡せば白い波にエメラルドグリーンの海、振り返れば自分の足跡だけが続いている。
波を輝かせる太陽の眩しさ、砂のさらさらとしたくすぐったい感触、潮騒の心地良い音色。
ジェオルジの北東に広がる海岸、中でも海産物と観光を主産業とし、近くの農耕地域から得られる野菜や果物畜産と併せ、美味な料理を振る舞うと知られる村。
だが、ジェオルジの中でも末端の僻地、まだ水も冷たく内陸が郷祭で賑わう季節に観光客の姿は無く。
産業も娯楽も少ない村からは、年々、若者が出て行き、今では少ない住人の殆どが老人だった。
使って構わないと貸し出された今にも崩れそうな東屋の中、メグ、ことマーガレット・ミケーリは膝を抱えて座り込む。
ここはとても、美しい海だ。
そして、ここに来るまでのことを振り返った。
●
オフィスを訪ね、勧められた依頼に幾つか参加した。
戦闘を含む依頼では荷物になってばかりだったけれど、出来ることが少しずつ増え、コボルトを相手に怯まずに、他のハンターを支援する力を使える程度には経験を積んだ。
けれど、自分が戦えたことはなく、接近されれば慌てしまう。
回復の力を仲間に使うより、自身に使う方が多いくらいの戦績だった。
今日こそは、ちゃんと出来る依頼を受けよう、困っている人を助けたくても、自分じゃ余計に困らせてしまう。
そう思いつつ、依頼を探しに来たある日、いつもはにこやかに声を掛けてくる受付嬢が、依頼を掲示しながら困ったように溜息を吐いていた。
「……何かあったんですか?」
受付嬢に尋ねると、1枚の依頼を示された。
『浜に出る雑魔を駆除して下さい』
それはジェオルジのある村からの依頼だった。
村の浜辺に雑魔が出る、しかし、住人の多くはかくしゃくと、漁に持て成しにと働いており、夏になればまた賑わう村を離れたくは無い。
「……お爺さん達の話しでは、形は甲羅の無い海亀、幅の狭い顔に大きな口が川魚みたいな面構えだそうです。でも、やっぱり海から来たんでしょうね、潮が引いたら浜辺に転がってる事が多いんだそうです。何ヶ月か前にも見付かって……その時は1匹だけでしたので、まさか雑魔とは思わずに集まって角棒でつっついて、海に押し戻したって言うんですが……危なっかしい話しですよ」
受付嬢は溜息を吐く。それが3匹に増えて戻ってきたそうだ。
「ご老人が多いので、駆除しても避難して頂くのがいいのではとお話ししたのですが……」
受付嬢は、その提案を突っぱねた老人を思い出したのか苦笑いで首を横に振った。
「長年暮らした土地を離れたくは無いとのことでした……説得には、自信が有ったんですけどね」
メグは残念そうにする受付嬢を見る。
彼女に言いくるめられて参加した幾つもの依頼の記憶が蘇る。
あれが通じない人がいるのかと感心しながら話を聞く。
「あの、もう一回お願いしてみる……とか」
避難をお願いするだけならできる、危ない場所からは離れないといけないから。と、メグも同行を申し出るが、受付嬢はそれを断った。
「10回くらいはお願いしまして……危ないことはどうにか伝わったようで、逃げる準備はしたと色々と詰まったリュックも拝見しました。……でも、まだ村は離れたくないそうです。危機感だけはどうしても、難しいんですよね」
押し問答の末、出没した雑魔の駆除だけは取り付けたと受付嬢が依頼を見せる。
「……でも、こちらとしてはハンターさんに、その場しのぎの依頼ですっていうのもお願いしづらくて」
本来なら滞在して出没元らしい海に出たり、特徴を有しているらしい川を河口から遡ったり、村に手が伸びていないか調べる必要も有るだろう。村の中での遭遇や戦闘に備え住人の避難が済んでいるに越したことは無い。
それらの調査を省いて、浜に上がってきたものだけを駆除する依頼は頼みづらいと受付嬢が話す。
お話はしましたけれど、調査を行えていない雑魔の相手は難しいと思います。
けれど、もし興味があるなら、村に行ってみては如何でしょうか。
受付嬢の言葉に、メグの背後で緑の球体、淡く発光する不定形の精霊がぽん、とその後頭部に向かって跳ね、メグの首を縦に揺らした。
●
村を訪れたメグは、11回目のお願いのつもりで村の老人と話したが、柔やかに対応したその老人に軽くあしらわれた。そして、ハンターかと問われて思わず頷くと、浜へと連れ出された。
受付嬢の説得の効果が有ったのだろうか、流石に漁へ出ている船は無く、浜辺に小舟が乾されている。
そこから少し離れた辺りに東屋があった。それを指して老人は勝手に使えと呵呵と笑う。
そして、冒頭へ。
老人が去った後、浜辺を眺めて歩いたメグは東屋の床に座り込む。
ここはとても美しい海だ。と、そして、守りたいと思った。
一旦オフィスに帰ったメグが受付嬢に見てきたままを話すと、受付嬢は目を瞠って、直後ににっこりと満面の笑みになった。
「やっぱりハンターさんはすごいですね! 流石です! 私は浜には行けませんでしたから、きっと村の方もハンターさんに期待されてるんですよ! ハンターさんってほんっとうに、優しくて、強いんですから!」
「……そうだったんですか。……私も、先輩の皆さんには憧れちゃうので分かります……この村もはやく解決したら良いですね」
「では、よろしくお願いしますね!」
ぎゅっとメグの手を取って、受付嬢はそう言った。
難しいって言ったじゃ無いですか。
メグの反論を封じるように、緑の精霊が頭の上で跳ねる。
解説
目的 雑魔の撃退
●エネミー
雑魔×3
引き潮に合わせて海から出没し、満ち潮に合わせて海に戻る。
浜辺に滞在している間、これといった行動は、今のところ起こしていない。
甲羅の無い海亀を思わせる身体に、川魚に似た首をもつ。
攻撃手段等は不明だが、砂の上をそれなりの速さで移動し、
除去しようとした村人から逃れようと、ヒレらしき部位をばたつかせる行動が確認されている。
1匹なら、村人が5人ほどで囲んで角材で押し、海へ押し戻せる程度の重さ。
●浜辺
細かな白い砂の砂浜。
釣り用の木製の小舟が数隻置かれている。
天井が半分無い東屋には、テーブルと椅子が置かれている。
●NPC
受付嬢
村の住人に対して雑魔の危険性を訴えたが一定以上には受け容れられず困っていた。
半面、ハンターへの信頼は深く根付いたらしいことに対しては驚きつつも喜んでいる。
村への移動前に必要な物品があれば支援を行う。
村人
老齢の男性。宿を経営している。
また、最初の1匹の除去にも加わっている。
村を出る気は無く、一時的な避難も拒んでいるが、
PCが友好的な場合、住人の避難以外ならば多少の融通を利かせ、宿の部屋の提供を行う。
●メグの行動
所持スキル
・ヒール
怪我を少し治せる。
・レジスト
敵の妨害効果への抵抗力を少し上げる。
・プロテクション
敵の攻撃から少し守る。
心境
難しいと言われた雑魔との戦闘のためとても不安を感じている。
浜辺の景観、及び、住人の安寧は守りたいと思っており、
美しい海に雑魔の出没した住人の心情を察し、避難に至ることの無い解決を願っている。
行動
基本的にはPCの指示に従う。
戦闘
基本的にはPCの指示に従う。
最前線をヒールの射程に保ち、敵との距離が尤も近い味方から順にプロテクションを使う。
敵を観察し、味方の移動や行動が妨げられそうな攻撃を行う場合はレジストを使う。
味方が攻撃を受けた場合は、ヒールを使う。
●エネミー
雑魔×3
引き潮に合わせて海から出没し、満ち潮に合わせて海に戻る。
浜辺に滞在している間、これといった行動は、今のところ起こしていない。
甲羅の無い海亀を思わせる身体に、川魚に似た首をもつ。
攻撃手段等は不明だが、砂の上をそれなりの速さで移動し、
除去しようとした村人から逃れようと、ヒレらしき部位をばたつかせる行動が確認されている。
1匹なら、村人が5人ほどで囲んで角材で押し、海へ押し戻せる程度の重さ。
●浜辺
細かな白い砂の砂浜。
釣り用の木製の小舟が数隻置かれている。
天井が半分無い東屋には、テーブルと椅子が置かれている。
●NPC
受付嬢
村の住人に対して雑魔の危険性を訴えたが一定以上には受け容れられず困っていた。
半面、ハンターへの信頼は深く根付いたらしいことに対しては驚きつつも喜んでいる。
村への移動前に必要な物品があれば支援を行う。
村人
老齢の男性。宿を経営している。
また、最初の1匹の除去にも加わっている。
村を出る気は無く、一時的な避難も拒んでいるが、
PCが友好的な場合、住人の避難以外ならば多少の融通を利かせ、宿の部屋の提供を行う。
●メグの行動
所持スキル
・ヒール
怪我を少し治せる。
・レジスト
敵の妨害効果への抵抗力を少し上げる。
・プロテクション
敵の攻撃から少し守る。
心境
難しいと言われた雑魔との戦闘のためとても不安を感じている。
浜辺の景観、及び、住人の安寧は守りたいと思っており、
美しい海に雑魔の出没した住人の心情を察し、避難に至ることの無い解決を願っている。
行動
基本的にはPCの指示に従う。
戦闘
基本的にはPCの指示に従う。
最前線をヒールの射程に保ち、敵との距離が尤も近い味方から順にプロテクションを使う。
敵を観察し、味方の移動や行動が妨げられそうな攻撃を行う場合はレジストを使う。
味方が攻撃を受けた場合は、ヒールを使う。
マスターより
よろしくお願いします。
メグは恐らくレベル3くらいです。たぶん。きっと。
行動への指示が可能ですので、オフィスでの待機も問題ないです。
(メグへの指示や行動は、今後の依頼の内容や難易度に関わりますが、
今回の依頼の成否は、今回の目的の達成のみを評価します)
メグは恐らくレベル3くらいです。たぶん。きっと。
行動への指示が可能ですので、オフィスでの待機も問題ないです。
(メグへの指示や行動は、今後の依頼の内容や難易度に関わりますが、
今回の依頼の成否は、今回の目的の達成のみを評価します)
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/06/10 23:26
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
卓~海岸掃除~ J・D(ka3351) エルフ|26才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/06/02 00:42:53 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/29 21:20:58 |